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2025年10月、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、パンデミックやPOGO(オンラインカジノ業者)撤退の影響を受けた不動産セクターの回復を目的とし、フィリピン不動産市場にとって歴史的な転換点となる2つの重要な法案に署名しました。

大手不動産サービス会社Colliers(コリアーズ)のジョーイ・ボンドック氏によると、これらの新法は、海外からの投資誘致と大型インフラプロジェクトの加速において極めて重要な役割を果たすと期待されています。

1. 外国人投資家の土地リース期間を「最大99年」へ延長(RA No. 12252)

一つ目の法律は、共和国法(RA)第12252号です。これは外国人投資家による民間土地のリース規制を緩和するものです。

  • 変更点: これまで50年(更新でプラス25年)だった長期リース契約の安定期間が、最大99年まで大幅に延長されました。
  • 対象分野: 工業団地、工場、農業関連事業、観光業、農業、アグロフォレストリー(森林農業)、環境保全事業など。
  • 目的: 東南アジア地域での競争力を高め、海外直接投資(FDI)を呼び込むこと。特に政府は2028年までに1,200万人の外国人観光客誘致という高い目標を掲げており、空港の近代化とともにホスピタリティ分野への投資を促進する狙いがあります。

2. インフラ建設を加速させる「ARROW法」の制定

二つ目は、「ARROW法(Accelerated and Reformed Right-of-Way Act)」です。これは公共事業における用地取得のプロセスを合理化する法律です。

  • 背景: 従来、インフラ建設において「通行権(Right-of-Way)」の取得が難航し、工事が遅延するボトルネックとなっていました。
  • 内容: 用地取得の手続きを迅速化し、電力供給や環境保護などの課題に対して政府機関間の連携を強化します。
  • 評価法との連携: 2024年の不動産評価改革法(RA No. 12001)に基づき、適正な市場価値での評価・買収を行うことで、トラブルを減らしプロジェクトをスムーズに進めます。

ニュースの背景と用語解説

今回の法改正の背景には、コロナ禍のダメージに加え、マニラのオフィス・コンドミニアム市場を支えていたPOGO(フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター)の撤退により生じた空室問題を解消したいという政府の強い意志があります。

  • RA(Republic Act): フィリピンの「共和国法」のこと。国会で制定され大統領が署名した法律です。
  • POGO(ポゴ): フィリピンを拠点に海外向けにオンラインカジノを提供する業者。かつては不動産需要の大きな柱でしたが、規制強化により撤退が相次ぎました。
  • Right-of-Way(ライト・オブ・ウェイ): 公共事業(道路や鉄道など)のために、私有地を通過したり土地を取得したりする権利のこと。フィリピンではこの権利取得交渉が長引き、インフラ完成が遅れる主因となっていました。

ニュースの見解

今回の法改正は、日本の不動産投資家にとっても非常にポジティブなサプライズと言えます。

まず、「土地リース期間の99年への延長」は画期的です。フィリピンでは外国人の土地所有が憲法で禁止されており、これまではコンドミニアム区分所有以外で土地に関わる投資をする際、リース期間の短さ(実質最長75年)がネックとなっていました。これが99年になることで、実質的な「所有」に近い感覚で、長期的なホテル開発や工業用不動産への投資が可能になります。これは、土地所有権にこだわる日本人投資家にとっても安心材料となるでしょう。

次に、「ARROW法」によるインフラ整備の加速です。用地取得の遅れが解消されれば、マニラ首都圏外(地方エリア)へのアクセスが劇的に改善します。

Colliersの分析にもある通り、今後はマニラだけでなく、セブ、バコロド、イロイロ、ダバオ、ボホール、パラワンといった観光地や、クラーク周辺などの中部ルソン地域での不動産価値上昇が期待できます。

日本の投資家としては、以下の戦略が考えられます。

  • 観光・リゾート物件への注目: リース期間延長と空港整備により、地方のリゾート開発やホテルコンド(コンドテル)への投資妙味が増しています。
  • インフラ沿線の先回り買い: 工事が遅れがちだった鉄道や高速道路プロジェクトがARROW法で進展すれば、その沿線の地価やコンドミニアム価格の上昇が見込めます。

フィリピン政府が本腰を入れて「外資誘致」と「インフラ整備」の法整備を行った今、フィリピン不動産市場は新たな成長サイクルに入ったと言えるでしょう。

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