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ディズニーランドがアブダビ・ヤス島に誕生

2025年5月、ウォルト・ディズニー社はUAEのミラルグループと正式に提携し、アブダビのヤス島に新たなディズニーランドリゾートを建設することを発表しました。これはディズニーにとって世界で7番目、中東初のテーマパークとなります。

建設地となるヤス島は、フェラーリワールドやシーワールド、ワーナー・ブラザーズ・ワールドなど、世界的なテーマパークが集まるアブダビ屈指のエンタメ特化エリアであり、今回のディズニーランド開業によってさらに観光価値が高まると期待されています。

このプロジェクトでは、ミラルが全額出資し、ディズニーは「イマジニアリング」部門を通じて設計と体験設計を担当します。完成後には、ディズニーのキャラクターやストーリーを活かした宿泊施設、ダイニング、ショッピング施設も整備され、完全な“ディズニー体験”が提供される予定です。

アブダビは世界最大級の航空ハブであるドバイ・アブダビ空港圏に位置し、4時間以内で世界の3分の1の人口にアクセス可能な戦略的立地です。500万人以上の富裕層が飛行圏内に存在しており、今後の来場者数と経済波及効果は非常に大きなものとなるでしょう。

ディズニーCEOのボブ・アイガー氏は、ヤス島の魅力を「文化と未来が交差する場所」と称し、建築や演出も“エミレーツ文化と融合したオリジナルなディズニー”を目指すと明言しています。規模や世界観においても、既存のディズニーパークとは一線を画す内容となりそうです。

この歴史的プロジェクトは、アブダビの都市戦略「ビジョン2030」の一環としても注目されており、観光だけでなく不動産市場や都市開発全体に大きな影響を与えると見られています。

アブダビのディズニーランドの開催は、いつ?いつできるの?

開業時期(推定)

Disneyland Abu Dhabiの開業時期について、公式な発表はまだありませんが、Disney Experiencesの会長であるJosh D’Amaro氏によれば、設計に1〜2年、建設に4〜6年を要すると見込まれています。これに基づくと、開業は2032年から2033年頃になる可能性が高いとされています 。

特徴と設計

  • 屋内型テーマパーク:アブダビの高温多湿な気候を考慮し、Disneyland Abu Dhabiは主に屋内型のテーマパークとして設計されます。Miral GroupのCEOであるMohamed Abdalla Al Zaabi氏は、「他のヤス島のテーマパークと同様に、ディズニーも屋内型になる」と述べています 。
  • 「ディズニーらしさ」と「エミラティ文化」の融合:ディズニーのCEOであるBob Iger氏は、このプロジェクトを「authentically Disney and distinctly Emirati(ディズニーらしさとエミラティ文化の融合)」と表現し、ディズニーの物語やキャラクターとアブダビの文化、建築、美しい海岸線を組み合わせた体験を提供すると述べています 。
  • 最先端の技術と建築:このテーマパークは、ディズニーのImagineersによって設計され、Miral Groupが開発・運営を担当します。最先端の技術と現代的な建築を取り入れ、これまでにない没入型のエンターテインメント体験を提供することを目指しています 。

Disneyland Abu Dhabiは、ディズニーにとって中東初のテーマパークであり、世界で7番目のディズニーリゾートとなります。ヤス島の既存のエンターテインメント施設との相乗効果により、アブダビは世界的な観光・レジャーの中心地としての地位をさらに強化することが期待されています。開業は2032年から2033年頃と予想されており、今後の進展が注目されます。

アブダビのディズニーランドの詳細の場所は?どこ?

正確な場所とアクセス

ディズニーランド・アブダビの正確な位置はまだ公式には発表されていませんが、ヤス島のウォーターフロントエリアに建設される予定です。これは、ディズニーのCEOであるボブ・アイガー氏が「美しい海岸線に面した場所」と述べていることからも明らかです。

ヤス島はアブダビ国際空港から車で約15分、アブダビ市内中心部から約20分、ドバイからは約50分の距離にあり、アクセスも非常に便利です。

Miral Group(ミラルグループ)とは何者か?アブダビ観光開発のキープレイヤー

ミラルグループ(Miral)は、アブダビ政府が設立した観光・エンターテインメント特化の開発会社であり、ヤス島全体のマスタープランを手がける戦略的ディベロッパーです。アブダビの文化・経済・観光の成長を担う中核企業として知られています。

世界的ブランドとの協業実績

ミラルはこれまでに以下のような国際的施設の開発・運営を行ってきました。

  • フェラーリ・ワールド・アブダビ(Ferrari World Abu Dhabi)
  • ワーナー・ブラザーズ・ワールド(Warner Bros. World Abu Dhabi)
  • シーワールド・アブダビ(SeaWorld Abu Dhabi)
  • Clymb Abu Dhabi(屋内スカイダイビング&クライミング施設)

こうした実績から、アメリカや欧州の有力ブランドとの信頼関係を築いており、今回のディズニーとの提携もその延長線上にあります。

観光を軸に経済多角化を推進

ミラルはUAEの経済多様化戦略「アブダビ・ビジョン2030」において、非石油セクターの成長を加速させる役割を担っています。ヤス島を「世界水準のレジャー観光ハブ」として構築し、国際的な観光収益の柱とすることが目標です。

国家主導型ディベロッパーとしての強み

民間資本ではなく、アブダビの財政的バックアップを受けているため、プロジェクトの安定性や資金力に優れています。ディズニープロジェクトでも、全額ミラルが開発費を負担し、ディズニーは運営ライセンス・設計・収益分配のパートナーシップという形を取っています。

投資家にとっての安心材料

ミラルが手がけるプロジェクトは、資金面・スケジュール・国際的な品質水準のいずれも高く評価されており、長期投資の対象としての信頼性も高いといえます。特にヤス島内での開発物件は、ミラルの都市設計戦略に連動する形で整備されるため、将来的な資産価値の向上も期待できます。

観光特化都市「ヤス島」のポテンシャルとは

ヤス島は、アブダビが国家戦略として掲げる観光特化型の都市開発の象徴的存在です。2023年時点で年間3,800万人以上の観光客を受け入れており、2030年までに3,900万人超を目指すという明確なビジョンが掲げられています。

世界有数のアクセス利便性

ヤス島の魅力のひとつは、世界中からのアクセスの良さです。アブダビ国際空港から車で約10分という立地に加え、UAE全体が世界最大級の航空ハブとして機能しており、4時間以内のフライト圏内に世界人口の約3分の1が存在しています。これにより、欧州・アジア・中東・アフリカの富裕層観光客を効率的に呼び込める土台が整っています。

完成された都市インフラ

ヤス島は2006年の開発開始以降、F1サーキット「ヤス・マリーナ・サーキット」を皮切りに、フェラーリ・ワールド、ワーナー・ブラザーズ・ワールド、シーワールドなどの大型エンタメ施設が次々と整備され、すでに年間数千万規模の観光需要に対応できる都市インフラが完成済みです。公共交通や幹線道路、電力・通信網なども最新の仕様で整備されており、今後のさらなる大型施設の受け入れにも十分な体制が整っています。

短期・長期滞在ニーズへの高い対応力

高水準なホテルやレジデンスが島内に整備されており、観光客の短期滞在だけでなく、出張や移住を目的とした中長期滞在者への対応力も高まっています。インターナショナルスクールや医療施設も完備されており、外国人富裕層の家族滞在先としての人気も上昇中です。観光と居住のハイブリッド需要が高まる中で、宿泊施設や分譲型住宅の需要も着実に拡大しています。

ヤス島はすでに「中東のオーランド」とも呼ばれる観光都市としての地位を確立しつつあり、今後はディズニーランドの進出により、その成長ポテンシャルはさらに加速することが期待されます。

ディズニーが不動産価値に与える影響

世界のディズニーランド周辺における地価上昇の実例

ディズニーランドの開業は、単なる観光施設の誕生にとどまらず、周辺不動産市場に大きな経済的インパクトを与えることが各国で実証されています。以下は代表的な事例です。

  • 上海ディズニーリゾート(2016年開業)
    ・開業から1年以内に周辺エリアの住宅価格が約2倍に上昇
    ・パーク半径5km圏内のマンション価格が平均30~50%増加
    ・地価上昇とともにインフラ整備も進み、商業施設とホテル建設が急増
  • 香港ディズニーランド(2005年開業)
    ・開業決定直後からランタオ島の住宅価格が約40%上昇
    ・空港線沿線地域の投資需要が高まり、商業用地価格も上昇傾向
  • パリ・ディズニーランド(1992年開業)
    ・Val d’Europe地区の地価が20年間で約4倍に上昇
    ・ディズニー誘致後、パリ郊外の中でも最も成長したエリアとして定着
    ・フランス政府と共同で都市整備を行い、住宅地・商業施設が開発加速
  • アナハイム(米カリフォルニア州)
    ・ディズニーランド開園以降、アナハイム市全体の税収が約10倍以上に成長
    ・テーマパーク周辺の住宅地価格は州平均を超える水準で推移
    ・ホテル稼働率が高く、商業用不動産のROIが全米でも上位水準
  • オーランド(米フロリダ州)
    ・ウォルト・ディズニー・ワールドの存在が郊外の地価を年間平均5~7%で押し上げ
    ・リゾート周辺の短期レンタル型ヴィラは世界的な投資物件として人気

アブダビ・ヤス島への期待値

これらの事例からも明らかなように、ディズニーランドの開業は長期的な地価上昇・不動産価値の向上をもたらします。とくにアブダビは政府系ディベロッパーであるMiral主導による計画的開発が進行しており、ヤス島は次の「ディズニー特需」の中心地になると見られています。

今後はヤス島内および周辺エリアで、以下のような展開が期待されます。

  • 高級・中価格帯の新築物件の供給増
  • 海外投資家によるオフプラン購入の活発化
  • 商業施設・ホテル・レジデンスの複合開発の加速
  • 周辺インフラ(道路、公共交通、公共施設)の強化によるさらなる地価上昇

テーマパーク誘致による不動産ブームは、都市計画と連動した長期的な上昇トレンドを形成するため、「開業前の先行投資」は最も収益性の高いタイミングといえます。

ドバイとの比較:アブダビの「堅実な成長力」

成長アプローチの違い

ドバイは「世界最速クラスの都市開発」と称されるほどの急成長型都市です。ブルジュ・ハリファをはじめとする象徴的な超高層ビルや、ドバイモール、パーム・ジュメイラなどを短期間で建設し、観光と不動産投資を一気に加速させてきました。ドバイの強みは、世界中の富裕層や企業を引きつける派手さと話題性にあります。

一方でアブダビは、石油収益を背景とした圧倒的な財政基盤をもとに、**段階的かつ戦略的に投資を重ねる“安定志向の成長”**を実践しています。テーマパーク開発も、フェラーリワールド、ワーナー、シーワールドと、数年おきに着実に整備。ディズニーランドの誘致もその延長線上にあり、突発的ではなく計画の一部として動いています。

経済構造とリスク分散

ドバイはすでに観光・不動産・航空に特化した「非石油型経済」に舵を切っており、UAE全体の中でも石油依存度が最も低い地域です。そのため、観光収益の減退や地政学的リスクが直撃しやすい構造でもあります。パンデミック時には、観光業の急落によりホテル・商業地の稼働率が一時的に大きく低下しました。

アブダビは現在でも石油によるGDP比率が60%程度を占めており、財政に余裕があります。ただし、**「経済ビジョン2030」**に基づき、非石油部門(観光、製造、AI、金融、不動産など)への多角的な投資を実行中。ディズニーランドも、観光収益のみに頼らず、資産価値の安定成長と都市ブランドの向上を目的とした戦略投資の一部と捉えることができます。

投資対象としての魅力比較

観点ドバイアブダビ
成長戦略一気通貫型・急成長志向段階的・リスク分散型
観光依存度非常に高い中程度・計画的拡張
財政基盤観光・不動産に収益を依存石油+Sovereign Wealth Fund(政府系ファンド)
投資家へのリターンハイリスク・ハイリターン傾向安定収益・中長期向き
テーマパーク戦略過去にディズニー誘致失敗(2009年)Disneyとの公式提携・Miral主導で実現

ドバイは、短期で利益を狙う投資家には魅力的な市場です。実際、短期転売やホテルコンドミニアム型投資の成功事例も多くあります。しかし不動産価格の振れ幅が大きく、外的要因によるリスクが高いことは無視できません。

アブダビは、堅調な人口増加と国家主導の開発に支えられ、不動産価格が緩やかに右肩上がりを描く安定的な成長を見込めます。加えて、MiralやMubadalaのような政府系企業が不動産開発を担うため、計画の中断リスクも極めて低い点が特徴です。

今後の展望と位置づけ

アブダビはドバイに比べて“控えめ”な都市という印象が強いかもしれませんが、質の高い観光・教育・医療・文化施設を集中的に整備する「選ばれる都市」戦略を進行中です。ディズニーランドの進出は、その象徴的な一手であり、ヤス島が“中東のオーランド”と呼ばれる日も遠くないかもしれません。

投資家にとっては、短期的な刺激ではなく、中長期のリターンと安定性、そしてブランド資産としての魅力を重視するなら、アブダビは確実に有望な選択肢といえるでしょう。ドバイが「スピードと話題性の都市」であるならば、アブダビは「信頼と価値の都市」として、次のフェーズへ進化しようとしています。

今、注目すべき不動産プロジェクト3選

BRABUS ISLAND ABU DHABI
ドイツのハイエンドカーブランド「BRABUS」と提携した世界初の不動産プロジェクトで、超富裕層をターゲットにした限定物件が展開されています。ヤス島の海岸沿いに位置し、プライベートマリーナや専用ビーチ、BRABUSデザインのインテリアなど、唯一無二の価値を提供する点が特徴です。アブダビ政府系ファンドの後押しもあり、完成前から世界中の富裕層から注目を集めています。

Yas Golf Collection
ヤス・リンクス・ゴルフクラブ隣接の複合型住宅エリアで、中価格帯を中心にファミリー層や長期滞在者向けのユニットを供給しています。高品質ながらも手の届く価格設定が特徴で、賃貸需要の高まりに応じて安定したキャッシュフローが期待できます。学校や病院、商業施設との近接性も高く、実需・投資の両面でバランスの取れた選択肢です。

Mayan Residences
フェラーリ・ワールドやウォーターワールドに徒歩圏のロケーションに立地し、短期レンタルやホリデーホーム需要に最適な高利回り物件です。観光客や出張者向けの宿泊ニーズが集中するエリアであり、Airbnb運用にも適しています。リゾートスタイルの設備や共有プール、24時間セキュリティなど、短期滞在者の期待に応える設計が評価されています。

投資判断ポイントと今後の戦略

アブダビ・ディズニーランドの建設決定は、不動産市場における大きな転換点となり得ます。今がまさに、投資家が「先行者利益」を狙えるフェーズに突入したといえます。大型テーマパークは、開業数年前から地価と物件価格が上昇し始める傾向があり、完成前の物件取得はキャピタルゲインを最大化する鍵となります。

投資判断の軸となるのは、2029年の開業予定に合わせた「中長期保有戦略」です。5~6年のスパンで需要増加と共に資産価値の上昇が期待できるため、すぐに転売を目指す短期投資ではなく、賃貸運用を含めた中期視点での活用が現実的です。

ヤス島のような戦略的立地においては、テーマパークとの相乗効果によって短期レンタル需要や滞在型ホテルレジデンスの利回りが上昇する傾向があります。とくに観光特化都市での物件は、エンタメ施設の開業によって「宿泊インフラの不足」が深刻化し、家賃価格に強い上昇圧力がかかることが過去の事例でも確認されています。

不動産の取得タイミングは、「公式発表直後~着工前」がもっとも有利とされ、価格が本格的に上昇する前にポジションを確保することが肝心です。また、Miral社をはじめとした現地ディベロッパーとのパートナー物件は、開発完了後の流通性も高く、資産の出口戦略においても優位性があります。

投資戦略としては、以下の3点が鍵となります。

  1. 2025〜2026年の先行購入フェーズでの物件確保
  2. 2029年の開業に向けた賃貸運用と観光需要取り込み
  3. 2030年以降のリセールによるキャピタルゲイン狙い

エンターテインメントと不動産が融合するこのような大型プロジェクトは、市場における希少性が高く、世界中の投資家からの注目が一極集中する傾向にあります。アブダビの堅実な経済基盤と国際的な観光戦略を背景に、今後数年間は価格上昇と収益性の両面で期待できる投資先といえるでしょう。

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