「海外不動産投資って、利回りが大きいのでしょうか?」
「日本国内の不動産投資と比較す売ると、海外不動産の利回りってどうなっているのでしょうか?」

海外不動産投資を検討するうえで「利回り」は、重要な指標と言えます。今回は、海外不動産投資の利回りについて、日本国内の不動産投資と比較して、解説していきます。

海外不動産投資の利回り

まずは、世界各国の不動産投資利回りを見てみましょう。

世界各国の不動産利回りランキング(利回りが低い順)

国名㎡当たりの物件価格家賃相場不動産価格家賃倍率賃貸利回り
ジョージア/トビリシ¥218,931 ¥135,452 13倍11.04%
チュニジア/チュニス¥149,144 ¥61,837 19倍9.33%
イギリス/ロンドン¥1,483,489 ¥595,626 14倍8.15%
コロンビア/メデジン¥287,099 ¥139,869 14倍8.09%
パナマ/パナマシティ¥323,906 ¥307,711 16倍8.09%
モロッコ/カサブランカ¥255,739 ¥110,423 23倍7.96%
コスタリカ¥316,103 ¥152,089 16倍7.75%
南アフリカ/ケープタウン¥188,307 ¥92,755 10倍7.56%
エジプト/カイロ¥59,481 ¥128,090 17倍7.35%
アイルランド/ダブリン¥800,342 ¥269,642 13倍7.31%
インドネシア/ジャカルタ¥444,782 ¥53,739 18倍6.95%
プエルトリコ/サンファン¥805,348 ¥312,864 14倍6.91%
メキシコ/メキシコシティ¥426,231 ¥228,943 18倍6.79%
ラトビア/リガ¥369,695 ¥104,637 12倍6.55%
スペイン/マドリード¥642,512 ¥241,470 16倍6.55%
アラブ首長国連邦/ドバイ¥627,200 ¥466,719 19倍6.35%
カタール/ドーハ¥405,619 ¥323,906 18倍6.01%
ブラジル/リオデジャネイロ¥238,513 ¥41,224 16倍6.00%
アルゼンチン/ブエノスアイレス¥270,167 ¥95,700 22倍5.91%
ギリシャ/アテネ¥305,208 ¥193,176 21倍5.76%
オランダ/アムステルダム¥1,124,690 ¥313,911 17倍5.76%
トルコ/イスタンブール¥377,792 ¥112,631 14倍5.70%
ウルグアイ/モンテビデオ¥439,040 ¥91,283 15倍5.64%
キプロス/ニコシア¥296,080 ¥96,588 22倍5.54%
イタリア/ミラノ¥792,981 ¥482,940 14倍5.54%
タイ/バンコク¥482,914 ¥125,146 17倍5.45%
ハンガリー/ブダペスト¥366,603 ¥118,320 17倍5.19%
モンテネグロ/ポドゴリツァ¥263,542 ¥56,343 17倍5.06%
ペルー/リマ¥292,988 ¥103,061 17倍5.03%
フィリピン/マニラ¥340,543 ¥118,520 19倍5.01%
ベルギー/ブリュッセル¥510,299 ¥180,298 24倍4.98%
シンガポール¥2,592,720 ¥530,028 23倍4.91%
クロアチア/ザグレブ¥444,929 ¥88,539 21倍4.89%
スロベニア/リュブリャナ¥581,559 ¥177,078 22倍4.89%
ルーマニア/ブカレスト¥249,260 ¥96,588 15倍4.86%
ポルトガル/リスボン¥601,582 ¥241,470 18倍4.86%
ポーランド/ワルシャワ¥570,369 ¥167,419 17倍4.84%
ニュージーランド¥1,057,111 ¥184,038 23倍4.73%
チリ/サンティアゴ¥339,218 ¥50,794 21倍4.70%
カナダ/トロント¥1,840,964 ¥250,291 20倍4.66%
ドイツ/ベルリン¥735,708 ¥209,274 27倍4.39%
リトアニア/ビリニュス¥378,087 ¥136,833 16倍4.25%
フランス/パリ¥1,413,408 ¥321,960 22倍4.03%
デンマーク/コペンハーゲン¥1,059,762 ¥281,715 24倍3.93%
香港¥2,774,549 ¥319,489 30倍3.85%
エストニア/タリン¥448,904 ¥103,027 22倍3.73%
ブルガリア/ソフィア¥242,930 ¥80,490 22倍3.70%
日本/東京¥658,560 ¥178,884 23倍3.62%
マレーシア/クアラルンプール¥307,269 ¥108,214 19倍3.54%
スウェーデン/ストックホルム¥1,054,608 ¥201,225 18倍3.43%
チェコ/プラハ¥724,666 ¥228,592 28倍3.33%
フィンランド/ヘルシンキ¥758,382 ¥212,494 24倍3.30%
ベトナム/ハノイ¥335,684 ¥95,700 26倍3.28%
スロバキア/ブラチスラバ¥454,499 ¥128,784 19倍3.27%
スイス/チューリッヒ¥2,401,910 ¥372,669 33倍3.23%
オーストリア/ウィーン¥1,135,879 ¥164,200 28倍3.07%
イスラエル/テルアビブ¥2,533,534 ¥338,629 40倍3.06%
マルタ/バレッタ¥414,011 ¥140,858 27倍2.90%
インド/ムンバイ¥488,362 ¥70,670 23倍2.89%
ノルウェー/オスロ¥1,225,395 ¥144,882 26倍2.85%
ルクセンブルク¥1,814,610 ¥253,544 37倍2.82%
アメリカ合衆国¥814,182 ¥408,563 16倍2.78%
台湾/台北¥1,034,585 ¥119,992 46倍1.40%
ジャマイカ¥330,973 ---

出典:Global Property Guide 2024年6月時点データ

世界各国の不動産利回りランキング(利回りが高い順)

国名㎡当たりの物件価格家賃相場不動産価格家賃倍率賃貸利回り
ジャマイカ¥330,973 ---
台湾/台北¥1,034,585 ¥119,992 46倍1.40%
アメリカ合衆国¥814,182 ¥408,563 16倍2.78%
ルクセンブルク¥1,814,610 ¥253,544 37倍2.82%
ノルウェー/オスロ¥1,225,395 ¥144,882 26倍2.85%
インド/ムンバイ¥488,362 ¥70,670 23倍2.89%
マルタ/バレッタ¥414,011 ¥140,858 27倍2.90%
イスラエル/テルアビブ¥2,533,534 ¥338,629 40倍3.06%
オーストリア/ウィーン¥1,135,879 ¥164,200 28倍3.07%
スイス/チューリッヒ¥2,401,910 ¥372,669 33倍3.23%
スロバキア/ブラチスラバ¥454,499 ¥128,784 19倍3.27%
ベトナム/ハノイ¥335,684 ¥95,700 26倍3.28%
フィンランド/ヘルシンキ¥758,382 ¥212,494 24倍3.30%
チェコ/プラハ¥724,666 ¥228,592 28倍3.33%
スウェーデン/ストックホルム¥1,054,608 ¥201,225 18倍3.43%
マレーシア/クアラルンプール¥307,269 ¥108,214 19倍3.54%
日本/東京¥658,560 ¥178,884 23倍3.62%
ブルガリア/ソフィア¥242,930 ¥80,490 22倍3.70%
エストニア/タリン¥448,904 ¥103,027 22倍3.73%
香港¥2,774,549 ¥319,489 30倍3.85%
デンマーク/コペンハーゲン¥1,059,762 ¥281,715 24倍3.93%
フランス/パリ¥1,413,408 ¥321,960 22倍4.03%
リトアニア/ビリニュス¥378,087 ¥136,833 16倍4.25%
ドイツ/ベルリン¥735,708 ¥209,274 27倍4.39%
カナダ/トロント¥1,840,964 ¥250,291 20倍4.66%
チリ/サンティアゴ¥339,218 ¥50,794 21倍4.70%
ニュージーランド¥1,057,111 ¥184,038 23倍4.73%
ポーランド/ワルシャワ¥570,369 ¥167,419 17倍4.84%
ポルトガル/リスボン¥601,582 ¥241,470 18倍4.86%
ルーマニア/ブカレスト¥249,260 ¥96,588 15倍4.86%
スロベニア/リュブリャナ¥581,559 ¥177,078 22倍4.89%
クロアチア/ザグレブ¥444,929 ¥88,539 21倍4.89%
シンガポール¥2,592,720 ¥530,028 23倍4.91%
ベルギー/ブリュッセル¥510,299 ¥180,298 24倍4.98%
フィリピン/マニラ¥340,543 ¥118,520 19倍5.01%
ペルー/リマ¥292,988 ¥103,061 17倍5.03%
モンテネグロ/ポドゴリツァ¥263,542 ¥56,343 17倍5.06%
ハンガリー/ブダペスト¥366,603 ¥118,320 17倍5.19%
タイ/バンコク¥482,914 ¥125,146 17倍5.45%
イタリア/ミラノ¥792,981 ¥482,940 14倍5.54%
キプロス/ニコシア¥296,080 ¥96,588 22倍5.54%
ウルグアイ/モンテビデオ¥439,040 ¥91,283 15倍5.64%
トルコ/イスタンブール¥377,792 ¥112,631 14倍5.70%
オランダ/アムステルダム¥1,124,690 ¥313,911 17倍5.76%
ギリシャ/アテネ¥305,208 ¥193,176 21倍5.76%
アルゼンチン/ブエノスアイレス¥270,167 ¥95,700 22倍5.91%
ブラジル/リオデジャネイロ¥238,513 ¥41,224 16倍6.00%
カタール/ドーハ¥405,619 ¥323,906 18倍6.01%
アラブ首長国連邦/ドバイ¥627,200 ¥466,719 19倍6.35%
スペイン/マドリード¥642,512 ¥241,470 16倍6.55%
ラトビア/リガ¥369,695 ¥104,637 12倍6.55%
メキシコ/メキシコシティ¥426,231 ¥228,943 18倍6.79%
プエルトリコ/サンファン¥805,348 ¥312,864 14倍6.91%
インドネシア/ジャカルタ¥444,782 ¥53,739 18倍6.95%
アイルランド/ダブリン¥800,342 ¥269,642 13倍7.31%
エジプト/カイロ¥59,481 ¥128,090 17倍7.35%
南アフリカ/ケープタウン¥188,307 ¥92,755 10倍7.56%
コスタリカ¥316,103 ¥152,089 16倍7.75%
モロッコ/カサブランカ¥255,739 ¥110,423 23倍7.96%
パナマ/パナマシティ¥323,906 ¥307,711 16倍8.09%
コロンビア/メデジン¥287,099 ¥139,869 14倍8.09%
イギリス/ロンドン¥1,483,489 ¥595,626 14倍8.15%
チュニジア/チュニス¥149,144 ¥61,837 19倍9.33%
ジョージア/トビリシ¥218,931 ¥135,452 13倍11.04%

出典:Global Property Guide 2024年6月時点データ

その他の主要情報

  • 日本の不動産投資利回り:4.38%
  • 世界各国の不動産投資利回りの平均:5.18%

海外不動産投資の利回りの実情

多くの方は

「海外不動産投資は、利回りが高いのではないだろうか?」

という漠然としたイメージを持っているかと思いますが、上記のデータを見てもらえればわかるとおりで

海外不動産投資も、日本国内の不動産投資も利回りは大きく変わらない

のが現状です。

日本国内でも

  • 東京都の都心部(千代田区、渋谷区、新宿区)などの利回りは、3%~4%
  • 東京都の23区の中心地以外(豊島区、足立区、杉並区)などの利回りは、5%~6%
  • 一都三県の東京都への通勤圏利回りは、7%~8%
  • 一都三県の東京都へのアクセスがしにくいエリアの利回りは、10%

というように

  • 利回りは「賃貸需要」と「物件供給」のバランスで決まる
  • 不動産価格の資産価値の落ちにくい(手堅い)エリアは、利回りが低くなる
  • 不動産価格の資産価値が不安定な客付けしにくいエリアは、利回りが高くなる

という仕組みになっています。

実は、これは、日本国内の不動産投資であっても、海外の不動産投資であっても、まったく同じなのです。

フィリピンで例えるのであれば

  • マニラの都心部(BCG、マカティ):の利回りは、3%~4%
  • マニラの都心部でもはずれの方(マニラ、パサイ)の利回りは、5%~6%
  • マカティ以外の地方都市の利回りは、7%~8%

ですから、大きな差はないのです。

これは、なぜかというと

不動産投資をする投資家や企業の、この水準であれば投資したいという水準

がワールドワイドで投資できる環境家では、同じような水準になってくるからです。

インカムゲインだけを考えた場合、世界を股にかけて不動産投資をする投資家にとっては「不動産価格の資産価値の落ちにくい(手堅い)エリアで、これ以上の投資利回りが取れるのであれば、投資する」というルールがあるとすれば、それを世界レベルで行うのですから、

世界の不動産投資利回りは、リスクとリターンのバランスで決まるので、同じ不動産という商品である以上、似たような国、似たような発展エリアであれば、似たよう利回りになっていく

ということになります。

つまり、

おおむね、日本国内の不動産投資も、海外の不動産投資も、利回りは同じ水準になる

ということです。

しかし、完全に一致するわけではなく、以下の点は、日本国内の不動産投資と海外不動産投資で利回りが違う要因になってくるので注意が必要です。

日本の不動産投資と海外不動産投資の利回りでの大きな違い

投資する国の政策金利に依存する

日本の政策金利は、ずっとマイナス金利-0.1%が長いこと適用されていました。

しかし、バブル時代は、政策金利が6.0%という時代もあったのです。

日銀の政策金利が6.0%だとすると、民間銀行の預金金利も、同程度の6.0%になります。

もし、この時代に不動産投資利回りが4.0%だとしたら、不動産投資は選ばないと思います。銀行に預金した方が安全で、高利回りになるからです。

つまり、多くのケースでは

その国の政策金利 + 金利を考慮しない不動産投資利回り = 不動産投資利回り

となるのです。

政策金利が高い国であればあるほど、不動産投資利回りも、上がるのです。

エジプトの場合は、政策金利が27.75%となっています。

エジプト不動産の不動産投資利回りが、20%を超えてくるのは、不動産本来の投資利回りではなく、「政策金利分が乗っかっているから」なのです。

実質利回りは、賃貸運用のコストに依存する

政策金利分をのぞければ「表面利回り」は、おおむねどの国でも似通ったレートになってきます。

しかしながら、大きな違いとなるのは

  • 固定資産税
  • 所得税

などの「税金」です。

賃貸管理会社に支払う管理手数料などは、どの国でも、ある程度同じぐらいです。家賃の1カ月分、1年間の契約の10%のような設定が多いです。

大きな差が出てくるのは「税金」であり、「税金」は、その国の政府が決めるものですから、税金が高い国と税金が安い国があり、税金が安い国の方が「実質利回り」が高くなります。

例えば、ドバイの場合は、個人の所得税がゼロなので「実質利回り」は大きくなるのです。

ただし、注意が必要なのは

  • 日本在住の日本人が海外不動産に投資した場合、日本で所得税が課される

という点です。

ドバイに移住してからでないと、ドバイの税金がないメリットは、享受できないのです。

リスクが異なる

海外不動産でも、同じ発展度合いで、同じ資産価値のエリアであれば、利回りは同じになりやすい

と言いましたが、注意したいのは

英語が堪能でない日本在住の日本人では、情報の強弱があるため、同じリスクにはならない

という点です。

日本在住の日本人の場合、日本国内の不動産投資をする場合の情報量と、海外不動産をする場合の情報量にはあきらかな差が出てきてしまいます。

実際に東京に住んでいれば、新宿がどんな街なのか?歌舞伎町の治安や大久保との違いなど、ワイドショーや友人知人の話、実際に行った経験からいろいろなことを判断できるかと思います。

しかし、日本在住で、投資先の国には旅行程度しか行ったことがない状態だと、どこがどんなエリアなのか?知り合いも少なく、情報源は、購入予定の海外不動産エージェントのみということになってしまいます。

同じ発展度合いで、同じ利回り、同じ不動産リスクだとしても、情報量の差がでてくるので、海外不動産の方が投資先としては不利になりやすいのです。

海外不動産は「利回り(インカムゲイン)」ではなく「キャピタルゲイン」狙いが一般的

海外不動産を「利回り(インカムゲイン)」だけで選ぼうとすると、前述したように投資家にとって、不利になりやすいです。

それでも、海外不動産に投資する方が多いのには、別の理由があります。

それは

同レベルの「利回り(インカムゲイン)」を得ながらも、「キャピタルゲイン」が狙えるから

です。

単純に言えば

日本国内の不動産の場合、中長期でみると、人口が減るので不動産価格は下がる傾向になります。局地的に人口が増えている、東京23区のような都心部を除ければ、これは出生率が大幅に改善しない限りは、避けられないことと言っていいでしょう。

生産人口が減り、所得も減り、住む人も減るのですから、日本全体で見たときの不動産価格の下落は避けられないのです。

つまり、

日本全体で中長期で見れば、キャピタルゲインよりも、キャピタルロスになる可能性が高い

のです。

海外不動産の場合、人口が増え続けている、生産人口が増え続けている国も少なくありません。

人口が増え続けている、フィリピンやバングラデシュなどの国に投資をしていれば、かなりの確率で、長期で見れば、キャピタルゲインが得られる可能性が高いのです。

  • 日本の不動産投資 → 不動産利回りはある程度見込めて、情報量も多いが、中長期でのキャピタルロスの可能性が高い
  • 海外不動産投資 → 不動産利回りは日本と同レベル、情報量は少ないが、中長期でのキャピタルゲインの可能性が高い

という違いがあるのです。

海外不動産投資を検討するうえでは「利回り(インカムゲイン)」ではなく、「キャピタルゲイン」が重要であり、人口が減ることが確実な日本よりも、人口委が増えていく国の方が「キャピタルゲイン」が大きく取れる可能性が高いのです。

海外不動産投資を検討するのであれば

  • 人口が増加して、キャピタルゲインが大きく狙える国や都市がおすすめ

ということになります。

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