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ブルームバーグによると、2024年3月6日エジプトは、自国通貨のエジプシャンポンド(EGP)の通貨切り下げを行いました。2022年はじめからの4回目の通貨切り下げです。自国通貨のエジプシャンポンド(EGP)の通貨は、35%ほど下落しました。
エジプト・ポンドはカイロ時間午後1時半に1ドル=50ポンドを割り込み、過去最安値を更新し、その直前、エジプト中央銀行は臨時会合で政策金利の600ベーシスポイント(bp、1bp=0.01)引き上げを決め、為替レートの決定を市場の力に委ねる方針を示しました。
利上げによって、エジプトの主要金利は、27.25%になっています。
エジプト・ポンドは過去1年間、1ドル=30.9ポンド程度で推移していました。しかし、闇市場では大幅に安く取引されてきました。今回の切り下げで、ポンドは闇市場での相場水準に近づいています。ポンドは国内の闇市場では、1ドル=45ポンド前後で売買されていました。
国際通貨基金(IMF)はエジプトに対し、30%近いインフレ率に対処するため金融政策を強化し、より柔軟な公式為替レートを採用するよう促していて、それに応じた形になりました。
ロイターによると
湾岸諸国からの投資資金流入を通じて経済の安定を取り戻す狙いがあるとみられています。
エジプトは過去に為替レートを柔軟化する方針を示したが、エジプトポンドが下落する局面では相場を入念に管理していました。
今回は、投資プロジェクトに伴う外貨流入で通貨急落を回避できると考えている可能性があります。同国は2月下旬、アラブ首長国連邦(UAE)がエジプトの都市開発などに350億ドルを投資すると発表しました。
当局者によると、既存の国際通貨基金(IMF)も近く拡大される。
中銀は金融引き締めを加速し、基調インフレ率の低下を確実にするため、翌日物貸出金利を28.25%に、翌日物預金金利を27.25%に引き上げましたた。
「円滑な移行を確実にするため、引き続きノミナル・アンカーとしてインフレ率をターゲットにし、為替レートが市場原理で決まることを認める」
「為替レートの統一は、外貨の蓄えの減少を促すため、極めて重要だ」
と述べています。
中銀はこれまでインフレ目標を掲げる一方、為替レートの管理も目指してきました。慢性的な外貨不足の中、ポンドの価値を維持することが狙いでした。
2024年2月23日のアラブ首長国連邦(UAE)による投資発表後は、闇市場でエジプトポンドの売り圧力が和らいでいた。
日経新聞によると
エジプトは、ロシアのウクライナ侵攻後、外貨不足が進んでおり国際通貨基金(IMF)から支援を得るための措置だとの見方があります。
エジプトは、ロシアとウクライナに輸入小麦の8割を頼っており、小麦の国際価格が高騰するなか主食のパンの値上がりに苦慮していて、かつ燃料高も響いており、IMFから資金支援を得るための交渉に入ったと報じられていました。
中央銀行は、インフレ圧力が「ロシアとウクライナの衝突で強まった」と指摘し、衝撃を和らげるため為替レートの柔軟性が重要だと強調しています。
ニュースの見解
エジプトは、ロシアとウクライナに輸入を頼っていたことで、インフレと外貨不足に悩まされており、
国際通貨基金(IMF)から支援を受けるたびに、通貨切り下げ・通貨の自由化を求められていて、都度、実行してきた経緯があります。
エジプト不動産も、ここ1年で2倍になっているのですから、そのインフレ率はすさまじく、インフレを抑えるためには、金利を引き上げ、通貨安も受け入れざるを得ない状態となっています。
今後も、ロシアとウクライナ戦争が続くようであれば、通貨の切り下げは、起こりうると考えます。
ただし、不動産価格は、反比例するようにインフレによって上がっていくので、投資家側からすると、そこまでダメージはありません。不動産価格の上昇分が、為替の下落分と相殺されるイメージです。
むしろ、不動産価格が急上昇するようなインフレだからこそ、通貨を切り下げる必要に迫られてしまったという感じです。
今から、エジプト不動産を購入する方にとっては「割安になった。」「割引になった。」ということになりますが、今後の通貨切り下げの可能性も考慮する必要はあるでしょう。