「フィリピン不動産に興味があるのですが、フィリピン不動産投資で失敗したくないのですが、どうすれば良いでしょうか?」
フィリピン不動産投資で失敗したくないのは、当然です。どんな国への不動産投資でも、誰でも失敗はしたくないものです。完全に失敗しない方法はありませんが、失敗する確率を下げることは可能です。今回は、フィリピン不動産投資で失敗しないためのポイントを丁寧に解説します。
1.フィリピン不動産投資の目的・目標を設定する
- 何のために、フィリピン不動産投資をするのか?
- どうなったら、フィリピン不動産投資が成功なのか?
をしっかり決めることが重要です。
- 1,000万円投資した物件が5年後に2,000万円で売れて、利益が1,000万円とれたら成功とする
- 10年間賃貸で貸して将来は移住するので、それに利用できれば成功とする
- 投資初期は利回り5%だけれども、賃料上昇で10年後には、利回り20%を超えて運用できたら成功とする
- 購入して5年後に売却して2倍という投資を繰り返して、資産を増やしていく、20年後に10件以上物件を保有する
どんな設定でも構いませんが
「どうしたら、フィリピン不動産投資が成功なのか?」を自分の中で決めておかないと、そもそも、フィリピン不動産投資が失敗なのか?成功なのか?も判断することはできません。
フィリピン不動産を購入する前に、自分の目的・目標を具体的な数字と期間を決めて設定すること
が大前提として必要なことです。
2.信頼できる信頼できるフィリピン不動産エージェント選び
フィリピン不動産を購入する方法としては
- 物件を建設する会社 = ディベロッパー
- 不動産会社 = 現地で正式なライセンス(日本でいう宅地建物取引業許可)を持つ仲介会社
- 不動産エージェント = 現地のディベロッパーや不動産会社からの購入をサポートするエージェント
があり、
- フィリピンのディベロッパーから直接購入する
- 在フィリピンの不動産会社から購入する
- 日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で、フィリピンのディベロッパーから購入する
- 日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で、フィリピンの不動産会社から購入する
という選択肢があります。
その中で、英語が話せない方の場合は
日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で買う
のが一般的です。
この「日本人スタッフがいる不動産エージェント」選びが非常に重要です。ダメな不動産エージェントを利用してしまうと、悪い物件をつかまされたり、契約の不備、賃貸付けができない、などフィリピン不動産投資が失敗に終わる大きな要因となってしまいます。
ダメなフィリピン不動産エージェントの特徴
- 連絡が遅い
- 質問に対する要領を得ない回答
- 実績が乏しい
- 紹介してくれるディベロッパーが偏っている
- サポート手数料(エージェントのサポート対応に関する手数料)が相場よりも高い(5%を超える)
- 収支シミュレーションの数字があやしい
- 完成後は放置になる
良いフィリピン不動産エージェントの特徴
- 連絡が早い
- 質問に対する要領を得た回答
- 実績が豊富
- 紹介してくれるディベロッパーが多い
- サポート手数料(エージェントのサポート対応に関する手数料)が相場よりも安い(5%未満)
- 収支シミュレーションの数字が自分で調査した数字と近い
- 完成後の賃貸運用までフォローしてくれる
複数のフィリピン不動産エージェントと面談したうえで、信頼できる不動産エージェントを見つけることが重要です。
3.国に興味を持ったら、フィリピンの現地に行く
実際の机上の空論、営業資料、セミナーだけで、その国のことがわかることは、ほぼありません。
日本で例えれば、「日本は四季があり、ごはんがおいしく、円安でコストパフォーマンスが高い国です。六本木や新宿がおすすめのエリアで、不動産価格は上昇しています。今、新宿駅徒歩10分の歌舞伎町に建つレジデンスが新宿の相場よりも安くでているのですが、買いませんか?」
と営業されたと考えると、実際に、その話だけを聞けば、魅力的に聞こえるのではないでしょうか?
しかし、日本人ならわかる通り、新宿駅に近いとは言え、歌舞伎町は、トーヨコを代表するように治安も悪く、居住するには適していないエリアです。一回でも、来てみてくれば、雰囲気はわかるかと思うのですが、来てみないとわからないことでもあるのです。
これと同じことがフィリピン不動産でも起こります。
実際に現地フィリピンに行ってみないことには、物件建設予定地の雰囲気はわかりません。
雰囲気というのは
- 人通り
- 通りすがる人の年齢層
- 通りすがる人の見なり
- 道路・インフラのきれいさ
- 買い物をするお店の有無や売っているもの
- 飲食店の数や種類
- 駅までの距離
- 周辺で開発中の物件がどのくらいあるのか?
です。
物件建設予定地だけでなく、マニラの主要な駅のいくつかに訪れてみれば、今度は、比較検討ができるのです。
- Aよりも、Bの方が栄えていた。
- Bよりも、Cの方が若者が多かった。
- Cよりも、Dの方が駅を使っている人が多かった。
- ・・・
などです。
実際に私が現地に行った感じでは、マカティよりも、BGCが発展していて、BGCのごはんがおいしく、道路もきれいだったので、自分が住むなら、BGCだなと思いました。そして、オルティガスは、さらに新宿のような雰囲気で、若者が行きかい、オフィスが多いので、今後発展するのは、オルティガスなのではないか?と感じました。こういうのは、行ってこそ感じるというものです。
フィリピンであれば、気楽に行ける距離であり、かつ飛行機代も、投資する資金と比較すれば全く無視できるほどの安さです。
フィリピンに行く手間を面倒くさがっていかないよりも、実際にフィリピンに行く、できれば1週間ぐらいは滞在する、複数回行く、ぐらいの方がフィリピン不動産投資の失敗の可能性は抑えられます。
4.フィリピン在住の人に情報を聞く
フィリピンであれば、ツテをたどれば
- 昔、フィリピンに住んでいた。
- 今、フィリピンに住んでいる。
という知り合いを見つけることは、それほど難しいことではありません。
そのツテで、現地に行ったときに知り合いのフィリピン人を紹介してもらえれば、フィリピン人がどこの駅を利用しているのか?どこのエリアが人気があるのか?どのディベロッパーの評判が良いのか?などを聞くことができます。
実際に住んでいる日本人に聞いても構いません。
現地に住んでいる方の情報量は、正しいことが多く、「不動産を売りたい」という変なバイアスも掛かりません。信用できる情報であることが多いのです。
もし、フィリピンに住んでいる知り合いを探しても、まったく見つからない場合は、SNS(xやInstagram、Youtube)などで、フィリピン在住の人をフォローして、そのコンテンツを見ながら、仲良くなれれば、DMで質問することも可能になります。
現地の情報をできるだけ得ることが、フィリピン不動産投資の失敗の可能性を抑えることにつながります。
5.フィリピンまたはフィリピン不動産のデータを自分で調べる
不動産エージェントが決まれば、勝手に、フィリピンのデータを紹介して、おすすめの物件を提示してくれるはずです。
しかしながら、物件を売りたい不動産エージェントは、「物件を売る」ことが目的であり、「売るために適したデータのみを開示する」というのが当然の行動になります。
つまり、そのデータの裏付けを取ることができるのは自分だけなのです。
- フィリピンの不動産価格推移
- エリアごとの不動産価格推移
- エリアごとの平均価格、平均専有面積
- エリアごとの家賃相場
- 人気のある物件タイプ
- 駅、鉄道、空港、カジノ、タワーなどの建設計画
ご自身で、現地のデータを調べることで、はじめて「不動産エージェントの提案が正しいかどうか?」をジャッジすることができるのです。
自分でフィリピンの不動産データ・情報を調べる手間をかけることが、フィリピン不動産投資の失敗の可能性を抑えることにつながります。
6.適切な投資エリアを選ぶ
ここまででの情報を照らし合わせて、投資するエリアを選びます。
- 不動産エージェントからの提案
- 現地の雰囲気
- 自分で調べたデータ
- 現地の人から聞いた情報
などを持ち寄ったうえで、最終的に投資したいと考えるエリアを選定します。
エリア選びのポイントとしては
- 不動産価格が上昇している
- 賃貸需要が高い
- 人口が多い・増えている
- 駅から近い
- 空港、カジノ、タワーなどのランドマークからのアクセスが良い
- 複数のディベロッパーが物件を建設している
- 現地の人の評判が良い
- 生活するための機能がそろっている
- 投資家が興味を持つ要素がある
- 評判の悪いエリアを避ける(フィリピンの場合は、海沿いのエリア)
などが挙げられます。
- オフプランなのか?レディプランなのか?
- 投資なのか?移住なのか?
によっても、エリア選びのポイントは変わってきますが、おおむね上記のようなポイントで選ぶと良いでしょう。
7.信頼できるディベロッパー選び
今では、少なくなりましたが、以前は、
購入したオフプランの建設中に、ディベロッパーが経営破綻してしまって、完成しない
ということが、どの国でも起こっていました。フィリピンも、例外ではなく、フィリピン不動産投資で失敗した、だまされた、という方はこのパターンが一番多いのです。今は、ある程度、そのような悪質な業者は倒産してしまうため、信頼できる業者が多くなっていますが、それでもリスクはあるのです。
100%ディベロッパーを信頼できるわけではありませんが、以下の点に注意することで、怪しいディベロッパーを回避することが可能です。
ディベロッパー選びのポイント
- 事業歴が長い
- 企業規模が大きい(資本金、従業員数、展開している国)
- 実績が多い(建設実績が多い。計画通りに遅れなく完成した物件の割合が高い)
- 知名度が大きい(CMや現地の人ほとんどが知っている)
- 上場している
上記の条件をクリアしたディベロッパーであれば、完成する可能性は高いと言えます。
8.失敗のしにくい物件を選ぶ
物件自体のクオリティも、しっかりチェックしたいところです。エリアが良くても、物件の条件が悪ければ、賃貸付けもできず、売却もしにくくなってしまうからです。
物件選びのポイント
- 周辺の同条件の物件よりも割高ではない
- 周辺の同価格帯の物件よりも広い
- 共用施設が充実している
- 駅からのアクセスの良さ
- 人気の部屋タイプが多い(Studioや1Bed)
- 付随する商業施設などが充実している
- 何らかのブランドを持っている(三越とか)
- 仕事場へのアクセスが良い
- 設備のクオリティが高い
- ビューが良い(ランドマークのタワーや海などが見える)
物件自体を選ぶところでも、ポイントを外さない物件を選ぶことで、投資失敗のリスクは下がります。
9.適切なシミュレーションをする
エージェント、エリア、ディベロッパー、物件などが決まれば、後は投資判断をするフェーズになります。
ここでは、収支シミュレーションをして、計画の妥当性や資金計画、リターンなどを明確化します。
重要なポイントは
収支シミュレーションは自分で作成する
です。
不動産エージェントも、収支シミュレーションは作ってくれますし、頼んでなくても、ある程度購入したい物件のめどがつけば、作成して提案してくれるものです。
ただし、これも不動産を売りたい不動産エージェントにとっては、「売るための数字」であり、おおむね、相場よりも高い、甘い不動産価格の上昇率などが設定されています。
「提示されたシミュレーションをうのみにはできない」と考えた方が良いでしょう。
- 自分で調べた家賃相場
- 自分で調べた不動産価格の上昇率
- 自分で調べたコスト・税金
- 自分の場合の資金計画(ローンや支払い)
- 完成後の運用方法(賃貸か?民泊か?そのまま保有するだけか?)
などを入力して、収支シミュレーションを自分で出して、目的と照らし合わせて、投資判断を行いましょう。
- 目的が10年後に売却であれば、それを投資した収支シミュレーションを作る
- 目的が10年保有後、自分で移住であれば、それを投資した収支シミュレーションを作る
目的によって、収支シミュレーションの内容も変わってくるのです。
10.はじめての投資の投資額は抑える
フィリピン不動産投資だけではありませんが、投資の基本は「はじめての投資は、資金を抑えてチャレンジする」です。
「高額な物件の方が、キャピタルゲインが大きく取れる可能性が高い」のは、言うまでもありませんが、はじめてのフィリピン不動産投資でいきなり高額物件に投資をしてしまうと、それで投資が失敗すれば、取り返しがつかなくなってしまいます。
比較的安いフィリピン不動産での失敗であれば、失敗を糧にリカバリーすることもできますが、いきなり高額不動産で失敗してしまうと、もう二度とフィリピン不動産投資はしたくないと考えてしまうのではないでしょうか。
はじめてのフィリピン不動産投資では、高額な物件よりは、割安な物件から経験することをおすすめします。
11.2件目以降は、分散投資をする
投資の基本は「分散投資」です。
フィリピン不動産投資でも、分散することでリスクを低減できます。
- エリアを分散する(オルティガスとBGC、海沿いと内陸、マニラとセブ島)
- 部屋タイプを分散する(STUDIOと1BED)
- ディベロッパーを分散する(SMDCとシャングリラ)
- 運用方法を分散する(賃貸と民泊)
- 種類を分散する(レジデンスとオフィス、アパートメントとヴィラ)
- 価格帯を分散する(割安物件と高級物件)
リスクヘッジのための分散投資の方法hいくつかありますが、2件目以降の物件を取得する際には、1件目とは違った物件・エリアを選ぶことが重要です。
12.為替を理解する
海外不動産投資では、為替による損益も、投資成功を左右する重要なポイントになります。
- 購入時よりもフィリピンペソ/円が上昇 → 円安 → 為替差損が発生する
- 購入時よりもフィリピンペソ/円が下降 → 円高 → 為替差益が発生する
- 円安の時に買って、円高になれば、不動産のキャピタルゲイン以上の為替収益を得ることが可能です。
- 逆に円高の時に買って、円安になれば、不動産のキャピタルゲインが為替差損によって目減りしてしまいます。
また、「どのタイミングで売却するのか?」も、この為替レートを見ながら、タイミングを見極める必要があります。
FXトレーダーでない限り、為替に疎い方も少なくありませんが、海外不動産投資では、為替への理解も重要な成功のポイントとなります。どういうことが起きれば円安・円高になるのか?どういうことが起きればペソ安・ペソ高になるのか?などの基本的な考え方(FXでは、ファンダメンタルズ分析といいます。)は、勉強しておく必要があります。
13.世界経済を知る
フィリピン不動産投資でも、重要なのは、フィリピン経済だけではありません。グローバル化が進む現在では、1国の経済状況だけを見ても、正しい予想はできません。
フィリピンは、BPO産業が主要な産業であり、これはライバルのインドとの関係、クライアントのアメリカ企業との関係などがありますし、次いで巨大産業になると言われているカジノ産業も、香港やシンガポールのカジノやカジノ企業、日本のIR事業との関係もあるのです。
また、中国との紛争なども日本以上に問題となっており、現地の方は、中国人が嫌いです。今後の戦争リスクなどもゼロではないのです。
グローバルな国々との関係の中で、フィリピンがどいう立ち位置なのか?今後どうなっているのか?を知ることで、フィリピン不動産投資の失敗の確率は抑えられるのです。