「Wise(ワイズ)って何ですか?」

Wise(ワイズ)は、国際送金サービスの一つです。今回は、Wise(ワイズ)とは?について詳しく解説します。

Wise(ワイズ)とは?

Wise(ワイズ、旧称トランスファーワイズ (TransferWise))は、2011年1月にクリスト・カーマン (Kristo Käärmann) とターヴェット・ヒンリクス (Taavet Hinrikus) が創業したP2P送金サービスを提供する企業のことを言います。

P2P送金サービスとは

P2P送金サービス(ピア・ツー・ピア送金サービス)とは、個人間で直接お金を送金・受け取ることができるオンラインの送金サービスのことを指します。これらのサービスは、友人や家族、または個人取引での支払いなど、小口の送金を迅速かつ簡単に行えるように設計されています。

日本で有名なサービスには「PayPal」などがあります。

Wise(ワイズ)は、

国際送金を手軽に行うためのオンラインサービス

であり、エストニアで設立され、現在は、ロンドンを本拠地として、ニューヨーク、シドニー、シンガポール、エストニアなど世界8カ所に拠点を持つ、国際的な企業となっています。

Wiseは個人間の送金だけでなく、ビジネスアカウントも提供しており、企業が国際的に支払いを行う際にも使用できます。また、複数の通貨に対応したデビットカードの提供も行っており、旅行者や海外在住者にとって便利なサービスとなっています。

Wise(ワイズ)の利用者は、1600万人を超えています。

Wise(ワイズ)で海外送金をするメリット

手数料が安さ

Wise(ワイズ)の最大の特徴は「手数料の安さ」です。従来の銀行の国際送金手数料に比べて、Wiseの手数料は非常に低く設定されています。

「手数料はどのくらい安いの?」

Wise(ワイズ)の手数料の安さを三菱UFJ銀行と比較すると、以下の点で大きな違いがあります。

Wise(ワイズ)と三菱UFJ銀行の国際送金手数料比較

送金手数料

Wise(ワイズ)

Wiseの手数料は送金金額に基づいて計算されます。通常、送金金額の0.35%~1%程度の手数料がかかります。手数料には、為替手数料も含まれています。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行の国際送金手数料は、基本手数料とし3,000円~5,500円程度かかります(送金方法や送金先によって異なります)。

為替レートの違い

Wise(ワイズ)

Wiseは中間市場為替レートを使用し、隠れた為替差益がありません。

中間市場為替レート(Mid-Market Exchange Rate)とは、通貨取引市場(外国為替市場)での実際の取引に基づくレートで、通貨の買値(Bid)と売値(Ask)の中間点に位置する為替レートのことを指します。このレートは「実勢レート」や「公正レート」とも呼ばれることがあります。

三菱UFJ銀行

銀行の為替レート(通常、TTMレート+1円以上)が適用されるため、実際の市場レートよりも不利なレートでの交換となることが多いです。この差が銀行の収益の一部となり、送金者にとってはコストになります。

合計コストの比較

Wise(ワイズ)

例えば、100,000円を米ドルに送金する場合、Wiseの手数料は約500円~1,000円程度となり、為替レートも市場レートに近いものが適用されます。

三菱UFJ銀行

例えば、100,000円を米ドルに送金する場合、、手数料は最低3,000円~5,500円に加えて、為替差益としてさらにコストが加算されるため、合計コストはWiseの数倍になることがあります。

例:100,000円を米ドル(USD)に送金する場合の比較

Wise(ワイズ)

  • 手数料: 約500円~1,000円
  • 適用レート: 市場レート
  • 総コスト: 約500円~1,000円

三菱UFJ銀行

  • 送金手数料: 3,000円~5,500円
  • 為替手数料: TTMレート + 1円(約1%相当の為替手数料)
  • 総コスト: 約4,000円~6,500円以上(送金額が増えるほどコストも増加)

Wiseは三菱UFJ銀行と比べて、送金手数料が安く、市場為替レートを利用するため、総合的なコストが低く抑えられることが多いです。そのため、国際送金を頻繁に行う場合や、少額の送金を行う場合には、Wiseの方がコストパフォーマンスに優れています。

送金が早い

Wiseは、通常、送金元の国と送金先の国の銀行システムや休日、取引時間に応じて、数分から数日以内に送金が完了することが多いです。具体的には、ほとんどの場合、1~2営業日以内に送金が完了します。

Wiseは、送金プロセスで「ローカル送金」を活用しています。つまり、実際に国境を越えてお金を移動する海外送金の手続きではなく、送金元と送金先の両国にある自社の口座を使って「国内送金」を行う形にしているため、従来の国際送金よりも速く送金が完了します。

三菱UFJ銀行などの大手銀行で海外送金すると、通常3~5営業日、場合によっては1週間以上かかることがあります。銀行の国際送金はSWIFTネットワークを利用するため、送金がいくつかの中継銀行を経由することが多く、その過程で遅延が発生することがあります。

透明性が高い

Wiseは、手数料や為替レートが明確に表示され、そのあとに送金確定となるため、隠れたコストがありません。

多くの通貨に対応している

Wise(ワイズ)は、多くの国と通貨をサポートしており、世界中で送金が可能です。以下は、Wiseで送金できる主な通貨の一覧です:

Wiseの送金可能通貨一覧

アジア地域

  • 日本円 (JPY)
  • 中国人民元 (CNY)
  • 香港ドル (HKD)
  • シンガポールドル (SGD)
  • インドネシアルピア (IDR)
  • インドルピー (INR)
  • マレーシアリンギット (MYR)
  • フィリピンペソ (PHP)
  • タイバーツ (THB)
  • バングラデシュタカ (BDT)
  • ベトナムドン (VND)

ヨーロッパ地域

  • ユーロ (EUR)
  • 英ポンド (GBP)
  • スイスフラン (CHF)
  • ノルウェークローネ (NOK)
  • スウェーデンクローナ (SEK)
  • デンマーククローネ (DKK)
  • ポーランドズウォティ (PLN)
  • チェココルナ (CZK)
  • ハンガリーフォリント (HUF)
  • ルーマニアレウ (RON)

北米地域

  • アメリカドル (USD)
  • カナダドル (CAD)
  • メキシコペソ (MXN)

南米地域

  • ブラジルレアル (BRL)
  • アルゼンチンペソ (ARS)
  • チリペソ (CLP)
  • コロンビアペソ (COP)

オセアニア地域:

  • オーストラリアドル (AUD)
  • ニュージーランドドル (NZD)

中東・アフリカ地域

  • アラブ首長国連邦ディルハム (AED)
  • 南アフリカランド (ZAR)
  • ケニアシリング (KES)
  • ナイジェリアナイラ (NGN)

その他の通貨

  • トルコリラ (TRY)
  • ロシアルーブル (RUB)
  • イスラエル新シェケル (ILS)

口座開設、口座維持手数料は無料

Wiseのアカウントを開設する際には、手数料は一切かかりません。誰でも無料でオンラインで簡単に登録することができます。

また、アカウントの維持に対する手数料もありません。利用者は、Wiseのアカウントを維持するために月額費用や年会費を支払う必要がありません。

日本では当たり前に感じますが、世界的には、口座開設無料、口座維持手数料無料というのは珍しく、Wiseが選ばれる理由となっています。

Wise(ワイズ)で海外送金をするデメリット

口座への入金が面倒

日本でWise(ワイズ)で口座への入金をする場合、カード払いなどには対応しておらず

  • 銀行振込 → Wise(ワイズ)側が入金確認 → Wise口座に反映

という手順となり、即時に反映されません。

数時間後に反映されることが多いのですが、日本国内のネットバンキングになれていると、かなり手間だと感じることが少なくありません。

口座への一回の入金に上限がある

日本でWise(ワイズ)で口座への入金をする場合

  • 口座への入金の上限は、1回100万円まで

です。

海外不動産の購入で、3,000万円の送金をしようとしたら、30回同じことを繰り返す必要があります。

大きな手間であり、負担を感じます。

しかし、これは日本の金融規制(例えば、「犯罪収益移転防止法」や「資金決済に関する法律」など)によるもので、海外法人の国際的な送金サービスは、どこを使っても、似たような上限規制が入ってしまいます。

Wise(ワイズ)の日本での規制

金融庁への登録

Wiseは日本でのサービス提供にあたり、日本の金融庁(FSA: Financial Services Agency)に「資金移動業者」として登録されています。登録番号は「関東財務局長 第00052号」です。これにより、Wiseは日本国内で法的に認められた金融サービスを提供することができます。

資金決済法に基づく規制

日本における資金移動業者は、資金決済法(Payment Services Act)に基づいて運営されています。Wiseはこの法律に従い、利用者の資金を安全に管理する義務を負っています。具体的には、顧客資金を分別管理し、Wiseの運営資金と混同しないようにしなければなりません。

本人確認(KYC: Know Your Customer)

Wiseは、日本国内の規制に従い、口座開設時や一定金額以上の送金時に、利用者の本人確認を行う必要があります。これには、パスポートや運転免許証、マイナンバーカードなどの公的身分証明書の提出が必要です。これは、マネーロンダリング防止(AML: Anti-Money Laundering)およびテロ資金供与対策(CFT: Countering the Financing of Terrorism)に対応するためです。

送金上限の設定

Wiseのサービス利用には送金額の上限が設けられています。これは資金移動業者としての規制に従うもので、1回の送金の上限額は100万円(約10,000米ドル相当)までと定められています。この上限を超える送金には、銀行の送金サービスを利用する必要があります。

データプライバシーと情報保護

Wiseは、日本の個人情報保護法(PIPA: Personal Information Protection Act)に準拠して、顧客の個人情報を保護しています。Wiseはデータの暗号化や安全なデータ保存などの方法で、顧客のプライバシーと情報の安全を確保する義務を負っています。

外為法に基づく監視

Wiseは、日本の外為法(外国為替及び外国貿易法)に基づいて監視されています。これは、国際的な送金における適切な管理と透明性を確保するための規制です。外為法に基づき、一定額以上の送金については、当局への報告が義務付けられています。

消費者保護規制

Wiseは、日本の消費者保護規制に従っています。これには、透明性のある手数料表示、契約条件の明示、適切なカスタマーサポートの提供が含まれます。消費者保護法に基づいて、利用者が不当な手数料や不明確な取引条件に直面しないようにすることが求められています。

Wiseはこれらの規制を遵守することで、日本国内での安全かつ信頼性の高い送金サービスを提供しています。利用者はこれにより、安心してWiseのサービスを利用することができます。

まとめ

Wise(ワイズ)は「手数料の安さ」から、海外送金の有効な選択肢となっています。

利用するときに、上限があり、高額な送金だと手間も大きくなりますが、コストは安く済むので、多少の手間も我慢できる範囲と言えます。

また、利用者数も多く、世界的には大企業ですので、安心して利用できるメリットもあります。

口座開設も、口座維持も、手数料無料で、送金前に手数料や為替レートが明示されるため、今利用しようとしている海外送金サービスと、コストがどのくらい違うのか?比較してから、利用を決めるのも賢い方法です。

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