「海外不動産投資とは、何ですか?」
「海外不動産投資って、日本在住の日本人でもできるのでしょうか?」
今回は、海外不動産投資とは?海外不動産投資のメリットデメリットについて丁寧に解説します。
海外不動産投資とは?
海外不動産投資とは
海外(日本以外の国)にある不動産を購入して、その不動産を運用・売却して、投資収益を上げる不動産投資手法のこと
を言います。
種類はいろいろありますが
節税効果の大きい不動産投資として
- 米国不動産投資
- オーストラリア不動産投資
成長著しい国への不動産投資として
- フィリピン不動産投資
- カンボジア不動産投資
- マレーシア不動産投資
- タイ不動産投資
- ベトナム不動産投資
- ドバイ不動産投資
- エジプト不動産投資
- ウズベキスタン不動産投資
・・・
リゾートや自己利用も含めた不動投資として
- ハワイ不動産投資
・・・
など、いろいろな国へ、目的に応じた不動産投資手法があるのです。
そもそも、海外の不動産って、日本人でも買えるの?
買える国と変えない国があります。
「外国人による自国の不動産の購入を許可するかどうか?」は、その国の方針によって異なります。
- 日本の場合 → 制限なく、外国人でも日本の不動産は購入できる
- アメリカの場合 → 制限なく、外国人でも日本の不動産は購入できる
- 中国の場合 → 民間人は土地の所有権を購入することができない。ただし、使用権を外国人が現地の方と共同購入なら可能
- カンボジアの場合 → 外国人は土地は所有できないが、建物は所有できる
など、いろいろなパターンがあるのです。
ご存じの通り、日本では、これらの外国人規制が全くないため、外国人(とくに中国人)が多く日本の土地を所有する現状があります。
大きく分けると
- 外国人が土地を所有できる国
- 外国人が建物を所有できる国
- 外国人が所有権を持てる国
- 外国人が借地権のみを持てる国
という分類があります。
ここでいう外国人は「非居住者のこと」を言います。
非居住者とは、その国に住んでいない外国人のことを言います。その国に住んでいる外国人の場合は、現地の方と同じように不動産を購入できるケースが多いです。
つまり、
日本在住の日本人であっても
- 外国人が土地を所有できる国であれば、土地の所有、戸建ての所有、開発、新築などが可能
- 外国人が建物を所有できる国であれば、分譲マンションの所有、建売戸建ての所有が可能
ということになります。
海外不動産投資のメリット
海外不動産投資のメリットには、以下のものがあります。
1.利回りが大きい
日本の不動産投資では
新築分譲マンションの利回りが
- 東京都心部で表面利回り:年4.0%~5.0%ぐらい
- 一都三県の東京よりで表面利回り:年7.0%~8.0%ぐらい
ですから、成熟した都市部では、大きな利回りは期待できなくなっています。
海外不動産投資の場合は、国にもよりますが
- 表面利回り:10%
- 表面利回り:20%
という物件も、ゴロゴロしています。
高い利回りで、収益性が高いのが海外不動産投資の大きなメリットと言えます。
2.キャピタルゲインが期待できる
日本は、ご存じの通りで、超高齢化社会と人口減の成熟した国となっています。
マクロな目線でわかることは、人口が減っていけば、住む人も減るのですから、賃貸需要も落ち、空室率も増え、物件価格も下がるのが想定されることです。
物件にもよりますが、キャピタルゲインを狙った投資というのは、一部のシチュエーションしか考えにくく、なかなか期待できないのが実情です。
一方で、海外不動産投資の場合は、まだまだ成長著しい発展途上国に投資が可能です。
- 人口が、2倍、3倍・・・と増えていく、未来が見通せる国であれば
- 物件価格も同様に、2倍、3倍・・・と伸びていくのことは想像に難くありません。
日本のバブル期のように、不動産価格がどんどん上昇していくようなキャピタルゲインを狙えるのは、海外不動産投資ということになります。
3.外貨での為替差益も期待できる
国によっては、ドル建てで物件を購入し、賃貸などで運用した場合の家賃も、ドル建てで入ってくるものがあります。
外貨ですので
- 購入時よりも円高 → 為替差損が発生
- 購入時よりも円安 → 為替差益が発生
することになります。
損をする可能性もありますが、日本円でない外貨の収入源を持つことができるため、為替の分散投資が、不動産投資と同時に実現できることになります。
4.日本の不動産よりも安い不動産が多い
日本で東京23区で、80㎡ぐらいの新築分譲マンションを購入しようとすれば、場所にもよりますが、1億を超える物件というのは、少なくありません。
しかし、発展途上国などの海外不動産投資であれば、1,000万、2,000万、という金額で、80㎡よりも大きい物件を購入することも可能です。
投資単価が安くなるため、日本の不動産よりも、投資がしやすい環境とも言えます。
5.運用方法によっては、自己利用も可能
海外不動産投資の場合、運用するとなると
- 賃貸
- 民泊(海外では、「バケーションレンタル」と言います。)
が大きな選択肢となります。
民泊を選択した場合には、民泊の予約が入っていない時期に旅行がてら、自分の持ち物件に泊まることが可能です。
好きな国の不動産を購入すれば、不動産投資による収益と同時に、旅行の宿泊にも利用できるメリットがあります。
6.将来の移住のための購入ということも可能
「まだ、引退には早いけど、将来は、発展したこの国に住みたい。」
という場合もあります。
この場合は、安い今のうちに買っておいて「運用したうえで、将来移住するときに使う」ということも可能です。
また
海外不動産の購入 = 数年間の滞在ビザを取得できる
という国もあります。
滞在ビザをもっておけば、いつでも入国いて、移住することができるのですから、「移住のための海外不動産の購入」という選択肢も、賢い選択肢の一つとなります。
海外不動産投資のデメリット
1.ローン・融資が組めない
まったくできないわけではありませんが
海外不動産投資では
- 融資が使えない
- ローンが組めない
ものと考えた方が良いです。
非居住者である外国人ですので、現地の金融機関はまずお金を貸してくれません。
※ドバイなど一部の国では、その国の銀行融資を使えるケースがあります。ただし、融資条件は厳しく、いろいろな条件で融資割合は50%程度となっています。ドバイ不動産投資のローンはこちら
また、日本の銀行の一部(オリックス銀行、東京スター銀行・・・)などは、海外不動産投資への融資も可能になっていますが、一部の先進国(米国など)のみであり、将来のキャピタルゲインが狙いにくく、金利も高いため、あまり有効な手段とならないのです。
海外不動産投資では、融資は使えず、基本的に現金払いをするものと考えておいた方が賢明です。
ただし、海外不動産投資は、新築物件の購入に長い分割払いが可能です。
- 例:半年ごとに10%ずつ、5年間での支払い
ローンができない代わりに、分割払いを利用して、少額ずつの支払いが可能になっています。
2.日本にはないリスクがある
海外不動産投資には、日本の不動産投資にはないリスクがいくつかあります。
- カントリーリスク
- 為替リスク
- 外貨規制リスク
- 情報入手リスク
- 物件管理リスク
- プレビルドリスク
などです。
カントリーリスク
国の政治・経済・社会情勢の変化によるリスクがあります。戦争、テロ、自然災害、国債の債務不履行などがあれば、不動産価格にも大きな影響があります。
為替リスク
対円に対して、通貨安となってしまえば、現地通貨で物件価格が上昇していても、通貨が安い分、日本円換算だと損をしてしまうようなケースがでてきます。為替差損が発生し、キャピタルゲインよりも上回ってしまうようなケースです。
外貨規制リスク
国によっては、海外口座からの送金、資本 または利益の持ち出し、などができなくなる外貨規制が発生する可能性があります。
情報入手リスク
国にもよりますが、現地の情報は、入ってきにくいため、物件の良し悪しの評価がしにくいデメリットがあります。
物件管理リスク
物件を購入した後には、賃貸であれば現地の賃貸管理会社、民泊であれば現地の民泊代行会社に依頼しなければなりません。当然、現地の言語、もしくは英語ということになります。日系の企業や間に入ってくれる日本人仲介会社があれば、日本語でも対応可能ですが、管理費は若干割高になります。
プレビルドリスク
海外不動産投資の場合、新築物件は、完成の5年~10年前に販売されます。未完成のものに対して投資をするため、開発途中でディベロッパーが倒産した場合などは、投資した資金が戻ってこない可能性もあるのです。
上記のリスクがあるのが、日本の不動産投資にはほとんどないデメリットと言えます。
3.英語ができないと日本語が話せる海外不動産エージェントを利用する必要がある
日本で不動産投資をする上では
- ディベロッパー
- 不動産会社
- リフォーム会社
- 賃貸管理会社
- 司法書士
- 税理士
などの協力会社が必要になります。
当然、どの国でも、上記のような業種の会社があり、いろいろな会社と連携して、不動産投資を行っていくのです。
しかし、当然、海外の国の多くの業者は、基本は「現地言語」「英語」の2つのパターンになります。
オンラインも可能な業者が多いので、投資家が英語が堪能であれば、日本にいながらも海外の協力会社を使うことが可能になります。
しかし、英語が堪能でなければ、現地の協力会社と細かい連絡・依頼・トラブルの調整などをしてくれる、日本人(日本語が話せる)のエージェントが必要になります。呼び方は様々で「海外不動産会社」「海外不動産エージェント」と呼ばれます。
当然、現地の協力会社との間に入ってもらって日本語でサポートしてもらう「海外不動産会社」「海外不動産エージェント」を利用することになると、そのサポート料が発生するので、直接すべての協力会社と英語でやり取りするよりは、コスト高になってしまいます。
まとめ
海外不動産投資には、メリットデメリットがあります。
メリットには
- 利回りが大きい
- キャピタルゲインが期待できる
- 外貨での為替差益も期待できる
- 日本の不動産よりも安い不動産が多い
- 運用方法によっては、自己利用も可能
デメリットには
- ローン・融資が組めない
- 日本にはないリスクがある
- カントリーリスク
- プレビルドリスク
- 為替リスク
- 外貨規制リスク
- 情報入手リスク
- 物件管理リスク
- 英語ができないと日本語が話せる海外不動産エージェントを利用する必要がある
海外不動産投資は、日本での不動産投資に比べると、リスクは大きくなりますが、それ以上にキャピタルゲインのリターンの大きさが期待できるものと言えます。
リスクのない投資ではありませんので、リスクとリターンをしっかりと想定したうえで、海外不動産投資をすることをおすすめします。