世界の国・地域に関連する人口集団を、ABCC11遺伝子の機能型アレル頻度が高い順にランキング形式で比較します。

ABCC11は、耳垢のタイプや脇のアポクリン汗腺から分泌される成分に関係する遺伝子です。本ページでは、1000 Genomes Project Phase 3に収録された人口集団別データを使用し、ABCC11の機能型アレル頻度が高い人口集団から順に表示しています。

ただし、本ランキングは各国の人の体臭を直接測定したものではありません。遺伝子頻度は体臭に関係する要因の一つにすぎず、実際のにおいは発汗量、皮膚細菌、気温、食生活、入浴習慣、衣服、年齢、健康状態などの影響も受けます。そのため、機能型アレル頻度が高い人口集団ほど、必ず体臭が強いと断定することはできません。1000 Genomes Projectに登録された特定の人口集団について、ABCC11遺伝子の地域差を比較するためのランキングです。

ABCC11機能型アレル頻度ランキング

1000 Genomes Project Phase 3に収録されている人口集団を、ABCC11機能型アレル頻度が高い順に表示します。ランキング表では、次の項目を確認できます。

  • 順位
  • 国・地域の日本語名と英語名
  • 人口集団の日本語名と英語名
  • 人口集団コード
  • 機能型アレル頻度
  • 低機能型アレル頻度
  • 機能型アレル保有者割合の推計
  • 標本数

本ページでは、ABCC11の機能型アレル頻度が高い人口集団ほど上位に表示されます。ランキング1位は、1000 Genomes Project Phase 3の掲載対象の中で、機能型アレル頻度が最も高かった人口集団を表します。国全体の平均値ではなく、特定の地域や祖先背景を持つ人口集団のデータである点に注意してください。

1 ナイジェリアNigeria ナイジェリアのエサン族Esan in Nigeria ESN 100%Cアレル 0%Tアレル 100% 99
2 ケニアKenya ケニア・ウェブイェのルヒヤ族Luhya in Webuye, Kenya LWK 100%Cアレル 0%Tアレル 100% 99
3 シエラレオネSierra Leone シエラレオネのメンデ族Mende in Sierra Leone MSL 100%Cアレル 0%Tアレル 100% 85
4 ナイジェリアNigeria ナイジェリア・イバダンのヨルバ族Yoruba in Ibadan, Nigeria YRI 100%Cアレル 0%Tアレル 100% 108
5 ガンビアThe Gambia ガンビア西部の住民Gambian in Western Divisions in the Gambia GWD 99.6%Cアレル 0.44%Tアレル 100.0% 113
6 バルバドスBarbados バルバドスのアフリカ系カリブ人African Caribbean in Barbados ACB 95.3%Cアレル 4.7%Tアレル 99.8% 96
7 米国United States 米国南西部のアフリカ系住民African Ancestry in Southwest US ASW 95.1%Cアレル 4.9%Tアレル 99.8% 61
8 プエルトリコPuerto Rico プエルトリコ人Puerto Ricans from Puerto Rico PUR 93.3%Cアレル 6.7%Tアレル 99.5% 104
9 スペインSpain スペインのイベリア系住民Iberian Population in Spain IBS 91.6%Cアレル 8.4%Tアレル 99.3% 107
10 コロンビアColombia コロンビア・メデジンの住民Colombians from Medellin, Colombia CLM 89.4%Cアレル 10.6%Tアレル 98.9% 94
11 英国United Kingdom イングランド・スコットランドの英国人British in England and Scotland GBR 89.0%Cアレル 11.0%Tアレル 98.8% 91
12 イタリアItaly イタリア・トスカーナの住民Toscani in Italy TSI 88.3%Cアレル 11.7%Tアレル 98.6% 107
13 米国United States ユタ州の北西欧系住民Utah residents with Northern and Western European ancestry CEU 86.9%Cアレル 13.1%Tアレル 98.3% 99
14 米国United States ロサンゼルスのメキシコ系住民Mexican Ancestry from Los Angeles, United States MXL 86.7%Cアレル 13.3%Tアレル 98.2% 64
15 フィンランドFinland フィンランド人Finnish in Finland FIN 75.8%Cアレル 24.2%Tアレル 94.1% 99
16 ペルーPeru ペルー・リマの住民Peruvians from Lima, Peru PEL 72.9%Cアレル 27.1%Tアレル 92.7% 85
17 パキスタンPakistan パキスタン・ラホールのパンジャブ人Punjabi from Lahore, Pakistan PJL 63.0%Cアレル 37.0%Tアレル 86.3% 96
18 米国United States テキサス州ヒューストンのグジャラート系インド人Gujarati Indian from Houston, Texas GIH 60.2%Cアレル 39.8%Tアレル 84.2% 103
19 英国United Kingdom 英国在住のスリランカ・タミル人Sri Lankan Tamil from the UK STU 46.6%Cアレル 53.4%Tアレル 71.5% 102
20 中国China 中国・シーサンパンナのダイ族Chinese Dai in Xishuangbanna, China CDX 46.2%Cアレル 53.8%Tアレル 71.1% 93
21 バングラデシュBangladesh バングラデシュのベンガル人Bengali in Bangladesh BEB 45.3%Cアレル 54.7%Tアレル 70.1% 86
22 英国United Kingdom 英国在住のテルグ系インド人Indian Telugu from the UK ITU 43.6%Cアレル 56.4%Tアレル 68.2% 102
23 ベトナムVietnam ホーチミン市のキン族Kinh in Ho Chi Minh City, Vietnam KHV 36.4%Cアレル 63.6%Tアレル 59.5% 99
24 中国China 中国南部の漢民族Southern Han Chinese CHS 15.7%Cアレル 84.3%Tアレル 29.0% 105
25 日本Japan 東京在住の日本人Japanese in Tokyo, Japan JPT 12.0%Cアレル 88.0%Tアレル 22.6% 104
26 中国China 中国・北京の漢民族Han Chinese in Beijing, China CHB 2.9%Cアレル 97.1%Tアレル 5.7% 103

指標の意味:ABCC11のrs17822931について、EnsemblがGRCh38プラス鎖で示すCアレルの頻度を高い順に並べています。CはABCC11転写鎖の機能型Gアレルに対応します。

注意:この表は体臭の強さを測定した国ランキングではありません。1000 Genomes Project Phase 3の特定人口集団における遺伝子頻度であり、国民全体を代表しません。実際のにおいは皮膚細菌、発汗、食生活、衛生習慣、年齢など複数の要因に左右されます。

保有者割合推計:低機能型アレル頻度をqとして、Hardy-Weinberg平衡を仮定した参考値「1−q²」です。実測した個人割合ではありません。

データ出典:International Genome Sample ResourceEnsembl REST API(rs17822931)/最終取得:2026-07-27 09:35:51

ランキングデータは月1回、Ensembl REST APIを通じて公開データを確認し、自動更新します。

Ensemblや1000 Genomes Project側でデータが変更されていない場合は、自動更新後も表示内容が変わらないことがあります。

ランキングのデータ出典

本ページの主なデータ出典は、1000 Genomes Project Phase 3とEnsemblです。

1000 Genomes Projectは、世界各地の人口集団における遺伝的な違いを調査した国際研究プロジェクトです。Phase 3には、アフリカ、東アジア、南アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸などの人口集団データが収録されています。WordPressプラグインでは、Ensembl REST APIからABCC11の変異であるrs17822931の人口集団別アレル頻度を取得しています。

取得している主な項目は次のとおりです。

項目内容
順位機能型アレル頻度が高い順に付けた本ページ独自の順位
国・地域人口集団に関連付けられた国または地域
人口集団1000 Genomes Projectで定義されている調査集団
コードJPT、YRI、GBRなどの人口集団コード
機能型アレル頻度ABCC11が機能する型のアレル割合
低機能型アレル頻度ABCC11の働きが低い型のアレル割合
機能型保有者割合推計機能型アレルを少なくとも1つ持つ人の参考推計
標本数アレル頻度の集計に使用された標本数
最終更新ランキングデータを取得した日時

人口集団名と国・地域名は、日本語と英語を同じセル内に分けて表示しています。

機能型アレル頻度とは

機能型アレル頻度とは、調査した人口集団の中で、ABCC11が機能する遺伝子型につながるアレルが、どの程度含まれているかを示す割合です。

人は通常、父親と母親から1つずつアレルを受け継ぎます。そのため、アレル頻度は人数の割合とは異なります。たとえば、機能型アレル頻度が80%であっても、調査対象者の80%だけが機能型を持っているという意味ではありません。1人が持つ2つのアレルを合計して、そのうち機能型が占める割合を表しています。

本ページでは、EnsemblがGRCh38のプラス鎖で示すCアレルを機能型として集計しています。このCアレルは、ABCC11の転写方向では機能型Gアレルに対応します。表示上の塩基表記が研究論文によって異なる場合がありますが、参照しているゲノム鎖の方向が異なるためです。

低機能型アレル頻度とは

低機能型アレル頻度は、ABCC11タンパク質の働きが低下する型のアレルが占める割合です。

この型は、乾性耳垢や脇のアポクリン腺から分泌される成分が少ない傾向と関連しています。東アジアの一部人口集団では低機能型アレルの割合が比較的高く、アフリカやヨーロッパに関連する人口集団では機能型アレルの割合が高い傾向がみられます。ただし、これは人口集団単位の統計です。同じ国や地域に暮らしている人でも、遺伝的背景によってアレルの組み合わせは異なります。

機能型アレル保有者割合推計とは

機能型アレル保有者割合推計は、機能型アレルを1つ以上持つ人の割合を参考値として計算したものです。

本ページでは、低機能型アレル頻度をqとして、次の考え方で推計しています。

機能型アレル保有者割合推計=1−q²

この計算は、集団内で遺伝子の組み合わせが一定の条件を満たすと仮定するHardy-Weinberg平衡に基づいています。そのため、実際に調査対象者一人ひとりの遺伝型を数えて算出した保有者割合とは異なる場合があります。人口移動、婚姻の偏り、標本数、集団構成などによって、実際の割合と推計値に差が出る可能性があります。

ABCC11遺伝子と脇のにおいの関係

ABCC11遺伝子は、脇の下にあるアポクリン汗腺から分泌される成分に関係しています。汗そのものには強いにおいがない場合でも、皮膚上の細菌が汗や皮脂に含まれる成分を分解することで、においが発生します。

機能型ABCC11を持つ人は、アポクリン汗腺からにおいの原料となる成分が分泌されやすい傾向があります。一方、低機能型を2つ持つ人は、アポクリン汗腺からの分泌が少なく、乾性耳垢になりやすい傾向があります。ただし、ABCC11だけで体臭の強さが決まるわけではありません。

実際のにおいには、次のような要因が関係します。

  • 発汗量
  • 皮膚に存在する細菌の種類
  • 気温や湿度
  • 食生活
  • 飲酒や喫煙
  • 衣服の素材
  • 入浴や洗濯の習慣
  • デオドラント製品の使用
  • 年齢
  • ホルモンの変化
  • 健康状態

同じ遺伝型を持つ人でも、生活環境や体質によって感じられるにおいは異なります。

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