海外の不動産代金や生活費を送るために「住信SBIネット銀行 海外送金」と調べると、結論は2つの意味で変わっています。1つは、この銀行の商号が2026年8月に「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ変わったこと。もう1つは、個人の口座から海外へ送金する機能が、もともと提供されていないことです。2026年11月3日に同行の公式ページとQ&Aで確認した内容を、送る側・受け取る側に分けて整理します。

2026年11月3日に公式情報で確認できたこと

  • 個人の口座から海外へ送金することはできない。公式Q&A(ID:2472)に「個人のお客さまは海外へ送金はできません。」と明記されている
  • 個人向けの「外貨送金サービス」は、国内の他行にある本人名義口座あての仕向け送金に限られる。送金手数料は1件3,500円
  • 逆方向、つまり海外の金融機関から外貨を受け取ることはできる。10通貨に対応し、1回5万通貨以上なら受取手数料が無料
  • 法人は海外送金を利用できる。ただし事前の申込みと同行所定の審査が必要
  • 商号は株式会社ドコモSMTBネット銀行(英語名称 DOCOMO SMTB Net Bank, Inc.)。沿革に2026年8月の商号変更として記載されている

個人の口座から海外へは送金できない

同行の「外貨送金サービス」のページは、サービスの説明の冒頭で「当社の外貨普通預金から、他行に外貨を送金するサービスです。(仕向け送金)」と書いたうえで、続けて「他の金融機関の国内本支店にあるお客さまご本人名義口座への送金となります。海外への送金の取扱いはございません。」と断っています。送り先は国内に限られ、しかも本人名義の口座だけです。

ドコモSMTBネット銀行の外貨送金サービスのページの公式キャプチャ画面。当社の外貨普通預金から他行に外貨を送金するサービスですという説明の下に、他の金融機関の国内本支店にあるお客さまご本人名義口座への送金となります、海外への送金の取扱いはございませんと赤い文字で書かれ、お客さまから当社の口座を経てご本人名義の口座へ外貨送金が流れる図が置かれている
出典:ドコモSMTBネット銀行「外貨送金サービス」(2026年11月3日に表示を確認)。送金先が国内の本人名義口座に限られることが本文に明記されている。

同行のQ&Aはさらに踏み込んでいます。ID:2472「〔外貨送金〕 海外へ送金はできますか?」は、個人と法人で答えを分け、個人については「個人のお客さまは海外へ送金はできません。」と1行で答えています。

ドコモSMTBネット銀行のよくあるご質問の詳細画面。ID2472、外貨送金、海外へ送金はできますかという質問に対し、個人のお客さまは海外へ送金はできません、法人のお客さまは海外送金をご利用いただけます、サービスの利用には事前の申込みおよび当社所定の審査が必要ですと回答が並んでいる
出典:ドコモSMTBネット銀行 よくあるご質問 ID:2472(2026年11月3日に表示を確認)。作成日は2021年6月3日で、商号変更の前から同じ扱いが続いている。
ドコモSMTBネット銀行で「できること・できないこと」(2026年11月3日に公式情報で確認)
取引 個人 法人 根拠
海外の口座へ送る できない できる(事前申込と審査が必要) Q&A ID:2472
国内の他行にある本人名義口座へ外貨で送る できる(1件3,500円) 法人向けの外貨送金サービスが別にある 外貨送金サービス
国内の他人名義口座へ外貨で送る できない 法人向けページで確認が必要 外貨送金サービス
海外の金融機関から外貨を受け取る できる(10通貨) できる(外貨預金口座の開設が前提) 外貨送金受取サービス

つまり、この銀行は「外貨を受ける器」としては使えますが、「海外へ出す蛇口」にはなりません。海外送金そのものを探している個人は、別の銀行か資金移動業者を選ぶことになります。費用の内訳から考えたい場合は海外送金の手数料は何にいくらかかる?が入口になります。

商号は2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ変わった

検索で古い情報が出てくる理由のひとつが商号変更です。同行の沿革には、2026年8月の出来事として「『株式会社ドコモSMTBネット銀行』へ商号変更」と記載されています。会社概要のページは2026年8月3日現在として、商号・英語名称・設立などを掲げています。

ドコモSMTBネット銀行の会社概要ページの公式キャプチャ画面。2026年8月3日現在として、商号は株式会社ドコモSMTBネット銀行、英語名称はDOCOMO SMTB Net Bank Inc.、設立は1986年6月で銀行業の営業免許取得は2007年9月、本店所在地は東京都港区六本木三丁目2-1、資本金460億円と表に並んでいる
出典:ドコモSMTBネット銀行「当社の概要」(2026年11月3日に表示を確認)。ページには「2026年8月3日現在」と記されている。
会社概要に載っている基本情報(2026年8月3日現在、2026年11月3日に確認)
項目 内容
商号 株式会社ドコモSMTBネット銀行
英語名称 DOCOMO SMTB Net Bank, Inc.
設立 1986年6月(銀行業の営業免許取得:2007年9月)
本店所在地 東京都港区六本木三丁目2-1 住友不動産六本木グランドタワー
資本金 460億円
金融機関コード 0038

サイトのフッターには「所属銀行の商号:三井住友信託銀行株式会社」とも書かれています。旧称で検索して出てくる記事は、この商号変更より前に書かれたものです。手数料やサービスの可否は、古い記事ではなく現在の公式ページで確かめてください。

個人向け「外貨送金サービス」の手数料は1件3,500円

海外へは送れませんが、国内の他行にある本人名義の口座へ外貨のまま移す機能はあります。手数料は送金日の前営業日に、代表口座の円普通預金から引き落とされます。残高が足りないと送金そのものが実行されません。

外貨送金サービス(仕向け・個人)の手数料。2026年4月16日現在の表示を2026年11月3日に確認
手数料名 金額 かかる場面
送金手数料 3,500円 送金のたびに送金人から徴収される
組戻手数料 5,000円 送金手続き完了後に誤りや訂正で資金を返却するとき
変更手数料 5,000円 送金手続き後に依頼内容を変更するとき
照会手数料 5,000円 送金した資金が入金されているかを送金先銀行に問い合わせるとき

同行は「消費税はかかりません」と注記しています。外国為替業務の手数料が非課税になる根拠は、海外送金の手数料に消費税はかかる?で条文まで追っています。また、送金金額からは中継銀行のリフティングチャージが差し引かれる旨も明記されています。受け取り側に届く金額は、送った額から目減りします。

外貨送金サービスを使うときの流れ

STEP 1

送金先を事前に登録する

WEBから最大3口座まで登録する。同じ銀行の同じ口座番号でも、通貨が違えば別の送金先として登録が要る。

STEP 2

登録完了まで2営業日ほど待つ

申込受付から登録完了まで2営業日ほどかかると案内されている。急ぎの送金には向かない。

STEP 3

WEBから送金を依頼する

15時までに受け付けた分は2営業日後、15時以降は3営業日後に送金される。海外の休日等で遅れる場合がある。

STEP 4

前営業日に資金と手数料を用意する

送金金額は当該通貨の代表口座の外貨普通預金から、手数料は代表口座の円普通預金から引き落とされる。

外貨送金サービスの手順。事前登録に2営業日、送金に2〜3営業日かかるため、依頼から着金まで日数の余裕が要る。
外貨送金サービス(仕向け・個人)の利用条件(2026年11月3日に公式ページで確認)
条件 内容
送金先 他の金融機関の国内本支店にある本人名義口座のみ。同行の他の支店は指定できない
登録できる数 最大3口座
登録までの日数 申込受付から完了まで2営業日ほど
送金実行 15時までの受付は2営業日後、15時以降は3営業日後
引落口座 送金金額は該当通貨の代表口座の外貨普通預金、手数料は代表口座の円普通預金
中継銀行 通常、中継銀行を経由する際にリフティングチャージが送金金額から差し引かれる

海外から外貨を受け取る側は使える。1回5万通貨以上で受取手数料が無料

方向が逆になると扱いが変わります。「外貨送金受取サービス」は、海外の金融機関からの送金や、国内の金融機関からの外貨建て送金を、代表口座の外貨普通預金で受け取るサービスです。海外で運用していた資金を日本国内の口座へ戻す用途が、公式ページの「こんなかたにオススメ!」にも挙げられています。

ドコモSMTBネット銀行の外貨送金受取サービスのページの公式キャプチャ画面。他の金融機関の外貨を当社へ送金する被仕向けのサービスという説明の下に、代表口座の外貨普通預金で受け取れること、取扱いの10通貨を受け取れること、外貨なら一定額以上の受取手数料が無料であることの3つの特徴が緑色のカードで並んでいる
出典:ドコモSMTBネット銀行「外貨送金受取サービス(外貨を受取る)」(2026年11月3日に表示を確認)。受け取りは海外の金融機関からの送金も対象になる。
外貨送金受取サービスの受取手数料。2026年4月16日現在の表示を2026年11月3日に確認
受け取る通貨 区切りとなる入金額 区切り未満の受取手数料 区切り以上の受取手数料
米ドル・ユーロ・英ポンド・豪ドル・NZドル・カナダドル・スイスフラン 5万通貨 35通貨 無料
香港ドル・南アランド 50万通貨 350通貨 無料
日本円 区切りなし 3,500円 3,500円

入金額はリフティングチャージ等を差し引いたあとの金額で判定されます。公式ページも「5万米ドルを当社宛に送金された場合でも、リフティングチャージ等が控除されるため、受取額は5万米ドルを下回ります」と例を挙げています。無料の線をねらうなら、相手方の手数料を見込んで送ってもらう必要があります。日本円で受け取る場合は、金額にかかわらず1回3,500円です。日本の口座で受け取る側の一般的な手順は海外からの送金を日本の口座で受け取る方法にまとめています。

送る方向と受け取る方向で、同じ銀行でも扱いが違う

「外貨送金」という同じ名前でも、向きで可否が分かれる

日本から海外へ出す(個人)

取扱いなし。公式ページに「海外への送金の取扱いはございません」、Q&Aに「個人のお客さまは海外へ送金はできません」と書かれている。国内の他行にある本人名義口座あてだけが対象になる。

海外から日本へ受け取る

取扱いあり。海外の金融機関からの送金を代表口座の外貨普通預金で受け取れる。対応は10通貨で、1回5万通貨以上(香港ドル・南アランドは50万通貨以上)なら受取手数料は無料。

同じ「外貨送金」の名前でも、仕向け(出す)と被仕向け(受ける)で扱いが分かれる。出す側を探している人は別の銀行を見ることになる。

よくある取り違えが2つあります。1つは、「外貨送金サービス」があるから海外へ送れると読んでしまうこと。このサービスの送金先は国内の他行にある本人名義口座に限られます。

もう1つは、BaaS提携サービスを同じものとみなしてしまうことです。Q&Aは「BaaS提携サービスをご利用のお客さまは、ご利用いただけるサービスや特典等が一部異なる場合があります」と注記しています。提携ブランドの口座を使っている場合は、各サービスの紹介ページで個別に確認する必要があります。

個人が海外へ送る方法を探しているなら、送金の取扱いがある銀行を比べるところからになります。当サイトではソニー銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、楽天銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行を、それぞれの公式情報にあたって個別に整理しています。

よくある質問

住信SBIネット銀行はなくなったのですか

銀行そのものは続いています。沿革に2026年8月の商号変更として「『株式会社ドコモSMTBネット銀行』へ商号変更」と記載されており、名前が変わりました。金融機関コードは0038です。

個人でも海外送金できる裏技はありますか

公式Q&Aが個人について「海外へ送金はできません」と明記しています。提供されていない機能なので、別の銀行か資金移動業者を使うことになります。

法人なら海外送金できますか

できます。ただしQ&Aは「サービスのご利用には、事前のお申込みおよび当社所定の審査が必要です」としています。口座を持っているだけでは使えません。

海外の不動産代金をこの口座から送れますか

個人口座からは送れません。国内の他行にある本人名義口座へ外貨のまま移すことはできるので、海外送金を扱う銀行の自分の口座へ移してから送る形になります。移すたびに1件3,500円の送金手数料がかかります。

受け取りで手数料を無料にするにはいくら必要ですか

1回あたりの入金額が5万通貨以上(香港ドル・南アランドは50万通貨以上)です。判定はリフティングチャージ等を差し引いたあとの金額で行われます。日本円で受け取る場合は金額にかかわらず1回3,500円がかかります。

この記事で参照した一次情報

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