「海外不動産ってどうやって購入したらいいの?」
「海外不動産を購入する手順を教えてほしい。」
海外不動産を購入する経験をお持ちの方は少ないはずです。誰しも、1件目に海外不動産を購入しようとする際は、どうやって購入すれば良いのか?迷ってしまうかと思います。今回は、海外不動産購入の方法・手順・タイミング・注意点を丁寧に解説します。
そもそも、日本在住の日本人が海外不動産を購入することはできるの?
もちろん、できます。
日本の不動産と同じように、海外不動産を購入することが可能です。
ただし、国によって「外国人の不動産購入規制」があり、日本人が日本に住みながら(移住せずに)外国の不動産を購入するためには、「外国人の不動産購入規制がない」国である必要があります。
海外不動産購入の方法
海外不動産を購入する手順としては、まず大きく分けて
- 英語が話せる方(現地の方と英語でコミュニケーションが取れる方)
- 英語が不十分な方(現地の方と英語でコミュニケーションが取れない方)
で、対応が変わってきます。
海外不動産を購入する際に、登場するプレイヤーは
- 現地のディベロッパー:建物を建設する会社
- 現地の不動産会社:不動産を販売する会社
- 不動産エージェント:日本人スタッフが外国のディベロッパーや不動産会社と連絡を取り、海外不動産購入をサポートしてくれる会社
が存在します。
英語が話せる方(現地の方と英語でコミュニケーションが取れる方)であれば
- 直接、現地のディベロッパーから計画中物件(オフプラン)を購入することが可能
- 直接、現地の不動産会社から計画中物件(オフプラン)・新築物件・中古物件(レディプラン)を購入することが可能
です。
しかし、英語が不十分な方(現地の方と英語でコミュニケーションが取れない方)の場合は
- 日本人スタッフがいる不動産エージェントに依頼して、現地のディベロッパー・不動産会社と交渉する仲介役をやってもらうことで、計画中物件(オフプラン)・新築物件・中古物件(レディプラン)を購入することが可能
となります。
どの形でも購入はできますが、購入方法のメリットデメリットは以下になります。
現地のディベロッパーから購入するメリットデメリット
メリット
- 余計な手数料が発生しない
デメリット
- 英語が話せる必要がある
- 購入後のサポートが手薄
- 竣工後の運用(賃貸や民泊)は自分で手配する必要がある
- 計画中物件(オフプラン)しか購入できない
- 相談するディベロッパー以外のディベロッパーの物件を検討することができない
現地の不動産会社から購入するメリットデメリット
メリット
- 余計な手数料が発生しない
- 購入後のサポートも手厚い
- 竣工後の運用(賃貸や民泊)もお願いできる
- 計画中物件(オフプラン)・新築物件・中古物件(レディプラン)も購入が可能
- 複数のディベロッパーの物件を検討できる
デメリット
- 英語が話せる必要がある
- 不動産会社の信頼性を判断するのが難しい
不動産エージェントから購入するメリットデメリット
メリット
- 日本語で対応してもらえる
- 購入後のサポートも手厚い
- 竣工後の運用(賃貸や民泊)もお願いできる
- 計画中物件(オフプラン)・新築物件・中古物件(レディプラン)も購入が可能
- 複数のディベロッパーの物件を検討できる
デメリット
- サポート手数料が発生することが多い
- 企業規模が小さい、小規模企業や個人事業主であることが多く、倒産するとサポートが途絶える
英語が堪能で、外国の方とコミュニケーションを問題なく取れる方であれば、現地の不動産会社の外国人担当者と英語でコミュニケーションを取りながら、海外不動産を購入することが可能です。
一方で、英語が不十分であったり、専門用語まではカバーできないレベルの方は、無理をして英語で不動産を購入すると、物件の正確な情報がわからなかったり、現地の不動産ルールを理解しきれないことで、無駄なリスクを背負ってしまう可能性があります。
英語が不十分、英語に不安がある方は、サポート手数料がかかったとしても、日本語が話せるスタッフがいる不動産エージェントに海外不動産購入をサポートしてもらうと良いでしょう。
海外不動産購入の手順
国によって、若干順番が前後しますが、大きな手順は下記のようになります。
- 不動産エージェント・現地の不動産会社に相談する
- いくつか提案をもらった物件情報・収支シミュレーションを比較検討し、購入したい物件を決める
- 現地に行ける方は、実際に現地ツアーなどに参加して、内見させてもらう(オフプランの場合は、立地の確認)
- 予約金を支払って予約する
- 不動産売買契約を行う
- 頭金を支払う
- 支払いプランに沿って、支払いを行う
- 登記・引き渡し
- レディプランの場合は、支払い完了後に引き渡し
- レディプランの場合は、登記を行う
- オフプランの場合は、完成後に引き渡し
- オフプランの場合は、完成後に登記を行う
- 家具を購入して、搬入する
- リフォームが必要な場合(スケルトン渡しなど)は、リフォームをする
- 運用
- 賃貸運用の場合は、賃貸管理会社に依頼して、賃貸募集を行う
- 民泊運用の場合は、民泊運用代行会社に依頼して、民泊運用を行う
大きな手順は、日本国内での不動産購入と変わりません。
ただし、国によって、登記の方法が違う、契約と支払いの順番が違う、などの微妙な違いがあります。
海外不動産を購入するまでにどのくらいの期間が必要ですか?
検討期間は人それぞれですが
購入意思決定から売買契約までは、1カ月程度
です。
ディベロッパーによって、対応スピードはかなり異なりますが、購入の意思決定さえしてしまえば、後は、頭金の支払いと契約ですので、それほど時間はかかりません。
海外不動産を購入する前に、必ず内見する必要はありますか?
投資目的での海外不動産購入では、内見をしないで購入する投資家も少なくありません。その国に行ったことがないという方も多いぐらいです。
とくに内見はマストではなく、契約なども、郵送やオンラインで対応が可能です。
また、オフプラン(計画中物件)の場合は、まだ、建物が完成していないどころか、建設がはじまっていないことも多く、内見したくてもできないのです。見れるのは立地だけということになります。
個人的には、内見できなくても、その国や建設予定地を見ることをおすすめします。情報だけで判断するよりも、実際に現地に行ってみると、受ける印象は大きく異なるからです。実際に行きかう人々や観光客の多さ、飲食店の数、アクセスの良さなどは、行ってみてわかることも多いからです。
移住目的の海外不動産購入では、内見はマストと考えて良いでしょう。移住目的であれば、レディプラン(完成物件)が候補になります。すでに賃借人がいる場合を除ければ、内見も可能ですので、実際に物件を見てから購入することをおすすめします。
不動産会社・不動産エージェントに依頼すれば、現地ツアーや内見が可能です。
海外不動産購入で注意すべき点
1.信頼できる不動産会社を探す
これが非常に重要なポイントです。
- 英語が話せる方 → 信頼できる現地の不動産会社を探す
- 英語が話せない・不十分な方 → 信頼できる日本人スタッフがいる不動産エージェントを探す
ことになります。
しかし、現地の不動産会社であれば、評判なども測りかねるため、良し悪しが判断しにくいですし、日本人スタッフがいる不動産エージェントも小規模な企業が多いため、「ここにしておけばオーケー」という企業は多くありません。
良い不動産会社・不動産エージェントであれば
- 誠実な対応
- 安いサポート手数料
- 本当にお買い得な物件、優良物件を紹介してくれる
- 現実的な収支シミュレーションを提案してくれる
- 購入後のサポートも手厚い
- 完成後の賃貸運用や民泊運用もサポートしてくれる
というメリットがありますが
悪い不動産会社・不動産エージェントにあたってしまうと
- 連絡が取りにくい
- 高いサポート手数料
- 完成後は放置されてしまう
- 誰も見向きもしない粗悪物件を紹介する
- 購入後は放置されてしまう
- 完成後も賃貸運用や民泊運用はサポート対象外と言われてしまう
などのトラブルが発生することも少なくありません。
良い不動産会社・不動産エージェントを見極めるポイント
- 質問に対して、誠実・迅速に回答してくれる
- 実績が豊富
- 面談したときの印象が良い
- サポート手数料が相場に対して割高ではない
などがありますが、確実なものではありません。
「複数の不動産会社・不動産エージェントと面談したうえで決めること」が重要です。複数社の提案や対応を比較して、はじめて「どちらが良いのか?」という判断ができるようになるからです。また、うまくいかなかったときに他の不動産会社・不動産エージェントに頼れるというメリットもあるため、手間を惜しまず面談してみることをおすすめします。
2.実際に現地に行ってみる
前述したように
実際に現地に行ってみること
は重要です。
行ってみることではじめてわかること
- ランドマーク、空港、駅との位置関係・アクセス
- 周辺の雰囲気
- 周辺の飲食店や商業施設、観光拠点
- 人通り
- 周辺の分譲マンションの入居状況
- 緑地やプールなどの施設の有無
- 現地の人の暮らし
- 建設ラッシュが起きているかどうか?
上記だけではありませんが、行ってみないとわからないことは少なくないのです。
行ったうえでジャッジした方が投資の成功率が上がる可能性は高いのです。
3.手数料・コストを確認する
海外不動産購入で確実にチェックしておきたいのは、手数料やコストをすべて洗い出すことです。
海外不動産を購入するときに発生するコスト
- 仲介会社への仲介手数料
- サポート会社への手数料
- 賃貸に出す場合の賃貸管理業者への管理手数料
- 民泊に出す場合の民泊代行業者への代行手数料
- 火災保険料
- 建物の管理費・修繕費
- 登記費用
- 行政費用
- 登記に係わる専門家(弁護士など)への支払い報酬
- 購入にかかわる税金(不動産取得税)
- 固定資産税
- 収入にかかわる税金(所得税)
- 車庫代
- 会員費
- 売却時に支払う仲介手数料
- 購入にかかわる税金(不動産譲渡税)
- 為替手数料
- 海外送金手数料
ざっと挙げただけでも、これだけのコストが発生する可能性があるのです。
あなたの収支シミュレーションには、すべてのコストが網羅されていますでしょうか?
抜け漏れがあれば、そのシミュレーションは崩れてしまいます。
不動産会社・不動産エージェントにヒアリングして、すべてのコストを洗い出しましょう。
海外不動産購入のベストな購入タイミングは?
株式投資などと同じで、一番価格の安い時期に購入して、一番価格の高い時期に売却できれば、一番良いのですが、ピンポイントで狙えうことは現実的ではありません。
株式投資の格言に「タイ焼きの頭としっぽはくれてやれ」というものがあります。たい焼きは、頭と尻尾を除いた胴体の部分にあんこが詰まっています。おいしい部分をしっかりいただきながらも、欲張り過ぎずに、頭と尻尾は他の人に食べさせてあげろという意味です。
海外不動産投資では
- 一番、為替レートが良い時(円高の時)に買える
- 一番、その国の不動産価格が安い時に買える
のがベストですが、完ぺきなタイミングを待っていては、いつまでたっても、購入できないことになってしまいます。
あくまでも、
- 今よりも、近い将来(5年後、10年後)の値上がりが予想できる
- ご自身の購入できる資産状況である
のであれば、購入するタイミングと考えて良いでしょう。
まとめ
海外不動産の購入では
信頼できる不動産会社・不動産エージェントを探すこと
が最大のポイントと言えます。
ここさえクリアできていれば、優良物件を紹介してもらえる、手厚いサポートが期待できる、ので、安心して海外不動産を購入することができます。
逆に、ここを間違ってしまうと、粗悪物件をつかまされる、連絡がつかなくなる、契約でトラブルが起きる、手数料が高い、・・・など購入・運用が全くうまく行かなくなってしまいます。
海外不動産を購入するときに、信頼できる不動産会社・不動産エージェントを見つけることに力を注ぎましょう。