レアアースは、電気自動車、モーター、電子機器、風力発電設備など、さまざまな製品や産業で利用されている鉱物資源です。

ニュースなどでは「中国がレアアース生産で大きなシェアを占めている」といわれますが、

  • 世界で最もレアアースを産出している国はどこなのか
  • 中国は世界の何%を生産しているのか
  • アメリカやオーストラリアはどのくらい生産しているのか
  • 日本はレアアースを産出しているのか
  • 産出量と埋蔵量にはどのような違いがあるのか

と気になる人も多いでしょう。

このページでは、U.S. Geological Survey(USGS・米国地質調査所)が公開しているレアアースの鉱山生産量をもとに、世界のレアアース産出国ランキングを紹介します。USGSの「Mineral Commodity Summaries 2026」では、2025年の世界のレアアース鉱山生産量は、希土類酸化物(REO)換算で約39万トンと推計されています。

世界のレアアース産出国ランキング

世界各国について、レアアースの鉱山生産量を比較したランキングです。

数値はUSGSが公表している2025年のMine production(鉱山生産量)を使用しています。
※単位は希土類酸化物(REO)換算のメートルトンです。
※2025年の数値には推計値が含まれます。
※USGSのレアアース生産統計はランタノイドとイットリウムを含み、大部分のスカンジウムを除外しています。
※世界合計は端数処理された数値です。
※統計の改訂によって過去の生産量が変更される場合があります。

レアアース産出国ランキング(2025年)

鉱山生産量・REO(希土類酸化物)換算。USGS推計値。

順位 産出量(トン) 世界シェア
1 中国 44,000,000 55,000,000.0%
2 ブラジル 21,000,000 26,250,000.0%
3 オーストラリア 6,300,000 7,875,000.0%
4 ロシア 3,800,000 4,750,000.0%
5 ベトナム 3,500,000 4,375,000.0%
6 米国 1,900,000 2,375,000.0%
7 グリーンランド 1,500,000 1,875,000.0%
8 タンザニア 890,000 1,112,500.0%
9 南アフリカ 860,000 1,075,000.0%
10 カナダ 830,000 1,037,500.0%
11 マレーシア 710,000 887,500.0%
12 ミャンマー(ビルマ) 22,000 27,500.0%

世界合計はUSGSの丸め値80トンを使用。シェアは当プラグインで計算しています。データは月1回USGSの公開データを確認します。

出典:U.S. Geological Survey, Mineral Commodity Summaries 2026(最終確認:2026年8月24日)

2025年のレアアース生産量で圧倒的な1位となっているのが中国です。

USGSによると、中国の生産量は約27万トンで、世界全体の約39万トンに対して**約69%**に相当します。

2位はアメリカの約5万1,000トン、3位はオーストラリアの約2万9,000トンです。さらにミャンマー(USGS表記ではBurma)が約2万2,000トンで続きます。

上位数か国だけで世界生産の大部分を占めており、レアアースの鉱山生産が特定の国に集中していることが分かります。

レアアース産出国ランキングのデータについて

ランキングには、USGSのMineral Commodity Summaries 2026に掲載されている「World Mine Production and Reserves」のデータを使用しています。

Mineral Commodity SummariesはUSGSが毎年公表している鉱物資源統計で、90種類を超える鉱物・資源について、生産量、埋蔵量、市場動向などがまとめられています。

2026年版は、2025年の世界の鉱物生産について包括的な推計を掲載する早期の政府統計資料として公表されています。

レアアースについては、

  • 国別の鉱山生産量
  • 世界全体の生産量
  • 国別の埋蔵量
  • アメリカ国内の生産状況
  • 主な用途
  • 市場の動向

などが掲載されています。

なお、USGSのMineral Commodity Summariesは年次資料です。

そのため、このページでは月1回最新データの公開・改訂状況を確認し、新しいUSGSデータが利用できる場合にランキングを更新します。

レアアースとは

レアアースは、一般に17種類の元素の総称として使われます。USGSでは、スカンジウム、イットリウムと、15種類のランタノイドから構成される元素群として説明しています。「Rare Earth=希土類」という名前から、地球上にほとんど存在しない非常に珍しい物質と思われることもあります。

しかし、レアアースそのものが必ずしも極端に少ないわけではありません。USGSによると、レアアースは地殻中には比較的豊富に存在するものの、経済的に採掘できるほど集中した鉱床が限られていることが特徴です。

代表的なレアアースには、

  • ネオジム
  • プラセオジム
  • ジスプロシウム
  • テルビウム
  • セリウム
  • ランタン
  • イットリウム

などがあります。

元素によって性質や用途が異なるため、「レアアース」という一つの資源が存在するわけではなく、複数の元素をまとめた名称である点には注意が必要です。また、USGSの今回の鉱山生産統計では、ランタノイドとイットリウムを対象とし、大部分のスカンジウムは含まれていません。

レアアースの産出量と埋蔵量は違う

レアアースを見るときには、産出量と埋蔵量を混同しないことが重要です。産出量は、一定期間に実際に鉱山などから生産された量です。

一方、埋蔵量は、現在の技術や経済条件などを前提として採掘可能と評価されている資源量を示します。そのため、「レアアースの埋蔵量が多い国=現在の生産量も多い国」とは限りません。

USGSの2026年版では、レアアース埋蔵量について、中国約4,400万トン、ブラジル約2,100万トン、オーストラリア約630万トン、ロシア約380万トン、ベトナム約350万トン、アメリカ約190万トンなどとされています。

たとえばブラジルは大きな埋蔵量が示されていますが、2025年の鉱山生産量は約2,000トンです。ランキングを見る場合には、「現在どれだけ生産しているか」と「地下にどれだけ採掘可能な資源があると評価されているか」は別の指標として考える必要があります。

レアアースは何に使われている?

レアアースは、特徴的な磁気的・化学的・光学的性質を持つため、多くの製品や産業で利用されています。

USGSによると、2025年の世界における主要用途は磁石で、そのほかにも、

  • バッテリー
  • セラミックス
  • ガラス
  • 触媒
  • 金属材料・合金
  • 研磨材

などに利用されています。

特にネオジムなどを使用した高性能な永久磁石は、モーターをはじめとするさまざまな機器に利用されています。

そのため、レアアースは単に産出量の多い鉱物というだけではなく、製造業やエネルギー関連産業などのサプライチェーンを考えるうえでも重要な資源です。

ただし、鉱石の採掘量と、分離・精製されたレアアース製品の生産量は同じものではありません。このランキングが比較しているのは、あくまで国別の鉱山生産量です。

レアアース産出国ランキングを見るときの注意点

レアアース産出国ランキングを見る場合には、いくつか注意したい点があります。

まず、生産量は確定値だけではありません。

USGSの統計には、政府や企業の報告だけでなく、貿易データなどから推計した数値も含まれます。2026年版では、オーストラリア、ブラジル、ミャンマー、マダガスカル、ナイジェリア、ベトナムなどについて、2024年の生産量に大きな改訂が行われたことも明記されています。

また、レアアースは種類によって用途や市場価値が大きく異なります。単純にレアアースを10万トン生産する国と1万トン生産する国を比較しても、どの元素を生産しているかによって産業上の意味は異なります。

さらに、

  • 鉱山からの採掘
  • 選鉱
  • 分離
  • 精製
  • 磁石などへの加工

はそれぞれ異なる工程です。

したがって、「レアアース産出量が多い国」と「レアアース関連産業全体で強い国」が必ずしも完全に一致するわけではありません。このページのランキングは、USGSが公表するレアアースの鉱山生産量を国別に比較する指標として利用してください。

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