「海外不動産投資のオフプラン物件って何ですか?」
「海外不動産投資のオフプラン物件を購入するメリットって何ですか?」
「海外不動産投資のオフプラン物件を購入するデメリットって何ですか?」

海外不動産投資に興味があっても、実際に実行できるかどうかは「支払う金額」「ローン」「毎月の支払い」によって左右されます。今回は、海外不動産投資がいくらからできるのか?にフォーカスして、解説します。

オフプランとは?

オフプランとは?

まだ、建設されて竣工(完成)されていない新築物件を、完成前に販売するプランのこと

を言います。

海外不動産には

  1. レディプラン物件(完成した物件)
  2. オフプラン物件(完成していない、将来完成予定の物件)

があります。

オフプラン物件(完成していない、将来完成予定の物件)のことを、プレビルド物件ということもあります。

オフプラン物件は、なぜ、存在するの?

日本では、ディベロッパーも、銀行などの金融機関から融資を受けて、建設資金をねん出し、土地取得から工事・販売までを行うのが一般的です。

海外では、ディベロップメント(不動産開発)のための予算を、計画段階から販売することで、建設資金をねん出する方法が一般的なため、オフプラン物件という販売方法が定着しているのです。

  • 投資家にとっては、完成前だからこそ、安く購入できる
  • ディベロッパーにとっては、完成前に資金調達ができる

お互いにWin-Winになる仕組みとして「オフプラン」という仕組みが一般化しているのです。

オフプラン物件(プレビルド物件)に投資するメリット

1.完成までの間、分割払いができる

オフプラン物件の最大のメリットは

完成するまでの間、購入金額は分割払いができる

という点です。

通常、完成物件の売買では、当たり前ですが、物件価格と諸費用の全額の支払いが求められます。

日本国内の不動産であれば「物件価格と諸費用の全額の支払い」分は、銀行からの融資・ローンで賄えるのですが、海外不動産投資では、融資やローンが使えないことの方が多く、全額を自己資金で用意する必要があります。

しかし、オフプラン物件の場合は、完成までの間、分割払いが可能になります。

例:ドバイ不動産の場合

半年ごとに分割払いが一般的

  1. 手付金:10%
  2. 半年後:10%
  3. 1年後:10%
  4. 1年半後:10%
  5. 2年後:10%
  6. 2半年後:10%
  7. 3年後:10%
  8. 3半年後:10%
  9. 4年後:10%
  10. 4半年後(竣工):10%

例:フィリピン不動産の場合

初期+分割+竣工時の支払いで複数の支払いパターンが提示されるのが一般的

  • 30日以内に90%・完成時に10% → 値引き10%
  • 30日以内に10%・72カ月分割で20%、完成時に70% → 値引き1.5%
  • 30日以内に10%・72カ月分割で5%、完成時に85% → 値引き1.0%
  • 30日以内に0%・72カ月分割で15%、完成時に85% → 値引きなし

ローンが使えなくても、オフプラン物件の場合は、竣工までの期間で分割払いができるので、毎月の支払い負担は、かなり抑えられることになります。

また、ローンとは違って、金利負担がないこともメリットと言えます。

2.オフプラン物件は、竣工時よりも安い

オフプラン物件は、まだ工事をしていない未完成物件を購入することになります。

オフプラン物件のリスク = ディベロッパーが倒産して建設がストップしていますこと

ですので、

  • 竣工までの期間が長ければ長いほど → 未完成リスクが大きい → その分、ディベロッパーは安く売りだす
  • 竣工までの期間が短ければ短いほど → 未完成リスクが小さい → その分、ディベロッパーは高く売りだす
  • 竣工後のレディプラン → 未完成リスクはない → その分、ディベロッパーはより高く売り出す

仕組になっています。

竣工後のレディプランに比較すれば、3割引き程度の価格でオフプラン物件は購入できるイメージです。

3.オフプラン期間の物件の売却で利益が出る

前述したように

  • 竣工までの期間が長ければ長いほど → 未完成リスクが大きい → その分、ディベロッパーは安く売りだす
  • 竣工までの期間が短ければ短いほど → 未完成リスクが小さい → その分、ディベロッパーは高く売りだす
  • 竣工後のレディプラン → 未完成リスクはない → その分、ディベロッパーはより高く売り出す

という関係ですから

オフプラン物件の販売開始直後に購入していれば、数年経過して、竣工直前に売却しようとしても、多くの場合は、不動産価格が上昇し、大きな売却益が得られるのです。

「オフプラン物件の販売当初に買って、完成直前で売る」という投資方針の投資家も、少なくありません。

ディベロッパーの信頼性が確かであれば、十分に譲渡益が出せる、固い投資方法にもなるのです。

オフプラン物件(プレビルド物件)に投資するデメリット・注意点

1.ディベロッパーの経営破綻による、建設中止

オフプラン物件の最大のリスクは

ディベロッパーの経営破綻による、建設中止

です。

ディベロッパーが経営破綻してしまえば、支払ってしまっているはずのオフプラン物件の建設は、当然、ストップしてしまいます。

当然、建築計画を引き継ぐ企業などが出れこなければ、投資資金は戻ってこないため、丸々損をしてしまうリスクがあるのです。

ドバイ不動産などの場合は、このようなリスクを回避するために、ディベロッパーが倒産したときに政府が保証をするエスクローの仕組み・セーフティーネットを導入しています。投資家資金は、まず政府機関の銀行に預け入れられ、ディベロッパーが倒産した場合、投資家に返金されるのです。

また、上記のようなセーフティーネットのない国では「ディベロッパーが倒産しないかどうか?」が非常に重要なディベロッパー選びの要件となります。過去の竣工実績、過去の物件で完成時期から遅れていないかどうか?のチェックなどが重要になります。

2.100%値上がりするわけではない

多くの国では

  • 経済成長に伴うインフレ

が起こり、オフプラン物件の購入時点から、オフプラン物件が完成する時点の間で、不動産価格が上昇する可能性が高いものです。

この不動産価格の上昇に、オフプランの未完成リスクがなくなることの物件価格の上昇が加わり、大きな不動産価格の上昇が見込めるのです。

しかし、これは100%保証されていることではなく

  • 911テロ
  • リーマン・ショック
  • ドバイ・ショック
  • コロナ

などの世界規模の問題が発生してしまえば、不動産価格は下落するリスクも抱えているのです。

オフプランの場合は、それでも、未完成リスク分の販売価格の上昇があるため、不動産価格の下落分もカバーできる可能性が高いのですが、100%ではなく、価格下がるケースもあるということは理解しておく必要があります。

3.5年間の間に自分の状況が変わってしまうリスク

オフプランの物件を購入したときは

  • 「海外不動産投資を積極的に行いたい」
  • 「ある程度余裕資金がある」
  • 「その国すごく魅力的に感じている」
  • 「移住を検討している」

という状況だとしても、5年も経過すれば

  • 「海外不動産投資に興味がなくなった」
  • 「資金的余裕がなくなった」
  • 「その国に興味がなくなった」
  • 「移住する予定がなくなった」

と、心変わりすることも少なくありません。

興味関心がなくなることのリスクもあります。

ただし、興味関心がなくなるだけであれば、オフプランの物件を売却すれば、問題はありません。

4.分割払いができなくなって、オフプラン物件の購入権利が失われてしまう

とくに問題になるのは、資金的な問題です。

興味関心がなくなるだけであれば、オフプランの物件を売却すれば問題はありませんが、分割払いの資金が枯渇してしまった場合には、オフプラン物件の購入権利が失われてしまうのです。

日本の銀行に対して、住宅ローンの返済が1カ月、2カ月遅れても、問題ないケースは多いのですが、海外のディベロッパーは、そこは甘くありません。

アラートぐらいはくれますが、分割払いがストップしてしまえば、オフプランの物件の購入権利が失われてしまい、今まで支払った金額がそのまま損失になってしまうのです。

5.実際の物件を見ずに買わなければならない

オフプランの物件は、未完成の物件ですので、内見はできません。

プレゼンテーションの資料、パンフレットのみで購入を決める必要があります。

完成後にイメージと違ったと言っても、キャンセルはできないのです。

オフプラン物件とレディプラン物件のメリットデメリット比較

オフプラン物件のメリット

  • 価格が安い
  • 完成時に値上がりが期待できる
  • 分割払いが可能

オフプラン物件のデメリット

  • 未完成リスクがある
  • すぐに運用できない
  • 計画・プランだけを見て買う形になる
  • 支払いができなければ、購入権利や今まで払った資金が失われる

レディプラン物件のメリット

  • 未完成リスクがない
  • すぐに運用に回せる(収益化が可能)
  • 物件を見てから買える

レディプラン物件のデメリット

  • まとまった資金が必要
  • オフプランの物件よりも割高

オフプラン物件(プレビルド物件)に関するよくある質問

Q.オフプラン物件は誰から購入するの?

ディベロッパーから直接購入するしかありません。

すでに市場に出ている中古物件であれば、売り主がいて、売り主と交渉して購入することになります。

しかし、オフプラン物件の場合は、ディベロッパーが建設するために完成前に販売するものですので、売り主は、必ずディベロッパーということになります。

Q.オフプラン物件は、いつから買えるの?

オフプラン物件は、竣工するまでの間であれば、売切れていない限り購入することができます。

5年後完成予定で、売り出されたオフプランは、1年後でも、2年後でも、竣工するまでは継続して販売されることになります。どのタイミングでも、オフプランの物件を購入することができますが、価格は変動するので注意が必要です。

Q.オフプラン物件は、いつ売れるの?

オフプラン物件は

  • 竣工するまでの間でも売却できる
  • 竣工後の完成物件としても売却できる

というのが一般的です。

しかし、一部の国、一部のディベロッパーでは「物件価格の50%以上を支払いをおえていないと売却できない」などの売却制限があるケースがあります。これは、オフプラン物件の購入前に確認しておく必要があります。

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