
「ドバイ不動産って買えるんですか?」
「ドバイ不動産の今って、どういう状況ですか?」
「ドバイ不動産投資ってどうなんですか?」
ドバイ不動産の購入、ドバイ不動産投資、ドバイへの移住を検討している方もいるかと思います。今回は、ドバイ不動産投資、ドバイ不動産の買い方・メリットデメリット・リスク・利回り・税金まで、徹底的に検証したいと思います。
そもそも、ドバイ不動産は日本在住の日本人が買えるの?
購入できます。
ドバイは、アラブ首長国連邦(UAE)という国の首長国の一つです。7つの国(首長国)が合併してできたのがアラブ首長国連邦(UAE)であり、国としてはアラブ首長国連邦(UAE)が大枠の法律などを決めますが、首長国の権限が強く、首長国ごとに細かいルールを決めているような状況です。
UAEには、外国人の土地所有を認める法律は存在しないため、ドバイを含む各首長国が独自の法律で外国人の土地所有を規定しています。
ドバイでは、UAEおよびその他GCC諸国(UAE、サウジアラビア、オマーン、バーレーン、カタール、クウェートの6カ国)の国民(または同100%出資企業)に対しては所有または99年間の長期リースが可能です。その他の外国人は指定地域に限り可能となります。
指定された最大40カ所のフリーホールドゾーン内の不動産であれば、外国在住の外国人も、ドバイ国内の不動産(マンション・戸建て)を購入することができます。
外国人所有者向けに指定された地域は、ドバイ首長国の統治者によって決定され、パーム ジュメイラ、ドバイ ダウンタウン、ドバイ マリーナ、アラビアン ランチ、ジュメイラ ビーチ レジデンスなどの地域が含まれます。
ドバイという国(都市)とは?
概要
| 投資先 | ドバイ不動産(UAE) |
|---|---|
| 国名 | アラブ首長国連邦 |
| 面積(k㎡) | 83,600k㎡ |
| 日本との比較 | 0.2倍 |
| 人口 | 9,365,000人 |
| 日本との比較 | 0.1倍 |
| 首都 | アブダビ |
| 民族 | アラブ人 |
| 言語 | アラビア語 |
| 宗教 | イスラム教 |
| 通貨 | UAEディルハム(AED) |
| 政策 | 7首長国による連邦制(首長国ドバイは、絶対君主制) |
| 主要産業 | 石油・天然ガス、建設、サービス |
| 日本からの移動時間 | 10時間 |
| 為替 | 固定相場制(米ドル連動) |
| 格付け | S&P A フィッチ A ムーディーズ Aa2 |
そもそも、ドバイは「国」ではありません。ドバイは、アラブ首長国連邦(英: United Arab Emirates)、UAEの都市の名前です。しかも、首都ではありません。アラブ首長国連邦(UAE)の首都はアブダビです。
アラブ首長国連邦(UAE)は、中東に位置する国で、7つの首長国からなる連邦制国家です。
- アブダビ首長国
- ドバイ首長国
- シャルジャ首長国
- アジュマン首長国
- ウンム・アル・カイワイン首長国
- フジャイラ首長国
- ラス・アル・ハイマ首長国
上記の首長国からなる連邦国家がアラブ首長国連邦(UAE)です。各首長国は「世襲の首長による絶対君主制」に基づき、統治されています。絶対君主制ですから、ある意味、ワンマンの国で、世襲の首長によって、その国のルールが決められます。
UAEの各首長国の人口・GDP
| 首長国 | 首長家 | 人口 | 面積 | GDP | 1人あたりGDP |
|---|---|---|---|---|---|
| アブダビ | ナヒヤーン家 | 1,593,000人 | 67,340㎢ | 2,191億ドル | 65,700ドル |
| ドバイ | マクトゥーム家 | 3,670,011人 | 3,885㎢ | 1,381億ドル | 44,600ドル |
| シャルジャ | カーシミー家 | 1,872,000人 | 2,590㎢ | 561億ドル | 32,100ドル |
| アジュマン | ヌアイミー家 | 504,846人 | 359㎢ | 109億ドル | 22,600ドル |
| ウンム・アル・カイワイン | ムアッラー家 | 49,159人 | 720㎢ | 7億ドル | 7,700ドル |
| フジャイラ | シャルキー家 | 256,256人 | 1,580㎢ | 68億ドル | 23,500ドル |
| ラス・アル・ハイマ | カーシミー家 | 345,000人 | 1,684㎢ | 143億ドル | 30,700ドル |
| 合計 | - | 10,763,445人 | 78,158㎢ | 4,460億ドル | 48,000ドル |
※GDPは、2023年。人口は、ドバイ、UAEは2024年、それ以外の首長国データは、2016年以降の古いデータ
最大の首長国であるアブダビ首長国の首都のアブダビが、連邦全体の首都として機能していますが、経済的にはドバイが急速に発展しており、「政治のアブダビ、経済のドバイ」と言われています。
人口の9割は、外国から出稼ぎに来ている労働者であり、1割がアラブ人(エミラティス)です。旧来のUAE国民とその子孫(UAEナショナル)は、手厚い支援体制がとられていて、教育は無料で、所得税なし、民間に比べて高給である公務員への登用が優先的に行われています。UAEナショナルの労働人口のかなりの部分が公務員によって占められています。
アラブ首長国連邦(UAE)は、ペルシア湾とオマーン湾に面しています。国土の大部分は、平坦な砂漠地帯であり、東部はオマーンと接する山岳地帯であり、オアシスがあります。
11~3月は冬季で、平均気温も20℃前後と過ごしやすく、観光のハイシーズンとなっています。6~9月の夏季には気温が50℃近くまで上昇し、雨が降らないにもかかわらず、海岸に近いため湿度が80%前後と非常に高く、過ごしにくい気候と言えます。
経済
GDPの約40%が石油と天然ガスで占められ、日本がその最大の輸出先です。一人当たりの国民所得は世界のトップクラスとなっています。
原油のほとんどはアブダビ首長国で採掘され、ドバイやシャールジャでの採掘量はほとんどありません。ドバイでは、原油が採れない分、観光に力を入れているとも言えます。ドバイの経済の主力は貿易、工業、金融で、石油をほとんど産出しないドバイは、ビジネス環境や都市インフラを整備することで経済成長の礎を築いています。
ドバイ
ドバイは、アラブ首長国連邦のドバイ首長国の中心都市です。アラビア半島のペルシア湾の沿岸に位置し、UAE最大の都市であり、人口は約331万人です。住民の83%が外国人であり、半数はインド人となっています。
中東屈指の世界都市並びに金融センターであり、多くの超高層ビルや巨大ショッピングモールを含む大型プロジェクトが建設されるなど、世界的な観光都市となっています。世界で8番目に外国人旅行者が多く訪れる都市となっています。
ドバイ国際空港およびアブダビ国際空港は中東のハブ空港として機能しており、エミレーツ航空が世界の全大陸に就航しているほか、世界各国から多くの航空会社が乗り入れています。※現在、ドバイでは「ドバイ国際空港(DXB) 」ではなく、「アル・マクトゥーム国際空港(DWC)」をメインの空港にすべく、拡張が進められています。
ドバイは、イスラム教ですが、非イスラム教徒の外国人が多く住むため、イスラム色が薄く、宗教的制約の極めて薄い都市と言えます。飲酒、服装、娯楽、食生活についての制約は少なく、外国人なら、女性であっても、欧米と変わらない服装で町中を歩くことが許されています。
ドバイ・ショック
2009年11月25日に、アラブ首長国連邦 (UAE) ドバイのドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことに端を発し、世界的に株式相場が急落した現象のことを言います。2008年9月のリーマン・ショック以降に生じた信用収縮によってドバイ経済の減退が懸念されていた中にあって、それまで債務の確実な返済の意向が表明されており、アブダビの銀行からの資金調達を発表したが、その2時間後に突然この繰り延べ要請が発表されたことから、投資家に衝撃を与え、世界的な株価下落が起こったのです。
これはドバイ政府が大手政府系企業への財務支援を適切に行うことができなかったことを意味しています。一方で今現在では、ドバイ・ショックから大きく回復して、立ち直ったことが投資家から評価される理由ともなっています。
ドバイ不動産が不動産投資で注目される理由・メリット
1.ドバイの人口は今後増加する予定
UAEという国も人口は増加傾向です。
ドバイ(アラブ首長国連邦)の総人口推移
同時にドバイの人口も増加する予測です。
ドバイの人口
2.目標が明確な都市計画プランがある
ドバイには「Dubai 2040 Urban Master Plan」という都市計画の明確なプランがあります。

2040年までに達成する目標として
- 人口が増加(現在の330万人から780万人へ)
- 都市中心部の開発(5都市中心部)
- 主要な公共交通機関の駅から800メートル以内に住む人口の割合55%
- 住民のあらゆるニーズに応え、柔軟で持続可能な移動手段を使用してアクセスできるサービスセンターの開発
- 緑とレクリエーションスペースのサイズが2倍(+105%)
- 自然保護区と田舎の自然地域が首長国の総面積の60パーセントに
- サービスエリア、住宅エリア、職場を結ぶ緑の回廊が複数設置され、都市全体での歩行者、自転車、持続可能な移動手段の移動を促進する
- ホテルや観光活動のための土地面積は134%増加する
- 商業活動のための土地面積は168平方キロメートルに増加する
- 教育施設と保健施設のための土地面積は25パーセント増加する
- 公共ビーチの長さは400%増加する
- 20年以上にわたって市民のニーズに応える最高水準の統合された多様な住宅オプション
- 首長国の持続可能な開発と改善を支援する都市計画法の策定
などです。
日本のようなあいまいな国家戦略ではなく、数字目標を負いながら、達成すべき目標に向けた計画があり、それを実現してきた実績があるのがドバイが投資家から評価されているポイントと言えます。
3.不動産価格が上昇
ドバイの不動産価格は、コロナ禍で一時的に落ち込みを見せたものの、再び急上昇しています。今後も上昇が見込まれるものと言えます。
ドバイの不動産価格指標の推移

4.治安の良さ
ドバイが富裕層に好まれる最大の理由は「治安の良さ」です。
最新のデータによると
- 窃盗や性的暴行に対する犯罪発生ランキングは、世界最下位
- 火災発生件数は、世界最下位
- 交通事故は、世界7番目に少ない
などのデータがあります。
安全性の評価には様々な統計がありますが
- numbeo 都市別安全指数2023 → ドバイ 7位/東京 33位
- Economist Intelligence Unit の Safe Cities Index (SCI) → ドバイ 28位/東京 1位
となっており、統計によってばらつきがありますが、上位にランクインできるほどの都市の安全性はあると考えて良いでしょう。
富裕層が移住などを検討する場合に一番重要な「治安」が中東では一番高い国という点で、海外からの投資資金が集める大きな理由となっています。
5.税金がない
ドバイが富裕層に選ばれる最大の理由が「税金がないこと」です。
これは非常に重要なポイントと言えます。
- 所得税:0%
- 消費税:5%
- 相続税:0%
- 贈与税:0%
- 固定資産税:0%
- 法人税:9%
※2023年6月~。AED:375,000(約1,500万円)以下の小規模事業者は対象外。また、フリーゾーン企業については、施行規則の条件をすべて満たす場合には免税
と、すべてが税率0%というわけではありませんが、ほとんどの税率が0%になっています。
富裕層にとってみれば、相続税も、贈与税も、所得税も、ないのですから、「ドバイに移住したい」というニーズが高まり、不動産需要が高まっているのです。
同時に、不動産を購入する人にとっても、不動産に関する税金が低いのは大きなメリットと言えます。
不動産を賃貸に回した賃料収入に対しても、所得税が0%なので、全額自分の収入となります。他の国では、20%~30%は、所得税で取られてしまいます。
6.不動産購入でビザの取得が可能
ドバイでは、不動産を購入するとビザが取得できます。
- 約3,000万円の不動産購入(AED 750,000 ) → 3年間のレジデンスビザ
- 約8,000万円の不動産購入(AED 2,000,000 ) → 10年間のゴールデンビザ
です。
ゴールデンビザであれば、通常ビザと異なり、6カ月以上の海外滞在も可能ですので、日本に拠点を持ちたい場合にも最適なビザです。2拠点生活をしやすくなるなど、メリットが多いビザと言えます。
7.ドル連動の通貨
ドバイで利用されている通貨は「ディルハム(AED)」です。
「ディルハム(AED)」は、ドバイに限らずUAEの全7首長国における公式通貨です。
「ディルハム(AED)」は、「米ドル」に連動する固定相場制の通貨です。
1ドル(USD)=3.67ディルハム(AED)
で固定されています。
世界の基軸通貨である米ドルと連動しているため、為替変動リスクが低いのが特徴です。日本円で資産運用されている方の場合は、米ドル/円の為替に左右されることになりますが、米ドルを資産としている方にとっては、為替リスクは低いのです。だからこそ、世界中の投資家からお金が集まりやすいと言えます。
8.エスクローが義務付けられている
ドバイ不動産では、オフプラン(これから建設される竣工前のレジデンスを購入すること)で購入することが一般的です。
まだ、できあがっていないオフプランで不動産を購入する場合には、ディベロッパーが倒産するリスクを抱えてしまいます。
しかし、ドバイでは、物件の代金は、直接ディベロッパーに支払われずに、一旦、エスクロー会社に支払われるのです。仮に、ディベロッパーが経営破綻などをした場合には、エスクロー会社から購入者に資金が戻ってきます。
エスクローが義務付けられているため、ドバイ不動産では、ディベロッパーの経営破綻のリスクがほとんどない状態になっています。
9.まだ割安な不動産価格
ドバイの不動産というと、何十億という金額をイメージしてしまうかもしれませんが、それはごく一部の物件です。実際には、東京よりも安いのです。
1ベッドの価格は
- 東京:$393,500
- ドバイ:$953,500
とドバイの方が高く見えるのですが、これは平米数が広いからです。
平米あたりの不動産価格(米ドル/㎡)は
香港を100とした場合
- 香港:100
- シンガポール:74.1
- パリ:43.6
- 東京:18.7
- ドバイ:15.4
と
世界的に見ても、まだまだ割安の水準にある
と言えます。
ちなみにドバイには、Studioタイプという、1Bedよりも狭い、東京と同等の広さの物件もあります。そういう物件であれば、東京よりも安い価格で購入できる可能性が高いのです。
10.ドバイの地下鉄路線の伸長計画
「Dubai 2040 Urban Master Plan」に伴い、ドバイメトロ(地下鉄)の開発計画が進んでいます。既存の2つの路線「レッドライン」「グリーンライン」に、第三の路線として計画が実行フェーズに移ったのが「ブルーライン」です。
「ドバイメトロブルーライン」の特徴
- 完成:2029年に完成予定
- 総投資額:180億ディルハム
- 全長:30キロ (19マイル)
- 動作速度:110km/h (68マイル)
- 駅数:地下5駅、地上9駅
ドバイ道路交通局(RTA)による初期調査では、時間と燃料の節約、事故関連死亡者数の減少、二酸化炭素排出量の削減の観点から、2040年までのプロジェクトの経済効果は 565億ディルハムに達すると発表しました。これは移動を促進するだけでなく、ブルーラインの対象となる不動産の価値が最大25パーセント上昇すると推定されているため、ドバイ経済アジェンダで概説されている目標とも一致しています。
ドバイの路線の伸長計画に伴い、不動産価格の上昇も見込めます。
11.UAEや隣国との鉄道ネットワークも運用
UAE(ドバイ)初の国有鉄道計画「エティハド鉄道(Etihad Rail)」が、運用を開始しています。
エティハド鉄道は、UAE(アラブ首長国連邦)の国内貨物および旅客鉄道ネットワークで、UAE(アラブ首長国連邦)に建設中の1,200kmの鉄道インフラプロジェクトです。
- アブダビ~ドバイ間の所要時間は50分
- アブダビ~フジャイラ間の所要時間は100分
- ドバイ~フジャイラ間の所要時間は50分
- アブダビ~アル・ルワイ間の所要時間は70分
「エティハド鉄道(Etihad Rail)」が2023年2月28日に運用を開始しており、貨物などのビジネス利用はもちろんのこと、観光客の移動でも、大きな力を発揮することが想定されます。また、「エティハド鉄道(Etihad Rail)」は、将来的にこの鉄道ネットワークを、隣国の鉄道とも接続する計画があるため、サウジアラビアやオマーン、カタールなどの観光客も、新幹線で移動するぐらい簡単にドバイに来ることができる計画です。今後の経済発展のキーポイントとも言えます。駅の周辺エリアは不動産価格の上昇も堅いものと言えます。
12.イスラム教の戒律が緩く、海外の人に合わせている
イスラム教とは?
イスラム教は、キリスト教・仏教と並ぶ世界三大宗教のひとつで、キリスト教に次ぐ世界第2位の信者数約19億人(世界人口の約25%)を誇る宗教のことを言います。誕生は、西暦610年、預言者ムハンマド(570年頃~632年)が神の啓示を受けたことからはじまりました。
信仰の対象は、ただひとつの神である「アッラー」で、アラビア語で「神」を意味します。アッラーはこの世の全てを支配する全知全能の神とする、唯一絶対の神を信仰する宗教を「一神教」と呼びます。さらにイスラム教では、偶像崇拝が禁止されており、神の唯一性を重視するため、預言者の姿を描く絵画的表現は許されていません。
イスラム教の生活規範では
- ハラール(許された行為・物)とハラーム(禁じられた行為・物)があり、ハラールを避けて生活しなければならない
- 毎日5回、マッカの方角を向いて礼拝しなければならない
というものがあり、
- 豚肉、アルコール飲料、動物性食材全般を食べない
- 夜明け前、昼、午後、日没時、夜と1日に5回5分程度の礼拝を行う
- 異性との接触は望ましくない
- 一年に一度、夜明けから日の入りまで断食をする(ラマダーン)
- 男女ともに体の露出を少なくする。とくに女性は顔と手以外を隠す
などのルールがあるのです。
イスラム教の国を訪れるときには、イスラム教ではない方でも
- 許可なく写真やビデオ撮影をしない
- お祈りの時間が来たらモスクをでるか、静かにする
- 露出の多い服を着ない
- モスク見学は女性はスカーフで頭を覆う
- 子どもの頭を撫でない
- 礼拝の時はお店が閉まる
- イスラム教徒のお休みは金曜日
- アルコールは決められた場所で
- ラマダン中は飲食をする際は、ひと目を避ける配慮を
- 結婚していない男女の性行為は違法
などを守ることがマナーとされています。
イスラム教が厳しい国だと、観光はもちろん、移住するのも、気が引けてしまいます。
しかし、ドバイは「観光立国」ですので、外国人に対するイスラム教の戒律が非常に緩い国となっています。

UAE(アラブ首長国連邦)の中でも
- ドバイ・ラスアルハイマ → イスラム教が民法・刑法ともに適用なしで緩い
- ドバイ・ラスアルハイマ以外 → イスラム教が民法・刑法ともに適用されて厳しい
ドバイとラスアルハイマは、イスラム教が緩い国とされています。
ホテルやビーチ、観光施設などで普通にお酒が飲めますし、ショッピングモールにいる外国人は、露出の激しい服も来ています。ドバイには、宗教の自由が認められており、ヒンドゥー教徒やキリスト教徒、仏教徒のための寺や教会もあり ます。
人前でのキスやハグなどは、避けた方が良いですが、恋愛も比較的自由になっています。
外国人観光客、外国人移住者、外国人労働者を重視している国だからこそ、中東のど真ん中に存在するのにも関わらず、ドバイやアブダビは比較的自由な気風があります。これも、世界中の富裕層から投資を集める一つの要因となっています。
13.ドバイの新空港計画(アル・マクトゥーム国際空港(DWC)の拡張)
ドバイは、2024年4月28日にドバイ首長国首長シェイク・ムハンマド・ビン・ラシード・アル・マクトゥーム氏がアル・マクトゥーム国際空港(DWC)をドバイの主要航空旅客ハブとなる「世界最大の空港」とする計画を発表しました。
「ドバイメトロブルーライン」の特徴
- 開発会社:ドバイ・アビエーション・エンジニアリング・プロジェクト(DAEP)
- 名称:アル・マクトゥーム・インターナショナル(AMI)
- 面積:70平方キロメートル
- 年間旅客数:2億6,000万人
- 貨物:1,200万トン
- プロジェクトの第1段階は、10年以内に完成(2034年以内)し、年間1億5,000万人の乗客を収容
もともと、アル・マクトゥーム国際空港(DWC)は、ドバイ第二の空港としてビジネス向けに利用されていました。しかし、ドバイ国際空港(DXB)が都心部にあるため、これ以上拡張ができないということが判明し、世界一の空港を目指したいドバイは、 アル・マクトゥーム国際空港(DWC)を拡張することに決めたのです。
アル・マクトゥーム国際空港(DWC)の拡張計画に伴い、ドバイサウスエリアの不動産価格の上昇も見込めます。
14.「仮想通貨(暗号通貨)」との親和性が高い
ドバイは「仮想通貨(暗号通貨)」のブロックチェーン技術が活用できる国であり、同時に「不動産」というリアル資産の価値も併せ持つ、世界でも希少な立地となっています。数十億ドルの不動産投資と多数のブロックチェーンスタートアップを誘致しているため、今後の発展も見込まれます。
すでに「不動産登記」は、ブロックチェーン上で行われているため、改ざんのリスクもなく、世界中から確認できる優位性があります。
さらに、一部の不動産では「RWA」という不動産の価値を担保にした仮想通貨(暗号通貨)の発行(不動産のトークン化)も実施予定であり、通常の不動産価格には手を届かない投資化でも、安く不動産を購入できる「小口化」が可能になっています。
Real World Assets(RWA)とは
現実世界に物理的に存在する資産をブロックチェーン上にトークン化することで、仮想通貨(暗号資産)として表現したもののこと
を言います。
仮想通貨(暗号通貨)、ブロックチェーン技術を活用できる国であるため、今までにない付加価値が不動産に追加されるメリットがあるのです。
ドバイ不動産の不動産投資におけるデメリット・リスク
1.為替リスク
ドバイ(アラブ首長国連邦)の為替「AED/JPY」
ドバイ(アラブ首長国連邦)の為替「AED/USD」
ディルハムが上がっているというよりは、円が弱くなっているという状況です。
円安の時にドバイ不動産を購入し、円高になれば、為替差損が発生します。
為替差損が発生するリスクはあると考える必要があります。
2.ディベロッパーの建設がとん挫するリスク
2009年にドバイショックが起きています。
2009年11月25日に、アラブ首長国連邦 (UAE) ドバイのドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことに端を発し、世界的に株式相場が急落した現象のことを言います。ドバイ・ワールドは、ナキールタワーなどの超高層ビル建設や人工島パーム・アイランド造成などの大規模開発を手がける不動産開発デベロッパーのナキールなどを保有する政府の持株会社です。
リーマン・ショックに端を発する2007年からの金融危機によって不動産ブームが縮小したことなどにより、その経済は急激に減速していて、ドバイ政府はドバイ・ワールドと、その傘下のナキールなどの企業を含めた事業の再編に動き、その手始めに返済延期を要請することを発表しました。これはドバイ政府が大手政府系企業への財務支援を適切に行うことができなかったことを意味すると受け止められ、各格付け会社は25日遅くドバイの債務格付けを引き下げた。ナキールと並ぶ不動産デベロッパーであり、世界で最も高い超高層ビルであるブルジュ・ハリファを開発したエマール・プロパティーズも、ムーディーズによる格付けが非投資適格(ジャンク)級に引き下げられた。
という過去の負の実績があるのが事実です。
ドバイでは、エマールやナキールは、政府系のディベロッパーだから安心と言われていますが、そうとも言い切れないリスクがあるのです。
ただし、現在は、ドバイ不動産では、エスクローが義務付けられているため、上記の心配はかなり低くなっています。
3.税制の変更リスク
前述したようにドバイでは「税金がほとんどかからない」という大きなメリットがあります。
しかしながら、ドバイ政府も、徐々に税金を取る形にシフトしていっている現状があります。
経済が発展し、移住者が増えるにつれて、税金も取っていかないと国が成り立たなくなっていくのも、仕方がないことと言えます。
いつまでも、「税金がほとんどかからない」状態が維持されるわけではなく、政策の変更で、税金が上がってしまう可能性があることは、一つのリスクと言えます。
4.カントリーリスク
ドバイは、イスラム教の国です。
富裕層の移住に、最大のネックになるのは「イスラム教であるため、NGが多い」という点です。
イスラム教では
- アルコール
- 利子
- お酒
- 豚肉
- 女性が人前で肌を見せること
などが禁止されています。
ドバイでは、上記のルールが非常に緩く設定されていて
- 外国人であれば、ホテルなどではお酒が飲める
- 外国人であれば、豚肉も食べられる
- 外国人であれば、女性が肌を見せても大きな問題にはならない
と、外国人が移住しやすい環境を整えています。
しかしながら、
- スーパーなどではお酒は売っていない
- あまりに露出した服装で女性がいると、ジロジロ見られる
- イスラム教の女性の写真を撮るとトラブルが起こる
など、いろいろな制約があることも事実です。
これらのネックが、富裕層の移住にマイナスの影響を与える可能性はあるのです。
ドバイ(UAE)不動産・最新の不動産価格推移データ
ドバイ住宅価格指数推移
※REIDIN住宅販売価格指数
出典:Global Property Guide 2025年9月最新データ
ドバイ住宅価格指数推移変動率
ドバイ住宅価格指数推移変動率
出典:Global Property Guide 2025年9月最新データ
ドバイ不動産投資で発生するコスト
1.登記費用・VAT(付加価値税)
ドバイ不動産では、登記費用が必要になります。
- 登記 = DLD(Dubai Land Department)
と言います。
- DLD = 登記費用 + Admin fee + 登録手数料
- 登記費用:物件価格の4%
- Admin fee
マンションやオフィス:580AED
土地:430AED
オフプラン:40AED - 登録手数料
物件価格500,000AED以下:2,000AED
物件価格500,000AED超:4000AED - VAT’(付加価値税)
物件価格の5%
2.仲介手数料
- 中古物件:2.0%
- 新築物件(オフプラン):0%※ディベロッパーからの購入
3.DEWAデポジット
DEWA(Dubai Electricity and Water Authority)は、水道と電気を提供している公的機関への契約時に支払うデポジット代金(保証金)です。また、ガス会社との契約も必要になります。
- マンション:2,300AED
- ヴィラ:4,000AED
4.共益費(管理手数料)
物件の共益費(管理手数料・修繕積立金・メンテナンス費用)が発生します。
面積当たりの共益費の相場があり、どの物件でも、ある程度の相場で設定されています。
- 3~30AED/sqft
5.保険料
火災保険に入る場合には、個別に火災保険料が発生します。家財保険にも加入可能です。
6.抵当権設定費用
ローンを利用する場合には、抵当権を設定する必要があり、抵当権設定費用が長谷資します。
ドバイ不動産投資後の利回りシミュレーション
- 為替 1AED(ディルハム) = 40円
という場合に
- 建物金額:2,000,000AED(80,000,000円)
と仮定します。
初期費用
- 登記費用:物件価格の4% = 80,000AED(3,200,000円)
- Admin fee:40AED(1,600円)
- 登録手数料 = 4,000AED(160,000円)
- VAT:物件価格の5% = 100,000AED(4,000,000円)
合計:184,040AED(7,361,600円)
物件価格込み:2,184,040AED(87,361,600円)
想定家賃
- 2,000,000AEDで購入できる物件の場合、年間140,000AED(5,600,000円)ほど
運用時コスト
- 賃貸管理費:家賃の8%(1カ月分) = 11,200AED(448,000円)/年
- 共益費・管理費: = 2,820AED(112,800円)/年
運用コスト合計:14,020AED(560,800円)
というコストが想定されます。
概算のシミュレーション
- 初期コスト合計:2,184,040AED(87,361,600円)
- 年間想定賃料:年間140,000AED(5,600,000円)
- 運用コスト合計:14,020AED(560,800円)
- 想定年間収益:125,980AED(5,039,200円)
利回り:5.76%
ドバイの物価(給料・家賃・不動産価格・住宅ローン金利)
ドバイ不動産に投資するうえでは、ドバイの物価を抑えておく必要があります。
ドバイ物価の中でも、水・レストラン・家賃・不動産価格などを東京と比較しています。また、物価ではありませんが、平均給料・住宅ローン金利の数値も東京と比較しました。
ドバイ(UAE)と日本(東京)の物価比較
| 都市/国 | 東京/日本 | ドバイ/UAE | ドバイ/UAE |
|---|---|---|---|
| 通貨 | 円 | 円 | % |
| データ計測日時 | 2025/9 | 2025/9 | 2025/9 |
| データ計測時点の為替 | 1円 | 39.08円 | 39.08円 |
| 物価 | 平均 | 平均(円換算) | 比率(対東京) |
| 安いレストランでの食事 | 1,200円 | 1,563円 | 130% |
| 一般的なレストラン・2名・3コース | 6,600円 | 11,529円 | 175% |
| マクドナルドのバリューセット | 750円 | 1,368円 | 182% |
| 国産生ビール(0.5リットル) | 600円 | 1,954円 | 326% |
| 水・ボトル(1.5リットル) | 129円 | 117円 | 91% |
| タクシー 1km(通常料金) | 500円 | 117円 | 23% |
| ガソリン(1リットル) | 178円 | 117円 | 66% |
| シティセンターのアパートメント (1 ベッドルーム) | 158,384円 | 343,630円 | 217% |
| アパートメント (1 ベッドルーム) センター外 | 93,938円 | 222,053円 | 236% |
| 市内中心部のアパート購入の平方メートルあたりの価格 | 1,618,828円 | 1,089,668円 | 67% |
| センター外のアパート購入の平方メートルあたりの価格 | 792,363円 | 562,205円 | 71% |
| 平均月給(税引後) | 386,814円 | 548,761円 | 142% |
| 住宅ローン金利 (%)、年間、20 年間固定金利 | 1.63% | 4.44% | 275% |
ドバイ不動産の買い方
ドバイ不動産に強い日本人スタッフがいる、日本人が運営する不動産会社に依頼するのが一番確実な方法です。
ドバイ不動産は、多くの日本人の不動産会社が進出しています。だからこそ、買い手側(投資家側)のニーズをくみ取って、物件を紹介し、不安を払しょくしてくれる、信頼できる不動産会社を見つける必要があります。
多くの選択肢がある反面、ドバイで不動産会社が儲かると思って、出てきた新しい会社も少なくありません。ネットワークが少ないと、デメリットも多いので注意が必要です。
ドバイ不動産投資のおすすめエリア
ダウンタウン

ダウンタウンは、ドバイの中心地です。世界一高いビル「ブルジュハリファ」や世界最大級のショッピングモール「ドバイモール」などがあるエリアで、ドバイではじめに開発された地域と言っても良いでしょう。
ドバイ国際空港からは30分ほどで行くことが可能です。
不動産投資としては、物件価格は高いものの、賃貸需要も、民泊需要も期待できるエリアと言えます。
ドバイマリーナ

ドバイマリーナは、アラビア湾に面する沿岸エリアです。世界最大の観覧車「アインドバイ」、海水浴場「マリーナビーチ」があり、「パームジュメイラ」の入り口付近にあるエリアです。
富裕層に人気のエリアで、物件価格は、ダウンタウン以上の高額になっています。民泊需要が強く、高い稼働率が見込まれるエリアです。
ドバイクリーク

ドバイクリークは、ドバイクリークという川沿いのエリアです。同地区には電車の停車駅がないため、行くには車を利用する必要があります。
「ドバイモール」の2倍のモール、「ブルジュハリファ」より高いタワー「クリークタワー」の建設が予定されています。第二のダウンタウンを目指して開発されているエリアです。
まだ、物件価格は低く、オフプランで購入できるキャピタルゲインが期待できるエリアと言えます。
おすすめのドバイ不動産物件情報
The Serene at Sobha Central(セリーン・ショーバ・セントラル)
ドバイ不動産最新動向
マクロ環境・金利
- インフレと政策スタンス
ドバイの消費者物価は8月+2.4%YoYに鈍化し、年内は2%台半ばでの推移が見込まれます。米ドル連動の通貨・金利連動(米金融政策の影響)が続くなか、インフレは落ち着いた水準です。 - 短期指標(EIBOR)と住宅ローン実務
3カ月EIBORは10月1日時点で約4.17%、1カ月で約4.21%です。主要行は1~5年の固定を積極提示しており、例として大手行の店頭固定3年4.24%/固定5年4.44%(諸条件あり)という水準感です。実務ではEIBOR+スプレッドの変動型と、固定→変動のハイブリッドの選択が一般的です。 - 頭金(LTV)・審査の枠組み
居住外国人の一次取得は頭金20%(物件5百万AED超は30%)が通例、二次取得は頭金40%程度が目安です。UAE国民は15%から。中央銀行のモーゲージ規制(LTV上限)に基づく運用です。
住宅(分譲・賃貸)
- 売買:オフプラン主導の高水準
2025年H1時点で取引件数・金額とも過去最高圏。オフプラン比率が7~8割に達する月もあり、高額ヴィラの比率上昇が金額を押し上げています。VPI(8月)で住宅価格+22%YoY、年初からの上昇基調を維持しています。 - 価格と在庫:上昇継続も伸び率は鈍化へ
2025年Q2までの年間上昇率は概ね+14%前後。一方、2025年通年で9.3万戸の供給観測など供給圧力が高まり、金融機関は2025年後半~26年にかけて10%超の価格調整リスクを指摘しています。フリップ(転売)熱は減速し、築浅~プレミアム立地と周辺Bクラスで二極化が進んでいます。 - 賃貸:上昇一服→エリア選別へ
H1は賃料+1~2%QoQ(アパート/ヴィラ)と伸び率鈍化。更新時はRERAレンタル指標が上昇余地を規定しつつ、新規契約の方が高い賃料になりやすい傾向です。総契約件数はH1で約23.6万件と前年並みの高水準、粗利回りは平均6.7%前後(アパート7%台/ヴィラ5%前後)が目安です。 - 供給パイプライン
H1で2万戸超が引渡し、年後半以降も大量供給が続く見込み。2027年までに20万戸超の計画が示され、在庫吸収力は立地・プロダクト力次第の局面です。
オフィス
- 稼働・賃料:歴史的タイト感
グレードAは空室が極小で、プライム賃料・Grade A賃料とも2桁の年率上昇。更改前倒し・面積確保の先手打ちが一般化しています。直近Q2の市況では空室率の歴史的低下→賃料上昇が続き、大型区画志向&ストラタ(区分)オフィスへの関心も台頭しています。 - テナント行動とESG
ハブ&スポークのハブ拠点として立地・交通・BCP・グリーン認証の高い物件に需要集中。共用部改装・アメニティ拡充でのリポジショニングも進展しています。
リテール・商業
- 来店回復と賃料の底上げ
ショッピングモールは観光・居住者人口増を背景に稼働が堅調。小売賃料は9%上昇との実務感も出ており、体験型テナント/F&Bの導入で一等立地は横ばい~増、二等立地は歩合賃料・内装支援で出店を促進しています。
ホテル・観光
- 稼働・ADR
2025年通年稼働78.5%見通し、H1のADRはAED745(+5.5%)。国際来訪者の回復が牽引し、アッパーミッドスケールが伸長しています。大型イベント期の週末偏重を平準化できるかが下期のテーマです。
物流・工業
- ロジ・工業:グレードAは貸し手優位
高稼働×賃料上昇が継続。製造・ECの投資拡大でグレードA物流の関心は強く、投資家のアロケーション拡大が観測されます。
REIT・資本市場
- 上場・配当動向
Dubai Holdingの住宅REITがIPOを実施し、2025年配当見込み11億AEDを掲示。Emirates REITは年次配当を実施、ENBD REITは半期配当の方針を継続するなど、分配継続性が意識されています。 - 上場デベロッパー・商業REITに近い動き
TECOM Groupは高稼働と賃料増でH1 2025の利益+22%、オフィス需要の底堅さが裏付けられています。
制度・規制トピック
- 外資取得と長期滞在制度
指定フリーホールド区域での外国人所有、長期ビザ(例:ゴールデンビザ)など移住・投資誘致策が継続。RERAレンタル指数の改定運用により更新時の賃料上限がガイドされ、賃貸市場の透明性が高まっています。
投資家への示唆(セグメント別)
- 住宅(一次取得・投資)
価格は+1桁台後半~+2桁前半上昇の後半局面。金利安定×固定金利4%台の選択肢拡大で月々返済の読みやすさは向上。一方で2025年後半~26年の調整リスクと大量供給を踏まえ、立地(交通・学区・海近)×管理品質を重視し、オフプランは支払計画・完成リスクを精査するのが実務的です。 - 賃貸投資
粗利回り:アパート7%台/ヴィラ5%前後が目安。新規契約>更新契約で賃料が高く出る傾向を踏まえ、客付けの初速と運営コスト(DLD・管理・修繕)を織り込んだネット利回りで判断します。 - オフィス
Aグレードの空室極小・更改前倒しが常態化。ESG・BCP・アメニティの質で賃料プレミアムが明確。新規リーシングは意思決定リードタイムの短縮とレイアウト柔軟性が成否を分けます。 - リテール
プライムモールはイベント×体験型テナントで賃料押し上げ。二等立地は歩合賃料・内装支援の設計で回転率管理が鍵です。 - ホテル
稼働7割後半×ADR上昇で堅調。国際線・イベントの取り込みが続く一方、平日需要の底上げ(企業需要・会議体)がテーマです。 - 物流・工業
グレードA物流・軽工業は高稼働×賃料増。港・空港アクセス/電力安定/天井高・ドックなど仕様要件を満たす資産のスプレッドは当面確保しやすい見通しです。 - REIT
分配継続性とスポンサー力を重視。住宅・オフィス・物流の用途分散と長期WALEのポートフォリオは金利低下局面での相対妙味が高いです。
リスク・留意点
- 供給過剰:2025年9.3万戸規模の供給予測などにより、中低価格アパートでの在庫圧力と値引き・引渡し遅延の可能性。
- 価格調整リスク:格付機関は-10%超の調整を警戒。オフプランの転売減速・投資家心理の変化に注意。
- 金利・為替連動:米金融政策に連動影響。EIBORの変動で変動型ローン返済が振れやすく、固定選好が増加。
- 施工・引渡し:大量供給局面で建設スケジュールの遅延・スペック差が表面化しやすい。契約の違約条項・マイルストーンを要確認。
まとめ
2025年のドバイ不動産は、インフレ沈静化×金利安定を背景に、住宅はオフプラン主導の高水準、オフィスはAグレードの極端なタイト市況、リテールは体験型・F&Bで底堅く、ホテルは稼働7割後半×ADR上昇という構図です。一方で、大量供給に伴う価格調整リスクとエリア・仕様による選別が鮮明化。立地・開発品質・運営力に優れた資産ほど耐性が高く、投資は固定金利用・キャッシュフロー重視・用途分散で臨むのが有効です。

