郵便局の窓口で海外送金を頼もうとして断られた、という話が増えています。手続きが変わったのではなく、窓口での取り扱いそのものが終わっているためです。

2026年10月13日に、ゆうちょ銀行の国際送金のページ、「ゆうちょの国際送金」のご利用条件・料金等、国際送金のお受け取りのページを順に開き、いま何ができて何ができないのかを確認しました。金額と限度額はこの日に表示されていたものです。

先に結論

ゆうちょ銀行は2025年8月末で、窓口とゆうちょダイレクトでの国際送金の取り扱いを終了しました。現在の手段は2025年7月に始まったWebサービス「ゆうちょの国際送金」だけです。

料金は1件あたり3,000円。公式ページは「料金に、消費税はかかりません」と明記しています。

限度額は1回あたり100万円未満、1日あたり200万円以下、1か月あたり500万円以下。この3つが同時にかかります。

利用できるのは個人名義の総合口座・振替口座を持つ人だけです。法人や人格なき社団等の口座は使えず、法人の取引を個人口座で代わりに送ることも認められていません。

海外不動産の購入代金をこの経路で送るのは現実的ではありません。1か月500万円という上限が、物件価格の桁に対して小さすぎるためです。

窓口では頼めない|2025年8月末で取り扱いが終わった

ゆうちょ銀行の国際送金のページは、冒頭に「窓口・ゆうちょダイレクトでの国際送金取り扱い終了について」という見出しを置き、次のように書いています。「2025年8月末をもって、窓口およびゆうちょダイレクトにおける国際送金の取り扱いを終了いたしました。2025年7月に新サービス『ゆうちょの国際送金』を開始しましたので、ぜひご利用ください」。

つまり、郵便局やゆうちょ銀行の店舗へ行っても海外送金は申し込めません。長く使われてきたゆうちょダイレクトの国際送金も同時に終わっています。残っているのはパソコンとスマートフォンから使うWebサービス1本だけです。

ゆうちょ銀行の公式画面。国際送金のページで、2025年8月末をもって窓口およびゆうちょダイレクトにおける国際送金の取り扱いを終了したという告知が表示されている
ゆうちょ銀行「国際送金」。窓口とゆうちょダイレクトの終了と、新サービスへの案内が冒頭に置かれている。2026年10月13日時点。

この変更を知らずに郵便局へ出向くと、その日は送金できずに終わります。先にWebサービスの利用登録を済ませておく必要があります。

使えるのは個人の総合口座・振替口座だけ

「ゆうちょの国際送金」のご利用条件には、サービスを利用できる人として「個人名義の当行総合口座・振替口座をお持ちのお客さま」と書かれています。

注意事項の側はさらに踏み込んでいて、「法人や人格なき社団等、個人以外のお客さまの口座による国際送金はお取り扱いできません。法人等のお取引に係る国際送金を、個人のお客さまの口座を利用して行うこともできませんのでご注意ください」と明記されています。

法人で海外不動産を保有する形を考えている場合、この経路は最初から外れます。法人名義の口座が使えないだけでなく、法人の取引を代表者個人の口座から送ることも認められていません。

また、利用には「ゆうちょ認証アプリ」または「ゆうちょ通帳アプリ」による書類での本人確認が必要です。公式ページは、当面の間この本人確認に一部の在留カードが使えないとも案内しています。

料金は1件3,000円。消費税はかからない

送金申込料金は1件あたり3,000円です。公式の表には「※料金に、消費税はかかりません。」という注記が併記されています。

ゆうちょ銀行の公式画面。ゆうちょの国際送金のご利用条件・料金等の表で、送金申込料金3,000円、送金限度額は1回あたり100万円未満・1日あたり200万円以下・1か月あたり500万円以下、ご利用時間は24時間365日と表示されている
「ゆうちょの国際送金」ご利用条件・料金等。料金と限度額、利用時間が1つの表にまとまっている。2026年10月13日時点。
「ゆうちょの国際送金」の利用条件(2026年10月13日時点)
項目 内容
利用できる人 個人名義の総合口座・振替口座を持つ人
送金申込料金 1件あたり3,000円(消費税はかからない)
利用時間 24時間365日(23時55分から0時5分を除く)
申込の方法 パソコン・スマートフォンの専用サイト
本人確認 ゆうちょ認証アプリまたはゆうちょ通帳アプリによる書類での確認が必要
引き落とし 送金申込時に送金金額と料金を指定口座から引き落とす。残高不足なら受付不可

限度額は3つが同時にかかる

見落とされやすいのが限度額です。1つではなく3つの上限が同時に適用されます。

送金限度額(2026年10月13日時点)
単位 限度額
1回あたり 100万円未満
1日あたり 200万円以下
1か月あたり 500万円以下

公式の記載は「国際送金申込時の適用レートにより換算された送金金額が以下の限度額を超える場合は、受け付けできません」です。判定に使われるのは申込時のレートで換算した円建ての金額であり、外貨で送る場合も円換算で見られます。

「1回あたり100万円未満」は100万円ちょうどを含みません。99万9,999円までという読み方になります。

海外不動産の決済には、限度額が桁で足りない

この記事を読む動機が海外不動産の購入代金の送金であれば、結論は明確です。1か月500万円という上限は、物件価格に対して小さすぎます。

仮に3,000万円の物件を買うとすると、1回あたり100万円未満の制約から最低31回、1か月500万円の制約から6か月以上かかります。料金も1件3,000円が回数ぶん積み上がり、31回なら9万3,000円です。決済期限のある売買契約でこの速度は使えません。

ゆうちょの国際送金が向く場面・向かない場面

  • 向く:家族への仕送り、留学中の生活費、少額の支払い
  • 向く:窓口へ行かずにスマートフォンだけで完結させたい場合
  • 向かない:不動産の購入代金や手付金など、1回で高額を送る必要がある場合
  • 向かない:法人名義で保有・決済する形をとる場合
  • 向かない:決済日が決まっていて、分割送金の時間がとれない場合

高額の送金が必要なときは、1回あたりの枠が大きい銀行の窓口送金を検討することになります。当サイトでは三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、楽天銀行の料金と条件をそれぞれ確認しています。

3,000円のほかに差し引かれるもの

支払う金額は3,000円だけではありません。公式の注意事項は、送金額そのものから別の費用が引かれる場合があると書いています。

3,000円のほかに目減りする要素(公式の注意事項より)
要素 公式の記載 誰に払うか
仲介手数料 仲介機関・受取銀行等により、送金金額から差し引かれる場合がある 経由する外国の銀行
口座登記料等 同上。送金金額から差し引かれる場合がある 受取側の銀行
為替の差 適用レートは送金申込時の当行公表相場 ゆうちょ銀行

仲介手数料と口座登記料は、送金する側が事前に金額を知ることができません。受取人の手元に届く金額が申し込んだ額より少なくなることがある、という前提で考えておく必要があります。

為替については、適用レートが「送金申込時の当行公表相場」である点が重要です。市場の実勢レートそのものではなく、銀行が公表する相場が使われます。表に出る3,000円とは別に、ここでも差が生まれます。

外国から受け取るときに必要な情報

日本から送る側だけでなく、外国からゆうちょ口座へ受け取ることもできます。ただし条件があります。

公式ページは「当行指定の仲介銀行経由の米ドル建てまたはユーロ建て送金です」と書いています。つまり受け取れる通貨は米ドルかユーロのみで、それ以外の通貨建てでは受け取れません。

外国の銀行からゆうちょ口座へ送金するときに伝える情報(2026年10月13日時点)
項目 内容
通貨 USD(米ドル)またはEUR(ユーロ)
受取人取引銀行名 Japan Post Bank
BIC(SWIFTコード) JPPSJPJ2(またはJPPSJPJ2XXX)
受取人口座番号 通帳やキャッシュカードの5桁の「記号」と最大8桁の「番号」を続けて記入
受取人口座名義 ゆうちょ口座に登録した氏名を英字で(例 TARO YUSEI)
受取人住所 ゆうちょ口座に登録した住所を英字で
ゆうちょ銀行の公式画面。国際送金のお受け取りのページで、受け取りの流れと、外国の銀行からゆうちょ口座へ送金するときに必要な情報が表で示されている
ゆうちょ銀行「国際送金のお受け取り(外国から日本への送金)」。受け取りの流れが4段階で示されている。2026年10月13日時点。

口座番号の書き方には落とし穴があります。公式は「『番号』のみでは口座が特定できません。その場合、送金元に返金をすることがございます」と注意しています。記号と番号を両方そろえて伝える必要があります。入力できる桁数が足りない場合は、記号番号を店番3桁と口座番号7桁に変換して伝える方法が案内されています。

受け取りは、すんなり入金されるとは限らない

公式が示す受け取りの流れは4段階です。

外国からゆうちょ口座で受け取るまで

  1. 受取人から送金人へ、必要な情報を伝える
  2. 送金人が外国の銀行から送金を申し込む
  3. ゆうちょ銀行が送金内容を確認する。送金目的等が分かる資料の提供を求められる場合がある
  4. 確認が終わってから、受取人の口座へ入金される

3番目の段階が時間を左右します。公式は「送金目的等が分かる資料のご提供をお願いする場合があります」と書いており、金額や送金目的によっては確認で止まります。海外不動産の売却代金のようにまとまった金額を受け取る場合は、売買契約書など資金の出どころを説明できる資料を手元に用意しておくほうが早く済みます。

受け取りで止まりやすい点

  • 通貨が米ドル・ユーロ以外になっている
  • 記号を伝えず「番号」だけを送金人に伝えている
  • 口座の登録名義・住所と、送金人が入力した英字表記が食い違っている
  • 口座に登録した住所や氏名が最新になっていない
  • 送金目的を説明する資料をすぐ出せない

ゆうちょ銀行の海外送金についてよくある質問

郵便局の窓口で海外送金を申し込めますか

申し込めません。ゆうちょ銀行は2025年8月末をもって、窓口およびゆうちょダイレクトでの国際送金の取り扱いを終了しています。現在はWebサービス「ゆうちょの国際送金」だけです。

手数料はいくらですか

送金申込料金が1件あたり3,000円です。公式ページは料金に消費税はかからないと明記しています。これとは別に、仲介機関や受取銀行によって送金金額から仲介手数料や口座登記料等が差し引かれる場合があります。

1回にいくらまで送れますか

1回あたり100万円未満です。加えて1日あたり200万円以下、1か月あたり500万円以下の上限が同時にかかります。判定は申込時の適用レートで換算した金額で行われます。

法人名義の口座から送金できますか

できません。利用できるのは個人名義の総合口座・振替口座に限られます。公式の注意事項は、法人等の取引に係る国際送金を個人の口座で行うこともできないとしています。

海外不動産の購入代金を送るのに使えますか

現実的ではありません。1回あたり100万円未満、1か月あたり500万円以下という上限があるため、物件価格を送るには回数と月数がかかり、そのたびに3,000円が発生します。決済期限がある取引には向きません。

外国から受け取るときの通貨は何でもよいですか

米ドル建てまたはユーロ建てに限られます。公式ページは「当行指定の仲介銀行経由の米ドル建てまたはユーロ建て送金です」と記載しています。

SWIFTコードは何ですか

JPPSJPJ2です。桁数の指定がある場合はJPPSJPJ2XXXを使います。銀行名はJapan Post Bankです。

この記事で確認した一次情報

ゆうちょ銀行「国際送金」:jp-bank.japanpost.jp

ゆうちょ銀行「『ゆうちょの国際送金』(日本から外国への送金)」:jp-bank.japanpost.jp

ゆうちょ銀行「国際送金のお受け取り(外国から日本への送金)」:jp-bank.japanpost.jp

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