2025年4月24日、世界的ホテルブランド「ヒルトン(Hilton)」は、エジプトの新行政首都「New Administrative Capital(NAC)」にて、2つの新たなホテルを開業する契約を発表しました。契約先はSelim Holding Group傘下のPanax社で、2028年の完成を目指しています。
建設予定のホテルは以下の2棟です。
- Hilton Cairo New Capital Downtown
- Hilton Garden Inn Cairo New Capital Downtown
これらは、新行政首都の中心ビジネス地区(Central Business District)や大統領宮殿、エジプト中央銀行などの主要施設の至近に位置し、政財界の来訪者や観光客の需要に応える施設となります。
ヒルトンの戦略とエジプトの観光拡大
ヒルトンは今回の発表を含め、2028年までにエジプト国内のホテル数を40棟以上に増やす計画を掲げており、急速に都市開発が進むエジプトでのプレゼンス拡大を狙っています。
背景には、政府主導で推進される観光政策と、外国資本による都市インフラ整備があります。
新行政首都とは
「New Administrative Capital(NAC)」は、カイロ市中心の混雑を緩和し、行政・経済の機能を分散させる目的で建設中の新都市です。既に複数の政府機関が移転を計画しており、今後はエジプトの政治・経済の新たな中心地となることが期待されています。
各ホテルの特徴
Hilton Cairo New Capital Downtown
- 客室数:100室
- ターゲット:ハイエンドのビジネス・観光客
- 特徴:会議場、複数の高級レストラン、レクリエーション設備を完備し、エレガントな都市型ホテルとして展開。
Hilton Garden Inn Cairo New Capital Downtown
- 客室数:180室
- ターゲット:中価格帯を求めるビジネス出張者や観光客
- 特徴:機能性重視のミーティングルーム、オールデイダイニング、カジュアルなラウンジスペースを併設。
両ホテルはそれぞれ異なるターゲット層を想定し、NACエリア全体の宿泊需要を広くカバーする設計です。
難しい用語の解説
- NAC(New Administrative Capital):カイロ東部に建設中の新行政首都。政府機能やビジネス街を集中させる大型都市開発プロジェクト。
- セリム・ホールディング(Selim Holding):エジプトを拠点とする複合企業グループ。
- Panax社:Selim Holdingの子会社で不動産開発事業を担う。
ニュースの見解
日本人投資家への影響と見解
日本人にとっても、ヒルトンの進出はエジプト不動産投資の新たな可能性を示唆しています。以下の観点から注目です。
- 資産価値の上昇:NAC内に外資系高級ホテルが立地することで、周辺の地価上昇や再開発が促進される可能性が高い。
- 賃貸需要の増加:政府関係者・ビジネスパーソン・観光客の流入により、短中期の滞在型賃貸物件の需要増加が期待できる。
- 投資の選定基準:高級ホテルやビジネス街へのアクセスの良さが物件選びの新たな指標となる。