「これから海外不動産を購入しようと思うのですが、チェックすべきポイントは何がありますか?」

海外不動産を購入する前にチェックしておくべきポイントについて丁寧に解説します。

海外不動産を購入する前にチェックしておくべきポイント

1.海外不動産投資で発生するコストの洗い出し

海外不動産を購入する場合には、購入を仲介する海外不動産会社・海外不動産エージェントやディベロッパーと交渉して契約をする流れになります。

海外不動産会社・海外不動産エージェントやディベロッパーは、見た目の良い資料を作成し、上手に営業するため、その気になってしまうのですが、実際には

  • 発生するコストに関する説明が不足している

ケースは少なくありません。

コストを事細かに書いてしまうと、購入する人が少なくなってしまうからにほかなりません。

海外不動産を購入するときに発生するコスト

  • 仲介会社への仲介手数料
  • サポート会社への手数料
  • 賃貸に出す場合の賃貸管理業者への管理手数料
  • 民泊に出す場合の民泊代行業者への代行手数料
  • 火災保険料
  • 建物の管理費・修繕費
  • 登記費用
  • 行政費用
  • 登記に係わる専門家(弁護士など)への支払い報酬
  • 購入にかかわる税金(不動産取得税)
  • 固定資産税
  • 収入にかかわる税金(所得税)
  • 車庫代
  • 会員費
  • 売却時に支払う仲介手数料
  • 購入にかかわる税金(不動産譲渡税)
  • 為替手数料
  • 海外送金手数料

コストを正確に把握していないと、見た目の表面利回りがどれだけ高くても、「実際の手取りの実質利回りは、日本とかわらない」ということにもなってしまいかねません。

海外不動産の購入、運用、譲渡までの全体で、発生するコストをすべて把握したうえで、海外不動産の購入に踏み切ることが重要です。エグジットするまでのコストをイメージすることが重要です。

海外不動産会社・海外不動産エージェントやディベロッパーは「海外不動産の購入、運用、譲渡までで発生する、すべてのコストを全部教えてください。」と聞けば、問題なく教えてくれるはずです。逆に言えば「聞かなければ教えてくれない」のです。

2.海外不動産投資のリスクの洗い出し

海外不動産投資には、日本国内の不動産投資にはないリスクがいくつかあります。

  • カントリーリスク
  • 為替リスク
  • 外貨規制リスク
  • 情報入手リスク
  • 物件管理リスク
  • プレビルドリスク

などです。

カントリーリスク

国の政治・経済・社会情勢の変化によるリスクがあります。戦争、テロ、自然災害、国債の債務不履行などがあれば、不動産価格にも大きな影響があります。

為替リスク

対円に対して、通貨安となってしまえば、現地通貨で物件価格が上昇していても、通貨が安い分、日本円換算だと損をしてしまうようなケースがでてきます。為替差損が発生し、キャピタルゲインよりも上回ってしまうようなケースです。

外貨規制リスク

国によっては、海外口座からの送金、資本 または利益の持ち出し、などができなくなる外貨規制が発生する可能性があります。

情報入手リスク

国にもよりますが、現地の情報は、入ってきにくいため、物件の良し悪しの評価がしにくいデメリットがあります。

物件管理リスク

物件を購入した後には、賃貸であれば現地の賃貸管理会社、民泊であれば現地の民泊代行会社に依頼しなければなりません。当然、現地の言語、もしくは英語ということになります。日系の企業や間に入ってくれる日本人仲介会社があれば、日本語でも対応可能ですが、管理費は若干割高になります。

プレビルドリスク

海外不動産投資の場合、新築物件は、完成の5年~10年前に販売されます。未完成のものに対して投資をするため、開発途中でディベロッパーが倒産した場合などは、投資した資金が戻ってこない可能性もあるのです。

とくに確認が必要なのは

  • カントリーリスク
  • プレビルドリスク

です。

カントリーリスクは、戦争やテロ、国債の債務不履行などの政治的リスクがどれだけあるのか?調べる必要があります。その国の株を扱っているファンドなどの開示情報や格付け会社が発表しているカントリーリスクの格付けレポートなど、新興国であっても、詳細なレポートがでていることがあるので、しっかり読み込んだうえで、カントリーリスクを評価する必要があります。

また、社会主義なのか?民主主義なのか?大統領はどうやって決まるのか?今の政策が大きく転換する可能性はないのか?など、トップが変わることに対するリスクもおさえておく必要があります。政治のトップが変わることで、政策が変われば、不動産価格も大きく変動する可能性があります。

プレビルドリスクは、物件が建たないリスクで、多くの海外不動産に投資した投資家がこれで痛い目にあっています。物件が建たないリスクを回避する方法は、ディベロッパーをしっかり調査することです。ディベロッパーの事業歴や出資元、これまでの建設実績、日本の金融機関との関係性など、今一度、チェックして、確実に建設されるものに対して投資をする必要があります。

3.海外不動産エージェントの代替業者の確保

英語が話せない日本人投資家の場合は、日本人の海外不動産会社・海外不動産エージェントの仲介で、物件を購入することが多くなるかと思います。

海外不動産を購入するタイミングでは、その海外不動産会社は必死に仕事をしてくれると思いますが、海外不動産を運用するタイミングでは、放置されてしまうことも少なくありません。

当然ですが、日本の不動産会社と違って、日本人の海外不動産会社・海外不動産エージェントは、小規模な会社組織であるため、5年後、10年後には倒産することも少なくありません。

また、日本人の海外不動産会社は、売買の時は、大きな手数料収入が発生しますが、賃貸の時は、収入が発生しないため、モチベーションがないのです。

「海外不動産を購入したけど、それまで親身にやってくれていた海外不動産会社の担当が連絡してくれなくなってしまい、放置されていてどうすることもできない。」

となってしまっては、元も子もありません。

不動産投資は、購入するだけで終わりではなく、購入して、賃貸運用・民泊運用などをして、売却するところまでが投資なので、トータルでサポートしてもらえないと、投資家側としては困ってしまうのです。

対策としては

  1. 運用を任せられる賃貸管理会社、もしくは民泊代行会社で、日本語が話せる人がいる会社を見つけておく
  2. いくつか別の海外不動産会社の担当とも仲良くなっておく
  3. 英語を話せるようにして、海外の不動産管理会社と直接やり取りできるようにする

ことが挙げられます。

いざというときの代替手段があれば、安心して、海外不動産を購入し、運用することが可能になります。

4.自分で収支シミュレーションをして、シミュレーション精度を上げる

不動産会社やディベロッパーは、見た目の良い資料を作成し、上手に営業してきます。

しかしながら、そのシミュレーションは、あくまでも仮定のものであって、実際の成果を保証してくれるものではありません。

  • 本当に、その家賃が適正価格なのか?
  • 本当に、その稼働率(入居率・空室率)になるのか?

を自分で検証する必要があるのです。

本当に、その家賃が適正価格なのか?

自分で、現地の賃貸サイト(日本でいうSUUMOやHOME’S)で、近い条件の物件の賃貸条件(築年数、広さ、間取り)を検索すれば、だいたいの家賃が出てきます。

これである程度の適正家賃が把握できるはずです。

本当に、その稼働率(入居率・空室率)になるのか?

自分で、現地の賃貸サイト(日本でいうSUUMOやHOME’S)で、近い物件の賃貸募集がどのくらい出ているのか?で類推することが可能です。同じ規模感、同じエリアの分譲マンションで、何十室もの賃貸募集が出ていた場合は、空室率が高いことを意味します。

不動産会社に聞いても、データを提示してくれる可能性はありますが、実際に自分で調べた情報の方が正確だと考えた方が良いでしょう。

とくに民泊運用やホテル運用の場合は、稼働率が10%事実とシミュレーションで違えば、大きな収益性の差が出てきてしまいます。慎重に調査することが必要と言えます。

5.海外不動産投資で発生する税金の確認

海外不動産を購入して運用した場合

  • 税金面の負担がどうなるのか?

が非常に重要なポイントと言えます。

海外でも、所得税や固定資産税はあり、日本在住であれば、日本でも所得税を支払う必要があるのです。

確認すべきポイントは

  • どんな税金が発生するのか?
  • 自分の納税額がどうなるのか?
  • 税金に関する申告ですべきことは何なのか?

です。

税制は、頻繁に見直されます。

減価償却費での節税目的で購入した海外不動産が、減価償却費を認められなくなったように、税制の変更なども含めて、税金面がどうなるのか?をしっかり、シミュレーションしたうえで、海外不動産の購入に踏み切ると良いでしょう。

まとめ

海外不動産を購入する前にチェックしておくべきポイントには

  1. 海外不動産投資で発生するコストの洗い出し
  2. 海外不動産投資のリスクの洗い出し
  3. 海外不動産エージェントの代替業者の確保
  4. 自分で収支シミュレーションをして、シミュレーション精度を上げる
  5. 海外不動産投資で発生する税金の確認

があります。

その場でノリで購入せずに、しっかり自分で調査したうえで、海外不動産の購入に踏み切ることをおすすめします。

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