「Wiseの口座開設はどうやるのか」「何日かかるのか」。海外送金でWiseを使い始めようとする人がまず詰まるのは、登録そのものではなく本人確認です。メールアドレスで登録するだけなら数分ですが、日本に住んでいる人が実際に送金できる状態になるには、日本の法令に沿った書類の提出が必要になります。

この記事では、Wiseが公開しているヘルプ記事と金融庁の資金移動業者登録一覧を2026年10月15日に確認し、日本で開設するときに必要な書類、使えない書類、手続きの順番、審査にかかる日数を整理しました。画面の操作手順ではなく、つまずきやすい要件のほうを先に押さえる構成にしています。

先に押さえておくこと
  • Wiseは銀行ではありません。日本の運営主体はワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社で、金融庁の資金移動業者登録一覧に関東財務局長 第00040号(平成27年8月18日登録)として載っています。
  • 本人確認に要るのは3点だけです。有効な日本発行の写真付き身分証明書、有効なマイナンバー関連書類、そして4桁のコードを書き留めるメモ用紙と筆記用具。身分証にマイナンバーカードを使えば、2点目は不要になります。
  • 2020年2月以降に発行された日本のパスポートは使えません。所持人記入欄がなく住所が記載されていないためです。運転免許証もマイナンバーカードも持っていない場合、日本の住所では本人確認を完了できません。
  • 審査は通常1営業日以内です。完了時または追加書類が必要なときにメールで連絡が来ます。
  • Wiseには預金保険がありません。かわりに資金の保全措置(セーフガーディング)として、顧客資金を自社の事業資金と分別して保管しています。

Wiseは「口座」ではなく資金移動業。銀行との違いを先に押さえる

検索では「Wise 口座開設」という言い方が定着していますが、Wiseが提供しているのは銀行口座ではありません。Wiseのヘルプは「Wiseは銀行のようにお客様の預金を第三者に貸し出すことはありません」と明記しています。銀行は融資を行うため預金保護制度での保護が義務づけられるのに対し、Wiseは融資を行わないので、預金保護ではなく資金の保全措置を取る、という整理です。

Wiseのヘルプページ「Wiseで保有する資金の安全性について」。Wiseと銀行の違い、資金の保全措置(セーフガーディング)についての説明と、各国の運営法人名が並んでいる
Wiseヘルプ「Wiseで保有する資金の安全性について」。日本の運営主体として「ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社」が挙げられている。2025年6月30日現在でWiseアカウント全体の預かり資金は181億英ポンド相当と記載。2026年10月15日時点の表示。

日本側の裏づけも確認できます。金融庁が公表している資金移動業者登録一覧(令和8年8月31日現在、全業者数85)には、ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が関東財務局長 第00040号、登録年月日は平成27年8月18日として掲載されています。法人番号は4011001100453、本店は東京都中央区日本橋2-13-12です。

Wiseと銀行の違い(Wiseヘルプと金融庁の公表資料より)
項目 Wise(日本) 銀行
業態 資金移動業者(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社) 銀行業
登録・免許 関東財務局長 第00040号(平成27年8月18日登録) 銀行免許
預かった資金の扱い 第三者への貸し出しを行わない 融資に回す
資金の保護 預金保護ではなく資金の保全措置(セーフガーディング)。事業資金と分別して保管 預金保険制度
保管先 現金、安全な流動資産、または同等の補償のある保険で保有することが規制で義務づけ。大部分はEU・イギリス・アメリカの国債やMMF(2024年4月1日現在) 自行のバランスシート

この違いは、使い勝手にも表れます。Wiseのアカウントは「お金を置いておく場所」ではなく「送るための経路」として設計されているため、本人確認も最初の送金手続きを作成した時点で自動的に始まるのが標準です。登録だけ先に済ませておこうとすると、かえって手順が分かりにくくなります。

本人確認に必要なものは3点。マイナンバーカードがあれば2点で済む

Wiseのヘルプ「日本のお客様の本人確認について」は、手続きを始める前に用意するものを3つ挙げています。

Wiseのヘルプページ「日本のお客様の本人確認について」。本人確認に必要なもの3点と、本人確認の手順、国籍・在留資格別の有効な写真付き身分証明書の表が並んでいる
Wiseヘルプ「日本のお客様の本人確認について」。冒頭に「日本のお客様がWiseで送金、資金のチャージ、受け取りを行うには、本人確認および住所確認が必要です」とある。2026年10月15日時点の表示。
本人確認を始める前に用意するもの(Wiseヘルプより)
用意するもの 補足
有効な日本発行の写真付き身分証明書 国籍・在留資格によって使えるものが決まっている(次の表)
有効なマイナンバー関連書類 1点目でマイナンバーカードを提出した場合は不要
メモ用紙と筆記用具 画面に表示される4桁のコードを書き留めるため。コードは30分で無効になる

ここで最初の分かれ道が出ます。マイナンバーカードを持っていれば、1枚で写真付き身分証とマイナンバー書類の両方を兼ねられます。持っていない場合は、運転免許証などの写真付き身分証に加えて、マイナンバー通知カードか住民票を別途そろえることになります。

もうひとつ、見落とされやすい条件があります。Wiseは「顔写真付き身分証明書、マイナンバー書類、およびWiseプロフィールに記載されている氏名、生年月日、住所はすべて完全に一致している必要があります」と書いています。引っ越し後に免許証の住所を変えていない、といった状態では手続きが止まります。

在留資格ごとに使える身分証が違う

使える写真付き身分証明書は、居住状況の区分によって変わります。Wiseは手続きの2番目のステップで、日本国民・永住者・長期滞在ビザ保持者のどれに当たるかを選ばせ、それに応じて選べる書類を出し分けています。

国籍・在留資格別に使える写真付き身分証明書(Wiseヘルプの表より)
国籍・在留資格 マイナンバーカード 日本の運転免許証 在留カード 日本のパスポート
日本国籍 ○(推奨) ○ — ○(2020年2月以前に発行)
永住者 ○ ○ ○ —
長期滞在ビザ ○ — ○ —

長期滞在ビザ保持者の欄に運転免許証が入っていない点は、実務で効いてきます。Wiseが定義する長期滞在ビザ保持者は「就労ビザ、学生ビザ、配偶者ビザ、または有効期限のあるその他のビザをお持ちの場合」で、日本の運転免許証を持っていても、本人確認に使えるのはマイナンバーカードか在留カードの2つです。

使えない書類がある。2020年2月以降のパスポートと「国外転出」のスタンプ

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。持っているのに使えない書類が、はっきり決まっています。

Wiseが受け付けないと明記している書類(2026年10月15日時点)
書類 受付 Wiseが挙げている理由
2020年2月以降に発行された日本のパスポート 不可 住所が記載されていないため。所持人記入欄がない
「国外転出」または「返納」のスタンプがあるマイナンバーカード 不可 帰国後に正式に住所を再登録した場合を除く
「返納」または「国外転出」のスタンプがあるマイナンバー通知カード 不可 同上
記載情報が最新ではないマイナンバー通知カード 不可 2020年5月25日以降、情報の更新は行われていないため
本籍情報が記載された住民票 条件付き 本籍の記載がないものを発行するか、付箋などでマスキングしてアップロードする

新しいパスポートしか持っていない人は、日本の住所では本人確認を完了できません。Wiseはヘルプのよくある質問で「運転免許証やマイナンバーカードなど、他の有効な日本の写真付き身分証明書をお持ちでない場合、日本の住所で本人確認を完了することはできません」と明記しています。

2020年2月以降に発行されたパスポートには所持人記入欄がなく、住所欄が存在しません。先にマイナンバーカードを取得してから登録するのが、いちばん手戻りの少ない順番です。

海外へ転出する予定の人にも注意書きがあります。Wiseは「日本から海外転出される場合、日本でアカウントの提供はできませんが、サポート対象国であれば、転居先でWiseアカウントを開設することができます」としています。転居後に住所変更を行い、その後に本人確認を行う流れです。

手続きの流れは7ステップ。審査は通常1営業日以内

必要なものがそろったら、手続き自体はスマートフォン1台で進みます。Wiseは「Wiseアプリの利用が最もスムーズですが、ウェブサイトでもお手続きいただけます」としています。

日本で本人確認を終えるまでの流れ

  1. 最初の取引内容を選ぶ
    送金、カードの注文、残高へのチャージ、アカウントの開設、現地口座情報の取得などを行う際に本人確認が始まります。
  2. 居住状況を選ぶ
    日本国民・永住者・長期滞在ビザ保持者の3区分から選びます。
  3. 有効な写真付き身分証明書を選ぶ
    区分ごとに選べる書類が変わります。マイナンバーカードがあれば、この後のマイナンバー書類の提出が不要になります。
  4. 4桁のコードを取得して紙に書く
    画面に表示されたコードを紙にはっきり書き留めます。30分で無効になります。
  5. 身分証明書を3枚撮影する
    表面とコードを書いた紙を一緒に写した写真、少し傾けて厚みが分かる写真、裏面の写真。後ろの2枚にコードは要りません。
  6. セルフィーを撮る
    4桁のコードを書いた紙を顔の横に持ち、自分がはっきり写るように撮影します。
  7. マイナンバー関連書類をアップロードする
    ステップ3でマイナンバーカードを使った場合は不要です。

提出後は審査を待ちます。Wiseは「担当チームにて書類の確認を行います(通常1営業日以内)。本人確認が完了した際、または追加の書類・情報が必要な場合は、メールにてご連絡いたします」と書いています。「何日かかるか」の答えは、書類に不備がなければ通常1営業日です。

Wiseのヘルプページ「Wiseでの本人確認について」。本人確認が必要になる理由と、国や地域ごとに手続きが異なることの説明が並んでいる
Wiseヘルプ「Wiseでの本人確認について」。本人確認は国・地域ごとに要件が異なるため、日本在住者は日本向けの案内に従うことになる。2026年10月15日時点の表示。

マイナンバー書類を求められるのは法律で決まっているから

なぜ送金サービスにマイナンバーを出すのか、という疑問には公式の説明があります。Wiseは手続きの7番目のステップで、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外電信送金等に係る調書の提出等に関する法律」に基づき、この情報の提出が義務付けられていますと明記しています。Wiseが独自に集めている情報ではなく、国外送金等調書の制度に基づく提出です。

マイナンバー関連書類として使えるもの(Wiseヘルプより)
書類 条件
有効なマイナンバーカード 表面・裏面の両方。写真付き身分証として使った場合は重ねて提出する必要はない
住民票 6か月以内に発行され、12桁のマイナンバーが記載されているもの。本籍の記載がないものを発行するか、マスキングする
マイナンバー通知カード 記載情報が最新であること。2020年5月25日以降は更新されていないため、住所や氏名が変わっている場合は使えない

いずれの書類も、氏名・生年月日・住所が写真付き身分証およびWiseプロフィールと完全に一致している必要があります。通知カードを使う場合、結婚や転居で記載が古くなっているケースが多いので、住民票を取り直したほうが早いこともあります。

つまずきやすいところを先に片づける

Wiseのよくある質問に挙がっている失敗は、ほとんどが撮影と住所です。

申請前に確認しておく5つ

  • 住所をそろえる……運転免許証やマイナンバーカードの住所を現住所に更新し、Wiseプロフィールの住所も同じにしてから始めます。相違があると手続きが遅れます。
  • 明るい場所で撮る……Wiseは「明るい場所で撮影し、反射が入らないようにしてください」「すべての文字が鮮明で読み取れることをご確認ください」と案内しています。
  • 斜めの写真は厚みが分かるように……身分証の詳細がはっきり確認でき、かつ厚みが分かる角度で撮ります。
  • 4桁コードは30分以内に使う……表示されたコードは30分後に無効になります。紙とペンを先に用意してから始めます。
  • パスポートの発行時期を確認する……2020年2月以降発行のものは使えません。他に使える身分証がないなら、先にマイナンバーカードを申請します。

Wiseの口座開設についてよくある質問

口座開設に何日かかりますか

Wiseは、提出された書類の確認を「通常1営業日以内」に行うとしています。登録とアップロードの操作自体はスマートフォンで数十分です。ただし書類の住所が古い、写真がぼやけているといった理由で差し戻されると、その分だけ延びます。

必要な書類は何ですか

有効な日本発行の写真付き身分証明書、有効なマイナンバー関連書類、4桁のコードを書き留めるメモ用紙と筆記用具の3点です。写真付き身分証にマイナンバーカードを使った場合、マイナンバー関連書類の提出は不要になります。

マイナンバーカードがなくても開設できますか

できます。その場合は、運転免許証などの有効な写真付き身分証明書を使い、マイナンバー関連書類として住民票(6か月以内の発行、12桁のマイナンバー記載)かマイナンバー通知カード(記載情報が最新のもの)を別途提出します。ただし長期滞在ビザ保持者は、写真付き身分証としてマイナンバーカードか在留カードしか選べません。

パスポートで本人確認できますか

2020年2月以前に発行された日本のパスポートであれば、日本国籍の方は使えます。2020年2月以降に発行されたものは、所持人記入欄がなく住所が記載されていないため受け付けられません。裏面の写真にあたるのは「所持人記入欄」のページです。

なぜマイナンバーの提出を求められるのですか

Wiseは「内国税の適正な課税の確保を図るための国外電信送金等に係る調書の提出等に関する法律」に基づく義務であると説明しています。国外送金等調書の制度によるもので、Wiseの独自ルールではありません。

Wiseにお金を置いたままにして大丈夫ですか

Wiseは銀行ではないため、預金保険は適用されません。かわりに資金の保全措置(セーフガーディング)として、顧客資金を自社の事業資金と分別して保管しています。規制により、現金、安全な流動資産、または同等の補償のある保険で保有することが義務づけられており、大部分はEU・イギリス・アメリカの国債やMMFで保管されていると説明されています(2024年4月1日現在)。

海外へ引っ越す予定でも開設できますか

日本から海外へ転出する場合、日本ではアカウントの提供ができません。Wiseは、サポート対象国であれば転居先でアカウントを開設できるとしており、引っ越し後に転居先の住所へ変更してから本人確認を行う流れを案内しています。「国外転出」のスタンプがあるマイナンバーカードは、帰国して住所を再登録するまで使えません。

開設にお金はかかりますか

Wiseのヘルプには本人確認手続きに費用がかかるという記載はありません。送金時には送金額と通貨に応じた手数料がかかり、金額は送金を作成する画面で確認できます。この記事では手数料そのものは扱っていません。

開設したあとの使い方は、Wiseの入金方法と出金方法にまとめています。銀行との比較は三菱UFJ銀行の海外送金、みずほ銀行の海外送金、ゆうちょ銀行の海外送金もあわせて確認してください。

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