「海外不動産を売却しようと考えているのですが、海外不動産売却時の税金はどうなりますか?」
海外不動産売却時の税金はどうなるのか?を丁寧に解説します。
海外不動産売却時の税金はどうなるの?
基本的な海外不動産の税金の考え方
日本在住の日本人の場合は
- 海外不動産のある国での納税
- 日本での納税
の2つの納税が必要になります。
そのうえで、二重課税にならないように、日本の税務署に「外国税額控除」の申告をすることで、二重になった分が還付される仕組みになっています。
国税庁
日本の居住者は、原則として国内で生じた所得および国外で生じた所得のいずれについても、日本で課税されることとなります。
したがって、日本の居住者が海外の不動産を売却したことにより得た譲渡益に対しても、国内にある不動産を売却した場合と同様に、課税されることとなります。
この場合、外国通貨で行われた不動産の譲渡所得の金額および不動産を取得した際の取得価額の金額は、原則として、その取引日における対顧客直物電信売相場(T.T.S)と対顧客直物電信買相場(T.T.B)の仲値(T.T.M)によることとされています。
ただし、不動産を売却して外国通貨を直ちに本邦通貨とした場合には対顧客直物電信買相場(T.T.B)で、本邦通貨を外国通貨として直ちに海外不動産を取得した場合には対顧客直物電信売相場(T.T.S)で譲渡所得を計算することができます。
(注) 「居住者」とは、日本国内に住所を有しているか、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する人をいいます。
出典:国税庁
つまり、
海外不動産を売却して、譲渡益が出た場合は
- 海外不動産のある国での納税
- 日本での納税
が必要になり、
払いすぎた分は「外国税額控除が必要になる」
ということになります。
短期譲渡所得と長期譲渡所得はどうなるの?
これは
日本の不動産でも
海外の不動産でも
日本に納税する場合には、短期譲渡所得と長期譲渡所得という考え方があります。
- 短期譲渡所得(5年以下で売却):税率39%
- 長期譲渡所得(5年超で売却):税率20%
これは日本だけの税制ですから、不動産がある国の現地での譲渡所得に関する課税は、別のルールが適用されます。
ただし、日本は、短期譲渡所得と長期譲渡所得という考え方にのっとって納税する必要があります。
そのうえで、「外国税額控除」で重複分を後から還付を受ける形になります。
つまり、
海外不動産を売却する際にも、短期で売却してしまうと税金負担が大きくなる
ということを覚えておく必要があります。
不動産のある国の税金はどうなるの?
不動産のある外国の税制に従って課税されます。
- 譲渡益の10%
という国もあれば
- 譲渡益に関する課税がない
という国もあります。
概ね、どの国でも、日本よりは安い税率に設定されていることが多いです。
ただし、日本人の場合は、日本に納税しなければならないので、不動産のある国の譲渡益に関する税金が安いということは、日本の税率がほぼ適用されるのと同じことを意味するのです。
同時にチェックすべきは、海外不動産売却時の仲介手数料
海外売却するときには税金と主に、不動産会社に支払う仲介手数料が発生します。
仲介手数料と税金が必要なことは、頭に入れておく必要があります。