「海外不動産の物件ってどうやって選べば良いの?」
「海外不動産の投資物件を選ぶ際に重視するポイントはどこですか?」
今回は、海外不動産の選び方、とくに購入する海外不動産の物件の選びについて丁寧に解説します。
海外不動産物件選びの手順
海外不動産の物件を選ぶ際の手順は、大まかに説明すると
- 投資したい国を選ぶ
- 投資したい国の物件を取り扱う不動産会社・不動産エージェントを選ぶ
- 投資したい国の物件情報を集める
- 投資したい国の物件を選ぶ
- 契約
- 入金
- 所有権の獲得
- 運用する(自己利用・賃貸付け・民泊運用)
という形になります。
大きく3つの「選ぶタイミング」があります。
- 投資したい国を選ぶ
- 投資したい国の物件を取り扱う不動産会社・不動産エージェントを選ぶ
- 投資したい国の物件を選ぶ
です。
投資したい国を選ぶ
海外不動産投資は「国選び」からスタートします。今後の成長性・将来性を人口、GDP、都市計画、地下鉄や空港、物価、不動産価格の推移などから)投資したい国を選ぶことになります。
基本的には
海外不動産投資は、利回りなどのインカムゲインよりも、成長性重視のキャピタルゲインを狙って、投資をする方が多いです。※すべてではなく、「インカムゲイン狙い」「税金対策」「実需(移住)」という投資家もいます。
キャピタルゲインなどを狙うのであれば、物件よりも、その国の成長性の方が重要であり、その国の成長性が高ければ、自然とどの物件を購入しても、同様の成長、つまり、キャピタルゲインが狙えるのです。
投資したい国の物件を取り扱う不動産会社・不動産エージェントを選ぶ
投資したい国が決まったら、不動産を選ぶのですが、方法には以下のようなものがあります。
- 物件がある現地のディベロッパー(外国企業)から購入する
- 物件がある現地の不動産会社(外国企業)から購入する
- 日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で、外国の現地在住のディベロッパーから購入する
- 日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で、外国の現地在住の不動産会社から購入する
です。
英語が堪能な方であれば、直接、現地のディベロッパーや不動産会社と連絡を取って、不動産を購入することができます。連絡方法も、海外の不動産ポータルサイト(SUUMOやHOME’Sのような現地のサイト)で調べたうえで、連絡すれば、すぐに電話がかかってきます。
ただ、この方法は、英語が堪能でないと厳しい方法です。What’s upのようなメッセージアプリだけのやり取りであれば、google翻訳で対応できなくはないのですが、電話か買ってきたり、不動産の契約・送金なども内容を理解して、対応しなければならない、間違えやウソがあれば見破らなければならないのですから、ビジネスレベルの英語が話せないと、ここでだまされてしまうリスクがあるのです。
そこまでの英語レベルではないという方の場合は「日本人スタッフがいる不動産エージェント経由で購入する」という形になります。
ここで重要になるのが「不動産エージェント選び」です。
- 丁寧かつ迅速な対応
- 実績の多さ
- 情報量の多さ
- 誠実な手数料設定
- 嘘のないシミュレーション提示
などのポイントで、信頼できる不動産エージェントを選ぶ必要があります。
投資したい国の物件を選ぶ
最後に、やっと物件選びです。
不動産エージェント、現地の不動産会社、現地のディベロッパーから提案された不動産(オフプラン・プレビルド問わず)を比較検討して、最終的に購入する物件を選ぶ必要があります。
今回は「投資したい国の物件を選ぶ」について丁寧に解説します。
海外不動産物件の選び方
1.投資目的を明確にする
海外不動産でも物件選びは「目的」が重要です。
- 完全に投資だけで、キャピタルゲインを重視するのか?
- 完全に投資だけで、インカムゲインを重視するのか?
- 税金対策のための購入なのか?
- 将来の移住を見据えた購入なのか?
- すぐの移住を目的とした購入なのか?
- 上記の組泡なのか?
です。
投資目的を明確にしておかないと、いろいろな魅力的な物件を見せられた時に、判断がブレてしまいます。
とくに
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
- 税金対策
を目的とする場合には、どのくらいのリターンを想定しているのか?も、見当をつけておく必要があります。
例えば
- キャピタルゲイン → 利回り10%は欲しい
- インカムゲイン → 10年で3倍を狙いたい
- 税金対策 → 今の所得税負担を毎年、100万円は軽くしたい
などです。
具体的な数字の目標設定があれば、物件の比較検討がしやすくなります。また、無理だと分かった場合には、目標値を調整しやすいのです。
2.予算を明確にする
海外不動産投資では
- 移住する方 → ローンで借りられる
- 移住しない方 → 日本国内に所有不動産があれば、日本の金融機関の不動産担保ローンが使える
- 上記のどちらでもない方 → 現金購入のみになる(オフプランは完成までの分割払いが可能)
という形がほとんどです。
移住しないとなると、分割なのか?一括なのか?は別として、まとまった資金が必要になります。
「いくらまでなら出せるのか?」あらかじめ、予算を明確にしておく必要があります。
予算が明確であれば、不動産エージェントも、予算内でおすすめの物件を提案してくれるはずです。
3.エリアを選ぶ
日本国内でも
資産価値が落ちにくいエリア(六本木、麻布、恵比寿・・・)に投資するのであれば、利回りは3%~4%前後という低利回りになるかわりに、資産価値は落ちにくく、将来的な値上がりも見込めることになります。
一方で、千葉、埼玉、神奈川のエリアにすれば、利回りは6%~10%と高くなる反面、空室リスクが出てきて、資産価値も不安定になってしまいます。
完全な地方である、静岡、茨城、栃木などのエリアにすれば、利回りは10%~30%と高利回りになる反面、大きな空室リスクを抱えます。資産価値の安定は期待できずに、売却しにくいデメリットが出てきます。
これは、海外でも同じなのです。
- 超一等地 → 利回りは3%~4%。資産価値はほぼ落ちない。超高額な価格帯
- 都心部 → 利回りは5%~6%。資産価値はほぼ落ちない。高額な価格帯
- 都心部周辺 → 利回りは7%~10%。資産価値はやや不安定。安価な価格帯
- 地方 → 利回りは10%~30%。資産価値はかなり不安定。超安価な価格帯
「あなたが海外不動産に投資をする目的は何なのか?」によって選ぶエリアが変わってきます。
海外不動産エージェントは「日本でいうと六本木です」「日本でいうと新宿です」という表現でわかりやすく、現地のエリアを紹介してくれます。そこでイメージしても良いですが、鵜呑みにするのはやめましょう。
4.ディベロッパーを選ぶ
日本人であれば、ディベロッパーの違いが大きな不動産価値の違いにつながることは、なんとなくでもわかるかと思います。
- 三井不動産なのか?
- 三菱地所なのか?
- 住友不動産なのか?
- 野村不動産なのか?
- 森ビルなのか?
- 長谷工コーポレーションなのか?
- 聞いたこともない中小ディベロッパーなのか?
海外でも同様に
- シェア1位の不動産ディベロッパー
- トップ10に入る不動産ディベロッパー
- 新興の不動産ディベロッパー
という違いがあります。
シェア1位の不動産ディベロッパーのメリットデメリット
メリット
- 安心して依頼できる
- 完成期日を守るケースが多い
- 大手だからこそ、取得できる好立地の物件が多い
- サポートが心強い
- 支払い方法に選択肢が多い
デメリット
- 同じ平米数でも高くなる
トップ10に入る不動産ディベロッパーのメリットデメリット
メリット
- ある程度、安心して依頼できる
- 完成期日を守るケースが多い
- 大手だからこそ、取得できる好立地の物件が多い
デメリット
- トップ企業よりは安くなる
新興の不動産ディベロッパーのメリットデメリット
メリット
- 相場より安い(キャピタルゲインが狙いやすい)
- なんらかの特徴があるケースが多い
デメリット
- 完成期日が守らないケースがある
- 倒産リスクがある
- サポートが手薄
- 支払い方法に選択肢が少ない
ディベロッパー選びは、その国ではじめて不動産を持つのであれば、トップ10内のディベロッパーがおすすめです。2件目、3件目となれて来たら、転売益が出しやすい新興の不動産ディベロッパーも選択肢になります。
5.物件を選ぶ
ここまで来て、やっと物件選びです。
- 家具のありなし(家具付きなのか?家具なし(トイレ・キッチンなどがあるのか?)全くのスケルトンか?)
- 平米数
- 階数
- 部屋の位置(ビュー)
- 間取り
- 販売価格
- 物件以外にかかる費用(駐車場代や管理費など)
- 支払い方法
- 支払いタイミング
- どのタイミングで売却が可能か?
- 完成時期
- 利用できるサービス
- 利用できる施設
- 立地(主要ランドマークとの距離)
などをチェックします。
とくに「家具のあり・なし」「物件以外にかかる費用」は、予算に大きく影響を与えるため、その内容も含めて、詳細をチェックしておく必要があります。
また、転売を前提で考えている方は「どのタイミングで売却が可能か?」も重要です。「50%以上の支払いが終わったら売却可能」というようなルールを設けている国やディベロッパーがあるからです。
海外不動産物件選びの注意点
現地に行ってから購入しよう!
海外不動産投資では、海外不動産エージェントの言われるがままに、現地に行かずに買ってしまう方も少なくありません。
しかし、「日本でいうと六本木ですよ。」と言われていても、実際に行ってみると、印象が大きく違うケースも少なくありません。
- 現地での人の様子
- 現地での街の様子
- 現地での交通の様子
- 現地での仕事・労働者の様子
などを把握したうえで、最終の購入決定をしないと、正確なジャッジはできないのです。
できれば、1週間程度は滞在して、その国の雰囲気を感じ取ってから決めると良いでしょう。
自分でデータを調べよう!
一番怖いのは「海外不動産エージェント、海外の不動産会社、海外のディベロッパーの言っていることを鵜呑みにすること」です。
- 「投資利回り12%が期待できますよ。」
- 「5年で2倍は固いですよ。」
と言われたとしても、実際にそうなる保証はありません。
自分で
- 賃貸相場を調べる → 利回りがわかる
- 過去の不動産価格推移を調べる → ある程度の物件の値上がりがわかる
のですから、労を惜しまず、調べるべきです。
どうしても、「もう1部屋しか残っていません。」とか言われてしまうと、「買わなければ」という気持ちになってしまい、調査がおろそかになってしまいますが、「自分で調べる」ことが非常に重要です。
調べたうえで
- 海外不動産エージェント、海外の不動産会社、海外のディベロッパーの言っていることと合致している
- 海外不動産エージェント、海外の不動産会社、海外のディベロッパーに不明点を丁寧に回答してもらう
ことで、はじめて購入というフェーズに移るべきです。