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UAE(アラブ首長国連邦)は、デジタル通貨「デジタルディルハム」での、史上初の国境を越えた支払いを開始しました。日本銀行でも、デジタル円の導入が検討されていますが、世界に先駆けて、デジタルディルハムを国外との取引に利用したのです。
UAE(アラブ首長国連邦)は、2024年1月29日デジタル通貨「デジタルディルハムで、中国に5000万ディルハム(1UAEディルハムは約40.0円、約20億円)を支払いました。UAE(アラブ首長国連邦)のマンスール副大統領兼中央銀行総裁が、UAE中央銀行創立50周年記念式典で、多国間中央銀行デジタル通貨ブリッジ(Multi-CBDC Bridge、以下「通貨ブリッジ」)を通じてこの決済を行いました。
中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長によると
「通貨ブリッジと現行のクロスボーダー決済システムの最大の相違点として、現行のクロスボーダー決済システムが1行または複数の銀行を経由する必要があり、支払い経路が長く、費用が高いのに対し、通貨ブリッジでは商業銀行が法令を守りつつ取引効率を大幅に向上させ、クロスボーダー決済コストを削減できる点を挙げ、通貨ブリッジの実際の取引経験によれば、取引コストを少なくとも50%削減できるとした。」
とコスト削減効果を見込んでいます。
UAE(アラブ首長国連邦)のアナリスト、ブライアン・デシェル氏によると
「仮想通貨への需要の急増により、デジタル投資全般の人気が高まり、それ以来、中央銀行デジタル通貨(CBDC)として知られる新しい形式のデジタル通貨の登場について多くの話題が広がっています
CBDCは、その価値が中央銀行によって固定され、国の通貨と同等であることを除いて、暗号通貨に似ています。新しい形の電子マネーですが、暗号通貨とは異なり、各国の中央銀行によって発行されます。」
デジタル通貨(CBDC)とは
国の通貨の価値に固定された、暗号通貨と同様のデジタルトークンです。中央銀行が管理し、発行するため、暗号通貨とは異なります。。暗号通貨は分散型デジタル通貨であり、それを管理する中央機関が存在しないことを意味します。CBDC では、発行国の中央銀行が権限を集中管理します。
デジタル通貨(CBDC)は、法定通貨であり、信用されている通貨である反面、暗号通貨は、みんなで管理する分散型のデジタル通貨であり、お互いに価値を保証しあっている通貨と言えます。
ニュースの見解
各国の中央銀行が検討している法定通貨としてのデジタル通貨、というのは、暗号通貨の良いところである「取引コストがかからない」というメリットと、法定通貨の良いところである「国が保証している」ということのハイブリッド通貨です。
とくに海外との取引では、デジタル通貨通しでトレードできた方が為替手数料や送金手数料が大幅に圧縮できるメリットがあります。
では、ドバイのデジタルディルハムの導入が、今後の不動産投資へどのような影響を与えるのでしょうか?
プラスの効果
- 海外投資家の投資コストが軽減する
- 世界的に国を超えた不動産投資が活性化する
- 国を超えた不動産担保ローンなどの商品開発が可能になる
マイナスの効果
- 暗号通貨のように、巨額の詐欺事件が起こるかもしれない
- 税金の言い逃れができなくなる(完全に履歴を把握されてしまう)
- ドバイに関しては、ドルペッグがデジタル通貨によって、解消されるリスクがある
上記では想像できないメリットデメリットも、今後出てくることでしょう。
デジタル通貨の台頭は、不動産価格にも大きな影響を与える可能性があるため、しっかり最新情報をチェックしておくことが求められます。