「海外不動産は、日本の税務署に申告しなくても、ばれないものですか?」
「できれば、税金の申告をせずに納税したくないのですが・・・」

海外不動産投資で、よく聞かれることに「申告しなくても、ばれないかどうか?」です。今回は、海外不動産投資で海外不動産を税金の申告しなくてもばれない?ばれる?のかについて丁寧に解説します。

海外不動産投資では、日本在住の日本人は、日本で確定申告する必要がある

基本的な仕組みは

日本在住の日本人の場合

  1. 日本での確定申告の上、日本で納税
  2. 投資不動産の国で、確定申告の上、納税

の両方が必要というのが基本的な考え方です。

しかしながら

「海外不動産を持っていることを、日本の国税庁にばれなければ、納税しなくて済むので、税金の負担が安くなる」

と考える方も少なくありません。

また、現地の不動産会社も

「基本的には、日本在住の日本人の場合、日本にも納税の義務がありますが・・・納税するかどうかはお客様におかませします。」

というような含みを持たせた発言をすることも少なくありません。

では、実際のところはどうなのでしょうか?

海外不動産は、申告しないとばれる可能性が高い!

結論から言えば

海外不動産は、申告しないとばれる可能性が高い!

ということになります。

100%ばれるわけではないのが「ばれない」といううわさが広まってしまう原因ではあるのですが、100%というのはないものの、かなりの高確率で、国税庁にばれてしまうと考えます。

なぜならば

  1. 日本の国税庁にお金の流れを把握されてしまっているから
  2. 海外不動産とは言えば、登記が必要になるから

です。

日本の国税庁にお金の流れを把握されてしまっているから

日本と海外の国には

  • 租税条約
  • 国際基準「共通報告基準」(CRS:Common Reporting Standard)

というものがあります。

租税条約とは

租税条約は

  • 課税関係の安定(法的安定性の確保)・二重課税の除去
  • 脱税及び租税回避等への対応

を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資する目的で締結される条約のこと

を言います。

租税条約には、いくつかの規定がありますが、その中に

  • 税務当局間の納税者情報(銀行口座情報を含む)の交換及び滞納租税に関する徴収の相互支援

というのがあり、口座があれば、その情報交換ができることになるのです。

共通報告基準(CRS)とは

外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、OECDにおいて、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」が公表され、日本を含む各国がその実施を約束しました。

出典:国税庁

これは

  • 非居住者の金融口座情報は、加盟各国と自動的に情報交換される

という加盟国同士の取り決めです。

租税条約よりも、スムーズに世界の金融口座の情報を国税庁は入手できるようになっています。

海外不動産を購入しようとしたら、現地の不動産会社、不動産ディベロッパーの口座に入金する必要があります。

  • 日本の銀行口座 → 現地の不動産会社、不動産ディベロッパーの口座

になんらかの方法で送金しなければなりません。

当然、ここでお金の流れを国税庁に把握されてしまうのです。

また、現地に行って、現金で購入しようとしても

ハンドキャリーで現金を海外に持ち出す場合、1回あたり100万円を超えると、出国時に税関で「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出する必要があります。この申告を怠った場合や虚偽の申告をした場合には、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられることになります。

となるので、把握されてしまうのです。

租税条約や共通報告基準(CRS)に加盟していない国ならいいの?

そういうわけでもありません。

犯罪人引き渡し条約がないドバイに逃げ込んだガーシーが逮捕されたことからもわかる通りで、条約がなくても、国同士の交渉により、情報や身柄が引き渡されてしまうこともあるということです。

租税条約なし、共通報告基準(CRS)に加盟していない国の不動産なら申告しなくてよい、と考えるのは危険ということです。

海外不動産とは言えば、登記が必要になるから

海外不動産を購入した場合は、登記するのが一般的です。

あたりまえのことですが

登記 = 誰から見ても、その人がこの不動産の所有者であることがわかる

ということですから

登記をしないという人が多いという国もあるにはありますが、登記をしないと「あなたのものであることが証明ができない」のです。

海外不動産を購入するのであれば、登記はすべき

と言えます。

ただし

登記をすれば、誰から見ても、その人がこの不動産の所有者であることがわかる = 国税庁にもわかってしまう

ことを意味します。

つまりは、登記をすることで、自分の所有権があることを証明できる代わりに、そのことが対外的に公開されることを意味しているのです。

結論

  • 日本の国税庁にお金の流れを把握されてしまっているから
  • 海外不動産とは言えば、登記が必要になるから

海外不動産を購入して、申告しないと、国税庁にばれて、追徴課税を課されてしまう可能性が高い

と言えます。

ただし、100%ではありません。

金額が少額で、国税庁に指摘されないケースも少なくありません。ただし、いつ国税庁に指摘されるかビクビクしながら生活するぐらいなら、普通に日本にも納税することをおすすめします。情報は調べようとすれば調べられてしまうのですから。

申告をしなかった場合のペナルティ

無申告加算税:期限内に確定申告を行わなかった場合に発生するペナルティ

納付すべき税額に対して

  • 50万円までは15%
  • 50万円を超える部分は20%

の金額が加算

重加算税:納めるべき税金を意図的に隠蔽したり仮装したりした場合に課せられるペナルティ

過少申告の場合は

  • 過少申告加算税に代えて本来納める税額の35%
  • 無申告だった場合は無申告加算税に代えて40%

が加算

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