最新ニュース
エジプトの高級住宅市場の現状と今後の展望
2025年2月18日、エジプトの不動産開発企業「Vantage Developments」の会長モハメド・アブデル・ガワド氏は、エジプトの高級ブランド住宅市場が2026年までに100%成長する見込みであると発表しました。
これは、投資情報サイトArab Financeが報じたもので、不動産業界のトップ開発企業が参加したラウンドテーブルディスカッション「The Future of Luxury Living and Hospitality in Egypt」での発言です。
現在、エジプトを含む中東・アフリカ地域は、世界のブランド住宅市場の19%を占めていますが、今後はさらに成長が加速すると見られています。
背景:世界のブランド住宅市場の成長傾向
不動産コンサルティング企業Savillsの最新レポート(2023/2024年版)によると、
- 中東の市場成長率は60%と世界で最も高く、
- ヨーロッパ(49%)、ラテンアメリカ(46%)がそれに続きます。
このような成長の背景には、高級ブランド住宅が投資家にとって安定した収益を生み出す資産として注目されていることがあります。
ガワド氏によると、ブランド住宅は一般的な高級アパートと比べて、
- 資産価値が25~35%高く、
- 賃料収益も12%多い、
- 空室率が低く、再販価値も高い、
というメリットがあり、不動産市場が不安定な時期でも安定した資産運用が可能だと述べています。
エジプト政府の観光政策とブランド住宅の関係
エジプト政府は現在、観光産業の拡大を目指しており、2028年までに年間3,000万人の観光客を誘致する計画を進めています。
また、ホテル客室数を2030年までに50万室に倍増させる方針を掲げています。
こうした背景から、高級ブランド住宅の開発が観光インフラの補完として注目されており、今後さらなる拡大が期待されています。
最新の注目プロジェクト:M Signature
Vantage Developmentsは、エジプト初のフルブランド・フルサービス型高級住宅「M Signature」を発表しました。
このプロジェクトは、国際建設企業Morganti Internationalと提携し、海外投資家向けの完全管理型物件として開発されています。
このような物件は、短期賃貸やバケーションレンタルとしても活用できるため、投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
ニュースの見解
エジプトの不動産投資家への影響と見解
現在のエジプトの不動産市場は、観光業の成長と政府の都市開発政策に支えられ、キャピタルゲイン(資産価値の上昇)とインカムゲイン(賃貸収益)の両方が見込める市場となっています。
特に、ブランド住宅市場の拡大により、
- 安定した高収益の賃貸市場の形成
- リセール市場の活性化
- 海外投資家向けの優遇制度の可能性
など、投資環境のさらなる改善が期待されます。
過去には、ギリシャが不動産市場を回復させるためにゴールデンビザ(投資家向けビザ)、税制優遇、固定資産税の引き下げといった施策を導入し、2018~2022年の4年間でアテネの不動産価格が32%上昇しました。
エジプトも同様の制度を導入すれば、海外投資家の参入が一層活発になり、市場の成長が加速する可能性があります。
エジプトの不動産投資を検討している方にとって、今が市場参入の好機となるかもしれません。