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2025年10月16日、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨーエフ大統領は、首都タシュケントの総合開発計画をレビューしました。発表によると、特別工業区「ヤンギ・アヴロド(Yangi Avlod)」では総面積774ヘクタールのうち、268ヘクタールで28件・総投資額8億米ドルのプロジェクトが進行中です。さらに投資家が確定している30件・4億米ドルの計画が300ヘクタールで順次稼働予定とされています。注目はドバイのDP Worldと連携する2億8800万米ドル規模のマルチモーダル物流ターミナル計画で、稼働後はタシュケントおよびタシュケント州の物流容量が大幅に向上し、輸出入オペレーションの迅速化が見込まれます。

都市交通では、ショタ・ルスタヴェリ通りでの整備経験を踏まえ、BRT(バス高速輸送)を今後10本の幹線に拡張する方針が示されました。道路安全対策、交通流の最適化、都市景観の統一デザインコード導入も併せて検討されています。加えて2026年にはローカル予算から1兆スムを投じ、近隣区画の改良、グルメストリートの創出、灌漑システムの近代化を進める計画です。観光面ではブハラ州の受入れ能力拡大プロジェクトも提示され、地域横断での投資誘発が期待されます。

為替面の最新では、2025年10月21日時点で1米ドル=12,060.15スム(前日比-0.40%)、1ユーロ=14,064.55スム(-0.74%)、1ロシアルーブル=148.87スム(-0.15%)と報告されています。同21日には再生エネルギー分野でトリナトラッカーによるウズベキスタン向け363MWのソーラートラッカー供給契約など、インフラ投資ニュースも続いています。これらは産業・物流・エネルギーの三位一体で資本流入が拡大している現状を裏付けます。

背景

ウズベキスタンは2016年以降の改革路線で投資環境を段階的に整備し、首都タシュケントを中心に工業化・観光・物流の各分野で外資導入を進めてきました。内陸国である同国にとって、通関・保税・鉄道・道路・航空を束ねる物流ハブの整備は貿易コストの削減と輸出競争力の強化に直結します。今回の発表は、首都圏での産業クラスター形成と都市交通のボトルネック解消を同時並行で進める意思の表明と位置づけられます。

重要プロジェクトの投資規模と波及

ヤンギ・アヴロド特別工業区では既存の8億米ドルに加え、確定済みの4億米ドルが段階的に投入されます。製造・加工業の新設により雇用創出と可処分所得の増加が見込まれ、周辺の住宅・商業・倉庫需要を押し上げます。DP Worldの物流ターミナルはサプライチェーンの結節点として機能し、土地の高度利用を促します。BRTの10路線拡張は都心アクセス性を改善し、沿線の地価・賃料形成に影響を与えやすく、再開発や用途転換の誘因となります。2026年の1兆スム投資は生活利便性と景観の底上げを通じて、リテールやF&Bのテナント需要を刺激します。歴史観光地ブハラの収容力拡大は宿泊・短期賃貸・観光関連リテールの収益機会を広げます。

難しい用語の解説

特別工業区(SIZ)は、税制優遇や通関手続きの簡素化など投資インセンティブを付与する工業団地のことです。マルチモーダル物流ターミナルは、鉄道・道路・航空など複数の輸送モードを接続する拠点で、貨物の積み替えや保管、通関を一体運用します。BRTは専用レーンを走る連節バスなどを核に、高頻度・定時性を確保する大量輸送システムです。統一デザインコードは建築外観や看板規格などをガイドライン化し、都市景観の秩序を保つ仕組みです。スム(UZS)はウズベキスタンの通貨単位で、為替の変動は外貨建て投資の実質リターンに影響します。

不動産市場への具体的含意

産業集積は周辺の賃貸住宅と労働者向けサービス需要を押し上げ、工業区隣接エリアの中・長期賃貸や社宅運用の妙味が高まります。物流ターミナルに連動する倉庫・ラストワンマイル拠点は利回りの底堅さが期待でき、土地の広さと幹線アクセスの両立が評価軸になります。BRT拡張は沿線オフィス・リテール・中価格帯マンションのテナント回転を改善し、初期投資額を抑えつつ稼働率で勝負する戦略が有効です。観光地ブハラでは、ピークシーズンのADR(平均客室単価)上昇を前提に、ブティックホテルや短期バケーションレンタルの差別化設計が鍵になります。

ニュースの見解

日本人投資家にとって本ニュースは、タシュケント圏での「産業×物流×交通」の同時進行が資産価値の底上げ圧力になることを示唆します。短期では建設進捗に連動した需給の凸凹が想定されますが、中期ではヤンギ・アヴロド周辺の賃貸住宅、BRT沿線のリテール・オフィス、物流ターミナル周辺の倉庫系で安定キャッシュフローの構築が可能です。外貨建て調達とスム建て賃料のミスマッチ、条例・用途規制、許認可の実務負担はリスク要因ですので、現地パートナーの実績、ゾーニングと建築規制、為替ヘッジの手当てが必須です。為替は2025年10月21日時点で米ドル高・スム安が小幅に進行しており、ドル建て投資家にはエントリー妙味が生じやすい一方、出口での為替影響も事前に織り込みたいところです。総じて、首都圏のインフラ厚みが増す今は、工業区周辺の中価格帯賃貸とBRT一次沿線の収益物件、さらにブハラの宿泊関連アセットを中心に「段階取得×分散運用」でポートフォリオを組む好機と評価します。


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