ウズベキスタン不動産投資に欠かせない要素である「新タシュケント計画」について丁寧に解説します。

「新タシュケント計画」の概要

出展:KUN.UZ

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は、国営企業「TashkentboshplanLITI」を訪問し、2045年までのタシケント市のマスタープランのプロジェクトを発表しました。

その時のコメントは

「タシュケントは私たちの偉大な首都であり、私たちの国最大の都市です。5年間で、私たちは投資と起業家のための条件を整え、新しい住宅と近代的な施設が建設されました。将来のことを考えて戦略を明確にしないと、10年後には街で暮らすのは難しいでしょう。インフラは追加の人口圧力に耐えられません。今、私たちには間違いを犯すわけにはいきません。人々のために作られるべき快適性を考慮してこのプロジェクトを作らなければ、この都市には建築も経済もエコロジーも存在しないだろう」

というものでした。

発表時点(2022年10月18日)で、タシュケントの面積は、43,000ヘクタール、人口は約300万人です。インフラの負荷が増加し、交通渋滞、交通の困難さなどの要因から

首都タシュケントの都市イメージを維持しながら、将来的は都市の外に新しい都市の建設を行う

という課題が設定されました。

これが「新タシュケント」です。

現在、タシケント市には 7,000ヘクタールの緑地があると報告されており、将来的には首都の緑地を25,000ヘクタールに増やすことが計画されています。大きな環状道路の周囲に「グリーンベルト」を形成し、市内を通る運河沿いにテーマパークを整備する計画です。

タシュケントマスタープラン2045

タシュケントマスタープラン2045とは

  • タシュケントの発展のための戦略のこと

を意味します。新タシュケント計画は、マスタープランに含まれるものです。

「TashkentboshplanLITI」は、開発ルールを策定するための会社であり、市内のさまざまなエリアの建物の階数、人口密度、景観、公共交通機関、駐車場、社会サービスの開発を行います。

タシュケントマスタープラン2045の概要

  • 6,000ヘクタールの面積
  • 100万人の居住

第一段階

  • 6万人を収容する集合住宅
  • 30の学校
  • 20の幼稚園
  • 総合診療病院
  • 5つのかかりつけ診療所
  • 新ウズベキスタン大学
  • 国立図書館の新館
  • 劇場
  • 美術学校
  • 貿易およびサービス施設

が建設される予定です。

  • 公共交通機関は電気バスのみ、
  • 歩行者や自転車が自由に移動できる快適な環境を
  • 10万台分の地下駐車場
  • チルチク川とカラス川に 14本の近代的なトンネルと7本の橋
  • すべての電気、通信ネットワーク、ガス、水道管は地中に埋設
  • 発電し秋と冬に建物を暖め、夏に冷房するトリジェネレーションステーション
  • 節水技術により水の消費量が2分の1に削減
  • 廃水は最新の技術に基づいて処理され、灌漑や技術目的に使用

新しい都市は、革新的なテクノロジーに基づいて 20万人の高収入の雇用を創出します。このために、新しいテクノロジーパーク、ITパーク、教育および医療クラスターが創設されます。

市内に2つの大きな中心地を作る

一つは、既存のタシュケント
一つは、新タシュケント

タシュケント環状道路(THAY)沿いの緑地帯の延長となる独自の緑地帯を備えた4つの小規模センターと5つの開発地域を作る

地下鉄の「チロンゾー」駅や「ブユク・イパク・ヨリ」駅、あるいは首都ユヌサバド地区にあるショッピング複合施設「ユニバーサム」などがその中心地となります。現在、これらの地域のインフラへの負担は非常に大きくなっているため、この負担を軽減し、これらの場所で地区住民に平等なサービスを提供するために、5 つの開発方向のそれぞれにこのような小規模センターを4つ設置することが提案されています。

公共交通機関・地下鉄の整備

公共交通機関の発展なしに大気の質を改善することは不可能であるため、市の人口の95%が最寄りの公共交通機関の駅まで15分以内に到着できるようにネットワークを拡張することが計画されています。公共交通機関として注目されているのが地下鉄です。

計画されている地下鉄路線の建設完了のほか、「ロハト」サークルから「ニュー・ウズベキスタン」公園までの10キロメートルのモノレール、高速バス専用レーン100キロメートルの建設を想定しています。路面電車の建設と28カ所の駅の建設も予定されています。

「グリーンコンセプト」

既存の緑地帯の気温が、植生のまばらな地域や街路よりも5度低いことを発見しました。タシュケントを横断する5つの運河に沿った市内の5つの緑の大動脈を特定しました。幹線道路の堤防が美化され、苗木が植えられています。さらに長さ130キロメートルの「緑の輪」が植えられる予定です。基本計画を作成する際には、公共ビーチが作られる予定です。

「新タシュケント」と「ニューシティ」の都市。

041年までにタシュケントの人口は現在の296万人から515万人に増加します。マスタープラン草案では、首都東部のチルチク川とカラス川の間に「新タシュケント」市が設立されることが想定されている。面積は20,000ヘクタールです。しかし、2045 年までに開発が予定されているのは 6,000 ヘクタールだけです。ここに50万人分の住宅が建設される予定です。

「新タシュケント計画」の計画

立地

新タシュケントは、首都のタシュケント東部、チルチク川とカラス川の間に建設される予定です。

規模

  • 計画全体
    • 19,720ヘクタール
  • 第一段階
    • 2,500ヘクタール
    • 10万人の住民の居住を想定
    • アッパー チルチク地区とオルタ チルチク地区

予算

第1段階:地方予算の追加財源から400億スム

都市計画会社

Cross Works(英国企業)

出展:gazeta.uz
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コンペによって、英国企業の「Cross Works」が大統領により選定されました。

新タシケント都市開発管理会社の責任者であるダヴロンジョン・オディロフ氏によると選定理由は

「大統領からは、『自然と密接に関わり、伝統を大切にし、地域社会と国民の距離を縮め、豊かな都市を築きたい』との指示があり、最も適切な提案を選びました。生態学者と専門家は全員、選択された地域について肯定的な意見を述べました。」

同氏によると、英国に本拠を置くデザイン会社クロスワークスが提案したプロジェクトが選ばれたのは、新しい都市の特徴と現在のタシケントをうまく組み合わせたからとのことです。

「既存のタシケントとの統合は大きな問題でした。確かに私たちはそれを新タシケントと呼んでいますが、これは「古いタシケントも刷新するものでなければなりません。一つのプロセスで、両方が一つの血、一つの動脈になるべきです。 古い都市と新しい都市は建設されるべきです。私たちの大統領は、それらが別々の都市のままであることを意図しませんでした。大統領の目標は、 新しい都市における新しいアイデア、新しいエネルギー、新しい熱意を、古い都市にも適用させることです。

プランの概要

緑・自然を重視したプラン

ダヴロンジョン・オディロフ氏によると

「世界基準によれば、一人当たりの緑地面積は8~10平方メートル未満であってはなりません。現在、私たちは新都市の一人当たりの緑面積を20~30平方メートルと想定しています。この指標により、新市は田園都市となります。」昔のタシケントと比較すると、タシケントの緑度指数は国際基準よりもはるかに高く、総人口は12~13平方メートルの緑地を持つことになります。」

「つまり、市内のどこからでも歩いて20~25分でビーチに行くことができます。あらゆる種類の日常サービス、スポーツ場、スポーツ施設が提供されるビーチでは、文化的なレクリエーションを気軽に楽しみ、健康を回復することができます。」

「構想の主な考え方の一つは、人々が徒歩15分以内、つまり1,200メートル以内に社会施設(学校、幼稚園、診療所、文化レクリエーションセンター、公園など)を配置することです。つまり、日常生活で満たされるニーズが徒歩圏内にあることを想定しています。」

「まずタシケントの交通モデルが作成されました。これはマクロモデルと呼ばれます。グレート・シルクロード駅とドストリク駅の2つの地下鉄路線が新都市に接続します。新都市へは地下鉄で30~35分で行けるようになるため、車で来る必要はないものとなっています。」

「新しいタシケントは「スマート」で「田園都市」であるはずです。行政センターには州庁舎、新ウズベキスタン大学、図書館、歴史博物館、文化宮殿が位置しています。市内にはビジネス地区、イノベーション地区、教育、医療、観光の集積地も設けられる予定です。

420ヘクタールの敷地内に中央公園、人工運河と湖、チルチク川とカラスフ川沿いの公園が造成され、人々がリラックスできる平和な環境が整備される。「タシケントのグリーンベルト」プロジェクトはここから始まります。

また、古いタシケントに接続する単一のトラムと地下鉄のネットワークを新タシケントに構築する計画があります。」

建設開始時期

  • 地下インフラの設計作業は終了済み
  • 地下インフラの工事も開始済み
  • 第一段階がいつまでかは不明。プロジェクト自体は、2045年を目指したもの

ウズベキスタン不動産「新タシュケント計画」の現状

まだまだ、都市計画会社が決まったばかり、という状況です。

コンペで勝ち取ったプランはあるものの、実務的にはまだまだ変更はあるものと考えられます。

大統領としては

  • 既存のタシュケントのインフラが限界に達する
  • 最新技術を利用した新都市が必要
  • 新タシュケントは、現在のタシュケントと合わせて機能強化したい
  • 自然や緑があふれ場、文化的な生活を意図している
  • 新都市で国内外の投資を呼び込みたい

などの意図があるように見受けられます。

ウズベキスタン不動産投資を考えると、当然、この新タシュケント計画は、頭に入れておくべきものであり、とくに「どこが交通の接続拠点になるのか?」「新タシュケントの中心はどこなのか?」「新タシュケントの中心地の開発プロジェクトはいつ発表されるか?」などの情報には、アンテナを張っておくと良いかと思います。

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