目次

エジプト不動産

エジプト不動産最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年秋の都市部CPIは前年比11%台後半まで鈍化。中央銀行(CBE)は10月までに段階的に利下げを進め、足元の翌日物預金21%/貸出22%(政策金利21.5%)のレンジです。ディスインフレ進展を確認しつつ、慎重な緩和を継続する姿勢です。
  • 住宅ローン政策の最新
    2025年10月15日以降の新規低中所得向けモーゲージ・イニシアチブは金利が見直され、低中所得8%(逓減)/中所得12%(逓減)へ変更。一方で既存の申請者(過去フェーズ)には元の条件を維持する政府決定が出ています。

住宅(分譲・賃貸)

  • 供給とディリバリー
    カイロの住宅市場はQ2に約7,300戸を引き渡し、マスタープラン物件の段階的完成が中心。新規ローン金利の見直しで一次取得層の月々負担は重くなる一方、既存申請は従前条件が生きるため需要の分断(セグメント差)が意識されます。
  • 価格・賃料の足取り
    売買価格・賃料は概ねインフレ並みの伸びで、フリーホールドの売買活動は減速、賃貸需要が増勢です。高級帯ではニューカイロのラグジュアリーで㎡単価45,000EGP超の水準感、新行政首都(NAC)では17,000〜43,000EGP/㎡のレンジが散見されます。
  • デベロッパー動向
    価格転嫁余地の限界と為替・建設費の波を踏まえ、国内は段階引渡し・在庫回転重視、海外での分散投資を進める大手の動きが目立ちます。

オフィス

  • 需給と空室
    2025年Q2に約83,000㎡が新規供給総ストック約228万㎡空室率は7.4%、プライムは4.5%まで低下し、アウトソーシング(BPO/KPO)需要が牽引。賃貸交渉は柔軟化し、グレードAへの選好が鮮明です。
  • 開発・テナント動向
    新規大型プロジェクト着手は限定的で、段階開発の消化を優先。政府のデジタル施策も追い風で、拡張・移転の動きが続いています。

リテール・商業

  • 供給とテナントミックス
    Q2の新規供給は約12,600㎡、年内の残り供給計画も約86,700㎡と抑制的。中小型モールではF&B比率の見直し体験型・著名ブランドとの協業で集客性を高める再編が進行中です。
  • 賃料の実務感
    旗艦モール・一等立地は指名性が強く横ばい〜小幅増、二等立地は歩合賃料や内装支援など条件調整で出店を促す傾向が続きます。

ホテル・観光

  • 稼働と需給
    2025年の観光回復は力強く、カイロやルクソール、紅海リゾートで高稼働の報告(概ね75〜80%)。年初来の来訪者数は過去最高ペースで推移し、今後も上振れ期待が残ります。
  • 投資トピック
    グランド・エジプシャン・ミュージアム関連や客室増計画がテーマ。航空座席供給の積み増しによりADR上振れ余地が意識されます。

物流・工業

  • 需要の基調
    EC拡大・コールドチェーン投資が中期成長ドライバー。6th of October City/東カイロ回廊でのコールドストレージ新設や、物流市場の中期拡大見通しが示されています。
  • 実務ポイント
    立地選定は幹線アクセス・港空港距離・電力安定が鍵。汎用レイアウトで転用性を確保し、年次インデックス連動の賃料条項を織り込む動きが一般化しつつあります。

REIT・資本市場

  • 制度と活用
    REIT制度は整備途上で、税制・開示の明確化が投資拡大のカギ。分散投資の器としての期待は高く、今後の規制進展とスポンサー資産のパイプラインが注目点です。
  • 資本流入の動き
    2024年以降の湾岸資本流入や大型案件は外貨調達面の追い風。2025年も民間資本の流入が続き、選別的にプロジェクトが前進しています。

制度・規制トピック

  • 旧借家法の抜本見直し(2025年)
    新賃貸法(Law 164/2025)が公布・施行され、旧来の低家賃・無期限契約の整理が始動。非住宅は最長5年、住宅は最長7年で段階的に終了し、最低賃料の設定・年次上昇など市場実勢への平準化が進みます。テナント保護措置も併設され、移行期間中の賃貸市場の再編が見込まれます。
  • 外国人の不動産取得
    Law 230/1996に基づき、外国人の取得は可能(農地・国境地域など除外)。最大2物件・各4,000㎡上限などの条件や、特定地域での追加規制が実務で存在します。
  • モーゲージ・イニシアチブ
    2025年10月の新規金利改定に加え、既存申請の条件維持が示され、市場の混乱抑制を図っています。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    売買は選別・賃貸は強含み。高級帯・プライム立地は物件力で粘り、NACやニューカイロの新築は価格レンジが明瞭。金利改定の影響で一次取得層の負担感が増す一方、既存申請者は据置条件で歩留まり維持が見込めます。
  • オフィス
    空室は一桁台、プライムはタイトBPO/KPOの拡張と柔軟交渉がトレンドで、グレードA・良アクセス物件が優位。床分割・共用部改修で二級物件の再生余地も。
  • リテール
    抑制的な新規供給のなか、体験型・ブランド協業で売上最大化を図る動き。出店側は歩合賃料・内装支援など条件面の交渉余地が残ります。
  • ホテル
    高稼働の継続が基本線。国際需要・イベント回復に沿ってADRの上振れに期待。紅海リゾート/カイロ中心部いずれも堅調です。
  • 物流・工業
    EC・コールドチェーンに着目。6th of October City等の拠点性温度管理施設の拡充が収益ドライバー。年次インデックス連動の賃料条件や電力安定性の確保が肝要です。
  • REIT
    制度進展を注視しつつ、スポンサーのアセット注入力用途分散を重視。黎明期ゆえの開示・税務の明確性がバリュエーションの分かれ目です。

リスク・留意点

  • 賃貸法移行の摩擦:旧契約の段階的終了で賃貸市場が再編、低所得層の住み替え需要や歴史的地区の再開発圧力が高まる懸念。
  • 金利・為替:利下げ基調でも、不確実性で資金調達コストの変動建設費高止まりのリスク。
  • 需要の二極化プライム集中と周辺立地の販売・リーシング長期化テナント入替CAPEXや共用部改修の前倒しが前提。

まとめ

2025年のエジプト不動産は、ディスインフレと段階的利下げでボラティリティが和らぎつつ、法制度の大改革(賃貸法)モーゲージ政策の再設計が同時進行する“制度転換の年”です。住宅は賃貸強含み・売買は選別、オフィスはプライム回帰で空室一桁、リテールは抑制供給下で体験型強化、ホテルは高稼働、物流はECとコールドチェーンが柱。制度・金融の変化をセグメント別に織り込み、立地・仕様・運営力で勝ち筋を選ぶ局面です。

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フィリピン不動産

フィリピン不動産最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    物価は2025年10月の見通しが1.4〜2.2%のレンジに収まり、ディスインフレが続いています。中央銀行(BSP)は段階的に利下げを進め、政策金利(RRP)は4.75%です。年末にかけても慎重な緩和スタンスが意識されています。
  • 住宅ローン金利の実務感
    都市銀行の店頭プロモは1年固定6.0%前後/5年固定6.5%前後が目安で、通常商品は7%台もみられます。BSP公表の「契約売買」向け指標でも6.4〜8.0%帯が確認でき、所得証明やDTIに沿った審査が続いています。Pag-IBIG住宅融資は2025年は据え置きで、一次取得層の下支えです。

住宅(分譲・賃貸)

  • プレセールの歩留まり改善
    2025年Q3の純テイクアップは5,900戸(前期比+108%)と、約9四半期ぶりの高水準。頭金軽減・分割延長・家電バンドルなどのプロモ強化が奏功しています。新規供給は年初来1万800戸で、各社は在庫消化を優先しています。
  • 供給と在庫の二極化
    NCRではベイエリアの在庫圧力が価格伸びを抑制し、都心A立地・ハイスペック物件に需要が集中。Q1の価格上昇率13.9%→Q2は2.4%へ減速し、投機的需要の後退が示唆されます。
  • 価格・賃料の足取り
    一等立地コンドは横ばい〜小幅高、築古Bクラスは賃料調整や改装前提の案件が増加。帰任駐在員・外資雇用の戻りで都心Aクラス賃貸は底堅いです。
  • 資金調達と審査
    銀行はDTI・雇用安定性を厳格化。一次取得はPag-IBIG優遇、投資目的は自己資金厚め+完成在庫が通りやすい実務感です。

オフィス

  • 空室率は高止まりも改善方向
    2025年Q3、メトロマニラ全体の空室率は18〜20%台BGC 9〜12%、マカティCBD 8〜10%とAグレード中心に埋まり、賃料はBGCで小幅上昇、マカティは横ばい。一方、マニラ湾岸・郊外は空室が重く二極化です。
  • テナントの選別強化
    ハイブリッド定着後もハブ拠点需要は残存。グリーン認証・BCP/防災・アメニティに優れる物件へ需要が集中し、既存ビルはフロア細分化・共用部改装・ESG対応で再ポジショニングが進みます。

リテール・商業

  • モール稼働の回復継続
    2025年Q1のモール空室率は13.1%まで改善。大手は改装・テナントミックス再編で集客を強化し、出店意欲も堅調です。年末商戦・イベント回帰でトラフィックはさらに底上げが見込まれます。
  • 賃料と投資
    一等立地は横ばい〜微増、準郊外は歩合賃料(%レント)や内装支援で条件調整。スポンサーREITの用途分散(オフィス+商業)も評価材料です。

ホテル・観光

  • 稼働率は高水準を維持
    2025年Q2のメトロマニラ平均稼働は78.3%。4〜5星では65〜75%帯でも安定。MICE回復と国際線の復便でADRは堅調です。
  • 供給とインフラ
    2025年は約2,680室の新規供給が見込まれ、NAIA再整備・路線拡充が中期的な需要押し上げ要因です。

物流・工業

  • EC・3PL需要は底堅い
    倉庫供給は2025年に約+4%拡大見込み。CALABA(カビテ・ラグナ・バタンガス)/中部ルソンで高天井・大型ドックのグレードA賃貸が引き合い増。地方の稼働率は90%超のタイトな市場も散見されます。
  • 賃料と契約
    需要の強さに対し土地・建設コスト上昇で初期利回りは圧縮。年次インデックス連動や長期リースが一般化し、スケールとオペ効率が収益鍵です。

REIT・資本市場

  • 分配の安定性と利回り
    主要REITは四半期配当を継続し、利回りはおおむね5.5〜8%台のレンジ(例:AREIT約5.5%、MREIT約7.2%、FILRT約8%)。利下げ局面では相対妙味が意識されやすく、パイプライン注入力の差が株価に反映されやすいです。
  • ポートフォリオの質
    オフィス中心銘柄はテナントの質・WALE・ESGを強化。物流・モール・データセンターなどの用途分散に動く銘柄が増えています。

制度・規制トピック

  • 外資の長期賃借延長(新法)
    2025年9月、外国人・外資による私有地の賃借上限が最長99年へ延長されました(旧制度は50年+25年更新)。工業団地・観光など長期投資の誘致が狙いです。
  • 外国人の取得枠は従来通り
    外国人は土地の直接所有は不可コンドは棟全体の40%まで外資保有可という枠組みは不変です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    選別的に堅調。都心Aは保ち合い、湾岸・準郊外の一部は在庫圧力。利下げ×プロモ強化でプレセール歩留まりの改善が見込めます。一次取得層はPag-IBIG据え置きを活用しやすい環境です。
  • オフィス
    質への回帰が鮮明。BGC・マカティCBDのAグレードが優位で、郊外・湾岸は再生(床分割・改装・サテライト併設)が前提。
  • リテール
    稼働回復が継続。改装・体験型テナントで賃料の底上げ余地。出店側は歩合賃料・内装支援の引き出しが可能、運営側は回転率とMD最適化が肝要です.
  • ホテル
    70〜80%台の稼働を維持しつつ、ADRの上振れが期待。新規客室供給の織り込みと平日需要(MICE・企業会議)の厚みがテーマです。
  • 物流・工業
    CALABA/中部ルソングレードA倉庫・工業パークが中期の安定収益源。港・空港距離、幹線アクセス、電力安定を重視し、汎用レイアウトでテナント転用に耐える仕様が有利です。
  • REIT
    利回りの相対優位(5.5〜8%)スポンサーのアセット注入力を重視。用途分散ポートはサイクル耐性が高い傾向です。

リスク・留意点

  • 供給過剰リスク:ベイエリア等で在庫圧力が残存、値引き・引渡し延期の可能性。
  • 金利・為替:利下げ基調でも外部ショックで再上振れ余地。外貨建て調達は為替感応度に注意。
  • 施工・引渡し遅延:建設コスト・人手の逼迫で遅延事例。契約の違約条項・補償条件の確認が必要です。
  • テナントリスク:オフィス・リテールで選別強化が続き、CAPEX(改装・ESG対応)負担を見込みます。

まとめ

2025年のフィリピン不動産は、政策金利4.75%・ディスインフレ環境のもとで緩やかな回復局面にあります。住宅はプロモ×利下げでプレセール復調、オフィスはCBD Aグレード優位で二極化、リテールは稼働改善とMD再編、ホテルは高稼働維持、物流・工業はCALABA/中部ルソンを軸に需要が堅調です。制度面では外資の長期賃借99年が追い風で、中期の投資ストーリーが描きやすくなっています。ポートフォリオ構築では立地・仕様・ESG・運営力に注目し、REITは利回りとスポンサー力で選別する局面です。

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ドバイ不動産

ドバイ不動産最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレ・金利の方向感
    2025年10月末にUAE中央銀行は翌日物預金ファシリティの基準金利を4.15%→3.90%へ25bp引下げました。ディルハムは米ドル連動のため、米国の政策運営に歩調を合わせつつ緩和が進み、借入コストは低下方向です。
  • 住宅ローン金利の実務感
    銀行提示のモーゲージは概ね4〜5%台前半(固定/レデューシング)が目安。UAEの指標金利はEIBORで、各行はEIBOR+マージンで商品設計を行います。

住宅(分譲・賃貸)

  • 価格水準・伸び率
    2025年9月のValuStrat価格指数(VPI)は230.6まで上昇(前年同月比+21.3%)。ヴィラが年+26.4%で牽引、アパートは2014年ピークに接近。Q3の伸び率はやや減速も高水準を維持しています。
  • 平米単価・利回りの実務感
    Q1〜Q3の平均売買単価は1平方フィート当たりAED1,480〜1,600、アパートの表面利回り6.5〜8%が目安です(立地・面積で差)。
  • 取引ボリュームとオフプラン
    2025年7〜9月は月間2万件超の売買が並び、過去最高水準の一角。オフプラン比率の上昇とパイプライン増加が続きます。
  • 賃料と需給
    都心・ウォーターフロント(パーム、マリーナ、Emaar Beachfront)で高級アパート需要が強含み。一方で拡大量供給の影響で、コア立地優位の選別が進んでいます。
  • 先行きの見方
    一部機関は25年後半〜26年にかけ最大15%の価格調整を警戒(供給増の影響)。もっとも、開発・金融側の耐性は高いとの見立てもあります。

オフィス

  • 空室率・賃料
    供給制約が継続し、Aグレード中心に事前賃貸が増加。主要エリアの占有率は90%台が一般化、賃料は上昇圧力が続きます(DIFC/Business BayのAグレードで引き合い強い)。

リテール・商業

  • モール稼働と賃料
    供給が限定的な中で稼働は高位安定。リーシング競争は続くものの、改装・テナントミックス再編で収益性を維持する動きが広がっています。

ホテル・観光

  • 稼働・ADR・RevPAR
    2025年1〜8月の中東ホテル市場は稼働+3.3%、ADR+4.3%、RevPAR+7.8%と堅調。ドバイはMICE・長期滞在の底上げで高稼働(70〜80%台)のレンジを維持しつつ、年央はADRを一時調整する局面も見られました。

物流・工業

  • 需給と賃料
    JAFZA/南北回廊でグレードA倉庫の逼迫が続き、空室率は一桁台(〜3%)賃料は前年比+30%超の上昇局面(2024年実績)を起点に高止まり。25年も投資マネーの選好が強い状況です。

REIT・資本市場

  • 銘柄動向と利回り感
    ドバイの上場REITは配当利回り6〜8%程度が一般的な目線。Emirates REIT稼働率95%・商業賃料+17%など足元の稼働が堅調。Dubai Residential REIT2025年に少なくともAED11億の配当方針とされ、上期にはAED55億の中間配当決定報もありました。

制度・規制トピック

  • フリーホールドと外資の取得
    ドバイは指定エリアで外国人のフリーホールド(所有権)が認められ、登記・送金の透明性が高い市場として整備が進んでいます。(※一般論)
  • ゴールデンビザ(不動産投資)
    購入価格AED200万以上の不動産所有者は10年の長期居住(更新可)の申請対象。モーゲージ物件でも支払済み額が200万AED以上であれば対象可とする運用が明記されています。制度は公式手続き以外の“簡易取得”報道を当局が否定しており、要件は変更なく継続しています。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    ヴィラ強含み・アパートは立地選別。金利低下と高所得層の流入でウォーターフロント/プライムは底堅い一方、供給増による調整リスクを織り込み、完成在庫の品質重視・開発者の引渡し実績を要チェックです。
  • オフィス
    Aグレードのひっ迫継続長期の固定賃料/ステップアップ・事前賃貸で条件が強含み。DIFC・Business Bayの待機需要取り込みを狙うなら早期の確保が実務的です。
  • リテール
    供給限定下で改装・体験型テナントの導入が鍵。歩合賃料内装支援を組み合わせた双方メリット設計が主流です。
  • ホテル
    高稼働レンジを維持。MICE・スポーツイベント・家族滞在の取り込みで平日稼働とADRの両立を狙う戦略が優位です。
  • 物流・工業
    港湾・空港アクセスと電力安定を最重視。高天井・大型ドック・汎用レイアウトを備える倉庫の長期賃貸で指数連動条項の一般化が進み、規模の経済と運営効率が収益の肝です。
  • REIT
    分配の継続性と稼働・WALEスポンサーの資産注入余地を重視。高利回り目線は魅力ですが、ポートフォリオの用途分散とLTVで耐性を見極めます。

リスク・留意点

  • 供給積み上がり大規模パイプラインの稼働化タイミング次第で価格調整(最大15%)の可能性。
  • 金利・為替:緩和方向ながら外部イベントでEIBOR再上昇もあり得るため、固定→変動の切替条件繰上返済手数料を確認。
  • 賃貸コスト高:オフィス・物流とも賃料上昇が続く局面で、CAPEX(改装・ESG対応)運営費のインフレを保守的に見積もる必要。
  • 制度の誤情報ゴールデンビザの“緩和・即時付与”をうたう非公式案内は当局が否定。公式チャネルのみでの手続きが前提。

まとめ

2025年のドバイ不動産は、金利低下(基準3.90%)人口・富裕層流入を背景に、住宅は高原状態ながらプライム主導で堅調、オフィスは供給制約で賃料上昇ホテルは高稼働、物流は逼迫・高止まりという構図です。供給積み上がりによる価格調整リスクは意識しつつも、立地・品質・開発者実績・ESG適合を軸に物件選別を行えば、中期のリターン機会は引き続き見込めます。

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カンボジア不動産

カンボジア不動産最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと金融運営
    物価は足元+2%前後(9月YoY)で小幅上昇にとどまり、総じて落ち着いた水準です。中央銀行(NBC)は高度なドル化の下で7日物LPCO(担保付供給オペ)等を通じて流動性を調整する枠組みを運用しており、リファレンス金利としてリエルの政策性金利(供給・吸収)を整備しています。
  • 住宅ローン金利の実務感
    大手行の店頭は年6.5%固定(USD)といったプロモ水準から、ローカル行の一般的な年10%前後までレンジが広いです(通貨は主にUSD)。融資上限比率(LTV)や返済比率(DBR)に応じてマージン加算が行われます。

住宅(分譲・賃貸)

  • 価格・需給の基調
    コンドミニアムは供給過剰の調整が継続し、2024年は価格下落が続いた後、2025年も吸収にばらつきが見られます。立地の良い中上位グレードや実需向けミッドレンジは粘り強く、高級帯は在庫圧力が残る構図です。
  • 供給動向(H1〜Q3 2025)
    H1だけで3,900〜5,000戸超の完成が確認され、新規発売の再開も重なり競争は継続しています。年央レビューではランド(Borey等)取引が前年比倍増と戸建系に強さが見られました。
  • 賃貸・サービスアパート
    長期滞在・法人需要の回復でグレードAの賃料は上向き。一方、築年数の経った物件は改装・家電バンドル等のプロモが一般化しています。
  • 外国人の取得枠・スキーム
    外国人は2010年以降の区分所有(Strata)で建物全体の70%まで、地上1階以上の専有部のみ所有可能。土地の直接所有不可だが、長期賃借(最長50年・更新可)信託(Trust)スキームの利用が広がっています。

オフィス

  • 空室・賃料
    弱含みの需給が続き、市況占有率は約64〜65%まで低下。プライム立地・高スペック(BKK1、トンレバサック等)は選別的に堅調で、平均賃料は月24USD/㎡程度が目安です。新規供給は減速しつつも、年後半の竣工が控えています。
  • テナント行動
    柔軟なレイアウト・共用部の質・アメニティへの要求が強く、コワーキング/ハイブリッド対応のフロアが選好されています。

リテール・商業

  • 稼働・賃料
    稼働はなお重く平均占有率は58%台、プライム賃料は約20.9USD/㎡/月まで調整。F&Bや体験型テナントは健闘し、複合開発の下層ポディウムでの出店が増えています。

ホテル・観光

  • 需要回復と新空港
    2025年1–8月の訪日ならぬ訪カンボジア外国人は約405万人(前年比-5.6%)と踊り場。ただしプノンペン新空港(Techo International Airport)9月に開港(初期年1300万人処理)し、中期的なアクセシビリティ改善が追い風です。
  • 運営の実務感
    平日ビジネス需要の戻り長期滞在の取り込みが鍵。イベント・MICEの復活でサービスアパート賃料は上向きです。

物流・工業

  • 需要・占有
    SEZ(特別経済区)や空港・港湾動線に沿ったグレードA倉庫・工業用区画の逼迫が続き、プノンペン周辺のSEZは満床状態とのレポートもあります。
  • 新規投資トピック(製造回帰)
    BYDのEV工場(シアヌークビルSEZ)2025年末稼働予定・年1万台の計画で起工。オートモーティブ系の裾野拡大が期待され、物流・部品倉庫の需要喚起が見込まれます。

資本市場・REIT

  • 上場・投資ビークルの現状
    CSX(プノンペン証取)では不動産事業会社の資金調達不動産投資信託(Trust)制度の整備が進展中。REIT上場の本格普及はこれからで、私募型の信託・社債が中心です。

制度・規制トピック

  • 外国人取得枠Strata70%上限・地上1階以上の原則は継続。国境から30km圏の制限など地理的制約も引き続き適用されます。
  • 長期賃借最長50年(更新可)の長期賃借が実務の柱。契約・登記の適正化が重要です。
  • 信託の活用2019年施行の信託法に基づき、ライセンス信託会社を介した土地保有スキームが一般化しつつあります。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    実需×中位価格帯×好立地を軸に選別が有効。完成在庫の品質・管理体制・デベロッパーの引渡実績を重視し、ローンプラン(固定/変動、繰上条件)を精査してください。
  • オフィス
    市況占有64%前後総じて借り手優位。ただしプライム(中心3区)は底堅く、フレックス区画・共同利用の需要取り込みに強み。賃料24USD/㎡付近を目安に、内装支援・フリーレントの引き出しが実務的です。
  • リテール
    F&B・体験型中心にテナントミックス刷新で稼働を底上げ。歩合賃料や内装補助の組成で双方メリット設計を。郊外・コミュニティ型の日常消費集積が相対的に有利です。
  • ホテル/サービスアパート
    空港刷新×観光回復の中期シナリオ。足元は稼働・ADRの緩やかな回復に留意し、平日需要の底上げ(企業・長期滞在)を戦略に組み込むと有利です。
  • 物流・工業
    SEZ満床・新規製造投資(EV等)を追い風に、高天井・大型ドック・汎用レイアウトの標準仕様が有効。指数連動賃料・電力安定・港空港距離をKPIに据えてください。

リスク・留意点

  • 供給過多と価格調整コンドの完成ラッシュ在庫圧力が継続、価格・賃料の下押しリスク。
  • 需要の二極化プライム立地/高スペック偏重が進み、周辺立地・旧仕様はテナント付けに時間を要します。
  • 観光の回復鈍化国境事情・治安報道等で訪問者数が足踏み、短期的にホテル稼働に影響。
  • 金利・通貨USD建て金利の上振れリエル/ドルの流動性変動に留意。固定→変動の切替条件、手数料を事前確認。

まとめ

2025年のカンボジア不動産は、住宅=供給消化の長期戦、オフィス=借り手優位の中でプライム選好、リテール=F&B主導で再編、ホテル=新空港で中期追い風、物流・工業=SEZ満床×EV投資で拡張という構図です。法制度は“Strata70%・長期賃借・信託活用”が実務の三本柱で、立地・仕様・運営力による選別がいっそう重要になります。


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ウズベキスタン不動産

ウズベキスタン不動産最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年9月の消費者物価上昇率は前年比+8.0%まで低下しました。中央銀行(CBU)は2025年3月に政策金利を13.5%→14.0%へ引上げ4月・6月・9月・10月14.0%で据え置きています(足元の需要の強さとサービス分野のインフレを警戒)。今後もディスインフレ進行と需給環境のバランスを見極める運営です。
  • 住宅ローン金利の実務感
    国のモーゲージ制度(国営・政府系銀行経由)は「政策金利+6%」という基準に見直され、金利目線は概ね19.5〜20%台(金利水準は政策金利に連動)。返済負担率(DBR)上限50%自己資金25%以上などの与信基準も明確化されています。
  • 金融規制アップデート
    2025年7月1日申込分から不動産売買にエスクロー制度が導入され、開発資金の管理透明性と購入者保護が強化されています。

住宅(分譲・賃貸)

  • 売買動向(件数)
    2025年9月の住宅売買は前年比+13.7%(約2.42万件)と増勢を維持。特にタシケント市+31.2%など大都市が牽引しています。
  • 価格・賃料の足取り
    2025年夏以降、タシケントの分譲価格は小幅下落〜横ばいの局面が続き、一部区で下押しが観測されます。一方、賃貸は平均8.0〜8.5USD/㎡/月で概ね安定、中心区(ミラバード等)は10.3〜10.6USD/㎡/月が目安です。
  • 需給の色分け
    中心〜準中心のミッドレンジ実需帯は堅調、高級帯の在庫圧力は残存。建材価格の安定により建設の供給面は落ち着きが見られる一方、地価(タシケント平均)は前年比▲2.5%(6月時点)と選別化が進みます。

オフィス

  • 賃料・空室の方向感
    クラスA賃料は平均34.6USD/㎡/月高止まり供給増にもかかわらず空室は縮小しており、IT・フィンテック・ハイブリッド勤務対応のサービスオフィス/コワーキングの整備が進展しています。
  • テナント実務
    柔軟区画・共用部品質・アメニティ重視。長めのフリーレントや内装支援での条件形成が一般化しつつ、中心3区(BKK1周辺相当の中枢)優位の選別が強まっています。

リテール・商業

  • 稼働・賃料
    伝統的なバザール+近代型スーパーの二層構造の中で、ショッピングセンターの平均賃料は約10USD/㎡/月が目安。空室は中位(5〜15%)レンジの施設が多く、F&B・体験型のテナント誘致が鍵です。

ホテル・観光

  • 業績KPI(H1 2025)
    稼働率53.4%(+4.5pt)/ADR 131USD(+7.8%)/RevPAR 70USD(+12.6%)と回復が鮮明。タシケントはMICE・長期滞在の取り込みが引き続き重要です。

物流・工業

  • 需給とエリア
    SEZは28区域まで拡大。アンゲレン/ナボイ回廊新規工業団地・物流拠点が稼働し、製造回帰と輸出志向の政策が倉庫需要を底上げしています。
  • 賃料・仕様の目安
    近年の資料ベースではクラスA倉庫の想定賃料レンジ上方修正が続き、高天井・大型ドック・汎用レイアウトが投資・賃貸双方の標準仕様になっています(※古い水準ではB倉庫で2.8〜3USD/㎡/月の事例)。

都市開発トピック(タシケント)

  • 「ニュー・タシケント」(Yangi Toshkent)
    2,500万㎡(2.5万ha)規模の首都拡張計画。第1ディストリクト(約6,000ha)承認・造成開始済みで、緑地3倍化(2.5万ha)など水と緑の都市を掲げるマスタープランが進行中です。大型の住宅・オフィス・小売・公共施設ミックスユース供給が中期の需給を形づくります。

資本市場・ファイナンス

  • モーゲージの市場化
    ウズベキスタン・モーゲージ・リファイナンス(UzMRC)モーゲージ債の発行やIFC等からの資金調達を進め、長期固定の住宅金融基盤を整備中です。グリーンボンド構想も示され、金利構造の多様化が進みます。
  • 不動産ビークル
    公開REITの本格普及は未整備。一方、国家投資ファンド(UzNIF)の上場計画など、資本市場の厚みを増す改革が進んでいます。

制度・規制トピック

  • 外国人の取得枠
    土地の私有は不可(国有地)。建物(区分所有含む)の所有は可で、土地は長期リース(一般に最長49年)が実務です。資金の本国送金の権利、投資保護の枠組みも整備されています。
  • 売買手続の強化
    エスクロー制度導入(2025/7/1〜)により、資金保全と建設資金の適正管理が義務化されました。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    中心〜準中心×ミッドレンジの実需セグメントが相対優位。平均賃料8.0〜8.5USD/㎡/月、中心区は10USD台前半を目安に利回り逆算を行い、開発者の引渡実績・施工品質・管理体制を厳格に確認してください。政策金利+6%の金利体系下では固定・変動の切替条件や繰上手数料の精査が有効です。
  • オフィス
    Aグレード賃料34.6USD/㎡/月の水準感。供給拡大=空室縮小の局面では早期の区画確保/長期賃約定(賃料ステップアップ+内装支援)が実務的です。コワーキング併設・フレックス対応がテナント誘致の鍵になります。
  • リテール
    SC賃料約10USD/㎡/月空室5〜15%レンジ。F&B・体験型の導入で回遊性と滞在時間を伸ばし、歩合賃料(%レント)+内装補助の条件設計で出店を促進します。
  • 物流・工業
    SEZ×交通結節点(アンゲレン・ナボイ)戦略立地が優位。汎用レイアウト・高天井・大型ドックを標準化し、電力安定・港空港距離・指数連動条項をKPIに据えた長期賃貸が有効です。
  • 開発型(都市開発)
    ニュー・タシケントの進捗に連動し、住宅+オフィス+小売+公共複合開発に機会。第一期の造成着手に合わせ、用途混合ゾーンの先行取得・段階投入が合理的です。

リスク・留意点

  • 価格調整リスク:タシケントの一部区で価格下落が続き、供給積み上がりの吸収に時間がかかる可能性。
  • 金利・信用規制政策金利14%の高めの金利水準下で、DBR上限50%など与信規制の影響に留意。
  • 施工・引渡しエスクロー導入で改善期待も、工期・引渡しの遅延条項品質保証の実務確認は必須です。
  • 流動性・出口REIT未整備公開市場の出口が限定UzNIFの上場計画など市場整備の進捗をモニターしてください。

まとめ

2025年のウズベキスタン不動産は、インフレの減速(9月+8.0%)×政策金利14%据え置きの環境下で、住宅は件数拡大も価格は選別化、オフィスはAグレード高止まり、リテールは賃料横ばい・空室中位、ホテルは稼働・ADRとも改善、物流・工業はSEZ・内製化政策で需要底堅いという姿です。エスクロー制度導入で取引の透明性が増し、ニュー・タシケントを核にミックスユース開発が中期テーマとなります。投資・取得は立地・仕様・開発者実績・契約保全(エスクロー・保証・賃料条項)を軸に、金利・与信規制・出口戦略を織り込んで組成するのが有効です。


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マレーシア不動産

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マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年は7月にOPRを3.00%→2.75%へ25bp引下げ9月会合も2.75%据え置きでした。11月6日の会合でも据え置き観測が優勢です。直近の物価は総合1%台前半まで沈静化し、需要は内需主導で底堅い見通しです。
  • 住宅ローン金利の実務感
    OPR引下げを受け主要行のSBR/BR・BLRが一斉に改定。例:MaybankはBR 3.00→2.75%、BLR 6.65→6.40%へ。店頭の変動金利はSBR(2.75%)+約2.0〜2.5%が目安で、実効4.8〜5.2%の提示が多い状況です。

住宅(分譲・賃貸)

  • 取引・供給(H1 2025)
    取引額はRM1,076.8億(前年比+1.9%)、一方で取引件数は微減「選別買い」の様相です。新規供給はジョホールが主導(新規発売5,401戸・テイクアップ約44%)、一方完成在庫はクアラルンプールが最大(約3,643戸)という構図です。
  • 価格トレンド
    MHPI(住宅価格指数)Q2 2025暫定:227.3前年比+0.7%程度の緩やかな上昇。高層主体の都心は横ばい〜小幅高、郊外は価格据え置きで販売促進が増えています。
  • 賃料・利回りの目安
    クアラルンプール中心部のプライム賃貸は安定推移。全体のグロス利回りは概ね5%前後、エリア・築年で振れます(プライムは3.5%前後の事例も)。短期賃貸(STR)は中心部で稼働40%・ADR約US$50の事例があります。
  • 実務感
    頭金の分割・家電バンドル・DIBS相当の販促は規制配慮の範囲で選択的に実施。MM2H新制度(3階層)に連動した外国人需要は州ごとの最低価格規定に強く影響されます(KLRM100万以上が目安、セランゴールはRM150万〜200万水準が一般的)。

オフィス

  • 空室・賃料
    純吸収の改善で空室率は2024年Q2の23.6%→2025年Q2は19.2%まで低下との推計(JLL)。TRX/KLCC等のAグレードへ需要集中、一方で全体空室は依然20%前後の高さという指標もあります(他社推計)。平均賃料は約RM7/psf/月が目安。
  • テナント動向
    ESG適合・駅直結・フレックス区画への指名が強く、フリーレントや内装支援込みの条件設計が広がっています。

リテール・商業

  • 稼働・供給
    H1 2025のモール稼働は小幅改善Ombak KLCC(Q4 2025予定)など都心プライムの限定的新規が控え、体験型テナント・F&Bの拡充で空室の漸減が続きます。
  • 賃料の目安
    クランバレー主要モールの区画別レンジは階層で差が大きく、総じて横ばい〜微増。テナント側は歩合賃料(%レント)+内装補助を引き出せる余地があります。

ホテル・観光

  • 需給とKPI
    2025年は訪日…ではなく訪馬の回復が加速1–8月の訪馬は前年比+14.5%と拡大、KLホテルはアップスケール〜ラグジュアリーの計画供給が優勢。春〜初夏の月次では稼働率・ADRが対前月改善の局面も確認されます。
  • 実務感
    MICEと近距離レジャーが牽引。平日稼働の底上げは航空便・イベントカレンダー依存で、ADRはイベント連動でボラティリティが高いです。

物流・工業

  • 需給と賃料
    E&E・3PL・ECの拡張でモダン倉庫の逼迫が続き、クランバレー空室率は約4%との民間推計。賃料はRM1.8〜3.8/psf/月が目安で、港湾アクセス(ポートクラン)・高速IC至近の希少性が上がっています。
  • コスト指標
    工業用地価格・賃料の参考レンジ(州別)はMIDAの公開水準がベンチマーク。ペナン本島:RM1.5〜3.5/psf/月等。

REIT・資本市場

  • 利回りとスプレッド
    10年MGS低下×利回りスプレッド拡大REITの相対妙味が意識され、セクターの割安感を指摘する地場リサーチが増えています。直近では工業系REITの増配・NPI増が目立ち、地方商業特化REITの取得拡大も続きます。

制度・規制トピック(外国人取得・長期滞在)

  • 州ごとの最低価格規定
    外国人の住宅取得は州別の最低価格に従い、KL:RM100万以上が原則。ペナン島:コンドRM100万以上、土地付はRM300万以上等、州差が大きいため事前確認が必須です。
  • MM2H/長期滞在
    2024年に3階層(Silver/Gold/Platinum)へ再編州の最低価格>MM2Hの要件の場合は州ルールが優先PVIP(20年)など他スキームも併存します。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    MHPIは緩やかに上昇、一方で高層の完成在庫が都市部で重石。中心〜準中心の実需帯は堅調で、OPR低下×SBR連動の環境を活かし可変金利での早期繰上げ余地を確保。MM2H×州最低価格の整合を前提にRM100万超の在庫消化物件は交渉余地があります。
  • オフィス
    Aグレード(TRX/KLCC)の選別買い空室19〜27%台の幅があるため、フリーレント・内装支援・段階賃料長期確保+ESG適合の付加価値を重視。
  • リテール
    新規大型は限定テナントミックスの再編で稼働改善。%レント+内装補助の組合せで出店意欲を喚起、体験型・F&Bの導入で滞在時間↑を狙います。
  • ホテル
    訪馬増(1–8月+14.5%)の追い風。イベント・路線計画に連動したADRマネジメントが収益鍵。アップスケール〜ラグジュアリー偏重の将来供給立地・差別化が成否を分けます。
  • 物流・工業
    空室約4%・賃料RM1.8〜3.8/psf/月汎用レイアウト・高天井(≥10.5m)・大型ドックを標準仕様に、指数連動条項電力冗長性の確保が賃貸実務のKPIです。
  • REIT
    金利低下局面のスプレッド拡大守備的インカムとして妙味。工業・物流偏重ポートディフェンシブ商業用途分散が有効です。

リスク・留意点

  • 供給偏在都心高層の完成在庫が引き続き重石。価格は横ばい〜限定的上昇にとどまる可能性。
  • 金利・為替:OPRは2.75%で当面据え置き観測も、外部ショック次第で金利・リンギットの変動に注意。
  • 政策・州規制州ごとの最低価格や外資規制の変更リスク。契約前のレター・オブ・コンプライアンス確認は必須。
  • 建設コスト・工期:人手・資材の逼迫は緩和も大型PJは工期遅延リスクが残存。LD条項・保証の精査が必要です。(市況総合)

まとめ

2025年のマレーシア不動産は、OPR2.75%への利下げ後も低インフレの追い風の下、住宅は「選別的な上昇」×「都心高層の在庫整理」オフィスはAグレード回帰で空室改善リテールは体験型テナントで稼働漸進ホテルは訪馬増で回復継続物流・工業は空室タイト・賃料堅調という構図です。MM2Hの再編×州最低価格が外国人需要の前提となるため、取得価格帯の適合性賃貸・出口の現実性(REIT/売却)を織り込み、ESG・交通結節・フレックス対応の物件を優先して検討するのが有効です。


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ベトナム不動産

ベトナム不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと成長
    2025年9月のCPIは前年比+3.38%、1–9月平均も+3.27%とインフレは管理レンジ内に収まっています。Q3の実質GDPは+8.2%台と高成長で、年後半も内需と輸出回復がけん引しています。
  • 政策金利と通貨運営
    中央銀行(SBV)のリファイナンスレートは4.50%、ディスカウント3.00%で据え置き。為替・流動性の安定を重視した運営が続きます。
  • 住宅ローン金利の実務感
    市場金利は低下基調を保ちつつも商品差が大きく、大手行の新規貸出平均は6%台前半、外資・民間の固定キャンペーンは9〜12%台のテーブルが見られます。LTV70%目安固定後は変動へ移行が一般的です。

住宅(分譲・賃貸)

  • 需給と価格
    ホーチミン市の分譲は供給不足で価格上昇継続。2025年1–9月の取引では3億VND未満の価格帯は9%にとどまり、周辺省(ビンズオン等)に需要がシフトしています。2028年までに約6万戸の新規供給見通しも、短期はタイトです。
  • ハノイの動向
    戸建て(ランデッド)一次価格の平均は約10,178USD/㎡(Q3)前年同月比▲15%郊外・衛星都市の競争的価格が押し下げ要因です。
  • 賃貸の水準感
    都市中⼼のコンド賃料は概ね横ばい〜小幅高。短期賃貸は稼働4割前後、ADR約50USDの事例も確認されています(立地・品質で大きく変動)。
  • 政策対応
    首相は住宅不足・価格高騰への対応として供給加速・金利の適正化を指示。社会住宅の前倒しも強調されています。

オフィス

  • ホーチミン市
    Aグレード指向が強く、TRX/KLCC…ではなくHCMC中心部でA/Bの二極化。2025年に10万㎡超の新規供給が見込まれる一方、ネット吸収はプラスで、Bは賃料横ばいの局面です。
  • ハノイ
    Aグレードの稼働は7割後半へ改善(Q2→Q3で+約2pt)。IT・テレコムの拡張とフレックス区画の採用が追い風です。
  • 市場横断トピック
    グリーン認証・アメニティ・共用部品質の差が成約スピードを左右。Aグレードの稼働90%超(HCMC)/85%超(ハノイ)との民間指標も見られます。

リテール・商業

  • ハノイ
    Q3は賃料上昇・稼働率改善と堅調。パイプラインは拡大基調ですが、F&B・体験型テナントの入替で回遊性↑・空室↓が継続しています。
  • ホーチミン市
    Q2賃料は53.36USD/㎡/月前期比▲0.2%・前年比▲3.3%。都心プライムは底堅い一方、周辺の入替局面が続きます。

ホテル・観光

  • 需要回復
    1–9月の訪越は1,523千人(9月単月)で前年同月比+19.5%年初来も2桁増で、RevPARは前年比+17%とコロナ後で最良局面にあります。HCMCは年内に約269鍵の新規供給が予定され、稼働↑・ADRは緩やかに上昇の見込みです。
  • 短期的リスク
    中部の豪雨・洪水による一時的な需要鈍化が発生。観光地の復旧進展で回復途上です。

物流・工業

  • 産業用地(北部)
    Q3の募集賃料は平均133USD/㎡/リース期間四半期▲2%(低賃料省の組入れ影響)。稼働率は約75%高付加価値(電子部品等)の引合いが継続しています。
  • 倉庫(南部)
    RBW(賃貸用標準倉庫)の稼働は高水準HCMC45%/ドンナイ32%が在庫の大宗を占め、ピークシーズンに向け需要増が続きます。
  • 価格レンジの目安(民間リサーチ)
    北部:165USD/㎡/期、南部:208USD/㎡/期(YoY+2〜5%)との推計あり。関税・サプライチェーンの外部要因で成約の時間差が生じやすい局面です。

資本市場・ファイナンス

  • ボンド・与信環境
    企業債(私募)の条件変更・満期延長等を認めるDecree 08(2023)の枠組みは継続。2025年10月には過去の債券売出に関する調査報告が示され、開示・統制の厳格化が進展しています。
  • 金利低下の波及
    新規貸出平均6.23%への低下で信用アクセスは改善、住宅・実需セグメントの下支えとなっています。

制度・規制トピック

  • 新法施行(2025/1/1〜)
    土地法(2024)/住宅法(2023)/不動産取引法(2023)2025年1月1日施行取引透明性・デポジット上限・書類整備の強化、在外ベトナム人の土地利用権拡大などが柱です。
  • 外国人取得枠(ガイドライン案含む)
    コンドは棟当たり30%上限、区画戸建ては各坊(Ward)で最大250戸所有期間50年(延長可)が基本。複数ブロック共有基壇の30%上限適用案も示されています。
  • 投資審査の強化提案
    重要インフラ・工業団地等への投資で公安省による事前審査拡大案が検討中。タイムライン・コストの上振れに留意が必要です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    HCMC:供給タイト→一次価格上昇・郊外シフトハノイ:競争的価格の新供給で選別デベロッパーの引渡実績・施工品質金利(固定→変動)・繰上条件の精査でネット利回りを確保してください。
  • オフィス
    Aグレード偏重×ESG適合が鮮明。フレックス区画併設共用部品質が賃料プレミアムを支えるため、長期賃(ステップアップ+内装支援+フリーレント)の組成が有効です。
  • リテール
    ハノイは賃料↑・稼働↑HCMCは横ばい〜やや軟化%レント+内装補助を交渉軸に体験型・F&Bで回遊性を高め、ゾーニング更新で集客を底上げします。
  • ホテル
    訪越+RevPAR↑都市型・リゾートとも改善新規供給は限定的で、イベント・航空路線に連動したADR最適化が鍵。水害・気象のBCPも契約に織り込むと良いです。
  • 物流・工業
    北部:サプライチェーン高度化/南部:消費地・港湾近接二極拠点最適化が有利。高天井・大型ドック・汎用レイアウトを標準仕様に、指数連動賃料・電力冗長性・港空港距離をKPIに据えた長期賃貸が有効です。

リスク・留意点

  • 価格過熱と供給不足の同時進行:HCMCの一次価格上昇低供給アフォーダビリティ悪化。政策対応のタイムラグに注意。
  • 制度移行期の実務不確実性:新法施行に伴う細則・ガイダンスの運用確立に時間。外資上限・適格PJリストは要逐次確認。
  • 信用・資本市場企業債の厳格化・不正調査の余波でデベロッパーの資金繰りに選別圧力。カウンターパーティ・コベナンツの精査が必須です。
  • 気象・災害:豪雨・洪水等の稼働・工期への影響保険・免責条項BCPの具備を確認。

まとめ

2025年のベトナム不動産は、ディスインフレ(CPI3%台)×金利据え置きのマクロ下で、住宅はHCMCの供給タイト→価格上昇/ハノイは郊外新供給で選別オフィスはAグレード回帰とフレックス対応リテールはハノイ先行で改善・HCMCは横ばいホテルは訪越増でRevPAR改善物流・工業は稼働高水準という構図です。2025/1/1施行の新法で取引透明性は高まり、外資上限(30%等)の再確認と契約保全(デポジット・エスクロー・指数条項)が実務の要となります。立地・仕様・運営力規制適合を軸に、金利感応度・資金調達・BCPまで織り込んだ選別投資をおすすめします。


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マクロ環境・金利

  • 政策金利・基準金利の低下
    中央銀行(CBUAE)は2025/10/30付でODF基準金利を4.15%→3.90%へ25bp引下げました。GCCは米利下げ連動が基本で、UAEもこれに追随しています。
  • 市場金利(EIBOR)と住宅ローンの実務感
    3M EIBORは10月時点で約3.8〜4.2%レンジ、11月上旬も3.7%台〜で推移し、変動型(EIBOR+スプレッド)の新規借入コスト低下が見込まれます。主要行の公表レートにも低下が波及しています。

住宅(分譲・賃貸)

  • 取引と需給
    2025年上期の総取引額はAED54bn(前年比+42%)、うち住宅販売はAED25bn(+38%)と拡大しました。現金決済比率が高く(8割超の示唆)、マスタープラン型の沿岸・アイランド(サディヤット、ヤス、アルハダイヤリヤット等)に資金が集中しています。
  • エリア別の動き
    準備済(完成)販売の約半分はアルリーム島/ヤス島/アルラハが牽引。一方で上期の高額案件はアルマリヤ、アルリーフ、アルラハなどで厚みが出ています。
  • 価格・賃料と在庫
    H1のアパート価格+14%、ヴィラ+11%前後、賃料+14%程度の上昇が確認され、供給は年内+1万戸程度の見込み総住宅ストック約30.45万戸(Q2)とされ、当面は完成在庫の薄さが価格・賃料を下支えします。
  • 制度面(賃料指標)
    2025年初に住宅賃料インデックスが導入され、賃貸水準の可視化・改定交渉の基準整備が進みました。ADRECのマーケットデータポータルで賃貸・売買のトレンドを常時確認できます。

オフィス

  • 賃料・稼働の上振れ
    Q3 2025のグレードA平均賃料:CBDでAED2,875/㎡、Outer CBDでAED1,825/㎡前年比+35%/+11%の上昇で、空室は歴史的低水準です。
  • 需要ドライバーと供給
    ADGMのアールレーム島への拡張や金融・プロフェッショナルサービスの拡大がハイグレード需要を牽引供給制約と高い入居率を背景に、フロア分割・フレックス区画併設の成約が増えています。
  • 水準感
    平均募集賃料は年率+28〜32%の上昇局面との私設調査もあり、ストック約390万㎡新規はMasdar City Square等の限定的な追加にとどまります。

リテール・商業

  • プライムモールの強さ
    大手のYas Mallは稼働97%、フットフォール+12%/売上+10%、ポートフォリオ全体でも稼働90%テナント売上連動(%レント)の伸長や共同事業化(Yas Mall×The Galleriaの統合プラットフォーム)が進展しています。
  • 空室の構造
    プライム空き区画の不足→貸主優位が続き、賃料は持続的に上昇。短期での大型供給が限られるため、内装支援・指数連動など条件競争よりも区画確保が優先されやすい環境です。

ホテル・観光

  • KPIの改善
    2025年8月はオキュパンシー79.3%(+4.4pt)、ADR AED482.3(+10.6%)、RevPAR AED382.3(+15.4%)と過去最高の8月。イベント需要(エティハド・アリーナ等)と国際線回復が寄与しました。
  • 年内の見立て
    UAE全体でもRevPAR/ADR2桁伸長のトレンドが続き、アブダビは都市型×リゾートの複線成長。一方、季節要因の振れに注意が必要です。

物流・工業

  • 賃料と稼働
    平均倉庫賃料はAED401/㎡/年(前年比+10.9%)KEZADのプライムでAED430/㎡高天井・大型ドック・ESG適合仕様への選好が強く、空室はタイトです。
  • プレイヤー動向
    大手の物流プラットフォーム稼働は98%まで上昇し、賃料の指数連動・長期化が一般化しています。

資本市場・デベロッパー動向

  • デベロッパー業績と投資
    最大手は9M 2025で純利益+30%/売上+50%と増勢を維持。小売・物流・教育等の収益不動産の組成(JV含む)と、賃貸住宅への投資拡大を表明しています。
  • グリーン不動産の組成
    Masdar Green REITの持分取得など、グリーン資産のプラットフォーム化が進展。グリーン・スーク型資金調達の活用余地が広がっています。

制度・規制トピック

  • 市場インフラ
    ADRECがH1 2025市場レポートを初公開取引54bn、住宅25bnの公式統計とともに、マーケットデータ/賃貸指数等の可視化ツールを整備しています。
  • 金融環境の追い風
    基準金利3.90%への引下げでモーゲージ負担軽減EIBOR連動の可変金利中心のUAEでは、借換え・固定特約の条件見直しが進みやすい局面です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    完成在庫薄×インフラ投資進展一次価格・賃料は選別的に堅調サディヤット/ヤス/アルラハ/アルリームビーチフロント・ウォーターフロント流動性と出口価格で優位です。賃貸指数→賃料改定/%レント併用を前提に、EIBOR低下局面の借換え余地も検討ください。
  • オフィス
    Aグレード偏重・分割区画・フレックス併設成約速度↑ADGM/アルマリヤ~アルレームプレミアム賃料ステップアップ+内装支援+フリーレント総合条件設計で早期確保を。
  • リテール
    プライムは満床近く(Yas Mall97%)テナント売上に連動体験型/F&B軸で回遊性を高める改装投資はテナント売上→%レントの逓増を見込みやすいです。
  • 物流・工業
    KEZAD等のプライムで指数連動・長期化が主流。電力冗長性/ヤード深さ/港湾距離をKPIとし、拡張オプション付きの賃貸契約が有効です。

リスク・留意点

  • 供給の偏在と価格過熱:プレミアム立地への需要集中→賃料・価格の二極化完成在庫薄の間は調整弾力が低く、プロジェクト遅延・引渡しタイムラグに注意。
  • 金利・為替EIBORの下げ止まり/外部要因で資金コストが再上昇するリスク。固定特約の期間・解約手数料を事前精査。
  • テナント・運営:オフィス/リテールはESG・アメニティ対応賃料プレミアムの維持が前提。CAPEX(内装・省エネ)負担を見込んだネット利回り設計が必要です。

まとめ

2025年のアブダビ不動産は、基準金利3.90%への引下げ×需要の質的高度化を追い風に、住宅は完成在庫タイト→価格・賃料とも上昇基調オフィスはAグレード賃料の高伸長(CBDでAED2,875/㎡)リテールはプライム満床・売上連動で増収ホテルはKPIが過去最高の夏季実績物流はKEZAD中心に賃料上昇という構図です。ADRECのデータ可視化・賃料指数で運営の透明性が増し、指数連動・ステップアップ・%レント・内装支援を織り込んだ契約設計と、EIBOR低下局面の資金最適化が収益最大化の鍵になります。

アブダビ不動産関連情報

アブダビ不動産基本情報

アブダビ不動産物件最新

インドネシア不動産

インドネシア不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年10月の消費者物価上昇率は前年比+2.86%と目標レンジ内で安定しています。中央銀行(BI)は7日物リバースレポ金利を4.75%で据え置き、2024年9月以降の累計利下げ(▲150bp)の効果浸透を優先する局面です。為替安定と貸出金利の低下伝達(パススルー)を促すスタンスで、追加緩和の余地は残しつつ様子見です。
  • 住宅ローン金利の実務感
    大手行の基準貸出金利(KPRの目安)8.0〜12.5%程度が並び、実行当初は固定2〜5年のキャンペーン金利(2.6〜6%台)→以降段階的にリプライスという組成が一般的です。0%頭金(LTV100%)の優遇は2025年末まで継続し、一次取得層の購入を後押ししています。
  • 購入促進の税制
    政府は物件価格5億IDR(約3,000万円)までを対象付加価値税(VAT)軽減を2027年末まで延長。購買力の下支えと在庫消化の加速が期待されます。

住宅(分譲・賃貸)

  • 新規供給と価格
    ジャカルタの分譲アパートは価格横ばい〜小幅高。2025年Q1の平均は約3,577万IDR/㎡(+0.3%YoY)と高止まり、Q3もサブマーケット間で強弱が分かれる中で穏やかな上昇が続きます。年内は5件・1,500戸超の新規完成が見込まれ、2026–27年も中上位価格帯が約2/3を占めるパイプラインです。
  • ストックと消化
    総供給は約40万戸(Greater Jakarta)へ拡大、テイクアップは高水準(中央値で後退せず)。ただし郊外中価格帯の競合増西ジャカルタの一部が価格調整北ジャカルタやCBDは上位案件が平均価格を押し上げる構図です。
  • 賃貸(サービスアパート含む)
    サービスアパート新規236戸(2025年Q3)の供給で稼働の鈍化も、通年では安定見通し。一般賃貸と価格競争や設備アップグレードで需要取り込みを強化しています。都心の賃貸アパート稼働は61.6%と、供給増の影響で他サブセクターより低めです。

オフィス

  • 空室・賃料
    CBD空室率は76.3%(Q3 2025)と、新規供給停止を背景に緩やかに改善ネットテイクアップはプラスを維持し、完成済み・内装済み区画への移転需要(フライト・トゥ・クオリティ)が続きます。賃料はIDR建て横ばい、USD建てはルピア安で小幅下落です。年間では吸収17万㎡前後を見込むレンジ感です。

リテール・商業

  • モール稼働と供給
    ジャカルタの平均稼働は77.3%(Q3 2025)やや軟化(QoQ▲0.7pt)。2025年末〜26年初にかけて約8.8万㎡の新規が加わる予定で、体験型・F&B・コミュニティ型の導入が鍵です。

ホテル・観光

  • 稼働とADR
    2025年はカレンダー要因で月次に振れがあるものの、ADR主導でRevPARが改善。国内観光の戻りと国際線の増便でジャカルタ・バリとも二桁%のADR伸長局面が観測されています。全国統計では2025年2月のR.O.R.47%など季節要因の弱含みも見られ、中位級都市の回復は選別的です。

物流・工業

  • 倉庫・工業団地
    Greater Jakartaの賃貸倉庫稼働は83.4%(Q3 2025)へ上昇。3PL・自動車関連が牽引し、ブカシ/カラワン軸で需要が強い状況です。土地価格は小幅上昇、賃料は横ばいで、高天井・大型ドック・EV関連適合への要望が増えています。

制度・規制トピック

  • 外国人取得枠(実務ポイント)
    外国人の住宅取得は「ハク・パカイ(Hak Pakai)」や共同住宅の区分所有(SHMSRS/ストラタ)を通じて可能で、地域別の最低価格基準在留許可(KITAS/KITAP)等の条件があります。最低価格は地域差があり、ジャカルタ目安:3億IDR〜バリ:2〜2.5億IDR等のガイダンスが周知されています(実務では物件種別・立地で変動)。権利期間は最長80年相当(30年+20年+30年延長)の枠組みです。
  • 需要下支えのマクロプルーデンス/税
    0%頭金(LTV100%)緩和は2025年末までVAT軽減は2027年末まで延長。プロモ金利や手数料減免と合わせて月々負担の平準化が進んでいます。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    価格は選別的に堅調CBD・南/北ジャカルタの上位案件は仕様・共同施設の優位性で値持ち、西ジャカルタ中価格帯は供給競合で価格調整が入る場面があります。年内の新規1,500戸超により選択肢は拡大しますが、初期は低固定→数年後リプライスの金利設計と管理費・修繕積立の水準を織り込むべきです。
  • オフィス
    新規供給抑制×プラス吸収空室は漸減内装済み・即入居ニーズが強く、ESG・交通利便・BCPの評価が賃料プレミアムに反映されやすいです。IDR建て安定/USD建て軟化のミスマッチに留意し、長期固定・通貨条項で為替感応度を調整するのが有効です。
  • リテール
    稼働77%台で横ばい圏、新規8.8万㎡の立ち上がりはテナントミックス再編・体験型が鍵。出店側は歩合賃料や内装支援の引き出し余地、物件側はイベント運営・コミュニティ形成で来館頻度を高める余地があります。
  • 物流・工業
    ブカシ/カラワン汎用レイアウト・高床・大型ヤード仕様は稼働83%超の需給逼迫で安定。自動車・EV・3PLのクロスドックやコールド対応の引き合いが強く、電力容量・道路接続の確認が収益安定の前提です。
  • ホテル
    ADR先行のRevPAR回復が続く一方、イベントカレンダーや祝祭日配列で月次の振れが大きいです。国際線回復×MICEの取り込みが鍵で、中価格帯(3〜4★)の供給が先行します。

リスク・留意点

  • 供給競合リスク中価格帯の郊外サブマーケットで在庫圧力。割引販売・引渡しスケジュール調整の可能性。
  • 金利・為替:政策金利は据え置きでも実効KPRのリプライスルピア相場で実質負担が変動。長期固定/通貨ヘッジの有無でキャッシュフロー感度が大きく異なります。
  • テナントリスク(商業・オフィス)稼働77%台(リテール)/76%台(CBDオフィス)と回復途上。テナント選別が強まり、内装・共用部CAPEXの継続が前提です。
  • 政策変更税制優遇・LTV緩和の期限外国人取得の最低価格基準の見直しに留意(更新時期のチェックが必要)。

まとめ

2025年のインドネシア不動産は、「緩和の効果浸透×需給の選別」がテーマです。住宅は価格小幅高・供給増でも選別色が強まり、キャンペーン金利×0%頭金が実需を下支え。オフィスは新規供給の抑制空室の漸減即入居・高仕様へのフライト・トゥ・クオリティが継続。リテールは稼働横ばいながら新規8.8万㎡の出番、ホテルはADR先行の回復、物流は稼働83%超で安定成長です。VAT軽減延長など政策の追い風が効く一方、金利のリプライス/為替/サブマーケットの供給競合には引き続き注意が必要です。

インドネシア不動産関連情報

インドネシア不動産基本情報

インドネシア不動産基本情報

オーストラリア不動産

オーストラリア不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年10–12月期に向けた直近データでは、9月期CPIは前期比+1.3%、前年比+3.2%へ再加速し、トリム平均は前年比+3.0%です。電力料金の上昇が主因です。
    RBAは政策金利3.60%を維持(2025/11/4)。2025年は2月・5月・8月に各25bpの計3回利下げを実施済みです。
  • 住宅ローン金利の実務感
    銀行店頭の変動型は5%台半ば〜後半が目安で、1年固定は4%台後半の事例も見られます。

住宅(分譲・賃貸)

  • 価格と在庫
    10月の全国住宅価格指数は前月比+0.9%、前年比+6.6%。新規売り出し在庫は平年比▲21.1%と逼迫が続き、販売件数は前年比+4.6%です。
  • 賃貸市況(空室・賃料)
    全国賃貸空室率は1.2%(2025年10月)、首都圏で1.1%と歴史的低水準が続きます。移民・留学生の回帰と世帯分割で需給が逼迫しています。
  • 供給(着工・承認)
    2025年9月の建設承認は集合住宅系の落ち込みが続き、集合住宅承認は前年比▲36.2%。一方、戸建は前月比+1.0%と小幅増です。構造的な人手不足とコスト高で着工〜引渡しの遅延も散見されます。

オフィス

  • 空室と二極化
    2025年中もフライト・トゥ・クオリティが鮮明で、テナントはアメニティ・省エネ性能・立地を重視。シドニーCBD・メルボルンCBDのAグレードは成約が進む一方、旧式B/Cグレードはリーシングに時間を要しています。
  • 賃料と条件
    大規模テナントは長期固定賃料よりインセンティブ(内装支援・フリーレント)を引き出す傾向。共用部改装・床分割・ESG投資によるリポジショニングが前提になっています。

リテール・商業

  • フットフォールと賃料
    生活必需と体験型テナント(F&B、エンタメ、ヘルス&ビューティー)が牽引し、プライム立地は賃料横ばい〜小幅高。郊外・二等立地は歩合賃料・内装支援で出店を促進するケースが増えています。

ホテル・観光

  • 稼働・ADR
    観光需要の回復で主要都市は稼働・ADRとも高水準。例:シドニーは2025年8月、稼働84.4%・ADR A$285.71・RevPAR A$241.18とコロナ後高水準を更新しました。
    2025年8月の短期訪問者数は前年比+14.3%と堅調で、国際線回復がホテル需要を下支えしています。

物流・工業(インダストリアル)

  • 需給と賃料
    EC・3PL需要と在庫適正化の高度化主要都市圏の空室率は記録的低水準。新規供給は建設コスト上昇と用地取得難で抑制され、プライム倉庫の実質賃料は強含みです。

REIT・資本市場

  • パフォーマンスと集中度
    A-REITは金利感応度が高い一方、2025年は利下げと期待で年央以降持ち直し。ただし指数は構成が上位銘柄(特にGoodman)に高度集中しており、個別物件の用途分散・ESG対応が評価の分かれ目です。
  • 利回り感
    セクター配当利回りはミッド〜ハイ4%台相当の水準感(ETFベースの目安)。金利低下局面では相対妙味が意識されやすい反面、長期金利の反発時は価格変動が大きくなります。

制度・規制トピック

  • 外国人投資と空き家規制
    住宅分野で外国人投資の手数料・空き家関連手数料の増額・罰則強化が進み、投機的取得の抑制を狙います(2024–25年度の運用強化)。
  • 州税(例:ビクトリア州)
    海外不在者課税(AOSL)の税率引上げなど、外国人・不在者の保有コストは上昇傾向です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    在庫逼迫×利下げでプライム立地の戸建・タウンハウスは強含み、集合系の一部は引渡し遅延・コスト転嫁難に留意が必要です。空室1%台の都市部では賃貸投資の稼働は良好ですが、建設承認の落ち込みが将来の供給制約となり、家賃の粘着性に繋がりやすいです。
  • オフィス
    質への回帰が続き、Aグレードの中心部はリーシングが前進。旧式ビルはフロア分割・設備更新・共用部改装が前提で、グリーン認証の有無が賃料プレミアムの鍵です。
  • リテール
    体験型・サービス業態の導入でプライムの賃料は底堅く、周辺立地は%レントや装備支援で需給調整。観光回復が都市型モールの売上を押し上げています。
  • ホテル
    国際来訪の増勢で稼働・ADRの高止まりが基本線。イベント期はピークリスク(価格弾力性低下)に留意しつつ、中長期では供給抑制がRevPARを下支えします。
  • 物流・工業
    港湾・幹線・人口集積地へのアクセシビリティが最重要。高天井・大型ドック・ESG対応(ソーラー・省エネ)で共益費含む総占有コストの最適化が賃料上昇下でも入居継続の鍵です。
  • REIT
    利下げ局面でのディフェンシブ配当データセンター・物流等への用途分散が評価材料。指数の集中リスクを踏まえ、個別のWALE・LTV・開発パイプラインの質で選別が妥当です。

リスク・留意点

  • 金利・長期債利回り:物価再加速局面では長期金利の反発がREIT・住宅ローン・キャップレートに逆風。
  • 供給遅延・コスト:建設承認の鈍化と建設インフレで引渡し遅延・開発IRR圧迫のリスク。
  • 規制強化外国人・不在者に対する課徴・手数料強化でキャリーコスト上昇。保有戦略の見直しが必要です。

まとめ

2025年のオーストラリア不動産は、利下げの追い風在庫逼迫を背景に住宅が選別的に堅調、賃貸は空室1%台でタイトです。オフィスはAグレード偏重の二極化、リテールは体験型・観光回復でプライムが底堅く、ホテルは稼働・ADRの高止まりが続きます。物流は低空室×供給抑制で賃料強含み、A-REITは金利低下の相対妙味が台頭。ただし、インフレ再加速・長期金利反発・建設ボトルネック・規制強化がクロスセクターの主要リスクです。

オーストラリア不動産関連情報

オーストラリア不動産基本情報

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バングラデシュ不動産

バングラデシュ不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    直近(2025年9月)の一般インフレ率は前年比8.36%へ小幅上昇です。中央銀行は2025年7月に政策金利(レポ)を8.00%へ50bp引き下げ、金利低下と為替安定の両立を図っています。
  • 住宅ローン金利の実務感
    民間銀行の店頭目安は年13.5〜16%(住宅向け)で推移し、審査は返済能力と源泉確認を重視する傾向が強いです。市場指標としてのSMART連動金利は残るものの、実務では固定に近いプライシングが多いです。
  • 住宅金融の裾野
    住宅ローン残高/GDPは約2%弱と依然薄く、家計の自己資金依存が高い構造です。

住宅(分譲・賃貸)

  • 価格レンジと足元の動き
    ダッカの分譲価格はBDT3,500〜16,000/平方フィート(立地・仕様で大きく差)で、プレミア立地(Gulshan等)は上限帯での成約が続きます。2BR基準の掲示価格は、ダッカで約USD36千、チッタゴンで約USD38千の水準感です。
  • 需要ドライバーと在庫感
    在宅からの回帰・都市インフラ(メトロ、エレベーテッド・エクスプレスウェイ)整備・NRB(海外在住バングラデシュ人)資金が下支え。一次取得の実需は郊外新興エリアへ、上位層は都心の再開発・小規模高付加価値案件へ二極化しています。
  • コストと税制の影響
    建設資材高(鉄鋼中心)でコスト・IRR圧迫が続き、2025/26年度予算案では購入関連税・住宅会社サービスのVAT引上げ等が提示され、分譲価格の上振れ圧力が意識されています。足元では資材価格上昇の勢いはやや鈍化も、コスト高止まりの局面です。

オフィス

  • 需給とテナント動向
    ダッカのオフィスは製造・金融・テック支援機能のハブ需要が底堅い一方、国際規格のAグレード供給の希少性が賃料下支え要因です。テナントはBCP・発電設備・省エネ性能を重視し、内装支援・フリーレント等のインセンティブを引き出す交渉が一般化しています。

リテール・商業

  • 大型モールとテナントミックス
    ジャムナ・フューチャー・パーク等の超大型モールは広域集客を継続。体験・F&B・ローカルブランド構成が中心で、外資SPAの新規出店は限定的です。郊外・二等立地は歩合賃料・内装支援で出店促進するケースがみられます。

ホテル・観光

  • 回復途上の需要
    国際渡航の正常化で宿泊需要は回復基調。都市部は企業出張・医療・教育関連の平日需要が戻り、週末は地域内旅行で底堅い展開です。ADRは緩やかな上昇、RevPARは前年比プラスの見通しが優勢です。

物流・工業

  • SEZ×倉庫需要の拡大
    政府の100経済特区構想(BEZA)とバンガバンドゥ・シェイク・ムジブ工業都市(BSMSN)の整備が進展し、製造・EC向けの高天井空調倉庫への引き合いが増加しています。ドックハイ・消防基準・電力安定を満たす賃貸倉庫の不足が賃料強含み要因です。

REIT・資本市場

  • 制度整備の前進
    REITルール(2024)が施行され、配当性向や投資配分等の枠組みが明確化。スポンサー資産の外部化や賃貸型ポートフォリオ組成の道筋が整い、住宅・物流・商業での適用が検討対象となっています(実運用は立ち上がり段階)。

制度・規制トピック

  • 税・費用負担の増大
    FY26予算案購入税・サービスVAT・建材輸入関税の引上げが示され、取得・保有コストの上振れが想定されます。
  • マクロ安定化と外部支援
    政策金利引下げと並行してIMF支援の継続が決まり、為替・物価の安定化に向けた改革が進行中です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    金利低下×在来需要一次取得〜中価格帯が選別的に堅調。コスト・税負担の増で価格転嫁圧力が続くため、建設進捗・支払条件(分割/頭金)・引渡し時の精算条項を重視するとよいです。郊外の交通結節点(メトロ沿線・幹線接道)での中間面積帯は流動性が確保しやすいです。
  • オフィス
    自家発電・省エネ・BCP対応のAグレードへ需要集中。内装支援・フリーレントは出やすく、実効賃料で評価すべき局面です。テナントの電力安定・通信冗長化への投資が入居判断のカギです。
  • リテール
    体験型・F&Bの比重拡大でプライムは稼働安定。%レントや内装支援の交渉余地があり、イベント来客×EC連動で売上の季節変動対応が可能です。
  • ホテル
    企業出張・近距離レジャーの回復で稼働・ADRは緩やかに改善。イベント期のピーク料金平日の底上げを見込む運営計画が有効です。
  • 物流・工業
    SEZ×港湾/空港アクセスの近接性、電力・消防のコンプライアンス、ドック仕様を重視。BSMSN周辺・ダッカ〜チッタゴン回廊の汎用レイアウト倉庫は賃貸化・転用余地が高く、中期の安定収益に向きます。
  • REIT
    ルール整備済み×実運用初期のため、スポンサーのアセット注入能力・WALE・LTV上限・配当方針の開示を重視し、物流・賃貸住宅など安定CF資産の組成を優先検討が妥当です。

リスク・留意点

  • 物価・金利・為替:インフレの鈍化が遅い場合、実質金利の高止まり為替ボラが需給を冷やす可能性。
  • 税負担・コスト購入税・VAT・関税の引上げと建材高止まりにより、価格転嫁・販売速度に下押し圧力。
  • 施工・引渡し遅延:資材・人員の逼迫や資金繰り悪化で引渡しの遅延リスク。契約の遅延・補償条項の精査が必要です。

まとめ

2025年のバングラデシュ不動産は、政策金利の引下げ人口・都市化・インフラ整備を背景に、住宅の選別的な堅調さ物流・工業の拡張が目立ちます。一方で高インフレの粘着性購入税・VAT・関税の増建設コスト高止まりが収益を圧迫する局面です。投資は立地×インフラ接続×仕様(電力・省エネ・安全)の質で選別し、実効賃料/総保有コストでの評価と、引渡し・遅延条項の厳格管理が肝要です。

バングラデシュ不動産関連情報

バングラデシュ不不動産基本情報

バングラデシュ不動産物件最新

ニュージーランド不動産

ニュージーランド不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    2025年Q3の消費者物価上昇率は前年比3.0%まで低下しました。中央銀行(RBNZ)は10月に政策金利を2.50%へ引き下げ、景気の「ソフトランディング」と住宅ローン負担軽減を優先するスタンスです。
  • 住宅ローン金利の実務感
    銀行の1年固定スペシャルは4%台半ば2年固定は5%前後まで低下、変動は5%台後半が目安です。直近約1年で約20%の金利低下となり、借入余力が改善しています。
  • 税制・規制の変更(投資家影響大)
    2025年4月1日以降、住宅投資ローン利息の100%損金算入が再度可能に(24/25年度は80%)。またブライトライン課税期間は24年7月1日以降の売却で「2年」に短縮され、短期転売を除けば売却益課税リスクが大きく後退しました。

住宅(分譲・賃貸)

  • 売買:底入れ後の持ち直し
    金利低下と税制追い風で取引活発化。全国価格は年央から小幅上昇へ回帰、地方圏の回復が主要都市より早いとの調査感触です。2025年通年の価格上昇率は+3〜4%見込みとのコンセンサスが多く、26年以降は伸び加速が見込まれます。
  • 供給と建設
    住宅着工(同義で使われる「新築同意・ビルディングコンセント」)は年央以降に持ち直し。建設コスト高の一服と金利低下でタウンハウス系の再始動が目立ちます(大型集合は選別的)。
  • 賃貸:供給増で軟化
    募集在庫の増加(新規掲載+6%台)を背景に、全国の募集家賃中央値は$620/週で前年同月比-1〜2%と足元は軟化。都市部(オークランド・ウェリントン)は前年比マイナスの指標も出ており、賃貸人主導→借り手優位へバランスが変化しています。

オフィス

  • 空室率:二極化が鮮明
    2025年上期、オークランドCBD空室は18.8%(6月時点)まで上昇。一方でプライム(Aグレード)志向は強く、条件調整を通じて成約は進展しています。ウェリントンは耐震・BCP要件がテナント選別の主軸で、既存B級は床分割・共用部改装でのリポジショニングが前提です。
  • 賃料・利回り
    CBDプライムの名目フェイス賃料は底堅い一方、インセンティブ拡大で実効賃料は横ばい〜微調整。取引利回りは6%後半〜と高止まりし、金利低下局面で価格反転の初期シグナルが出やすい地合いです。

リテール・商業

  • 都心ストリップ:空室は改善トレンド
    オークランド中心部のストリップ空室は約10%まで低下(24年末)。観光戻り・イベント回復でF&Bと体験型テナントが牽引。プライム区画は賃料横ばい〜微増、周辺二等立地は歩合賃料・内装支援でテナント誘致が一般化しています。

ホテル・観光

  • RevPAR・稼働:高位安定
    2025年8月時点で全国RevPARは前年比二桁増稼働も7割前後を維持。国際線座席の回復でオークランド・クイーンズタウンがけん引し、主要催事(MICE)で平日稼働の底上げが進みます。

物流・工業

  • 需要は底堅いが空室は“超低位からの上振れ”
    オークランド工業空室は2.2%(25年2月時点)へ上昇も、依然タイト。高天井・ヤード確保・港空港アクセスの優位性が鮮明で、年次インデックス連動を含む契約が一般化。建設コスト・土地価格の高止まりで初期利回りは圧縮気味、規模化と運営効率が収益鍵です。

REIT・資本市場(NZX上場不動産)

  • 分配の安定とディスカウント縮小
    政策金利低下に伴い不動産株の配当利回りの相対魅力が上昇物流・日常型リテール比率が高い銘柄は先行して評価改善、オフィス偏重はWALE・ESG投資・資産入替計画が鍵です。

制度・規制トピック

  • 税制の正常化
    前述のとおり、利息全額控除(25/4/1〜)ブライトライン2年(24/7/1〜売却分)が確定。損失のリングフェンシングは存続しつつも、キャッシュフローは改善しています。
  • 外国人取得ルール
    海外投資審査枠(Overseas Investment)の枠組みは大筋継続。居住用の直接取得は厳格な審査と制限が前提で、実務上はディベロッパー案件の特例枠や長期滞在ビザ経由の手当が中心です。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    金利低下×税制追い風プレセール・完成在庫の歩留まり改善。主要都市のBクラスは価格競争・改装前提、地方圏は需給タイトで上値余地一次取得層向けは固定1〜2年のミックスが主流です。
  • オフィス
    質への回帰が顕著。グリーン認証・BCP・アメニティの高いAグレードは相対堅調、二級物件は床分割・共用部改装・サービスオフィス併設等の再生策が不可欠です。
  • リテール
    都心ストリップは回復継続。出店側は歩合賃料やフィットアウト支援の引き出し余地、物件側はテナントミックスと回転率管理が収益ドライバーです。
  • ホテル
    高稼働の維持が基本線。国際線座席回復とイベント回帰ADRの上振れ余地。運営委託(マンコ)条件の精査稼働の季節変動吸収がテーマです。
  • 物流・工業
    首都圏(オークランド)周辺のプライム倉庫は依然タイト。ヤード・床耐荷重・梁下高など汎用レイアウトを重視し、賃料インデックス連動でインフレ耐性を確保します。
  • REIT
    配当利回りの相対優位スポンサーのアセット注入(パイプライン)能力を重視。物流・日常型リテールの用途分散を持つポートフォリオはサイクル耐性が高い傾向です。

リスク・留意点

  • オフィスの構造的空室:CBD二級物件の高空室インセンティブ膨張は長期化リスク。ESG・耐震投資の追加CAPEXが前提です。
  • 賃貸の弱含み供給増で家賃が横ばい〜下落借上げ想定やDSCRの見直しが必要です。
  • 建設コスト・納期:改善傾向も大型案件のコスト不確実性は残存。
  • 政策不確実性:今後のマイグレーション運用・住宅供給策の調整次第で需給に影響。

まとめ

2025年のニュージーランド不動産は、インフレ沈静化×政策金利引下げ×税制正常化の三拍子で回復基調に入っています。住宅は地方圏先行の持ち直し、賃貸は供給増で軟化。オフィスはAグレード志向が強まり、二級資産は再生投資が必須。物流はなおタイトで、ホテルは高稼働の維持。REITは利回り妙味用途分散が評価軸です。引き続き立地・仕様・運営力での選別が進む局面です。

ニュージーランド不動産関連情報

ニュージーランド不動産基本情報

ニュージーランド不動産物件最新

キプロス不動産

キプロス不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • 金融環境と住宅ローン金利
    欧州中銀の利下げ局面を受け、国内の新規住宅ローン金利は3.7〜4%台が一般的な目安です。2025年半ばの平均は**約3.8%**で推移し、可変・短期固定の借り換え需要が続いています。(ガーディアン)
  • 建設コストの落ち着き
    建材価格指数は前年比+0.5%(2025年1月)と伸びが鈍化。直近の建設見積りでも大幅な上振れは一服し、仕入先との価格交渉余地が広がっています。(oeb.org.cy)

制度・税務アップデート

  • 一次住宅の軽減VAT(5%)の適用枠
    2023年改正の枠組みが定着。一次住宅について130㎡まで5%、**上限価額€350,000(総取引€475,000、延床190㎡まで)の条件で、超過部分は19%**が適用されます。外国人でも条件を満たせば適用可です。(pwc.com.cy)
  • 永住権(Category 6(2))と不動産
    €300,000(+VAT)以上の新築住宅購入に加え、年収€50,000(配偶者+€15,000、子ども一人+€10,000)等の要件で永住権の迅速取得ルートが利用できます。市民権プログラムは2020年に停止済みです。(mip.gov.cy)
  • 外国人の取得枠(南キプロス)
    非EU居住者は**原則1件(+一定規模の土地)**の取得に行政許可が必要という運用が一般的です。(gov.cy)

住宅(分譲・賃貸)

  • 価格の基調
    2025年Q2は総合住宅価格+1.5%(前期比)。内訳はアパート+3.1%戸建-0.1%と、都市部のアパート主導で上昇が続きます。通年では緩やかな上昇トレンドです。(in-cyprus.philenews.com)
  • エリアと需給の色分け
    リマソールは外資・駐在員需要が厚く、**表面利回り約7%**の案件も散見。パフォスラルナカは実需とセカンドホームがけん引、ニコシアは自用実需が中心で値動きは相対的に落ち着いています。(Investropa)
  • 賃料と利回り
    RICS/KPMGの最新指標ではアパート利回り5.41%戸建2.97%ホリデーアパート5.75%。レジャー需要の強い沿岸部は短期賃貸の稼働が高水準です。(axiavaluers.com)
  • 実務感
    デベロッパーは分割・頭金軽減のプロモを継続。軽減VATの上限設計(130㎡・€350k/€475k)に合わせた面積・価格帯の企画が増えています。(George K. Konstantinou Law Firm)

オフィス

  • グレードA一極化
    ニコシア中心部空室率5〜8%とタイト。グレードAのESG・省エネ対応ビルへの入替需要が続き、賃料も堅調です。一方で周辺部・旧規格はリーシングに時間を要します。(danos-group.com)
  • 投資尺度
    直近利回りは5.6%前後(全国平均)。金融・ITバックオフィスの縮小移転→集中フロア効率を重視する引き合いが増加しています。(axiavaluers.com)

リテール・商業

  • プライムの底堅さと郊外の選別
    高街区の小売賃料は横ばい〜緩やかに持ち直し。一方、非中枢立地は歩合賃料・内装支援を組み合わせた条件調整で出店を促すケースが目立ちます。2025年Q2の価格動向は小売が最も弱含みとの観測もあり、テナントミックス再編が鍵です。(rics.org)

ホテル・観光

  • 過去最高の観光収入と高稼働
    2025年は観光収入・来訪者が過去最高圏。夏季は稼働80%超が続き、都市・リゾートともADRの上振れが確認されています。英国・イスラエル・ポーランド等の需要が寄与。(ekathimerini.com)
  • 水資源対応とCAPEX
    乾燥リスクに対し、政府はホテル向け小型淡水化設備の補助UAEからの移動式淡水化装置の受入を進め、ピーク需要期の給水安定化を図っています。屋上・共用部の節水改修は投資回収性が高いテーマです。(AP News)

物流・工業

  • 内需型の安定推移
    国土規模の制約から大型物流の新規供給は限定的。全国平均の倉庫利回りは4.24%。港湾アクセス(リマソール)・空港(ラルナカ)近接の中規模汎用倉庫に需要が集まります。(axiavaluers.com)

資本市場・投資指標

  • セクター別利回り(2025年Q2)
    アパート5.41%/戸建2.97%/オフィス5.61%/小売5.75%/倉庫4.24%/ホリデー物件5.75%オフィスとレジャー系が相対優位です。(axiavaluers.com)
  • 価格トレンドの総括
    RICS/KPMGは**「全セクターで小幅上昇、住宅が強め」**と評価。ラルナカが上昇率上位で、店舗は弱含みが続きます。(KPMG)

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    都市アパート偏重の上昇が続く一方、軽減VAT枠を超える大型・高額帯は成約の選別が進みます。€300k新築+永住権の組み合わせ長期滞在層に有効です。(in-cyprus.philenews.com)
  • オフィス
    ニコシアCBDのグレードAが優位。空室5〜8%のタイトさを背景に省エネ・ESG投資の回収確度が高いです。二級物件は床分割・共用部改修による再生が前提です。(danos-group.com)
  • リテール
    プライム区画の指名性は継続。郊外・二等立地は歩合賃料や内装補助での条件形成が現実的です。(rics.org)
  • ホテル
    高稼働・高ADRを背景に改装・客室最適化での収益改善余地。水資源CAPEX営業継続性の保険として評価されやすいです。(ekathimerini.com)
  • 物流
    港・空港至近の中規模倉庫に照準。汎用レイアウト電力安定を重視し、4%台半ばの利回りを確保する設計が目安です。(axiavaluers.com)

リスク・留意点

  • 需要モデレーション:2025年は上昇率の鈍化が散見。過度な価格前提は避け、売主側の価格調整余地を見込みます。(Investropa)
  • 金利再上昇・所得制約:ユーロ圏の住宅ローン負担の持続が個人消費を抑制する可能性。固定→再設定の段差に注意です。(Reuters)
  • 規制運用の変化外国人取得許可永住権審査は運用通知の改定があり得ます。一次住宅5%VATの面積・価格条件の充足確認を徹底してください。(gov.cy)

まとめ

2025年のキプロス不動産は、住宅=都市アパート主導の小幅上昇オフィス=CBDグレードA偏重で需給タイト小売=選別継続ホテル=観光記録更新で強含みという構図です。軽減VAT(5%)の新枠と**€300k新築×永住権は需要を下支え。建材コストの伸び鈍化で供給サイドの価格形成は安定化しつつあります。一方、金利・所得制約や規制運用**の変化には機動的な条件設計(価格、面積、賃料条件、CAPEX計画)で臨むことをおすすめします。(in-cyprus.philenews.com)


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トルコ不動産

トルコ不動産 最新動向

マクロ環境・金利

  • インフレと政策金利
    物価は足元で伸びが鈍化しつつも依然高水準です。2025年10月のCPIは前年比42.6%でした。中央銀行(CBRT)はディスインフレを見極めつつ政策金利39.5%で維持(10/24時点)しており、実質金利のプラス確保を優先しています。為替は年初来でリラの緩やかな減価基調が続き、輸入建材コストに上昇圧力が残ります。
  • 住宅ローン金利の実務感
    市中の住宅ローンは月利換算で2%台後半~3%台前半(年率30~45%相当)が中心で、銀行キャンペーンや公的支援の有無で大きく変動します。高金利と審査厳格化で実需は選別が強まっています。
  • 建設コスト
    建設費は前年比+60%前後の伸びが続いた時期を経て、足元でも高止まりです(資材・賃金の上昇と為替の影響)。プロジェクトの原価上振れ・工期延伸が収益計画の主要リスクです。

住宅(分譲・賃貸)

  • 売買・価格の足取り
    2025年9月の住宅販売は102,656戸と前年同月比で小幅な戻り。もっとも、外国人向け販売は低水準が続き、国内実需・投資家の比重が高まっています。中央銀行の住宅価格指数(2025年7月)前年比+32.8%(名目)と伸びていますが、実質では横ばい~小幅マイナス圏で、エリア・仕様で明暗が分かれます。
  • 在庫とテイクアップの二極化
    イスタンブール都心~準都心の新築・高仕様は販売が堅調な一方、郊外の大面積ユニットや築古は価格調整・販売期間の長期化が目立ちます。地震後の耐震志向とエネルギー性能(NZEB等)への関心が強まり、新耐震・省エネ適合が実需の必須条件になっています。
  • 賃貸市場とルール
    住宅賃料の25%上限2024年7月に失効し、現在は過去12か月CPI連動に回帰。2025年7月の改定上限目安は約43%とされ、オーナー・テナントとも指数連動の契約運用が一般化しています(紛争増加に備え、仲裁条項・更新条件の明記が実務上の肝)。
  • 地震復興・都市再生の波及
    2023年地震被災11県で2025年末までに45万戸超の供給目標が掲げられ、国主導の都市変革(Urban Transformation)が継続。首都圏でも旧耐震ストックの建替え・区画単位の再開発が前進し、再開発余地のある築古立地への投資妙味が意識されています。

オフィス

  • 需給と賃料
    イスタンブールのプライム賃料(CBD Aグレード)月額USD 46/㎡まで上昇。レベント/マスラク/シシリなど主要CBDは低空室を維持し、ESG対応・グリーン認証のフロアにテナント需要が集中しています。郊外や築古Bグレードはフロア分割・設備更新によるリポジショニングが前提です。
  • テナント動向
    ハイブリッド勤務を前提にハブ&スポーク型への再配置が進み、交通結節点・アメニティ充実・BCP性能を備えたオフィスの競争力が高いです。大型拠点の内装(CAT-B)一体提供サブスクリプション型オフィスの併設も増えています。

リテール・商業

  • 高街リテールの回復
    イスタンブールのハイストリート賃料(イステイクラルほか)月額USD 250/㎡。観光の再開と富裕層消費の底堅さで旗艦店・体験型テナントがけん引し、モールはテナントミックス再編・改装で稼働改善が続きます。
  • 観光トレンドの影響
    2025年7月の外国人来訪者数は前年同月比▲5%と一時減速も、価格上昇が需要を抑えた側面が指摘されています。2024年の観光収入は611億ドル(前年比+8.3%)で高水準を維持しており、繁忙期の短期賃貸・F&B売上は総じて堅調です。

物流・工業

  • 需要と利回り
    マルマラ圏(イスタンブール~コジャエリ~ブルサ)ではEC・3PLの拡張が続き、プライム物流利回りは約8.25%。港湾アクセス・幹線道路至近の高天井・大型ドック倉庫が選好され、電力安定・太陽光自家消費(屋根PV)対応が賃料プレミアムの条件になっています。
  • 供給とコスト
    用地確保難と建設コスト高で新規供給は抑制気味。テナント主導のFit-out費用分担・ステップ賃料年次インデックス連動が一般化し、スケールメリットと運営効率が収益性の鍵です。

REIT・資本市場

  • GYO(REIT)の動向
    BIST上場REITは四半期配当を継続しつつ、開発型(住宅・物流)やオフィスのESG改修を進めています。高金利下のディスカウントポートフォリオの用途分散が評価の分かれ目で、スポンサーのパイプライン注入力が中期リターンを左右します。

制度・規制トピック

  • 賃貸規制の最新
    住宅賃料25%上限の失効(2024/7)後はCPI連動へ完全回帰。毎月の改定率公表が実務の基準で、紛争抑止のため指数・原状回復・更新通知の条項整備が重要です。
  • 耐震・都市再生
    2019年耐震コード自体は維持しつつ、2025年1月の区画規制明確化など周辺ルールが整理。デューデリでは旧許認可図面の取得既存不適格の確認が必須です。被災地ではTOKİ主導での供給が継続し、用地取得・インフラ整備に伴う収用・権利調整への注意が必要です。
  • エネルギー・建築基準
    2025年以降の大型新築でNZEB義務化が段階導入。ビルの省エネ投資・再エネ化が資産価値維持の前提になっています。

投資家への示唆(セグメント別)

  • 住宅
    新耐震・省エネ適合の都心Aクラスは堅調、郊外・築古は価格調整が続きます。インフレ連動の賃料改定が可能なためキャッシュフローは守りやすい一方、建設コストと金利が取得後のバリューアップ余地を圧迫。再開発ポテンシャルのある築古立地小規模区画の合意形成スキームに妙味があります。
  • オフィス
    CBDのAグレード低空室×賃料上昇基調。取得はESG/BCP適合・床効率・共用部刷新余地を重視し、Bグレードは分割・設備更新・フレキシブル導入で再生する戦略が有効です。
  • リテール
    高街一等地は賃料がドル建てで上振れ、モールは体験型・F&B・サービスへの入替が前提。テナント側は歩合賃料・内装支援の交渉余地、オーナー側は回転率管理とイベント運営で売上の底上げが可能です。
  • 物流・工業
    マルマラ圏プライム空室が薄く賃料強含み屋根PV・高出力受電・高床/高天井を標準装備とし、8%台半ばのプライム利回りに対してキャップレートの再圧縮余地は限定的。運営効率(WMS/自動化)でNOIの積み増しを図ります。
  • REIT
    配当継続性×スポンサーのパイプラインを重視。住宅/物流/オフィス改修用途分散型REITはサイクル耐性が高く、開発関連の原価上振れ管理為替ヘッジ方針をチェックポイントとします。

リスク・留意点

  • 金利・為替:高金利長期化やリラ安進行で資金調達コスト上振れ建設コスト上昇のリスク。
  • 規制変更賃料改定・短期賃貸・都市再生に関するルールは頻繁に更新されるため、契約条項のアップデートローカル顧問の関与が不可欠です。
  • 地震・復興の不確実性:被災地のインフラ整備・収用の進捗による計画変更/遅延リスク。

まとめ

2025年のトルコ不動産は、高インフレ・高金利下での選別相場が続きます。住宅は新耐震・省エネ適合のAクラスが堅調、郊外・築古は価格調整と再生前提。オフィスはCBDプライムに需要集中、リテールは高街主導の回復、物流はマルマラ圏プライムの強含みが継続します。賃料はCPI連動で防御力がある一方、建設コストと調達金利がリターンを圧迫。都市再生・耐震アップグレードESG投資が中期の価値創出のコアテーマになります。

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