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エジプトのアブドルファッタハ・アル・シシ大統領は、2024年4月2日、エジプト、ニューキャピタルで3期目の就任宣誓を行いました。財政を拡大しながらも、支シシ大統領の統治を象徴する巨大プロジェクトの中で最大のものが、ニューキャピタルです。
ニューキャピタルの新しい国会議事堂で演説したシシ氏は、エジプトが近年耐えてきた課題を強調する一方、多くのエジプト人が疎外感を感じていると述べ、継続的な発展を約束しています。
シシ氏は
「過去数年は、国内でのテロの試み、国外での突然の世界的危機、周囲の激しい戦争の間で、国家建設の道がバラで舗装されていないことを示している」
「私は国家建設の旅を続け、偉大なエジプト国民の期待に応え、芸術、農業、科学、産業、都市開発、文学に優れた近代的で民主的な国家を樹立することに尽力する」
「特に若者の政治参加の促進に重点を置き、国民対話の勧告をさまざまな分野で実行する」
と語っています。
シシ氏は、2023年12月の選挙で、得票率89.6%を獲得し、有力な挑戦者はいなかったため、圧勝しています。
隣国ガザで戦争が激化する中、安定と安全を訴える同氏のメッセージは一部の有権者の共感を呼びましたが、多くの有権者は、経済的苦境・貧困に直面しており、選挙に無関心を表明していました。
シシ氏が2014年に大統領に就任して以来、エジプトは、軍主導のインフラ散財に着手しており、これは経済発展と、4年前に1億人の大台に達して以来、600万人増加した人口に対応するために不可欠であると発言しています。
シシ氏が進えているプロジェクトでは、カイロ東の砂漠にある580億ドルの新行政首都はメガプロジェクトの中で最大のもので、スエズ運河の拡張、大規模な道路建設、その他の新都市も含まれています。
反対派は、こうしたプロジェクトがより緊急なニーズから資源をそらし、エジプトの債務負担を増大させるとして、このようなプロジェクトがエジプトの経済的苦境の一因となっていると非難しています。
シシ氏は、就任演説で、エネルギーを含むいくつかの分野への投資と公共支出の合理化を約束し、新たな都市の建設を継続すると約束しました。
経済問題はエジプトの安定を脅かしたが、ガザ危機ではエジプトが援助の主要なパイプ役となり、停戦交渉の開始者としての役割を果たし、エジプトの世界的地位は、強化されています。
ニュースの見解
エジプト不動産投資という観点から見れば、ニューキャピタルのプロジェクトを推し進めるシシ大統領が3期目に就任し、ニューキャピタルの新しい国会議事堂で、ニューキャピタルのプロジェクトを推し進めることをコミットしたことは、一つの安心材料と言えます。
3期目ということは、今後6年間は、政権を担うということになります。同国の憲法は2019年に改正され、大統領の任期を4年から6年に延長しており、これによりシシ氏は2030年の最終任期に立候補することが可能となっています。
一方で、エジプトの対外債務が積みあがっていることや、国民の貧困、世界情勢の戦争などの終結メドがたっていないことは、エジプトの経済状況を悪化させる悪い材料と言えます。
同国の債務は2022年第4四半期に5.1%急増し、前四半期より総額100億ドル多い1629億4000万ドルに達しています。
しかし、2024年の第1四半期には、エジプトには500億米ドルを超える融資や投資取引が流入しており、カイロはこれによって深刻な外貨不足が緩和され、低迷する経済が活性化するとされていますが、実態のところは、予断を許さない状況です。
今後も、エジプト経済の動向には注意が必要です。