
「海外不動産投資での民泊運用ってどうやれば良いのでしょうか?」
「海外不動産投資での民泊運用で発生する費用・コストには何がありますか?」
「海外不動産投資での民泊運用の注意点を教えてください。」
海外不動産投資では、売却して売却益を得る方法もありますが、民泊運用して民泊収入を得る方法もあります。今回は、海外不動産投資での民泊運用のやり方・利回り・費用・注意点について丁寧に解説します。
海外不動産投資での民泊運用とは?
海外不動産投資での民泊運用とは
海外不動産を購入して、購入した物件を民泊施設(宿泊施設)として観光客や出張に来るビジネスマンに宿泊してもらって、宿泊料金を得ること
を言います。
海外では「民泊」のことを「Vacatiion Rental」と言います。「Airbnb」と言っても、通じる可能性があります。
海外不動産投資での運用方法としては
- 売却して売却益を得る
- 賃貸運用して、賃貸収入を得る
- 民泊運用して、民泊収入を得る
- 自己利用する
という選択肢があります。
民泊運用は、メジャーな海外不動産投資での運用方法ではありませんが、賃貸運用と比較すると大きなメリットもある運用方法です。
海外不動産投資での民泊運用のメリットデメリット
メリット
1.利回りが高くなる可能性がある
民泊運用は
- 宿泊者が多い(稼働率が高い) → 利回りが賃貸運用よりも高くなる
- 宿泊者が少ない(稼働率が低い) → 利回りが賃貸運用よりも低くなる
という傾向があります。
宿泊者が多い(稼働率が高い)のであれば、賃貸運用よりも高利回りを狙えるメリットがあります。
宿泊者が多くする(稼働率が高くする)方法には
- 宿泊料金を安くする
- 良いロケーションの立地の物件
- 質の高い立地の物件
- 広い物件
などがあります。
2.自己利用できる
賃貸の場合は、1年契約になり、継続の可能性もあるため
- 物件を持っている国に旅行で言っても、自分が所有する物件に泊まれるわけではない
のです。
民泊の場合は、自分が行くときの部屋を民泊サイトの募集からブロックしておけば
- 他の旅行者と同じように、自分が所有する物件に宿泊できる
のです。
たまに、自分でも使いたい、旅行に行きたい、その国に行く機会が多い、のであれば、民泊運用の方がメリットは多いんドエス。
3.清掃があるのできれいな状況が保てる
民泊運用では、清掃料金を設定することもできるので、その清掃料金で、清掃スタッフ・清掃会社に清掃を依頼することになります。
物件は、常にきれいな状態がキープできるということです。
デメリット
1.利回りが低くなる可能性がある
民泊運用は
- 宿泊者が多い(稼働率が高い) → 利回りが賃貸運用よりも高くなる
- 宿泊者が少ない(稼働率が低い) → 利回りが賃貸運用よりも低くなる
という傾向があります。
宿泊者が多い(稼働率が高い)のであれば、賃貸運用よりも高利回りを狙えるメリットがあります。
しかし、反面、宿泊者が少ない(稼働率が低い)となると、賃貸運用よりも利回りが低くなってしまうリスクがあります。
2.実際にはやってみないと「どのくらい稼働するか?」わからない
- 宿泊者が多い(稼働率が高い) → 利回りが賃貸運用よりも高くなる
- 宿泊者が少ない(稼働率が低い) → 利回りが賃貸運用よりも低くなる
のであれば、「稼働率がどのくらいか?」が事前にわかれば、賃貸運用と民泊運用のどちらが良いのか判断できるのですが、やってみないと、なかなか実際のところはわかりません。
稼働率を想定する方法
- 現地の賃貸管理会社に聞く
- 現地の民泊運用会社に聞く、
- Airbnbやbooking.comの競合施設の稼働率を見る
などがあります。
3.民泊運用会社の手数料が高め
- 賃貸管理会社に賃貸を依頼する → 賃貸収入の10%が相場
- 民泊運用会社に賃貸を依頼する → 民泊収入の30%が相場
です。
民泊の方が、民泊サイトへの掲載、宿泊者の募集、宿泊者とのやり取り(フロント業務)、清掃業務、修繕業務などが発生するため、運用会社の負担が大きく、その分、手数料も高く設定されます。
民泊の場合は、収入が大きくても、手数料も高いので、「手残りの利益がどうなるか?」で賃貸にするか、民泊にするか、の判断が必要になってきます。
海外不動産投資での民泊運用のやり方
日本国内の不動産投資での民泊運用と同じで
現地の民泊運用ができる不動産会社「民泊運用会社」に依頼する
というのが一般的な方法です。
民泊運用ができる不動産会社が
- 民泊サイトへの掲載
- 宿泊者の募集
- 宿泊者とのやり取り(フロント業務)
- 清掃業務
- 修繕業務
を代わりに行ってくれるのは、日本と同じ国が多いです。
多くの国では
- 民泊収益の30%を運用手数料とする
のが一般的です。
現地の民泊運用ができる不動産会社の探し方
- 海外不動産を購入した不動産エージェントに紹介してもらう
- 日本人経営者の現地の民泊運用会社をネットで日本語で調べる
- (英語ができる方)英語で検索して、現地の民泊運用会社を調べる
- 物件のディベロッパーに紹介してもらう
海外不動産投資での民泊運用で発生する費用
海外不動産投資での民泊運用で発生する費用には
- リフォーム費用
- 家具・家電費用
- 民泊運用会社に支払う運用手数料
- 物件の共益費
- 所得税
- 固定資産税
があります。
リフォーム費用
海外では
- 完全なスケルトン渡し(壁紙やトイレなどもない状態)の物件
も存在します。
民泊運用の場合は、民泊で貸せる機能(トイレ・シャワー(お風呂)・ベッド・冷蔵庫・電子レンジ・テーブル・イス・ソファ)を備えた状態でないと、運用がスタートできません。
賃貸では
- 家具・家電は、借りる人が用意する
- 家具・家電は、貸す側が用意する
パターンがありますが
民泊では
- 運用するオーナーがすべて用意する
ことになります。
民泊運用会社に支払う運用手数料
民泊運用をお願いする民泊運用会社に支払う手数料です。
民泊収入の30%が相場です。

これは、どの国でもそんなに違いはありません。日本では、競争の激しい東京や大阪であれば、15%~20%と手数料が安い管理会社もありますが、海外は比較的高めの設定が多いです。
物件の共益費
これは民泊運用でなくても発生する費用です。
物件が完成したら、共益費(管理費)が発生します。
日本とは違い、共益費(管理費)分を借主が負担するのが一般的ですが、共益費(管理費)は家賃に乗せることも可能ですので、実質的には、どちらか負担とも言い切れないものとなっています。
所得税
現地で民泊運用に伴い、民泊収入が発生します。
収入が発生すると、その国での所得税が発生します。税率は、国によって異なります。
また、日本での所得税とは二重課税にならないように「外国税額控除」が利用できます。
固定資産税
これは民泊運用でなくても発生する費用です。
物件が完成したら、固定資産税が発生します。
海外不動産投資の民泊運用利回り
海外不動産投資の賃貸運用での利回りは
- 投資する国
- 物件のある立地
- 賃貸需要
- 賃貸物件の共有数
- その国の国民の平均給料
- 物件のクオリティ
など複数の要素によって決まってきます。
さらに民泊運用の利回りに関しては、これに加えて
- 観光客の多い立地
- リフォームの仕上がり
- 物件の広さ
- 民泊運用会社の実力(きれいな写真を撮る、顧客対応が丁寧など)
- 繫忙期・閑散期
- 宿泊料金
- 清掃料金
などが影響してきます。
つまり、民泊運用の利回りは、このぐらいという数字が出しにくいものになっています。
感覚的なものではありますが
- 稼働率が50%を超える → 賃貸利回りよりも高くなる可能性が高い
- 稼働率が50%以下 → 賃貸利回りよりも低くなる可能性が高い
というイメージです。
ただし、これも
- 宿泊料金が高ければ → 稼働率が落ちる
- 宿泊料金が安ければ → 稼働率が上がる
という関係があるので、物件ごとに民泊運用のやり方ごとに利回りは変わってくるとしか言えないのです。
海外不動産投資での民泊運用の注意点
信頼できる民泊運用会社を選ぶ
前述した通りで、民泊の運用利回りは、民泊運用会社に依存する部分が大きいものです。
優秀な民泊運用会社であれば
- Airbnbやbooking.comの使い方を心得ている
- 紹介ページの説明の仕方が上手
- 写真の撮り方が上手
- 顧客対応が丁寧で満足度が高い
- 決済方法を多く用意している
など、宿泊者の満足度が高くなり、満足度が高ければ、リピートしてくれる可能性が上がったり、レビュー評価が高くなり、より新規のお客様を獲得できる形になります。
ダメな民泊運用会社であれば
- Airbnbやbooking.comの使い方が下手
- 紹介ページの説明の仕方が下手
- 写真の撮り方が下手
- 顧客対応が雑で満足度が低い
- 決済方法が少ない
など、宿泊者の満足度が低くなり、レビュー評価が低くなり、より新規のお客様に敬遠されてしまうことになります。
「優秀な民泊運用会社」を探さないと民泊運用は成功しにくいのです。
「優秀な民泊運用会社」を探すポイントには
- 実績の多さ
- 担当者の丁寧さ
などがありますが、実際には使ってみないとわからない点が多いのも事実です。
民泊運用を任せて、稼働率が上がらない、満足いく対応をしていない、と判断したときは、すぐに民泊運用会社を変えて「優秀な会社にあたるまで、業者を変え続ける」というのが重要なポイントです。
「そもそも、民泊に適した物件なのか?」をしっかり考える
海外不動産にも、日本の不動産と同じで
- 賃貸に適した物件
- 民泊に適した物件
があります。
「長く住む住みやすさ」と「旅行できて宿泊する住みやすさ」は違うからです。
日本で言えば、六本木の物件は、治安も良くはありませんし、生活費が高くなりすぎて住むには適した物件とは言いにくいものがあります。しかし、海外の旅行者から見れば、外国人が多く、都心部で観光地が周辺に多く、ごはんもおいしい、絶好の立地となります。
逆に、文京区の物件は、治安も良く、生活費も問題なく、スーパーが多く、物件も高くないため、住むには良い文教地区の物件となりますが、観光客からすれば、特筆する観光地もなく、外国人も少なく、つまらないものと感じるでしょう。
同じように、海外不動産でも
- 観光地に近い、アクセスが良い
- 観光客が多い
- 眺めが良い
- 空港が近い
- 商業施設・飲食店が多い
- ラグジュアリーな物件
- 物件の共用部が豪華
という物件であれば「民泊に適した物件」と言えます。
逆に
- 観光地からは遠い
- 観光客が少ない
- 眺めがよくない
- 空港から遠い
- 商業施設・飲食店が少ない
- ラグジュアリーな物件ではない
- 物件の共用部が豪華ではない
という物件であれば「賃貸に適した物件」と言えます。
「民泊運用」を考えるのであれば、物件購入のタイミングから、「民泊向きの物件」を探すことが重要と言えます。
やってみて民泊収益が好ましくなければ、速やかに賃貸に切り替える
もともとは、賃貸運用よりも、収益が大きくなることを想定して民泊運用をはじめるはずです。
実際にやった結果、「民泊運用の収益が賃貸運用の収益を上回らなかった。」というのであれば、速やかに民泊運用から賃貸運用に切り替える判断も重要です。
民泊運用で使える家具・家電が整っているのであれば、これを賃貸運用に切り替えるのは、すぐにできます。民泊運用会社との契約終了後に、賃貸管理会社に依頼するだけです。
ダメであれば、賃貸運用に切り替えれば、最低限の利回りは確保できることになります。
海外不動産投資での民泊運用でよくある質問
Q.民泊運用会社を使わずに自分で運用することはできますか?
できます。
airbnbなどの民泊サイトに写真を掲載して、説明文を入れて、募集をすることは簡単にできまし、ここは英語が話せない方でも、google翻訳などを使えばとくにストレスを感じずにできるはずです。
また、顧客とのやり取りも、aribnbなどでは自動翻訳されるため、大きな問題は発生しません。
難易度が高いのは
- 清掃
- 万が一の時の対応
です。
民泊運用会社を使わないのであれば
- 清掃スタッフを雇用する
- 現地に住んでいる知人・友人に依頼する
- 自分で清掃する
ことになります。
現地に住んでいるのであれば、自分で清掃する形で、問題ありません。
日本に住みながらということであれば、清掃スタッフを雇用する、現地に住んでいる知人・友人に依頼するという形が考えられます。
「現地に住んでいる知人・友人に依頼する」という方法は、友人・知人だとなあなあになってしまうことも多く、おすすめできません。
「清掃スタッフを雇用する」場合は、日本語を話せる方でない場合は、英語で話す必要が出てきます。メールだけのやり取りであれば、google翻訳でいいのですが、細かい対応を依頼するときは、電話がメインとなります。
結論から言うと「ご自身が現地に住んでいて、清掃も自分でやる」ということでない限りは、民泊運用会社を使った方がベターです。民泊運用会社に任せて、慣れてきてから、自分での運用を模索するということも可能です。