最新ニュース

2024年のシェイク・ハシナ前首相の失脚後、長らく政治的空白や混乱が続いていたバングラデシュにおいて、待望の総選挙が実施されました。新政権の発足により、停滞していた経済の立て直しと外交関係の修復が期待されています。

選挙結果と新体制の顔ぶれ

2026年2月12日に実施された総選挙において、バングラデシュ民族主義党(BNP)が圧倒的な勝利を収めました。これにより、これまで滞っていた投資や経済政策が再び動き出すと見られています。

  • 選挙結果:全300議席中、BNPが過半数を大きく上回る209議席を獲得しました。一方、野党のジャマート・エ・イスラミ主導の連合は77議席を獲得しています。
  • 新体制の主要閣僚
  • 首相:タリク・ラフマン氏(BNP党首)
  • 財務相:アミール・ホスロー・マフムード・チョウドリー氏
  • 外相:カリルル・ラフマン氏

専門家は、新内閣には経験豊富なベテランとZ世代がバランスよく配置されており、実力主義に基づく選考が行われたと評価しています。若年層の雇用創出を公約に掲げており、国民からの期待も高まっています。

経済の現状と今後の見通し

新政権にとって最大の課題は、低迷する経済、高いインフレ率、そして失業問題の解決です。

  • 経済成長率の推移:IMF(国際通貨基金)の先月の発表によると、2025年6月期の経済成長率は3.7%に留まりました。2023年度の5.8%、2024年度の4.2%と比べると、ロシア・ウクライナ戦争などの地政学的リスクや世界経済の減速を受けて下降傾向にあります。
  • 今後の予測:ただし、IMFは今年度および来年度の成長率が4.7%へと回復軌道に乗ると予測しています。
  • 市場の評価:格付け会社のムーディーズは、治安の悪化や縫製産業での散発的な抗議活動が経済の重しになっていると指摘しつつも、銀行や議会のガバナンス強化に向けた取り組みを肯定的に評価しています。また、オックスフォード・エコノミクスは、BNP政権が今後も「市場志向の経済政策」を維持すると予測しています。

縫製産業が直面する試練(LDC卒業問題)

バングラデシュ経済の屋台骨であり、不動産市場への波及効果も大きい縫製産業は、今年大きな転換期を迎えます。

  • LDCからの卒業:今年(2026年)11月、バングラデシュはこれまでの経済成長が認められ、LDC(後発開発途上国)から「発展途上国」へと昇格する予定です。
  • 輸出への打撃:オックスフォード・エコノミクスの試算では、昇格に伴って貿易の優遇措置が撤廃されると、輸出収益が14%減少する可能性があると警告されています。
  • 今後の競争:今後は関税の優遇に頼るのではなく、ベトナムやインドといった競合国と「生産コスト」や「コンプライアンス(法令順守)」で直接競争しなければならず、業界全体の構造改革が急務となっています。

外交関係:隣国インドとの修復

2024年にハシナ前首相がインドへ逃亡して以降、両国関係は冷え込んでいました。バングラデシュ側は現在もハシナ氏の引き渡しを求めており(2025年11月には欠席裁判で死刑判決が下されています)、これが火種となっていました。しかし、タリク・ラフマン新首相は、同国第2の貿易相手国であるインドとの関係改善に向けて現実的なアプローチをとると予測されており、南アジア地域の安定化に寄与すると見られています。

ニュースを読み解くための専門用語解説

本ニュースの背景をより深く理解していただくため、重要なキーワードを解説します。

  • LDC(後発開発途上国 – Least Developed Country):国連が定める、途上国の中でも特に開発が遅れている国々のこと。LDCに認定されると、先進国へ製品を輸出する際に関税が免除されるなどの恩恵を受けられます。
  • 特恵関税(とっけいかんぜい):特定の途上国からの輸入品に対して、通常の関税率よりも低い税率、あるいは無税を適用する制度のこと。バングラデシュの衣料品輸出はこの制度の恩恵を大きく受けて急成長してきました。
  • 不良債権(NPL – Non-performing loans):回収が困難になるリスクが高い貸付金のこと。バングラデシュでは一部の銀行で不良債権比率の高さが問題視されており、新政権の金融安定化における重要課題の一つとなっています。

ニュースの見解

今回のバングラデシュにおけるBNP新政権の誕生は、日本人の海外不動産投資家にとって「不確実性の払拭」というポジティブな側面と、「過渡期ならではのリスク」というネガティブな側面の両方を提示しています。

第一に、長らく続いた政治的混乱が総選挙によって一区切りついたことは、不動産市場にとって大きなプラス材料です。これまで「政治リスク」を懸念して様子見をしていた国内外の投資マネーが、再び首都ダッカなどの都市開発やインフラプロジェクトに流入する可能性が高まりました。新政権が市場志向の政策を継続する見通しであることも、海外投資家にとっては大きな安心材料です。

一方で、今年11月に控える「LDCからの卒業」には注意を払う必要があります。バングラデシュの不動産需要(特に駐在員向けの高級レジデンス、工業団地、商業オフィスなど)は、同国の主力産業である縫製産業の好調さに大きく支えられてきました。優遇関税の撤廃によって輸出企業の業績が一時的に悪化すれば、特定エリアでの不動産需要の冷え込みや、賃料下落を招くリスクが考えられます。

日本人不動産投資家としては、以下のポイントを注視して投資判断を行うことをお勧めします。

  1. インフレ率と為替(タカ)の動向:高いインフレと通貨安は不動産の実質利回りを低下させます。新政権による通貨安定化と不良債権処理の進捗をしっかりとウォッチする必要があります。
  2. インフラ整備とエリアの選別:国全体の経済が調整局面に入ったとしても、ダッカなどの急激な都市化は止まりません。ダッカのMRT(都市鉄道)沿線など、利便性が向上するインフラ整備エリアの物件は依然として底堅い実需が見込めます。
  3. 長期的な視点での投資:現在は新政権への期待感から市場が好感しやすい「ハネムーン期間」ですが、雇用問題や経済の構造転換には時間がかかります。短期的な転売益(キャピタルゲイン)を狙うよりも、経済成長に伴う中間層の拡大を見据え、中長期的な家賃収入(インカムゲイン)を狙う堅実な戦略が有効です。

バングラデシュの不動産市場への参入や、現地のより詳細なエリア情報についてご興味はございますか?

バングラデシュ不動産関連情報

バングラデシュ不不動産基本情報

バングラデシュ不動産物件最新

X

お問い合わせ・資料請求・ご相談

ログイン

新規登録

パスワードをリセット

ユーザー名またはメールアドレスを入力してください。新規パスワードを発行するためのリンクをメールで送ります。