「カンボジア不動産って買えるですか?」
「カンボジア不動産投資ってどうなんですか?」

カンボジア不動産の購入、カンボジア不動産投資を検討している方もいらっしゃるかと思います。今回は、カンボジア不動産投資、カンボジア不動産の買い方・メリットデメリット・リスク・利回り・税金まで、徹底的に検証したいと思います。

目次

そもそも、カンボジア不動産は日本在住の日本人が買えるの?

購入できます。

購入自体は可能です。ただし、何でも日本人名義で買えるわけではありません。投資判断で重要なのは「買えるか」ではなく、「どの権利を、どの形で持てるか」です。

外国人である日本人がカンボジアで直接所有できるのは、主にコンドミニアムの区分所有です。具体的には、ストラタタイトルが付いた共同住宅で、地上階を除く2階以上の専有部分であれば取得対象になります。

一方で、土地そのものは外国人が直接所有できません。戸建て、ヴィラ、ショップハウスのような土地付き物件も、日本人個人名義でそのまま所有することはできません。ここを曖昧に理解したまま物件を見ると、「建物は買えたと思っていたのに、実際には土地権利を持てていなかった」という認識ズレが起きます。

さらに、コンドミニアムであっても無条件ではありません。外国人が保有できるのは、建物全体の外国人保有枠の範囲内に限られます。つまり、立地や価格だけでなく、その物件に外国人枠が残っているかまで確認して初めて「買える物件」と言えます。

投資家目線で見ると、カンボジア不動産で日本人が現実的に検討しやすいのは、完成済みまたは完成確度の高いコンドミニアムです。理由は明確で、権利関係が比較的整理しやすく、賃貸運用や将来売却の説明もしやすいからです。逆に、土地付き案件は権利の持ち方が複雑になりやすく、法務・契約・出口戦略まで含めた確認が必要になります。

土地付き物件に投資したい場合の考え方

土地や戸建てに関与する方法が全くないわけではありません。長期リースや信託などの方法で実質的に関与するスキームはあります。ただし、これは「直接所有できる」という話ではありません。スキームの適法性、受益権の保全、 trustee の信頼性、売却時の処理まで確認すべき論点が増えるため、初心者が表面利回りだけで選ぶ分野ではありません。

そのため、日本在住の日本人がカンボジア不動産を検討するなら、最初に整理すべき判断軸はシンプルです。権利を明確に持てるコンドミニアムを狙うのか、より高いリターンを期待して複雑な土地スキームまで踏み込むのか。この違いを理解してから物件比較に入ると、検討の精度が大きく変わります。

カンボジアという国とは?

概要

投資先カンボジア不動産
国名カンボジア王国
面積(k㎡)181,035k㎡
日本との比較0.5倍
人口16,770,000人
日本との比較0.1倍
首都プノンペン
民族90%がカンボジア人(クメール人)
言語クメール語
宗教仏教(一部少数民族はイスラム教)
通貨リエル(KHR)
政策立憲君主制
主要産業農業、工業、サービス業
日本からの移動時間8時間
為替変動相場制
格付けS&P B
フィッチ  B
ムーディーズ B2

不動産投資の前提として見るカンボジアの基礎条件

カンボジアは、東南アジアのインドシナ半島に位置し、タイ、ラオス、ベトナムに接する国です。国土面積は181,035㎢、2025年時点の人口は約1,784.8万人で、首都プノンペンの人口は約201.4万人です。日本と比べると国全体の人口規模は大きくありませんが、首都への集積度が高く、不動産投資では「国全体」よりも「プノンペンの需要をどう見るか」が判断の中心になります。

投資先として重要なのは、カンボジアが広い国内市場を持つ国ではなく、首都集中型の市場だという点です。地方も含めて一律に需要が広がる国ではありません。外国人向けコンドミニアム、オフィス、商業、物流を検討する場合も、実需の厚みはまずプノンペンを基準に考えるべきです。

政治

国家体制は立憲君主制ですが、不動産投資の観点で重要なのは制度名そのものではなく、政策運営が比較的中央集権的で、インフラ整備や都市開発が首都圏に集中しやすいことです。空港、幹線道路、経済特区、都市再開発の恩恵もエリアごとの差が大きく、同じカンボジア国内でも投資適格性にはかなりの差があります。

政治リスクをゼロとみなすべきではありませんが、投資家が実務上まず気にすべきなのは、政変の有無よりも、許認可、登記、開発、外資規制、行政実務の透明性です。制度があることと、実務がスムーズに進むことは別です。この国では物件そのものより、権利関係と開発主体の信頼性確認が収益性を左右しやすいという前提で見た方が安全です。

経済

カンボジア経済は、かつてのように「高成長だから不動産も上がる」と単純に言える局面ではありません。IMFは、2024年の実質GDP成長率を6.0%としたうえで、2025年は4.8%、2026年は4.0%前後まで減速すると見ています。世界銀行も2025年の成長率を4.0%程度とみており、外需の鈍化や通商環境の変化の影響を受けやすい構造が続いています。

産業構造は、縫製などの輸出産業、観光、建設、不動産、農業への依存度が高く、景気の強さが国内だけで完結しない点に注意が必要です。つまり、カンボジア不動産は内需一本で伸びる市場ではなく、輸出、観光、海外直接投資、対外資金環境の影響を受けながら動く市場です。不動産価格を見るときも、現地の景気感だけでなく、外部環境まで見ないと判断を誤ります。

ドル化経済と不動産投資の関係

カンボジアの大きな特徴は、リエル建ての国でありながら、経済実務では米ドルの存在感が極めて大きいことです。家賃、売買、預金、融資などで米ドルが広く使われるため、日本人投資家にとっては現地通貨急落のリスクを相対的に抑えやすい市場です。

ただし、これは無条件のメリットではありません。米ドル建てで動くということは、米国の金利環境や外部マネーの流れの影響を受けやすいということでもあります。資金調達コストが高止まりしやすく、デベロッパーの販売条件や分割払いスキームにもその影響が出ます。カンボジア不動産を検討するなら、「新興国なのにドルで持てる」という見方だけでなく、「ドル圏の金融環境に連動しやすい市場」として理解しておく必要があります。

カンボジア不動産が不動産投資で注目される理由・メリット

1.人口増だけでなく、若い就業人口が住宅需要を下支えしやすい

カンボジアの人口は2024年時点で約1,763万人、2025年推計で約1,785万人規模まで増えており、若年層の比率も高い国です。

人口が増えている国は珍しくありませんが、カンボジアは今後も働く世代の厚みが残りやすく、都市部の住宅需要が長期で細りにくい点が投資上の強みです。特に不動産投資では、人口総数そのものよりも、これから賃貸需要をつくる若い就業人口がどれだけ残るかが重要です。

カンボジアの総人口推移

出典:United Nations 2024

2.人口ピラミッドがきれいな形状で、人口ボーナスも長く獲得できる

きれいな正三角形をしていて、子供の数が多く、人口ボーナスが長期的に継続されることがほぼ確実と言えます。若年層が多いことが目立つ、人口ピラミッドです。

カンボジアの人口ピラミッド

出典:United Nations 2024

3.プノンペンへの人口・雇用・商業集積が続いている

カンボジアは人口が少ない国です。

  • 首都のプノンペンの人口は、現在200万人です。

政府は

  • 首都を半径100kmに拡大する
  • 人口約600万人を突破する

という計画が発表をしています。

プノンペンの大きさは、東京23区とだいたい同じ大きさで、人口600万人いれば、かなりの人口密度になります。

カンボジア全体で不動産を考えるより、実際には首都プノンペンにどれだけ人と仕事が集まり続けるかを見る方が重要です。国連データでは、プノンペンの人口は2025年時点で約201万人とされており、地方よりも雇用、外資系企業、教育機関、商業施設が集中しています。人口流入が続く都市では、売買価格より先に賃貸需要が底堅くなりやすく、投資家にとっては空室リスクを抑えやすい市場になります。

賃貸市場は、カンボジア不動産投資を判断するうえで、引き続き重要な下支え要因です。中でもワンルームタイプの需要が強く、賃貸需要全体の約72%を占めています。平均家賃も月額約900米ドルの水準にあり、都心部では一定の賃料水準が維持されています。

この需要を支えているのは、カンボジア人の入居者だけではありません。アジア各国に加え、ヨーロッパや北米からの駐在員、外国人ビジネス関係者など、幅広い層が賃貸市場を形成しています。特定の一属性に依存しすぎないテナント構成になっている点は、都市部の賃貸市場をみるうえで安心材料になりやすい部分です。

中でも、BKK1やトンレバサックのような中心部では、立地条件に優れ、管理品質の高いプロジェクトに需要が集まりやすい傾向があります。こうした物件は、空室リスクを抑えながら安定した賃料収入を狙いやすく、将来的な資産価値の維持や上昇も期待しやすい投資対象といえます。

出典:CAMBODIA INVESTMENT

4.高成長一辺倒の局面ではないが、中期で経済拡大が続く余地はある

カンボジアは、高いGDP成長率を実現しています。

カンボジア GDP


直近の成長率は4.8%を超えています。

カンボジアは以前のような急成長局面ではないものの、IMFは2025年の実質GDP成長率を4.8%、2026年を4.0%程度と見込んでいます。つまり、短期でどの物件でも値上がりする市場ではありませんが、経済が止まっている国でもありません。輸出、観光、都市化を背景に成長余地が残っているため、完成済みで立地と管理の良い物件には、今後も一定の需要が見込みやすい環境です。

5.米ドル建てで賃料・売買価格を把握しやすく、資産管理がしやすい

カンボジアは、ドルが流通している国です。

  • 銀行預金、銀行融資の米ドル比率は85%

と言われています。

米ドルで買い物ができ、事業や投資、銀行口座での預金なども米ドルで可能になります。

米ドルが流通している = 外国企業が参入しやすい土壌がある

ことを意味しています。

世界の基軸通貨である米ドルが流通しているため、投資がしやすい国と言えます。

カンボジア不動産の大きな特徴は、経済全体が高度にドル化している点です。賃料、売買価格、預金、融資などで米ドルが広く使われているため、日本人投資家にとって収支を把握しやすく、東南アジアの中でも資産管理の実務が比較的わかりやすい市場です。現地通貨が急落して家賃収入の実質価値が崩れるタイプのリスクを見極めやすいことは、海外不動産では大きな利点です。

6.高金利の米ドル建て定期預金で運用利回りを最大化できる

カンボジアの大きなメリットには

  • 高金利の米ドル建て定期預金

があります。

年率7.0%を超える米ドル建て定期預金が利用できます。

不動産投資で得た賃料収入を、高金利の定期預金に回す運用をすれば、不動産収入と利息収入の二つのインカムゲインが期待できます。

7.新空港の開港で、南部エリアと物流動線の評価軸が変わってきている

カンボジアは、コロナ以前までは、観光客数が年々増加していました。

出典:CBRE

航空需要の増加に伴い、2016年6月、カンボジア政府は新空港を建設することを決めました。

2021年12月、カンボジア情報省より、空港名称を「タクマウ・テコ国際空港(Takhmao Techo International Airport) 」とすることが公表された。

空港建設は、中国の中国冶金科工集団が受注したました。

  • 開発総費用 : 15億ドル
  • 空港敷地面積 : 2,600ヘクタール(世界で9番目に広い)
  • ICAO飛行場基準コード : 4F (エアバスA380、ボーイング747-8などの大型機にも対応)
  • 管制塔の高さ : 108メートル
  • 滑走路長 : 4,000メートル 1本(開港時)
  • 開港:2025年

開港時に年間1,300万人、2030年に年間3,000万人、2050年に年間5,000万人の利用を見込んでいます。

Techo International Airport は2025年9月9日に正式開港しており、今は「これからできる材料」ではなく、開港後にどのエリアへ恩恵が波及するかを見る段階です。新空港の整備は、プノンペン南部や周辺幹線道路沿いのアクセス評価を変えやすく、住宅だけでなく、ホテル、物流、商業施設、空港関連サービスの需要にも影響します。不動産投資では、空港そのものよりも、空港によって人流と物流の導線がどこへ伸びるかを見ることが重要です。

8.外国人が購入できる資産のルールが明確で、投資判断をしやすい

カンボジアでは外国人は土地を直接所有できませんが、コンドミニアムの区分所有についてはルールが比較的明確です。

そのため、何が買えて何が買えないかを整理しやすく、権利関係が曖昧な案件を避けやすい市場でもあります。土地についても、近年は信託を活用した実務整備が進み、2025年には信託登録の増加や税務ルールの整備が進んでいます。外国人投資家にとって、制度の制約がある一方で、正しいスキームを選びやすくなっている点はプラス材料です。

9.供給過剰の局面だからこそ、完成済み優良物件を選びやすい

プノンペンのコンドミニアム市場は、供給が積み上がったことで、買えば上がる時代から、物件ごとの差が大きく出る市場へ変わっています。

2025年時点でコンドミニアム供給はおよそ7.6万戸から8万戸規模と見込まれており、市場全体では選別が進んでいます。これは一見デメリットですが、投資家目線では、完成済み、管理良好、都心立地、賃貸実績ありの物件を比較して選びやすい局面でもあります。今は値上がり期待だけで買うより、実際に貸せる物件を選ぶ投資がしやすい市場です。

10.住宅だけでなく、物流・工業不動産にも成長余地がある

カンボジア不動産の魅力は、都心コンドミニアムだけではありません。近年はサプライチェーン再編の影響もあり、物流、工業、経済特区周辺への需要が注目されています。

住宅市場が供給過剰で選別局面にある一方、物流や工業の分野は、道路、空港、国境動線の整備と合わせて新たな投資テーマになりやすい分野です。個人投資家が直接参入しにくい領域ではありますが、カンボジア不動産を国全体で見るなら、成長の主戦場が住宅だけではないことは押さえておきたいポイントです。

カンボジア不動産の不動産投資におけるデメリット・リスク

1.人口が少ないリスク

同じ海外不動産で人気のフィリピンなどと比較すると明らかですが、人口が圧倒的に少ないのです。

人口が少ない理由は、1975~1979 に政権を担っていた、クメールルージュ(カンボジア共産党)の指導者ポル・ポトによる「国民の大虐殺」が原因です。約4年間で、当時の人口の約3分の1にあたる約150~200万人の人々が犠牲になったと言われています。

そのため、人口ピラミッドも若干いびつな形になっています。

若い世代が増えてきていて、人口は増加傾向にあるものの、現時点では人口は1,000万人強と少なく、人口が少ない点が不動産需要が大きくならない、または経済規模が大きくならない理由として、懸念されるものと言えます。

これは、カンボジア不動産に投資する大きなリスクです。

2.需給ミスマッチ。コンドミニアムの供給過剰とキャピタルゲインの限界

2026年現在、プノンペン都心部(BKK1など)のコンドミニアム市場は、過去数年間の大量供給による「在庫過剰(オーバーストア)」の状態にあります。

一昔前のように「プレビルドで買えば、完成時には価格が20〜30%跳ね上がっている」というキャピタルゲイン(値上がり益)を前提とした投資フェーズは完全に終了しました。物件価格は実質的に横ばい、あるいは立地や設備で劣る物件は下押し圧力に晒されています。

現在のカンボジア不動産投資は、キャピタルゲイン狙いではなく、高い利回りを確保する「インカムゲイン(家賃収入)狙い」が基本です。価格上昇の期待値は低く見積もり、現実的な賃貸稼働率でシミュレーションを回す必要があります。

2.流動性リスク。実需層が好む「ボレイ(戸建て)」との乖離による出口戦略の難しさ

海外不動産投資における最大のリスクは「売りたい時に売れない(流動性リスク)」ことです。カンボジアはこの傾向が特に強い国です。

外国人が購入できるのは「コンドミニアムの2階以上(区分所有)」に限られますが、現地のカンボジア人富裕層・中間層は、圧倒的に「ボレイ」と呼ばれるゲート付きの郊外型戸建て住宅を好みます。つまり、コンドミニアムのリセール(中古)市場における主な買い手は「他の外国人投資家」か「一部の都市型単身者」に限定されてしまうのです。

外国人バイヤーが市場を席巻する一方、国内需要は拡大している。

カンボジアのコンドミニアム市場において、国際投資家は依然として重要な推進力となっており、購入件数の60%以上を占めている。特に米国、欧州、および地域市場からの投資が活発ですが、国内需要は着実に増加しており、カンボジア人バイヤーが取引全体に占める割合も増加傾向にあります。

出典:CAMBODIA INVESTMENT

日本のように「仲介会社に出せば数ヶ月で売れる」という流動性はありません。出口戦略(売却)には年単位の時間がかかることを前提とし、長期保有(インカムゲインでの資金回収)をベースとした投資計画が必須となります。

3.【竣工リスク】プレビルドの建設頓挫(ゴーストビル)と資金回収不能リスク

カンボジアでは、未完成のまま工事がストップし放置される「ゴーストビルディング」が社会問題化しています。

プレビルド(未完成物件の青田買い)は、少額から分割払いで購入できるメリットがありますが、資金力のないディベロッパー(特に一部の外資系新興企業)が販売不振や資金繰りの悪化に陥ると、建設が突如ストップします。この場合、支払った前受金が返還される保証は実質的にありません。

このリスクを完全に回避するためには、既に完成している「完成済み物件(Ready to move in)」を購入するのが最も安全です。プレビルドを狙う場合は、過去に複数のプロジェクトを遅延なく引き渡している「大手地場・日系・韓国系」などの信用力の高いディベロッパーに限定してください。

4.法務・権利リスク。登記証(タイトル)の違いによる資産保全の落とし穴

カンボジアの不動産登記制度は発展途上であり、権利関係を証明する「タイトル(権利書)」には複数の種類が存在し、法的な効力が大きく異なります。

  • ハードタイトル(LMAP含む): 国(国土整備・都市計画・建設省)が発行・管理する全国統一の権利書。所有権が強力に保護されます。
  • ソフトタイトル: 地方自治体(区や村レベル)が発行する権利書。手続きが早く税金も安いですが、国レベルでの境界線確認が行われておらず、将来的な所有権トラブルのリスクが高いです。

外国人投資家がコンドミニアムを購入する際(ストラータタイトル取得時)、元の土地が「ソフトタイトル」のまま開発されている物件は、将来の権利トラブルや売却時の障害になります。購入前に、必ず弁護士や信頼できるエージェントを通じて「ハードタイトル(特にLMAPに基づくもの)」が取得できる物件であることを確認してください。

カンボジア不動産価格推移

カンボジア(プノンペン)住宅価格指数推移

高級マンションの平均価格(米ドル/㎡)


出典:Global Property Guide 2026年1月最新データ

カンボジア(プノンペン)住宅価格指数推移変動率

高級マンションの平均価格(米ドル/㎡)


出典:Global Property Guide 2026年1月最新データ

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カンボジア不動産投資で発生するコスト

※コストは、ディベロッパー、物件、時期によっても違いがあります。あくまでも参考事例として、実際の発生するコストは、その時の不動産会社にヒアリングしましょう。

カンボジア不動産投資で発生するコストには

  • 物件価格
  • 資産譲渡税(付加価値税:VAT)
  • 登記費用
  • 印紙税
  • 賃貸管理費
  • 共益費・修繕費
  • 付帯設備費・家具家電費用
  • 火災保険
  • 税金(固定資産税)
  • 税金(不動産収入税・所得税)
  • 税金(キャピタルゲイン税)

物件価格

物件価格は、その販売物件の価格です。

カンボジア不動産では、他の海外不動産投資と同様に「プレビルド」での販売が一般的です。

  • 5年間で半年ごとに10%ずつ払って、5年後に竣工
  • 初回15%、物件完成85%で、5年後に竣工

というようなイメージです。

また、プレビルドの費用の一括払いによる割引もあります。

5%~20%程度の割引があります。

資産譲渡税(付加価値税:VAT)

購入時に資産譲渡税(付加価値税:VAT)が発生します。

4%の費用になります。

売買価格または評価額の高い方に対しての4%です。

登記費用

登記時に必要な契約文章の認証に関する弁護士・司法書士などの専門家費用です。

弁護士費用が100ドル程度、行政費用が1,000ドル程度発生します。

登記証書の発行も可能です。

印紙税

100リエル~2,000リエル程度の印紙税が必要になります。

賃貸管理費

賃貸管理費は、物件を賃貸に貸すときに賃貸管理を行う不動産会社に支払う費用です。家賃の1カ月分です。

共益費・修繕費(修繕管理費)

共益費・修繕費(修繕管理費)というのは日本でもある共用施設の維持・管理のための費用です。

賃貸管理費の負担は、物件規模によって、管理会社が設定しています。

㎡単価で1~2USD/月が相場です。

付帯設備費・家具家電費用

カンボジア不動産の場合は、家具・家電付きで賃貸に出すのが一般的です。

家具・家電付きの物件でなければ、オーナー側が家具・家電を用意しなければならないのです。100万円程度の初期費用が発生します。

火災保険

火災保険にも加入する必要があります。火災保険料が発生します。

税金(固定資産税)

固定資産税は、物件評価額の80%に対しての0.1%です。

税金(不動産収入税・所得税)

カンボジア非居住の外国人の場合は、賃貸収入の14%です。

税金(キャピタルゲイン税)

値上がり益に関する課税はありません。0%です。

カンボジア不動産投資後の利回りシミュレーション

  • 為替 1$(米ドル) = 150円

という場合に

  • 建物金額:200,0000USD(30,000,000円)

と仮定します。

初期費用

  • 資産譲渡税(付加価値税:VAT):4.0% = 8,000USD(1200,000円)
  • 弁護士費用 = 100USD(15,000円)
  • 行政費(印紙税含) = 1,000USD(150,000円)

想定家賃

  • 200,000USDで購入できる都心部の物件の場合、年12,000USD・月1,000USD(150,000円)ほど

運用時コスト

  • 固定資産税:0.1% = 200USD(30,000円)
  • 賃貸管理費:家賃の10% = 120USD(18,000円)/月
  • 共益費・管理費: = 60USD(9,000円)/月

というコストが想定されます。

収入に関しては、所得税は「外国税額控除」で日本の所得税と相殺できるため、履いて計算します。

概算のシミュレーション

  • 初期コスト合計:209,100USD(31,365,000円)
  • 年間想定賃料:12,000USD(180,000円)
  • 運用コスト合計:4,560USD(684,000円)
  • 想定年間収益:7,440USD(1,116,000円)
  • 利回り:3.56%

カンボジアの物価(給料・家賃・不動産価格・住宅ローン金利)

カンボジア不動産に投資するうえでは、カンボジアの物価を抑えておく必要があります。

カンボジア物価の中でも、水・レストラン・家賃・不動産価格などを東京と比較しています。また、物価ではありませんが、平均給料・住宅ローン金利の数値も東京と比較しました。

カンボジア(プノンペン)と日本(東京)の物価比較

都市/国東京/日本プノンペン/カンボジアプノンペン/カンボジア
通貨USDUSD
データ計測日時2026/32026/32026/3
データ計測時点の為替1円156.94円156.94円
物価平均平均(円換算)比率(対東京)
安いレストランでの食事1,200円785円65%
一般的なレストラン・2名・3コース6,550円6,278円96%
マクドナルドのバリューセット800円1,099円137%
国産生ビール(0.5リットル)600円314円52%
水・ボトル(1.5リットル)131円157円120%
タクシー 1km(通常料金)500円157円31%
ガソリン(1リットル)176円157円89%
シティセンターのアパートメント (1 ベッドルーム)180,558円97,617円54%
アパートメント (1 ベッドルーム) センター外101,867円54,929円54%
市内中心部のアパート購入の平方メートルあたりの価格1,812,404円451,203円25%
センター外のアパート購入の平方メートルあたりの価格814,000円236,979円29%
平均月給(税引後)413,060円54,772円13%
住宅ローン金利 (%)、年間、20 年間固定金利1.70%7.58%447%

カンボジア不動産の買い方

カンボジア不動産に強い日本人スタッフがいる、日本人が運営する不動産会社に依頼するのが一番確実な方法です。

カンボジア不動産は、多くの日本人の不動産会社が進出しています。だからこそ、買い手側(投資家側)のニーズをくみ取って、物件を紹介し、不安を払しょくしてくれる、信頼できる不動産会社を見つける必要があります。

多くの選択肢がある反面、カンボジアで不動産会社が儲かると思って、出てきた新しい会社も少なくありません。ネットワークが少ないと、デメリットも多いので注意が必要です。

カンボジア不動産投資のおすすめエリア

プノンペン

カンボジアの首都がプノンペンです。

現在の人口は200万人ですが、政府発表では、2035年までに、首都を半径100kmに拡大・人口600万人を突破すると予想されています。

カンボジアは人口が少ない国のため、投資先としてはプノンペンが唯一の候補と言えます。

プノンペンの中では

  1. ボンケンコン(BKK1、BKK2、BKK3)
  2. チャムカモン
  3. 7マカラ

などの3都市が比較的治安が良く、大使館などがあり、暮らしやすい都心部となっています。

ボンケンコン(BKK1、BKK2、BKK3)

も外国人駐在員や、カンボジアの富裕層が多く住むエリアです。日系ショッピングセンターのイオンモールからも近く、高級レストランやスターバックスカフェなどが多く集まるエリアで、プノンペン随一の繁華街といえます。

チャムカモン

カンボジアイオンモール1号店があり、日本の大使館もあるエリアです。カジノ「ナガワールド」や「ロシアンマーケット」など商業施設が多く集まっているエリアです。

7マカラ

オリンピックスタジアムやオリンピアモールなどがあるエリアです。プノンペンタワーというランドマーク的なオフィスビルがあり、オフィス街と言えます。

おすすめのカンボジア不動産物件情報

カンボジア不動産 最新動向 2026年5月時点

マクロ環境・金利

  • 景気は回復基調ですが、不動産市場はまだ調整局面です
    カンボジア経済は2026年も成長を維持しており、実質GDP成長率は4%台前半〜後半が中心的な見方です。観光、製造業、縫製、農業、インフラ投資が下支えしています。ただし、不動産・建設セクターは過去の急拡大の反動が残っており、経済全体の成長ほど強い回復感はありません。
  • インフレは比較的落ち着いています
    2026年のカンボジアのインフレ率は2%台後半〜3%前後が目安です。周辺新興国と比べると物価上昇は抑制的ですが、燃料、輸入建材、食品、物流費の変動は不動産開発コストに影響します。カンボジアはドル化経済のため、米ドル金利やドル資金の調達環境が不動産市場に直結しやすいです。
  • 住宅ローン・事業ローンは依然として重いです
    カンボジアでは米ドル建て融資が多く、ローン金利は周辺国より高めです。住宅ローンや事業ローンの実務感は、借り手の信用力や銀行によって差がありますが、年7〜10%台を意識する水準です。低金利で長期の住宅ローンを組みやすい市場ではないため、購入者は現金比率、頭金、分割払い条件を重視しています。
  • 銀行の不良債権増加が不動産市場の重しです
    2025年時点で銀行・金融機関の不良債権比率は8%前後〜9%近辺まで上昇したと見られています。これは過去10年でかなり高い水準です。建設、不動産、個人ローン、中小企業向け融資に返済圧力が出ており、銀行は新規融資に慎重です。これにより、デベロッパーの資金繰り、購入者のローン審査、未完成案件の進捗に影響が出ています。
  • 「ドル建て安定」と「信用収縮」が同時に起きています
    カンボジア不動産は米ドル建てで取引されることが多く、外貨投資家には為替面のわかりやすさがあります。一方で、国内金融は慎重化しており、以前のようにレバレッジを使って土地やコンドを買い進める動きは弱まっています。市場は投機から実需・収益重視へ移行しています。

市場全体

  • 不動産市場は「回復」ではなく「選別と整理」の段階です
    2026年5月時点のカンボジア不動産は、底打ち期待はありますが、全面的な回復には至っていません。プノンペン中心部、空港周辺、工業団地、観光地の一部には需要がありますが、投機的に開発されたコンド、郊外土地、未完成案件、シアヌークビルの過剰供給物件は引き続き厳しいです。
  • 価格はピークから調整済みです
    2010年代後半から2019年ごろにかけて、プノンペンやシアヌークビルでは中国資本流入を背景に不動産価格が急騰しました。その後、コロナ、中国資本の撤退、オンラインカジノ規制、金融引き締め、建設停止により、価格は大きく調整しました。2026年時点では、優良物件は下げ止まりつつありますが、流動性の低い物件はまだ買い手優位です。
  • 新規開発は慎重化しています
    以前のように高層コンドや複合開発を大量に立ち上げる動きは弱まっています。デベロッパーは販売済み在庫の引渡し、未完成プロジェクトの整理、価格帯の見直し、現地中間層向け商品の開発に軸足を移しています。投資家向け高級コンド一辺倒から、実需に近い住宅へシフトしています。
  • 買い手は完成物件・信用力・賃貸需要を重視しています
    オフプラン物件への警戒感が強まっており、購入者は完成済み、建設進捗が明確、登記・権利関係が確認しやすい物件を好みます。デベロッパーの信用力、過去の引渡し実績、管理会社、修繕体制、賃貸実績が価格差を生みます。

住宅(コンドミニアム・分譲)

  • プノンペンのコンド供給は約6万戸超の規模です
    プノンペンのコンドミニアム供給は2025年時点で約6.4万戸前後に達しています。2026年にかけてさらに追加供給が見込まれており、短期的には供給過多感があります。市場全体としては、在庫消化、価格調整、プロジェクト選別が続いています。
  • 高級コンドは供給過剰が残っています
    BKK1、Tonle Bassac、Daun Penh、Chamkarmon、Riverside周辺などの中心部では、高級コンドが多く供給されました。外国人投資家や駐在員向け需要はありますが、すべての物件を吸収できるほど厚くありません。眺望、管理品質、家具・内装、駐車場、周辺利便性が弱い物件は、空室・値引き・転売難に直面しやすいです。
  • 中価格帯・実需型コンドが相対的に強くなっています
    近年は、投資家向けの高級物件よりも、現地カンボジア人の中間層や若年ファミリーが購入しやすい価格帯の物件が重視されています。1㎡あたり1,000〜1,500米ドル台の実用的なコンド、郊外寄りの手頃な住戸、小さめのユニット、月々支払いを抑えられるプランに需要が移っています。
  • 中心部の価格帯はかなり幅があります
    プノンペンのコンド価格は、立地・ブランド・完成度によって大きく異なります。一般的な目安として、エントリー〜中価格帯は1㎡あたり1,000〜1,900米ドル程度、中心部の高級物件は1㎡あたり1,900〜3,500米ドル程度です。2019年前後のピークからは、物件によって15〜20%程度調整したケースもあります。
  • 賃貸利回りは高く見えるが、空室リスク込みで見る必要があります
    プノンペンのコンドは、表面利回りで6〜8%台を示す物件があります。中心部の良質物件では高めの利回りを狙えるケースもあります。ただし、実際には空室期間、管理費、家具更新、仲介手数料、修繕費、テナント入替、賃料下落を差し引く必要があります。利回り表示だけで判断すると実収益を見誤りやすいです。
  • 外国人購入はコンド中心です
    外国人は原則として土地を直接所有できません。そのため、外国人投資家が購入しやすいのは、区分所有が可能なコンドミニアムです。ただし、外国人が所有できるのは建物の2階以上で、土地に直接紐づく権利は持てません。購入時にはストラタタイトル、外国人所有比率、登記状況、管理規約の確認が重要です。

住宅(ボレイ・戸建て・タウンハウス)

  • ボレイ市場は調整が続いています
    カンボジアでは、ゲート付き住宅地である「ボレイ」が現地富裕層・中間層に人気でした。2010年代後半には土地価格上昇と信用拡大を背景に急成長しましたが、2024〜2026年は融資の慎重化と購入者の返済負担増により、販売ペースは鈍っています。
  • 現地実需向けの手頃な物件は比較的底堅いです
    プノンペン周辺の手頃な価格帯のリンクハウス、ショップハウス、小型戸建ては、現地世帯の居住需要があります。学校、マーケット、幹線道路、職場アクセス、排水・洪水リスク、周辺コミュニティの成熟度が重視されます。
  • 高額ボレイ・大型ヴィラは流動性が落ちています
    高額なヴィラや投機的に買われたショップハウスは、買い手が限られます。以前は値上がり期待で購入されていた物件も、現在は実際に住む人、事業を行う人、賃貸で借りる人がいるかが問われています。高額物件は値引き交渉が入りやすいです。
  • 郊外土地付き住宅はインフラ連動です
    プノンペン南部、空港周辺、環状道路沿い、Kandal、Takeo方面などでは、新空港や道路整備を背景に期待があります。ただし、インフラ期待だけで価格が上がった土地・住宅は、実際の入居・商業集積が伴わないと価格維持が難しいです。

賃貸住宅・サービスアパートメント

  • サービスアパートメントは回復余地があります
    プノンペンのサービスアパートメント供給は2025年時点で約9,000戸規模まで増えています。2026年以降も追加供給が見込まれ、累計で1万戸超に近づく見通しです。外国人駐在員、NGO、国際機関、企業幹部、長期滞在者向けの需要があります。
  • 駐在員需要は戻りつつありますが、以前ほど強くありません
    中国人投資家・駐在員の需要はピーク時ほど強くなく、日本、韓国、欧米、ASEAN、国際機関関係者の需要が中心です。賃料は物件の質によって差があり、古いサービスアパートメントは値下げや改装が必要になっています。
  • BKK1、Tonle Bassac、Riverside、Russian Market周辺が主要エリアです
    外国人賃貸では、BKK1、Tonle Bassac、Daun Penh、Riverside、Toul Tom Poung、Chamkarmon周辺が人気です。買い物、飲食、学校、オフィス、大使館、国際機関へのアクセスが重視されます。
  • 家具・管理品質・清潔感が賃料を左右します
    カンボジアの賃貸市場では、同じエリアでも物件管理の差が大きいです。家具、家電、インターネット、発電機、給水、セキュリティ、清掃、害虫対策、排水、エレベーターの安定性がテナント満足度を左右します。築浅でも管理が弱い物件は競争力を失いやすいです。

オフィス

  • プノンペンのオフィス市場は空室率が高めです
    プノンペンのオフィス市場は、供給増と需要の伸び悩みが重なり、2025年時点で稼働率は60%台半ば程度まで低下したと見られています。2026年時点でも、Aグレード・Bグレードともにテナント獲得競争が続いています。
  • 賃料は下押し圧力が残っています
    2025年時点のプノンペン商業オフィスの平均的な賃料は、中心部の比較的良い物件で1㎡あたり月20米ドル台前半〜半ばが目安です。グレードAの優良ビルは高めを維持しますが、空室を抱えるビルではフリーレント、内装補助、短期契約、賃料調整が使われています。
  • テナントは小規模・効率重視になっています
    企業は大きな床を一括で借りるよりも、必要面積を絞り、柔軟な契約条件を求めています。国際機関、金融、法律、会計、IT、物流、商社、NGOなどの需要はありますが、拡張姿勢は慎重です。新規進出企業も、まずはサービスオフィスや小規模区画から入る傾向があります。
  • 優良ビルと二級ビルの差が拡大しています
    立地、駐車場、空調、発電機、通信環境、エレベーター、セキュリティ、防災、共用部の品質が高いビルは相対的に強いです。一方、古いビルや管理が弱いビルは、賃料を下げても入居が進みにくくなっています。
  • 新規供給は抑制される方向です
    需要が弱い中で新規オフィス開発を積極化する動きは限定的です。既存ビルはテナント誘致と稼働率改善が優先され、開発側は用途変更、サービスオフィス化、分割貸し、リテール併設などで収益化を図っています。

リテール・商業施設

  • リテール市場は調整が続いています
    プノンペンではモール、コミュニティモール、ストリート商業、複合施設内リテールが増えましたが、消費需要とテナント需要が供給に追いついていません。2025年時点で商業施設の稼働率は60%前後まで低下したと見られ、2026年もテナント誘致競争が続いています。
  • 賃料は下落・柔軟化しています
    一等地や強い施設のプライム区画は一定の需要がありますが、全体としては貸主が柔軟な条件を提示する場面が多いです。賃料減額、歩合賃料、フリーレント、内装支援、短期契約が使われています。新興モールや集客力の弱い施設は、空室が長期化しやすいです。
  • F&B、スーパー、生活サービスが中心です
    飲食、カフェ、スーパー、薬局、クリニック、美容、教育、フィットネス、子ども向けサービスなど、日常利用型のテナントは比較的底堅いです。一方、高級ブランド、非必需品、小売物販だけに依存する施設は集客が不安定です。
  • モールは運営力が問われています
    単に箱を作るだけではテナントが集まりにくくなっています。イベント、駐車場、テナントミックス、飲食比率、SNS集客、ファミリー層の滞在時間、周辺住民の購買力が重要です。強い施設と弱い施設の差がはっきりしています。
  • ストリート商業は場所によって明暗が分かれます
    BKK1、Tonle Bassac、Toul Tom Poungなど外国人・中間層の動線があるエリアは飲食店・カフェ需要があります。一方、車通りだけ多く歩行者導線が弱い場所、駐車場がない場所、周辺人口が薄い場所はテナントが定着しにくいです。

ホテル・観光

  • 観光は回復していますが、質にばらつきがあります
    カンボジアの国際観光客数は2024年にコロナ前水準へ大きく戻りましたが、2025年はタイ国境問題や地域情勢、オンライン詐欺拠点に関する国際的な悪評もあり、伸びは不安定でした。2025年の国際観光客数は約550万人台、観光収入は約38億米ドル台と見られます。
  • 新空港が中長期の追い風です
    プノンペン近郊では、Techo International Airportが2025年に開業しました。初期処理能力は年間1,300万人規模で、将来的には大幅拡張が計画されています。新空港は観光、物流、MICE、空港周辺開発、南部方面の住宅・商業・ホテル需要に影響します。
  • シェムリアップは観光依存が強く、回復は緩やかです
    シェムリアップはアンコールワット観光に依存しており、航空便、国境情勢、観光客の国籍構成に左右されます。新しいSiem Reap Angkor International Airportにより受け入れ能力は拡大しましたが、ホテル・ゲストハウス・商業施設の稼働はまだ全面回復とは言いにくいです。
  • ホテルは高級・中価格帯・低価格帯で差が大きいです
    プノンペンではビジネスホテル、サービスアパートメント、長期滞在型ホテルに需要があります。シェムリアップでは観光客数の回復が鍵です。シアヌークビルではカジノ・中国資本依存からの転換が続き、ホテル・リゾート物件の評価はかなり選別的です。
  • 観光地不動産は運営力が重要です
    単にホテルを所有するだけでは収益化が難しく、ブランド、OTA運用、客室単価、稼働率、スタッフ確保、改装、交通アクセス、口コミ管理が必要です。観光回復の恩恵を受けるのは、運営力のあるホテルや立地の良い物件に限られます。

シアヌークビル・沿岸部

  • シアヌークビルは依然として調整色が強いです
    シアヌークビルは2010年代後半に中国資本とカジノ関連需要で急拡大しましたが、オンラインカジノ規制、コロナ、中国資本の撤退により、多くの建設停止・未完成ビルが残りました。2026年時点でも、市場の正常化には時間がかかっています。
  • 未完成ビル・空室・過剰供給が大きな課題です
    完成済みでも稼働していないホテル、コンド、商業施設が残り、土地価格もピーク時から大きく調整しています。政府は未完成ビル問題の解消や投資誘致を進めていますが、短期で全面回復する状況ではありません。
  • 物流・港湾・工業の視点では価値があります
    シアヌークビル港、特別経済区、工業用地、物流、製造業の観点では、沿岸部は重要です。観光・カジノ不動産よりも、港湾物流、工場、倉庫、輸出関連の方が実需に基づく可能性があります。
  • リゾート開発は選別的です
    カンポット、ケップ、島しょ部、沿岸リゾートには観光ポテンシャルがありますが、アクセス、インフラ、環境規制、運営力が課題です。短期的な転売より、長期の観光地形成を前提に見る必要があります。

物流・工業

  • 工業・物流は相対的に堅調なセクターです
    カンボジア不動産の中で、住宅・商業よりも中期的に安定感があるのは工業・物流です。縫製、靴、バッグ、電子部品、自動車部品、食品加工、包装、軽工業、倉庫需要が支えています。
  • 特別経済区(SEZ)が中心です
    プノンペンSEZ、Kandal、Svay Rieng、Sihanoukville、Kampong Speu、Poipet周辺などが主要な工業エリアです。SEZ内ではインフラ、電力、道路、通関、行政サポートが整いやすく、外資製造業にとって参入しやすいです。
  • 工場賃料はおおむね安定しています
    プノンペン周辺の工場賃料は、グレードや立地によりますが、1㎡あたり月2〜4.5米ドル程度が一つの目安です。SEZ内の工業用地リースは、エリアによって1㎡あたり25〜120米ドル程度の幅があります。賃料水準はベトナムやタイより低く、コスト面での競争力があります。
  • プノンペン周辺SEZは稼働率が高いです
    プノンペンおよびKandal周辺の主要SEZでは、工場稼働率が高いとされ、空きが限られるケースもあります。自動車、電子、食品、包装、衣料関連など、製造業の受け皿として機能しています。
  • 中国+1・タイ+1・ベトナム補完の受け皿です
    カンボジアは人件費、若い労働力、米ドル建て取引、周辺国へのアクセスを背景に、製造拠点の分散先として見られています。ただし、生産性、物流、電力、技能人材、サプライチェーンの厚みではベトナム・タイに劣るため、労働集約型・軽工業・補完拠点としての位置づけが現実的です。
  • BYDなど製造業投資が象徴的です
    シアヌークビルSEZでは、EV関連を含む製造投資が進んでいます。こうした案件は、カンボジアの工業不動産にとって重要なシグナルです。ただし、大型投資が広く波及するには、港湾、電力、人材、部品供給網の整備が必要です。

インフラ・都市開発

  • Techo International Airportが最大の都市開発テーマです
    新空港はプノンペン南部、Kandal・Takeo方面の不動産期待を高めています。空港周辺では、物流、ホテル、商業、住宅、工業用地への関心があります。ただし、空港開業だけで周辺すべての土地価格が上がるわけではなく、実際の道路接続、都市計画、用途指定、人口流入が重要です。
  • 高速道路・環状道路が地価を左右します
    Phnom Penh–Sihanoukville Expressway、Phnom Penh–Bavet Expressway、環状道路、橋梁整備、国道改良は、工業・物流・郊外住宅に影響します。道路接続が改善するエリアでは長期的な価値上昇が期待されますが、完成時期の遅れや用地取得リスクもあります。
  • 港湾・運河・物流インフラへの期待があります
    シアヌークビル港の拡張、カンポット周辺の港湾計画、メコン水系の物流構想などは、工業用地・倉庫・港湾関連不動産に影響します。ただし、構想段階の案件も多く、投資判断では進捗確認が必要です。
  • インフラ期待先行の土地投資には注意が必要です
    カンボジアでは、道路計画や空港計画を材料に土地価格が先に上がることがあります。実際の開発・人口流入・商業集積が伴わない場合、価格が高止まりして売却できないリスクがあります。現地での実需確認が不可欠です。

REIT・資本市場

  • REIT市場は未成熟です
    カンボジアでは、フィリピンやタイのような上場REIT市場はまだ本格的に発展していません。不動産投資は、直接購入、現地法人を通じた取得、デベロッパー案件への出資、私募型投資、土地・コンド購入が中心です。
  • 収益不動産の透明性は限定的です
    賃貸契約、稼働率、実質利回り、管理費、税務、登記情報などの透明性は先進市場より低いです。物件ごとに確認が必要で、売主提示の利回りや価格査定をそのまま信じるのは危険です。
  • 金融商品としての不動産より、実物確認が重要です
    カンボジアでは、物件の現地確認、登記、周辺環境、管理状態、道路・排水・電力、実際の入居状況が非常に重要です。図面や販売資料だけでは判断しにくい市場です。

制度・規制トピック

  • 外国人は土地を直接所有できません
    カンボジアでは、外国人による土地所有は原則禁止です。外国人が合法的に取得しやすいのは、ストラタタイトル付きのコンドミニアムです。土地付き物件を取得する場合は、現地法人、長期リース、信託的なスキームなどが使われることがありますが、法務リスクが高いため慎重な確認が必要です。
  • コンドは2階以上が外国人取得対象です
    外国人は建物の地上階や土地部分を所有できません。通常、2階以上のユニットが対象です。また、外国人所有比率に制限があるため、購入前に対象ユニットが外国人取得可能か確認する必要があります。
  • ハードタイトルとソフトタイトルの違いが重要です
    カンボジア不動産では、権利証の種類が重要です。ハードタイトルはより強い所有権証明とされ、銀行融資や転売でも有利です。ソフトタイトルは地域行政レベルの権利証明で、取引は可能ですが、権利確認がより重要です。
  • 税務・登記コストを確認する必要があります
    不動産取得時には登録税、印紙税、固定資産税、賃貸収入に関する税務などを確認する必要があります。中古物件では未納税、管理費滞納、抵当権、係争、境界問題がないか確認すべきです。
  • 金融規制・不良債権処理が市場に影響します
    2026年にかけて、金融機関の不良債権処理や資産管理会社制度の整備が進んでいます。これにより、銀行が抱える不動産担保や不良債権化した案件が市場に出てくる可能性があります。投資家にとっては割安取得の機会になり得ますが、法務・権利確認の難易度は高いです。

投資家への示唆(セグメント別)

  • コンドミニアム
    プノンペンのコンドは、供給過剰と価格調整を経て、以前より買いやすい価格帯になっています。ただし、すべての物件が有望ではありません。BKK1、Tonle Bassac、Chamkarmon、Riverside、Russian Market周辺など、実際の賃貸需要があるエリアに絞る必要があります。完成済み・管理良好・家具付き・賃貸実績ありの物件が相対的に安全です。
  • 高級コンド
    高級コンドは価格が調整しても、買い手・借り手が限られます。眺望、ブランド、管理品質、駐車場、周辺利便性がない物件は苦戦しやすいです。投資目的では、値上がりより賃貸収益と流動性を重視すべきです。
  • 中価格帯住宅
    現地中間層向けの手頃なコンドやボレイは、長期的には需要があります。ただし、ローン金利と銀行審査が重く、短期の販売回復は限定的です。開発会社の分割払い条件と、購入者の実際の返済能力が重要です。
  • ボレイ・戸建て
    実需があるエリアでは底堅いですが、投機的に価格が上がった郊外物件は流動性が低いです。学校、マーケット、道路、排水、洪水リスク、治安、既存入居率を重視する必要があります。高額ヴィラよりも、実需価格帯の方が安定しやすいです。
  • オフィス
    オフィスは空室率が高く、貸主側の競争が続いています。投資対象としては、中心部・管理良好・駐車場あり・小割対応可能なビルが優位です。古いビルは改装費と空室リスクを織り込む必要があります。
  • リテール
    大型モールよりも、生活密着型・地域密着型の小規模商業が安定しやすいです。スーパー、飲食、薬局、クリニック、美容、教育、フィットネスなど日常需要を取り込める物件が有利です。単なる物販モールは競争が厳しいです。
  • ホテル・観光
    プノンペンはビジネス・長期滞在、シェムリアップは観光、シアヌークビルは港湾・工業・リゾート再編というように、エリアごとに性格が異なります。ホテル投資は、稼働率、運営会社、改装費、観光客の国籍構成、航空便を確認する必要があります。
  • 物流・工業
    工業・物流は、カンボジア不動産の中で比較的堅実な分野です。SEZ、港湾、高速道路、国境、空港へのアクセスがある物件は中長期で注目です。住宅よりも専門性は高いですが、実需に基づくため投機色は相対的に低いです。
  • 土地
    土地投資は最もリスクが高い領域です。外国人は直接所有できず、権利確認、用途、道路接道、境界、洪水、周辺開発、出口戦略が重要です。インフラ計画だけで高値掴みするリスクが大きいため、現地実需を確認すべきです。

リスク・留意点

  • 供給過剰リスク
    プノンペンのコンド、シアヌークビルのホテル・コンド・商業施設では、供給過剰が続いています。空室期間、賃料下落、転売難を織り込む必要があります。
  • 未完成・建設停止リスク
    カンボジアでは、資金繰り悪化により建設が止まった案件があります。オフプラン購入では、建設進捗、エスクロー、契約解除条件、遅延補償、デベロッパーの財務状態を確認する必要があります。
  • 金融・不良債権リスク
    不良債権比率が高まっており、銀行は融資に慎重です。購入者ローン、デベロッパー資金、担保処分、競売物件の増加が市場価格に影響する可能性があります。
  • 流動性リスク
    買うことはできても、売ることが難しい物件があります。特に外国人向け高級コンド、郊外土地、未完成物件、シアヌークビル案件は出口戦略を慎重に考える必要があります。
  • 法務・登記リスク
    タイトルの種類、抵当権、未納税、境界、係争、外国人所有制限、管理規約を確認する必要があります。信頼できる弁護士と現地調査なしで購入するのは危険です。
  • 賃貸需要の過大見積もりリスク
    販売資料に記載された想定賃料や利回りが、実際の市場と乖離していることがあります。周辺の実際の募集賃料、成約賃料、空室期間、管理費を確認すべきです。
  • インフラ期待先行リスク
    空港、高速道路、港湾、環状道路の計画は魅力的ですが、完成時期・接続道路・周辺開発が遅れることがあります。計画だけで土地価格が上がったエリアは、実需が追いつかない場合に調整しやすいです。
  • 観光・評判リスク
    オンライン詐欺拠点問題、国境問題、治安イメージ、航空便、観光客の減少は、ホテル・サービスアパートメント・商業施設に影響します。特にシェムリアップとシアヌークビルは観光・国際評価の影響を受けやすいです。

まとめ

2026年5月1日時点のカンボジア不動産は、過去の急拡大から調整を経て、投機市場から実需・収益・信用力重視の市場へ移行している段階です。プノンペンのコンド市場は約6万戸超の供給を抱え、高級物件を中心に供給過剰が残っています。一方で、完成済み、管理良好、賃貸需要がある中心部物件や、現地中間層向けの実用的な価格帯には一定の需要があります。

オフィスとリテールは空室率が高めで、貸主側が条件調整を迫られています。サービスアパートメントは駐在員・長期滞在需要の回復で改善余地がありますが、古い物件は改装が必要です。シアヌークビルは未完成物件と過剰供給の整理が続いており、短期的には慎重に見るべき市場です。

一方、物流・工業は比較的堅調です。SEZ、港湾、高速道路、新空港、製造業投資に支えられ、住宅や商業よりも実需に基づく需要が見えやすいです。Techo International Airportや道路・港湾整備は中長期の追い風ですが、インフラ期待だけで土地を買うのはリスクがあります。

全体として、2026年のカンボジア不動産は「安くなったから買う」市場ではなく、完成度、権利の安全性、実際の賃貸需要、管理品質、金融リスク、出口戦略を厳しく確認する市場です。投資対象としては、プノンペン中心部の良質な完成済みコンド、実需型住宅、SEZ周辺の工業・物流、運営力のあるサービスアパートメントが相対的に検討しやすい領域です。

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