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2025年7月25日、インドネシア政府は、米国の主要5社(エクソンモービル、オラクル、マイクロソフト、アマゾン・ウェブサービス〈AWS〉、ゼネラル・エレクトリック〈GE〉)から、総額232億1000万ドル(約3.7兆円)の巨額投資が行われると発表しました。これは、同国の経済協力調整省のデータに基づくもので、インドネシアと米国の間で進んでいた二国間貿易協定の結果とされています。

具体的な投資内訳は以下の通りです:

  • エクソンモービル(ExxonMobil):100億ドルを投じ、二酸化炭素回収・貯留(CCS)施設を建設
  • オラクル(Oracle):65億ドルでバタム島にデータセンター建設(マレーシア・ジョホールの施設の再現を目指す)
  • AWS(Amazon Web Services):50億ドルでクラウドおよびAIインフラ拡充
  • マイクロソフト(Microsoft):17億ドルでAIインフラ整備を段階的に実施
  • GEヘルスケア(GE Healthcare):1090万ドルでインドネシア初のCTスキャナ製造拠点を2025年内に設立予定

一方で、注目を集めていたアップル(Apple)はこのリストに含まれていません。インドネシア政府は過去にAirTagの製造拠点設置に向け、アップルへ10億ドル規模の投資を求めてきました。しかし、アップルは2024年に販売されたiPhone 16の国内展開にあたり「現地調達率要件(ローカルコンテンツルール)」への対応を巡って苦戦し、結局、その規制は米国との合意により一部撤廃された経緯があります。

アップルはすでにバタム島に用地を取得しており、提携製造企業のLuxshare-ICTが将来的な工場設置に関与するとみられていますが、現時点で正式な投資表明はありません。

背景:米インドネシア経済連携と投資環境の変化

2025年にかけてインドネシアは、米国との貿易不均衡是正の一環として、輸出品への関税を32%から19%へ引き下げる協定を締結。見返りとして米国からの輸入および投資総額350億ドルを受け入れる枠組みを構築しました。

また、インドネシアでは今後、クリティカルミネラルやIT製品に関する輸出制限の緩和や、米国企業に対するローカルコンテンツ規制の撤廃が進行しており、外資系企業の参入障壁は明らかに低くなっています。

データセンターやAIインフラ、CCS施設といった分野は、現地不動産(商業・工業用地)との関係が極めて強いため、不動産市場全体の活性化も期待されています。

難しい用語の解説

  • CCS(Carbon Capture and Storage):二酸化炭素を大気中に排出せず地中に封じ込める技術。気候変動対策として注目されている。
  • ローカルコンテンツ要件:現地生産・部品調達など、一定割合以上の「国内要素」を含むことを求める政策。撤廃されれば外資企業の負担が減る。
  • バタム島:インドネシア・リアウ諸島州にある経済特区。マレーシアやシンガポールとの距離が近く、製造・物流の拠点として注目されている。

ニュースの見解

この大規模な米国企業の投資ラッシュは、インドネシアにおける外資不動産需要の急拡大を意味します。特にバタム島など経済特区では、工業用地・商業不動産・住宅開発のいずれにも波及効果が出ると予測されます。

また、アップルの未確定投資や今後の規制緩和の流れも、日本人投資家にとっては「潜在的な値上がりエリアの先取り」という視点で注目すべき動きです。バタム島やジャカルタ周辺のデータセンター・製造拠点周辺では、従業員向け住宅や短期賃貸物件への需要が見込まれるため、今後の賃貸利回りにも好影響が期待できます。

工業・IT特化エリアにおける中長期の不動産投資先として、インドネシアが再評価されるタイミングであり、規制緩和と米国との経済連携が強化される今こそ、情報収集と動向分析が重要です。

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