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2026年1月29日、オーストラリアの不動産分析機関「Hotspotting」は、2026年の豪州不動産市場で最も高い価格上昇が期待される地域をまとめた『Australia’s Growth Leaders 2026』レポートを発表しました。この調査は、国内14の主要市場(8つの主要都市と6つの州地方市場)を対象に、販売量、空室率、インフラ投資額などの6つの重要指標を分析したものです。
今回の発表における主なポイントは以下の通りです。
- ブリスベンが全国1位に選出: クイーンズランド州の州都ブリスベンが、すべての指標で高いスコアを記録し、2026年の価格上昇見込みで首位となりました。
- タスマニアの躍進: これまで注目度の低かったホバート(2位)とタスマニア地方部(3位)が、ブリスベンに次ぐ上位にランクインするサプライズとなりました。
- インフラ投資の影響: ブリスベンでは現在、約2,400億豪ドル規模のインフラプロジェクトが進行しており、これが需要を強く後押ししています。
- 全体的な上昇傾向: 最下位層のキャンベラ(13位)であっても、60%以上の郊外で販売活動が活発化しており、オーストラリア全土で「価格下落」ではなく「上昇の勢い」が維持されていることが示されました。
専門用語の解説
本ニュースを理解する上で重要な用語を解説します。
- Hotspotting(ホットスポッティング): 著名な不動産アナリスト、テリー・ライダー(Terry Ryder)氏によって設立された調査機関。過去のデータに頼らず、将来のトレンドを予測する独自の指標で知られています。
- Above asking price(希望価格を上回る成約): 売主が提示した価格(Asking Price)よりも高い価格で買い手がつく現象。需要が供給を大幅に上回っている市場で頻繁に発生し、価格上昇の強力な先行指標となります。
- Vacancy rates(空室率): 賃貸市場における空室の割合。1.5%を下回ると深刻な供給不足とみなされ、賃料の急騰を招きます。今回のレポートでホバートはこの指標で全国トップレベルの低さを記録しました。
ニュースの見解
今回のレポートは、日本人投資家にとって「投資対象の多角化」を検討する絶好のタイミングであることを示唆しています。
ブリスベンについては、2032年のオリンピック開催に向けたインフラ整備という明確な「買い材料」があり、依然として本命であることは間違いありません。しかし、注目すべきは2位と3位に食い込んだタスマニア州です。ホバートは、主要都市の中でダーウィンに次いで不動産価格が安く、それでいて空室率が極めて低い(1.5%未満)ため、高いインカムゲイン(賃料収入)と将来的なキャピタルゲインの両取りを狙える「隠れた優良市場」に浮上しています。
一方、シドニー(9位)やメルボルン(11位)は、価格の高騰と金利負担のバランスから上昇ペースが鈍化しており、かつての「主要2都市頼み」の投資戦略は通用しにくくなっています。2026年は、インフラ投資が集中するブリスベンを軸にしつつ、利回りと値上がり余地の大きいタスマニアやアデレード(4位)といった「第二の都市」へ目を向けるのが、賢明なポートフォリオ戦略と言えるでしょう。
