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マレーシアの物流賃料が東南アジアトップの成長率を記録
2025年2月18日、Knight Frank Malaysiaの発表によると、マレーシアの首都圏(グレーター・クアラルンプール)の物流賃料が東南アジアで最も高い成長率(5%上昇)を記録しました。これは、Eコマースの成長と高品質な産業施設の需要増加が背景にあります。
【背景】アジア太平洋地域の物流市場の動向
2023年から2024年にかけて、アジア太平洋地域の物流市場は大きく変動しました。
・2023年の物流賃料成長率は7.0%だったが、2024年には0.2%まで急落
・しかし、マレーシアはこの傾向に逆行し、安定した成長を維持
この成長の主な要因は以下の通りです。
- Eコマース市場の拡大:オンラインショッピングの普及により、倉庫需要が増加
- 高品質な産業施設の開発:最新技術を導入した物流センターの整備が進行
- インフラ整備の推進:新たな高速道路や港湾施設の拡充が進む
- 外国企業の投資増加:貿易摩擦の影響で、サプライチェーンの再編が進行
【今後の見通し】物流市場の安定成長
Knight Frank Malaysiaの予測によると、2025年以降も物流市場は安定すると考えられています。
- 企業は既存の物流施設の最適化を進め、供給と需要のバランスが取れる見込み
- 高品質な物流スペースの賃貸需要は引き続き堅調
- 賃貸料の上昇率は最大2%程度と予測
ニュースの見解
マレーシアの産業・物流不動産市場は、海外不動産投資家にとって注目すべき市場となる可能性があります。
なぜ今、マレーシアの物流不動産が狙い目なのか
- シンガポールと比較してコスト優位性がある
マレーシアの産業用不動産価格はシンガポールの約3分の1から2分の1程度であり、成長ポテンシャルが高い。 - 外資企業の進出増加
米中貿易摩擦の影響で、多国籍企業がマレーシアへ製造・物流拠点を移行中。 - 政府の産業投資支援
インフラ整備や外国企業誘致のための税制優遇政策が拡大している。 - クアラルンプール圏の物流ハブ化
東南アジア全域への物流拠点として、グレーター・クアラルンプールの価値が向上。
日本人投資家にとってのポイント
- キャピタルゲインの可能性:物流不動産の価格上昇が期待できる
- インカムゲインの安定性:企業向け長期リースによる安定収益が見込める
- シンガポールとの連携強化:RTSリンク(2026年開通予定)により、輸送効率が向上
マレーシアの物流市場は、成長と安定が見込まれる投資先のひとつです。海外不動産投資を検討する際には、今後の市場動向に注目する価値があるでしょう。