熊は、日本をはじめ、北米、ヨーロッパ、ロシアなど世界のさまざまな地域に生息しています。
ニュースでは日本のヒグマやツキノワグマによる被害が取り上げられることも多いですが、
- 世界で最も熊が多い国はどこなのか
- ロシアには熊が何頭いるのか
- アメリカやカナダにはどのくらい生息しているのか
- 日本は世界的に見て熊が多い国なのか
- 国ごとの熊の個体数はどのように調べられているのか
と気になる人も多いでしょう。
ただし、世界にはヒグマ、アメリカグマ、ツキノワグマ、ホッキョクグマなど複数の熊が生息しており、すべての熊を同一基準で集計した世界共通の公的統計はありません。
そこで、このページでは各国政府や政府系研究機関が公表しているデータのうち、比較しやすい**ヒグマ(Ursus arctos)**の推定・確認個体数をもとに、熊が多い国をランキング形式で紹介します。グリズリーも生物分類上はヒグマの一種として扱っています。
世界の熊が多い国ランキング
世界各国について、公的機関が公表しているヒグマの推定・確認個体数を比較したランキングです。
※ヒグマ(Ursus arctos)を対象としています。
※グリズリーを含みます。
※ツキノワグマ、アメリカグマ、ホッキョクグマなどは含みません。
※各国で調査年や推計方法が異なります。
※推定値に幅がある国は、中間値または公的機関が示す代表値をランキング計算に使用しています。
※公的な全国値を確認できる国を掲載しており、世界すべての生息国を網羅したものではありません。
熊が多い国ランキング
各国政府・政府系研究機関が公表しているヒグマ(Ursus arctos)の推定・確認個体数を比較しています。 世界共通の同一年度統計ではないため、基準年と出典を併記しています。
| 順位 | 国 | ヒグマ推定・確認個体数 | 基準年 | 補足 | 公的データソース |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ロシア | 約301,000頭 | 2024年 | 公的な全国値として確認できる値。基準年が古いため、最新性には注意してください。 | |
| 2 | アメリカ | 少なくとも約31,923頭 | 公表ページ現行値 | アラスカ州約30,000頭と、米本土48州の少なくとも1,923頭を合算。 | |
| 3 | カナダ | 約26,000頭 | 2012年評価 古い公的推計 | Western populationの公的全国推計。基準年が古いため、最新性には注意してください。 | |
| 4 | 日本 | 約12,000頭 | 2025年公表 | 北海道のヒグマ推定値。ツキノワグマは含みません。 | |
| 5 | ルーマニア | 10,419~12,770頭 | 2025年 | 推定レンジの中点を順位計算用の代表値として使用。 | |
| 6 | フィンランド | 2,181~2,790頭 | 2025年秋 | 90%確率区間の中点を順位計算用の代表値として使用。 | |
| 7 | スウェーデン | 約2,448頭(2,080~2,823頭) | 2023年暫定 | 公的機関が示す最尤値を順位計算に使用。 | |
| 8 | スロベニア | 約990頭(810~1,310頭) | 2024年 | 春季推計の中心値を順位計算に使用。 |
推定レンジがある国は中点または公的機関が示す代表値で順位を計算しています。 調査方法・対象時点が国ごとに異なるため、順位は厳密な同一条件比較ではありません。
公的データで確認できる範囲では、圧倒的に多いのがロシアです。
ロシア連邦国家統計局Rosstatの「Russia 2025」によると、2024年のヒグマは301千頭、つまり約30万1,000頭です。データ原典はロシア天然資源省とされています。
2位はアメリカです。
Alaska Department of Fish and Gameは、アラスカ州に推定約3万頭のヒグマがいるとしています。さらにU.S. Fish & Wildlife Serviceによると、米本土48州には少なくとも1,923頭のグリズリーが確認されています。単純に合計すると、アメリカでは少なくとも約3万1,923頭となります。
カナダについては、COSEWICの2012年評価でグリズリーのWestern populationが少なくとも26,762頭とされ、評価上は約2万6,000頭として扱われています。ただし、他国のデータと比べて基準年が古いことには注意が必要です。
熊が多い国ランキングのデータについて
このランキングでは、民間サイトの推計値を集めるのではなく、原則として各国政府、政府系研究機関、公的統計機関が公表した数値を使用しています。
主なデータ提供機関は、
- ロシア連邦国家統計局Rosstat
- Alaska Department of Fish and Game
- U.S. Fish & Wildlife Service
- Government of Canada・COSEWIC
- 日本の環境省
- ルーマニア環境・水・森林省
- フィンランド天然資源研究所Luke
- Swedish Environmental Protection Agency
- Government of Slovenia
などです。
ただし、人口統計のように「毎年同じ日・同じ方法で世界各国を調査する制度」が熊にはありません。国によって、DNA調査、目撃情報、捕獲データ、個体群モデルなど推計方法が異なります。また、全国調査が毎年行われるとは限りません。
そのため、このランキングでは各国で利用できる最新または代表的な公的推計値と、その基準年をセットで表示しています。このページでは月1回、公的データの公開・改訂状況を確認し、新しい公表値を利用できる場合にランキングを更新します。
なぜすべての熊を合計したランキングではない?
「熊が多い国ランキング」であれば、国内に生息するすべての熊を合計した方が分かりやすいようにも思えます。
しかし、世界には複数の熊が生息しています。
代表的なものには、
- ヒグマ
- アメリカグマ
- ツキノワグマ
- ホッキョクグマ
- ナマケグマ
- マレーグマ
- メガネグマ
- ジャイアントパンダ
などがあります。
問題は、これらを国別に合計した統一された公的統計が存在しないことです。
たとえばアメリカではヒグマだけでなく大量のアメリカグマも生息しています。一方、日本にはヒグマとツキノワグマがいます。国によって調査対象となる熊の種類や推計方法が異なるため、それらを単純合算すると比較条件が大きく異なってしまいます。そこで、このランキングでは世界に広く分布し、各国の公的な個体数データを比較しやすいヒグマに対象を統一しています。
世界で最もヒグマが多い国はロシア
公的データ上、ヒグマが最も多いのはロシアです。
Rosstatによる2024年の統計では、ロシアのヒグマは約30万1,000頭とされています。前年2023年は約29万6,000頭だったため、統計上は1.7%増加しています。
アメリカの約3万頭規模やカナダの約2万6,000頭と比較しても、ロシアの個体数は非常に大きいことが分かります。ロシアは国土面積が非常に大きく、ヒグマが生息できる森林や山岳、極東地域など広大な生息域があります。
日本には熊が何頭いる?
日本にも世界的に見てかなりの数の熊が生息しています。
環境省は2025年10月の記者会見で、現在の推定値として、北海道に生息するヒグマが約1万2,000頭、ツキノワグマが4万2,000頭以上と説明しています。単純に合計すると、日本国内には少なくとも約5万4,000頭規模の熊がいる計算になります。
しかし、このページのランキングで使用しているのはヒグマだけなので、日本のランキング値は約1万2,000頭です。
ツキノワグマまで合算すると日本の順位は大きく変わる可能性がありますが、アメリカのアメリカグマなど他国の別種についても同じ条件で集計する必要があります。
そのため、約5万4,000頭という数字を世界ランキングには使用していません。日本のヒグマは北海道に生息しており、本州や四国には主にツキノワグマが分布しています。
ヨーロッパで熊が多い国は?
ヨーロッパではルーマニアのヒグマ個体群が大きいことが特徴です。
ルーマニア環境・水・森林省が2025年4月に発表した遺伝子調査では、国内のヒグマは1万419~1万2,770頭と推定されています。この調査では25県から集めた2万4,000超の遺伝サンプルが分析され、95%の信頼水準による推計値が示されています。
フィンランドでは、政府系研究機関Natural Resources Institute Finlandの2025年秋推計で、国内の熊は2,181~2,790頭とされています。これは90%確率区間です。
スウェーデンでは、Swedish Environmental Protection Agencyが2023年の暫定推計として2,448頭を示しています。推定区間は2,080~2,823頭です。なお、2022年の正式な全国推計は2,824頭でした。
スロベニア政府による2024年春の推計は約990頭で、推定区間は810~1,310頭です。
このようにヨーロッパでも国によって個体数には大きな差があります。
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