ソニー銀行の外貨送金は、手数料の安さで名前が挙がることの多いサービスです。2026年11月2日に公式ページを読むと、仕向け送金の手数料は1件3,000円、受け取りは何度でも0円。対円の為替コストは米ドルで15銭、優遇プログラムの最上位なら4銭まで下がります。ただし、海外不動産を持つ人がこのサービスを使えるかどうかは、金額ではなく送金の目的と、住んでいる場所で決まります。公式ページには「個人利用目的の生活費、旅費、学費、商品購入費など非事業性資金に限ります」「国外にお住まいのかたは利用できません」とはっきり書かれています。手数料の表だけを見て口座を開くと、肝心の送金で止まります。条件のほうから順に確かめます。

ソニー銀行の外貨送金を使う前に通る4つの関門(2026年11月2日に公式ページで確認)

関門1

日本国内に住んでいるか

利用できるのは日本国在住の個人で、ソニー銀行に口座を持つ人。国外に住んでいる人は利用できないと公式ページが明記している。

関門2

送金の目的は何か

生活費、旅費、学費、商品購入費など非事業性資金に限る。事業性資金は不可で、継続的な生産・販売・サービスに係る売上や運転資金・設備投資資金が該当するとされている。

関門3

送金先は規制国でないか

イラン、北朝鮮など一部の国・地域あては取り扱えない。これらの国に本店を持つ銀行の海外支店・子会社あても不可(公式ページの注記は2021年3月現在)。

関門4

事前登録の審査を通るか

送金先情報と送金限度額を先に申請する事前登録型。送金目的・資金の源泉・受取人との関係が分かる資料を書面で提出したうえで、所定の審査がある。

4つのうちどれか1つでも外れると送金できない。手数料の比較はこの先の話になる。

仕向け3,000円、受け取りは何度でも0円

まず金額です。ソニー銀行は外貨預金・外貨送金の手数料を1ページにまとめて公表しています。仕向け送金(ソニー銀行から外へ送る)と被仕向け送金(外からソニー銀行へ着金する)で、性格がまったく違います。

ソニー銀行の公式サイトの外貨預金・外貨送金手数料のページの公式キャプチャ画面。対円取引の為替コストの表に米ドル15銭・ユーロ15銭・英ポンド45銭などが並び、シルバー・ゴールド・プラチナの優遇後の金額も列になっている。下に被仕向け送金手数料は何度でも0円、金額・回数制限なしと書かれている
ソニー銀行「外貨預金・外貨送金手数料」。為替コストは通貨別・ステージ別、被仕向け送金手数料は通貨を問わず0円(2026年11月2日に表示)。
ソニー銀行の外貨送金に関する手数料(いずれも非課税/2026年11月2日に公式ページで確認)
項目 金額 かかる場面
仕向け送金手数料 3,000円 ソニー銀行から海外の銀行や国内の銀行へ外貨を送るとき
支払銀行手数料 3,000円 「支払銀行手数料あり」を選んだ場合に、送金手数料に加えてかかる
組戻し手数料 5,000円 送金を取り消すとき
変更手数料 5,000円 送金の内容を直すとき
照会手数料 5,000円 送金の状況を調べてもらうとき
被仕向け送金手数料 0円 受け取り。金額・回数の制限なしと明記されている
ソニー銀行間の外貨振込 0円 送る側も受け取る側もソニー銀行の口座のとき、両方とも無料

注意したいのは「支払銀行手数料」です。これを選ぶと3,000円が足されるので、合計は6,000円になります。選ばなかった場合は受取人側で差し引かれる形になり、受け取る金額が減ります。どちらを選んでも誰かが払う構造は変わりません。なお同行は、送金実行後に関係銀行から手数料や諸費用の請求があった場合、追加で請求することがあるとも書いています。

受け取り0円は、同じ場面で他行と大きく差が出るところです。三井住友銀行は被仕向送金手数料が1,500円で、外貨で受け取るならリフティングチャージが別途かかります。海外の物件からの賃料や売却代金を日本で受けるなら、この差が毎回効きます。各行の受け取り側の扱いは三井住友銀行の海外送金にまとめています。

優遇プログラムで送金手数料が月3回まで無料になる

ソニー銀行には「Club S」という優遇プログラムがあり、ステージはシルバー・ゴールド・プラチナの3段です。外貨送金のページには「優遇プログラム Club S のステージに応じて、仕向け送金手数料が最大3回/月まで無料!」と書かれています。手数料のページ側にも、ゴールドとプラチナは送金手数料が一部無料になるという注記があります。

ステージは月末の残高や月間の取引状況で決まり、判定されたステージは翌々月に適用されて1か月間使えます。ステージアップの判定は毎月、ステージダウンの判定は3月末と9月末だけというのが同行の説明です。つまり、送金する月の2か月前の状況で決まるため、「今月から急に無料にする」ことはできません。

為替コストは通貨で3倍の差。英ポンドは45銭

送金手数料より金額に効くのが為替コストです。円から外貨に替えて送る場合、1通貨あたりの上乗せが決まっています。

対円取引の為替コスト(1通貨あたり/2026年11月2日に公式ページで確認)
通貨 基準 シルバー ゴールド プラチナ
米ドル 15銭 10銭 7銭 4銭
ユーロ 15銭 12銭 10銭 8銭
英ポンド 45銭 30銭 25銭 20銭
豪ドル/NZドル/カナダドル/スイスフラン 45銭 30銭 25銭 20銭
香港ドル 9銭 7銭 6銭 5銭
南アランド 20銭 15銭 10銭 8銭
スウェーデンクローナ 9銭 8銭 7銭 6銭

米ドルとユーロが15銭、英ポンドと豪ドル系が45銭で、3倍の開きがあります。1,000万円ぶんを米ドルで送るとして米ドルが1ドル150円なら約6.6万ドル、為替コストは15銭×66,000=約99,000円。同じ金額を英ポンドで送れば、1ポンド190円として約52,600ポンド、45銭×52,600=約23万7,000円です。送金手数料3,000円の差など問題にならない規模で、通貨の選択のほうが効きます。

なお、外貨預金に持っている外貨をそのまま送る場合は、この対円の為替コストはかかりません。ソニー銀行が「外貨調達から送金までのコストが抑えられます」と書いているのは、外貨を先に安く買っておける点を指しています。手数料の名目を全体で見るときは海外送金の手数料は何にいくらかかる?を合わせて読んでください。

送れる通貨は11。人民元とブラジルレアルは外貨送金できない

送金可能通貨は11種類です。円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナ。公式ページは「人民元、ブラジルレアルの外貨送金はできません」と注記しています。この2つは外貨預金としては扱いがあり、為替コストの表にも載っているため、預金の通貨と送金できる通貨が一致しない点に気をつけてください。

ソニー銀行の公式サイトのソニー銀行からの外貨送金のページの公式キャプチャ画面。送金可能通貨が全11通貨であること、ご利用できるかたは日本国在住の個人であること、国外にお住まいのかたは利用できないこと、送金目的は非事業性資金に限り事業性資金の送金には利用できないことが赤字を含めて書かれている
ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金(仕向け送金)」。利用できる人と送金目的の制限が、赤字で示されている(2026年11月2日に表示)。

海外不動産の代金に使えるかは、目的の線引きで決まる

ここが本題です。ソニー銀行の外貨送金は、金額の上限ではなく目的で絞られます。公式ページの文言は「個人利用目的の生活費、旅費、学費、商品購入費など非事業性資金に限ります」で、続けて「事業性資金の送金には利用できません」「事業性資金とは、法人・個人を問わず、お客さまが継続的に行う生産・販売・サービスなどに係る売上や運転資金・設備投資資金などが該当します」と定義されています。

海外不動産にまつわる送金を、公式の文言に当てはめるとどうなるか

自分が住む家の購入
「商品購入費など非事業性資金」に近い。ただし公式ページは不動産を名指ししておらず、判断は事前登録と送金依頼の審査に委ねられる
賃貸に出す物件の購入
定義の「設備投資資金」に当たる可能性がある。継続的に賃料を得る目的なら、非事業性資金と言い切れない
管理費・固定資産税の支払い
自宅なら生活費に近い。賃貸用なら運転資金にあたる可能性がある
海外から賃料や売却代金を受け取る
被仕向け送金。公式ページに目的の制限の記載は見当たらず、手数料は何度でも0円
国外に住みながら使う
不可。「国外にお住まいのかたは利用できません」と明記されている
公式ページの文言を当てはめた整理で、ソニー銀行の判断を示したものではない。不動産という語は同行のページに出てこないため、実際の可否は事前登録の審査で確認するしかない。

「送れるかどうか」を先に確かめる

ソニー銀行の外貨送金は事前登録型です。送金先情報と送金限度額を先に申請し、所定の審査を受けてから送金依頼ができます。同行は「原則、お申込した事前登録および送金依頼の内容確認後に、送金目的・送金資金の源泉・お受取人さまとのご関係が確認できる資料などを書面にてご提出いただきます」「審査には日数を要しますので、日程的な余裕をもってお手続きください」と書いています。

決済日が決まっている取引では、この審査の日数を先に見込む必要があります。審査基準は「不正な審査をさけるため内容を開示することはできません」とされており、事前に可否を読むことはできません。日数の組み立て方は海外送金は何日かかる?にまとめています。

目的で絞る設計は、ゆうちょ銀行のWeb専用サービスや、りそな銀行の来店前提の手続きとも違う形です。金額の上限で絞る銀行、目的で絞る銀行、窓口を閉じる銀行と、制限のかけ方は各行でばらついています。ゆうちょ銀行の海外送金とりそな銀行の海外送金も見比べると、自分の用途に合う窓口が絞り込めます。

ソニー銀行の外貨送金についてよくある質問

海外に住んでいても使えますか

使えません。公式ページは「ご利用できるかた」を「日本国在住の個人のお客さまで、ソニー銀行に口座をお持ちのお客さま」とし、「国外にお住まいのかたは利用できません」と赤字で記しています。海外移住後も使い続ける前提では選べません。

未成年でも送金できますか

15歳未満は外貨を送金できません。ただし「円を海外の金融機関へ送金することは可能です」と書かれているので、円建てなら扱いが異なります。

受け取りが0円なら、手数料はまったくかからないのですか

ソニー銀行が取る被仕向け送金手数料は0円ですが、公式ページは「経由銀行、中継銀行のリフティング・チャージなどが発生した場合は、その額を差引いて受取人口座へ入金します」と注記しています。経路の途中で引かれる分までは無料になりません。

どの国へでも送れますか

送れません。イラン、北朝鮮など一部の国・地域に対する送金は取り扱えず、これらの国に本店を有する銀行の海外支店や子会社への送金も対象外です。受取人や送金目的が外国為替及び外国貿易法や米国財務省外国資産管理局(OFAC)の規制に抵触する場合も取り扱えないとされています。

手数料に消費税はかかりますか

かかりません。手数料のページに「仕向け送金にかかる諸手数料は非課税です」と明記されています。理由は海外送金という取引の性質によるもので、海外送金の手数料に消費税はかかる?で条文から整理しています。

この記事が参照したソニー銀行の公式ページ

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